はい。稚拙な文章ですが雰囲気で読んでください。
誤字脱字には気をつけてるのですが見つけたら報告お願いします
―続き
芙二「……気配が強まったな」
瑞鳳(東第三)「? 東第一泊地の提督? 何か言った?」
芙二「ん、これから忙しくなるなって」
北上(東第三)「そうだよねぇ……ところで東第一泊地の提督さんさ?」
芙二「これから俺は芙二でいい。ここの提督ではないからな」
瑞鳳(東第三)「でも東第一泊地で提督をやってるのでしょ?」
北上(東第三)「じゃあ、やっぱり芙二提督でいいじゃん」
芙二「勝手にどうぞ」
そして芙二達は食堂へ到着する。
扉はすでに開いており、誰かいるようだ。しかし明かりはついておらず、誰かが閉め忘れたのだろうか。
瑞鳳(東第三)「ねぇ! 芙二提督! 早くご飯ちょうだい!!」
芙二「そうだな、温め直すわ」
瑞鳳の声と共に芙二は食堂内へ入る時、奥から声が聞こえる。
??「あれ? 瑞鳳さんもいるんですか? 聞いてないですねぇ……」
そしてスタスタとこちらに向かって歩く音が聞こえる。
北上(東第三)「! 芙二提督、ちょっとごめん! 電気つける!」ダッ
何かを感じ取った北上は芙二に断りを入れると照明をつけるためのスイッチの方へ向かって走る。
??「おやおやぁ……北上さんもいるじゃないですか」カチン
芙二「(カチン?)」
こちらへ向かってくる人物は歩くのを辞めると北上もいるではないかと笑いながら言った。そして何かを入れる音が小さく聞こえた。
北上は照明のスイッチを押したようで、食堂内が明るくなる。
しかし、その時に芙二と瑞鳳、北上は見てしまう。
深海吹雪「……」ニィ
瑞鳳(東第三)「嘘っ! どうして……深海棲艦が!?」
深海棲艦となった吹雪を見た瑞鳳は腰を抜かしてその場に座り込む。
北上はその人物を知っているようで恨めしそうに吐き捨てる
北上(東第三)「吹雪ィ……!!!」
“吹雪“と北上は言った。そして大淀が言っていた20人の中の一人という事を知る。
芙二「吹雪? 演習で見た姿とは全く違う……つまり、本気という事か」
深海吹雪「本気ですか? こんなので、本気なわけないではないですから!!!!」
本気かと問われるも、違うと大きな声で叫ぶ。
そして砲をしまうとこちらを睨みつけていう
深海吹雪「……このままだと死にますよ。まぁ先に2人を殺しますが」
そう言われて、ビクリと肩を震わせる瑞鳳。
北上は凡そ察しがついていたようで、諦めの表情で吹雪を見つめた後話しかける。
北上(東第三)「……やるんなら、大井っちと一緒にしてよね」
深海吹雪「嫌です。あぁ……分かりました。目の前で大井さんを弄びながら殺しますね」
拒否され、そして動かない友人を弄んでから殺すと笑ってう吹雪にキレ、殴りかかる
北上(東第三)「は? そんなことさせる訳が___」ダッ
芙二「ダメだ!! 北上!!」
罠だと確信し、静止を呼びかけるも遅かったようだ。
北上(東第三)「ないでしょ!!【ベコ、メキメキ】……え?」ヒュン
深海吹雪「……うっせぇな。黙っていてください、負け犬は」
飛び掛かった北上に対して瞬時に艤装を展開し、砲撃を繰り出す。
零距離での砲撃は北上の腹部を捉える事はなく、左脇腹を抉っていった。
北上(東第三)「……ガハッ……!? な、にが」ヒンシ
吹き飛ばされ、テーブルを破壊して倒れ込む。本人には何が起きているか分からないようだ。しかし、吹雪は舌打ちをしていた。
深海吹雪「ちっ……心臓に一撃としたかったんだけど……最悪ですね」
瑞鳳(東第三)「……吹雪ちゃん!? 何してるの!? 」
深海吹雪「見て分からないのですか? あぁその方がいいですね」ガコン
