とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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久しぶりです。なんか急に書けなくなって、色々あって戻りました。

いやー急に寒くなったり暑い日があったりと季節の変わり目は嫌ですねーっ

ほんと久しぶりに書いたので読みづらいかもしれませんがよろしくお願いします


二章 39話『東第三鎮守府 after(上)』

―続き 

 

 ー泊地近辺の砂浜

 

 芙二とサラトガは打ちあがったそれらに近づいた。そして芙二は手をかざし、魂を探すももう消滅してしまったようで中身は空だった。失礼と思いながらも芙二は懐からカメラを出し、数枚の写真を撮るのだった。

 そして亡骸に手を合わせようとしている所にサラトガが来て、共に手を合わせた後は死体を陸地まで運び出し埋葬してやるのだった。

 

――――――――

――――――

―――

 

 

 

 ―東第三鎮守府 神城の私室

 

神城「……んん、時間は……」

 

 神城は布団から手を伸ばし、時間を知る為に枕付近を探る。探していたのは自身がもっている携帯端末(スマホ)だ。しかしスマホはすぐに手に当たることがなく、寝ながら布団の中へ落としてしまったのかと思うも神城の意識は徐々に覚醒していく。そして3分ほどした頃思い出したのだ。昨夜寝る前、自分はスマホを机に置いたのだと。

 

 そして布団から這い出て机の方へ、ゆっくりと歩いて行く。やっと、スマホを手に取り電源を入れるも画面は暗いままであった。神城は疑問に思い何度も、電源を入れる。

 

神城「……え、壊れた? マジで!? ちょ、ついてって……!」

 

 そうすること、5分。神城は自身のスマホが壊れてしまったのではないかと冷や冷やしていたが杞憂で終わったのだ。しかし、依然に画面は暗いままである。

 

神城「はぁ……もしかして昨日の事でスマホが壊れた……? 時間分からないから、執務室へ行くかなぁ」

 

 薄暗い部屋の中で呟き、行動しようとした時だった。

 

 ピロン!とスマホから通知音が聞こえた。神城はこれで時間が分かると喜んだのも束の