瑞鳳(東第三)「ひっ……」ジワー
次弾装填を済ませる、吹雪。その砲先は北上ではなく、瑞鳳を捉えていた
芙二「……北上、生きているか」
先に攻撃を諸に受けた北上の安否を案ずる。
北上(東第三)「……なん、とかね。でも、この傷は長くはない」ヒュー……ヒュー
北上からの返事は来たので吹雪と瑞鳳のやり取りを無視して近づき、血と焼けた肉の臭いをする服を捲る。
芙二「見ればわかる。あーあ、肌も焼けちゃって。こりゃあ残るよ? それにとりあえず、傷は防ぐね」
北上(東第三)「というか、なん……勝手に、、セク……ゴホっ」ヒュー……ヒュー
芙二「今は騒ぐなよ。傷に障るぞ……っとこれでおけ。どうだ、立てそうか?」
北上の傷を塞ぎ、手を差し伸べる。芙二の手を取り、ゆっくりと立ち上がる。
おそるおそる抉られた左脇腹を探る。
北上(東第三)「……あれ、ほんとだ。痛くない。芙二提督は何者……?」
深海吹雪「どこにでもいる、ただの提督だが?」
北上(東第三)「嘘でしょ……」
深海吹雪「なっ!? バケツでも持ち歩いているのか!?」
芙二「おう、持ち歩いているぞ(大嘘)」
深海吹雪「……やはり、お前から殺してやる」
そういって掴みかかりにくる吹雪に対して、淡々と告げ対処する
芙二「ふぅ。お前は一度、寝てろ」ガシ
深海吹雪「!? 頭を……放せ!!」
頭を掴まれ、動揺する吹雪。芙二を殴る蹴るも一向に手は離れない。
芙二「分かった。そのまま寝てろ」
深海吹雪「!? な、何をして……」
―ドゴォ!!
深海吹雪「ぷぎゃ!?」
芙二はそのまま吹雪を地面に叩きつけて無理矢理気絶させる。そして手を放す。
深海吹雪「……」
芙二「……良し、気絶したな。瑞鳳、すまないが北上に肩を貸してやってくれ」サッ
瑞鳳(東第三)「あ、うん。北上さん、大丈夫?」
北上(東第三)「……あ、うん」
瑞鳳は芙二の指示通り北上に肩を貸す。
北上(東第三)「……」
瑞鳳(東第三)「……」
二人は恐らく同じことを思っているのだろう。
北上、瑞鳳(東第三)「「(鬼だ……艦娘にやることじゃない……)」」
芙二「さて、一度戻ろうか」
北上、瑞鳳(東第三)「「あ、うん」」
こうして芙二たちは一度、今起きたことを伝えるべく医務室へ行くのだった。
―医務室
神城「あのすまないんだが1ついいか」
八崎「はい。どうかしました?」
神城「俺は捕まるのか」
八崎「どうでしょう。私もこの事態を報告すべきか思い悩んでます。私達も目をつけられているので、泊地が危険に晒されたら守り切れませんから……ここは慎重に行きます」
神城「芙二提督殿も同じ__「いえ、あの方は……」なんだ?」
神城の言葉を遮って、話すも途中で言い淀む八崎に対して疑問を浮かべる。
八崎「……いえ。失礼……おや、誰か来ますね」
神城「え? 歩く音は聞こえないが……」
八崎「いえ、こちらに向かってきてますよ」
神城「何が見えてるんだ……?」ブルッ
何かが見えている八崎に神城は震えていた。亡霊でもいるのではないか、と思ったからだ。しかし八崎のいう事は的を得ていた事になる。
芙二「八崎さん? いる?」コンコン
神城「!!」
さっきまでなんの音もしなかったせいで突然鳴りだすノックする音にビビる神城。
それもそのはず。ものの十数分前、食堂へ向かったはずの芙二達が帰ってきたからだ。
そして八崎は初めから分かっていたような態度で会話をしている。
八崎「いますよ。何がありました?」
芙二「今さっき深海棲艦となった吹雪と会敵しました」
そして芙二の口から驚くべきことを聞く羽目になる。
神城「!? なんだと、深海棲艦だと!? それは本当か!?」
北上(東第三)「そうだよー……あたしが不覚をとっちゃってねー……イタタ」
神城「北上! 負傷したのか!?」
瑞鳳(東第三)「提督―! そんな事はいいから、開けて!!」
声を張り上げて“開けて”といわれてゆっくりと扉が開いて行く。
神城「お、おぅ」キィー
芙二「やっと開いたな。入らせてもらう」
スタスタと芙二たちが入っていく。皆が室内に入り込むと八崎は扉を閉じて鍵を閉める。
瑞鳳(東第三)「北上さんを寝かせて……と」
北上(東第三)「ごめんね、瑞鳳……」
瑞鳳(東第三)「いえ、気にしないでくださいっ」
北上(東第三)「はは、なんだか眠く……なってきちゃった」
芙二「大丈夫だ、北上。安心して寝ていろ。全てが終わったら大井も起きているだろうから」
北上(東第三)「そうさせてもらうよっ……」
ベッドで横になると北上はゆっくりと瞼を落とし、眠りにつく。
さっきまで元気だった(?)北上がここまでなるとは余程の事があったと察して神城は芙二に問う
神城「何があったのか、簡潔にお願いする」
芙二「そうだな。食堂に行ったら吹雪が居たんだが、姿も艤装も深海棲艦特有のものになっていた」
神城「深海棲艦の特有……? あの禍々しいオーラを放つ艤装の事か? それとも生物の形をそのまま映したグロテスクな艤装か?」
芙二「少なくとも吹雪は、前者だ。神城提督殿が言ってるのは姫や鬼だろう。しかし容赦がない。仲間である北上や瑞鳳の事を殺そうとしてくるほどだ」
神城「それは本当か? 瑞鳳」
瑞鳳(東第三)「本当です。あの時は芙二提督が助けてくれなかったら死んでました」
神城「なるほどな……」
芙二「そして、吹雪の言い口からするとまだ仲間がいるようです」
神城「まさか、リストアップした奴ら全員……」
芙二「その可能性は大いにあります」
神城の顔からサーっと血の気が引いて行くのが分かる。
神城「……不味いな。深海化してない
芙二「そういうことになってしまったので、許可を頂きたい」
神城「きょ、許可? 一体何をするつもりだ?」
芙二「荒療治の、です。ですが、殺意持った相手には殺意で返すしかないと思います」
神城「……無理だ。人間の力では勝てない。仮に芙二提督殿の所の艦娘を入れても勝てないだろう」
芙二「確かに。そうかもしれません。でも、放置していたら神城提督殿も正常な艦娘も死んでしまいます。どうか、容赦を」
神城「ぐっ……確かに俺が許可したが……ええい! こんな状態にさせた俺に責任があるな。荒療治の件、芙二提督殿……彼女たちをお願いします」フカブカ
深々と頭を下げる神城。“にこり”と笑みを浮かべ快諾する
芙二「任されました。八崎さん、俺が出たら最大限まで警戒して。あぁでも疲れそうだったらこれ飲んで」
そういって緑色の小瓶を3つ渡す。
八崎は小瓶の中身を問う。すると芙二は笑って答える
芙二「元気が出る薬とだけ。これ飲めば、実質回復し続ける。あぁ肩代わりとかそういうのじゃないから。安心して飲んでね」
八崎「了解です。危機にさらされる前に飲みますね」
芙二「それと神城提督殿にも。どうぞ。致命傷を受ける前に飲んでください」
神城「おぉ……ありがとう。これ回復し続けるって麻薬とかじゃない? 怪しいんだけど」
芙二「まぁ飲まなくても大丈夫ですよ。その場合は、最悪死を覚悟してください」
神城「分かったよ! ありがたく、貰っとくよ!」
芙二「さて、大丈夫かな」
八崎「芙二提督殿はこれからどうするのですか?」
芙二「んー結解貼って干渉させないようにして、そっから吹雪を見に行く。あぁでも俺が意識を失うと解けちゃうからその時は八崎さん、時間稼ぎをしてね」
八崎「分かりました」
神城「え」
芙二「さてと、とっとと貼るわ」
芙二は医務室を四角い箱と捉えてその箱に覆いかぶせるように結界を張る。
今のレベルだと精々、3~4回くらいしか攻撃は耐えれないだろうがそもそも中にいるものは触れる事も見る事も出来ない為、何もないだろうと思っていた。
芙二「さてと。俺は行きますよっと」ガチャ
ドアノブに手を掛ける。すると瑞鳳がこちらに向かってくる
瑞鳳(東第三)「芙二提督! 私もついて行ってもいい?」
芙二「ダメだ。空母の君が夜、出たら格好の的だ。だから北上を見ていて欲しい」
瑞鳳(東第三)「……はい。えっとじゃぁ死なないでね。祥鳳姉ぇも他に眠ってる人も助けてよ……」
芙二「大丈夫。死にはしない、俺は帰ったらやる事があるからな」
瑞鳳(東第三)「それは?」
芙二「 屑共 の 処刑 」ニコ
瑞鳳に聞かれて嗤いながら“処刑“と言い切る。
神城「!!」ゾッ
その笑みを見て神城は顔を引きつらせる。それを見て八崎は芙二に問いかける
八崎「芙二提督殿、怒ってます?」
芙二「まさか……色々試せると思うと、ね」ニィ
神城「芙二提督殿は……どうして勝てない戦闘にそんな、命を賭けるのです?」
芙二「え? まぁやってみなきゃわからんでしょ? 対深海棲艦戦も、対艦娘戦も体感できるのなら後の為に、ね?」
神城「芙二提督は本当に人間……?」
芙二「勿論、
八崎「……ご武運を」
瑞鳳(東第三)「(今、人間って言った?)」
神城「ひぃ……今のは……?」ガクガク
瑞鳳(東第三)「考えたくないけど、吹雪ちゃんだよ」ブルブル
八崎「(芙二提督殿、そろそろ19:45頃になりますよ。やはり、これは一筋縄ではいかないようですね)」
―少し戻って食堂
深海吹雪「うあぁ……? な、何が……」ムク
深海吹雪「……頭が痛い? ズキ……あ」
芙二に気絶させられた吹雪は目を覚まし、頭を撫でる。
そしてすべてを思い出すと“ブルブル”と震えだしその辺にあったテーブルや椅子を力任せに破壊する。メキ、バキっと音を鳴らしてそれらはガラクタに成り下がる。
深海吹雪「あぁ……あの時っ」ワナワナ
深海吹雪「! じ、時間は……は?」プチン
吹雪の怒りが頂点に達した。なんと、時間を過ぎていた。時計の指す針で分かる時間は19時42分。
切り込むという、大事な役割に12分も遅れていたのだ。
そしてその憎悪は怨嗟の声となり、食堂を通して建物全体を軋ませるように放たれる
深海吹雪「あ゛あ゛ああ゛あ゛ああ゛あ゛ああ゛あ゛あ!!!!!!!」
深海吹雪「に、人間……人間ンンンン!!!! 確実に殺してやるッ!!!!」
吠える。獣が吠える。怨念に飲まれた形しか残らない獣が今、
そしてただただ、駆ける。
―戻って 芙二パート
芙二「……荒療治の為に来てみれば……はぁ」スタスタ
深い溜息を吐く。何故なら吹雪に対して能力を使って見つけようとするも何故か、掛からないことに疑問を抱いていた。
芙二「何故だ? なぜ掛からない……もしかして」
別の何かへ変化したのでは、と思い調べ直そうとする時だった。
―バキバキ……メキリ、メキリ……ベキッ、ベキッ……―
何かを壊す音が聞こえたのだ。しかも……―
芙二「段々と近づいてきてやがる……しかもこの感じは……」
物を破壊する音と怨念と瘴気の気配は段々とこちらに迫ってきていた。
芙二「……これの元が艦娘……? はは、馬鹿言っちゃあいけねぇ。どう考えてもこれは……」
芙二が言い終わる時、それは姿を見せる。普通の深海棲艦でも纏わせないような濃密な瘴気を纏って。赤い目をこちらに向ける。
深海吹雪「ぁはあ……見ィ、ツ、ケ たぁ !!! あぁ……アァアぁ!!!」
芙二「……これはどう見ても
芙二が怪異と言ったのは正確には吹雪であるが、さっき食堂で見たあの吹雪とは似ても似つかぬ容姿であった。
それはおぞましい雰囲気をしているも二足歩行は変わっていないようで、ただ所々黒い靄に包まれていて全ては分からないといった感じだった。
先ほどからの破壊音の正体は異様な形をした砲から繰り出されるモノだったかもしれない。
それは重巡クラスに匹敵する大きさ程だが中口径のそれではないだろう。そして極めつけは駄々洩れの濃密な瘴気。
あれに触れれば、生者であれば精神も肉体も蝕まれかねない。
こんなやつ、叢雲達で相手なんか出来っこないと判断する芙二はとりあえず、距離を取る事にする。
芙二「……っと。これは距離を取ろう」
吹雪から2~3メートル距離を取った後に気づく。なにかブツブツと呟くように吐いてるが聞き取れない
芙二「……(これは、外へ行った方がいいな)」
そう思った芙二は廊下の窓を蹴破り外へ向かう。
芙二に逃げられたと思った吹雪は“逃げるなァァァァ!!!!”と吠え、自身の持つ砲で
壁ごと粉砕して後を追うのだった。
― 艦娘の寮 ??の部屋(少し遡ります)
深海吹雪『あ゛あ゛ああ゛あ゛ああ゛あ゛ああ゛あ゛!!!!』
雷(東第三)「!? な、なにが起こってるの!?」
蒼龍(東第三)「これは……深海棲艦なの?」
サラ(東第三)「恨みの籠った声ですね……提督は大丈夫でしょうか」
島風(東第三)「うわぁぁぁん!! 怖いよぉぉ~!!」ビエェェェン
妙高(東第三)「島風ちゃん……大丈夫よ(……今のは吹雪ちゃんかしら?)」ヨシヨシ
怒りに狂ったような声を聞いて皆が怯えている時、突然扉がノックされる。
??「あの、すみません……ここを開けては頂けないでしょうか」コンコン
蒼龍(東第三)「!? そ、その声は涼月ちゃん……?!」
涼月(?)「あ、はいィィ……今、確認に回っていて……だからァァ……開けて」コンコンコンコン
サラ(東第三)「は、はい! 今開けま「サラトガさんダメ!! 開けちゃあ!!」 え? なぜです??」
サラトガが扉へ近づくとき、蒼龍がダメだと静止を呼びかけ反射的に反応を返し、ドアノブまで後数メートルの所で止まった。
すると、反対側にいた涼月と名乗る人物からの応答が無くなり、部屋は蒼龍達の声だけが良く、聞こえていた。
涼月(?)「……」シン
蒼龍(東第三)「私達が知っている涼月ちゃんは既に……」
その顔は恐怖に怯えているかのようであり、よく見ると青ざめて冷や汗が流れていた。
そのことからサラトガは凡その察しがついてしまう。
サラ(東第三)「既に? まさか、死んでいるのですか!?」
蒼龍(東第三)「違わ……いやそうだよ。姉や妹が処刑されるのを見て先に狂って吞まれたんだから……」
先に“狂って吞まれた”というその言葉は昼間、長門から聞かされたここであった惨劇の被害者だろうか。
いや被害者なのかもしれないが……
扉の反対側にいるとされる涼月を名乗る人物にはなんら応答はない。そのことに異常性を感じ始める。
涼月(?)「……」
サラ(東第三)「じゃぁ、扉の向こうにいる彼女は……」
青い顔をして、異常と言えるほど汗が出る。息も荒くなり過呼吸気味となる。雷は落ち着いてと声をかける。
それもあって落ち着きを取り戻していくサラトガ。
そして蒼龍が話し始める。
蒼龍(東第三)「例えるなら
妙高(東第三)「? 何か聞こえた?」
何か聞こえたようで言い止まる蒼龍。そんな蒼龍を見て首を傾げる雷
そして妙高が島風を撫でていると……
―バゴン!!!!
爆音と共にドアが吹き飛んだ。そしてドアが無くなったため涼月を名乗る人物は入ってきたのだ。しかし一同はなにが起こったのか分からないでいる。
しかし煙が晴れると一同は絶句する。それは今まで確認したことのない姿だったのだ。
涼月(?)「……怖がらないでェ? シにたくなかったらァァ……」
抑揚のない声で話しかけ、雷の額に異様な主砲の先を突きつけると同時にガコンと装填する音が聞こえる。
雷(東第三)「え」
あまりの事に咄嗟に対応できずにいると……
涼月(?)「こうなるからぁァァ? 」ガチン
何かのストッパーが外れる音が響く。そして……
――バァン!!!
砲撃される。ほとんど、零距離で行われたので避ける事も防御することもできずにただただ撃たれ、そのまま壁まで吹き飛ぶ。
周囲は呆気にとられるも涼月を名乗る人物だけはクスクスと笑っていた。
涼月(?)「あれェ? コンナに弱かったッ?? 」
蒼龍(東第三)「「雷ちゃん!!!」」
雷(東第三)「……」
部屋の中に雷を心配する声が響く。しかし当の本人からは反応がない。
先ほどまで泣いていた島風ですら、啞然としている。遠くからだがよく見えるのだ。
頭から血を流して口は閉じ、目は半開きで虚ろな格好をしている雷の姿が。
それは島風の心に大きな傷を与えたのだ。
島風(東第三)「~~~~!!!!」
声にならない悲鳴を叫ぶとあまりの出来事に気絶した。
妙高は島風の方を向こうとするとき、涼月(?)が手を叩く。
涼月(?)「さて、ついてきてほしいのですが……いいでしょうか?」
蒼龍達(東第三)「「……」」
涼月(?)「断れば、どうなるか。分かりますよねェ?」
断れば、容赦ない攻撃をされる。それはもう明白な事実であった。しかしその選択肢は……まだ助かるかも知れない雷を見捨てる事になるのだ。
蒼龍達(東第三)「「……」」
皆、暗い顔をして押し黙ってしまう。数分の間の出来事だったがこれまで強烈な事はあまりなかった為、どうしたらいいか分からなかった。そんな中、蒼龍が口を開く。
蒼龍(東第三)「行こう、皆。生き残るにはそれしかないよ」
雷を見捨てるという選択を無情にも取り、皆に行こうと告げる蒼龍に噛みつくサラトガ
サラ(東第三)「! 蒼龍!! 今なら雷も間に合いま「ならサラトガ、これは先輩として言うよ」なんですか?」
噛みつくサラトガに対して、淡々と言う蒼龍
蒼龍(東第三)「ここは戦場だ。鎮守府の中でも外でも戦場になったらもう、切り替えるしかない。
サラ(東第三)「!! そんな言い方……」
蒼龍に言われたサラトガは目を伏せ、雷の方をジッと見つめているが依然として雷は動かないままであった。その時、妙高が立ち上がりサラトガの方を向き話しかける。
妙高(東第三)「サラトガさん、ここは従いましょう……」
雷を除く、皆が立ち上がり涼月(?)の元へ行こうとすると涼月(?)は後ろを向いてただ一言。
涼月(?)「……ツイてきなサイ」
瀕死な雷を置いて蒼龍たちは涼月(?)に連行されたのであった。
雷(東第三)「……」
―再び 芙二と吹雪の元へ
芙二「……」タッタッタ
後ろを振り向きもせず、ひたすら外へ、外へ走ると同時に海岸を探す。
そこならば、確実に出来るからと思っていたからだ。ふと気がつくと外は暗く、夜目が効かないとすぐに捕まってしまいそうだった。
そして芙二の後方約50mくらいから呻く声が聞こえ、こちらへ向かって暴れながら猛進する音が聞こえる。
もしかしたらまた変化しているかもしれないと思い、一度空へ飛ぶ。その頃には月が出始め、その明かりが二人を照らす。
いやな予想は的中する。芙二が見たその姿は人型ではなく、所々白い何かに覆われた完全な
怨念に囚われた悲しき少女は、皆殺しにするという思いと恨みが人外へと変成させる。
それを見た芙二は一筋縄ではいかないと察し、どうにかして人型へ戻す方法を模索する
芙二「これは一旦元に戻す必要があるな……っとこれはどうしようかな」
そう思いつつ見ていた矢先ケモノが建物の方に向かって砲台のようなモノを構えていた
芙二「!」
辺りを見渡し隠れられそうなモノがあれば、片っ端に破壊していた。
施設も繰り出される砲撃に耐えることなく、壊れていく。
芙二「……これは、施設半壊じゃすまねぇな」
ケモノ「……!! !!」
何かを伝えようとしているのだろうか、その顔は悲痛が滲み出ていた。
芙二「(これはずっと上にいたら施設がぶっ壊されるな)」
そう思い、ケモノの目の前に降り立つ。
ケモノは嬉しそうな、憎そうな表情をしてこちらへ向かってくる
芙二「来いよ、その
目と鼻の先になった時腕が振りかぶるのが見えたので防御の姿勢に入る。
そしてゴチン!!と鈍い音が聞こえ、吹き飛ばされる
芙二「……ぐっ……ァ」
腕を粉砕しようとする一撃は重く、流石の芙二も顔を顰める。
地面に着地する間もなく____次の一撃が入る。鳩尾に深く、内臓を潰さんばかりに。
芙二「……」
言葉も出せず、コンクリートに叩きつけられあまりの衝撃に喀血する。
そしてそれを見て、ケモノはきゃっきゃと喜んでいる様だった。
芙二「……」
ぐったりとして動かない芙二にゆっくりと近づく。
芙二「……(体が動かん。攻撃を受けたからではない、な? それに瘴気が俺の魂を蝕んできてる? あぁ、この瘴気の正体は呪厄か……なら、
ズシン、ズシン、と足音が近づいてくる。
芙二の元へ着くと、足を掴み、上空へ放り投げる。勿論、動けないので投げ飛ばされる。地面に直撃すれば、即死する高さである。しかしこれだけで終わらない。
トドメと言わんばかりに砲先は落下してくる芙二を捉えていた。そして“ドォン!!”という音が聞こえ、砲弾は直撃し肉片となり辺りに
当たるのを見たケモノは、芙二の死体を見ることなく立ち去ろうとする。次の獲物は
ケモノ「オォォォォォオオオ!!!!!」
こちらは終わった、次へ向かうといい咆哮を上げて建物の中へ向かおうとした時だった。
何か物音がし、それがケモノの意識を建物から逸らした。
月が雲に隠れる。辺りは暗くなりつつある
芙二「……ったく。
ケモノ「!!」ボガン、ボガン
自身の身体に固い何かが当たったという感覚だけしか分からなかったが殺したはずの人間が目の前に居て、笑っているのを見ると激昂する。
芙二「……三発も当たってやったんだからよ、これはまだ一撃の内に入んねぇだろ?」
ケモノ「~~~!!!」
何か言ってるのか分からないが芙二の方へ突進してくる。それを見て、芙二は試製深海小口径から盾に切り替えて両腕に装着する。
芙二「(まぁ、軽くなったというよりかは怨念の力を自分のモンとしてるからか)」スッ
自身よりも大きな盾を二つ構え、防御すると思いきや右側の盾を構えて、マトに向かって撃つ。鈍い音が聞こえ、よろける。そしてもう片方の盾で顔目掛けて振り下ろす。
ケモノ「ガァ!?……ギギィ……」フラ
鈍器と化した盾を二発受けたケモノは芙二の目の前にズシリと倒れ込む。
そんなやつにもう一撃加えて、殴り飛ばす。
倒れ込んでいたケモノにはもう、闘う心は折られていたが芙二は気にせず殴り飛ばす。
何度も盾で殴られたケモノは血を吐いて大きな音を立て崩れ落ちる。
しかし芙二の猛攻は止まない。
ガシャン、ガシャンと音を立てて近づく様は息絶え絶えで動くこともままならないケモノにとっては脅威だった。
ケモノ「……」
重く強烈な一撃を数発も貰ってしまったため、心身ともにダメージが蓄積されていき動くこともままならない状況であった。
芙二「……吾の邪魔をするな」ゴゴゴ
ケモノ「……」グルァ
最後の力を振り絞って噛み殺そうと、前足で抑え噛みつこうとする
しかし芙二はそれを許さない。避けて体勢を整えると腹部へ一撃繰り出す。
メキャ、ゴキと音が聞こえるが気にせず、もう一撃。
血を吐いて倒れるケモノに対して芙二は盾を解除し、懐にある黄昏の欠片を取り出す。
芙二「……荒療治の患者第三号だ」
そう呟き、ケモノ及び吹雪の魂を蝕んでいる呪いを先に取り払う。
ケモノ「アアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
甲高い声が辺りに響く。最初はケモノ特有の咆哮に近いものであったが呪いを取り尽くす頃には人間らしい姿と声に戻って来た。
後は怨念のみとなった時、邪魔が入り吹雪を攫われてしまう。
??「……」
芙二「武蔵と木曽か。それも深海棲艦の様に
深海武蔵「……あぁ、なんと言う事だ。こんなにボロボロにされて……貴様か」
深海木曽「おいおい、相手は人間だぞ? 迂闊にも程があるだろ」
深海武蔵「何をしたか、分からんが……木曽、吹雪を連れて去れ。ここは私が殿を務める」
深海木曽「おう、分かった。ここで仕留めるなよ? 生け捕りでもってこいよな」
深海武蔵「……どうだろうな……まぁ早く行け」
深海木曽「了解」
武蔵が木曽にいうと、とっとと吹雪を持って行ってしまう。芙二はまだ、完治出来てないのにと手を伸ばそうとすると武蔵からの砲撃が入る。
深海武蔵「おい、部外者がなんの用だ。貴様、吹雪をよくもぉ……」ギリ
芙二「睨みつけるな。武蔵。姉の大和は__「貴様が大和を語るな!!」死んだのか」
深海武蔵「煩い! 部外者は早く排除してやる!!!」
芙二「俺を捉えてみろ、まぁ無理か」
嘲笑うかのように挑発し、海へ駆ける。
武蔵は血迷ったかと鼻で笑い追いかけるのだった。
ー続く
長くなったお。なんでだろうね。どうしたら纏まるんだろう。
次回もよろしくお願いします。
分けました。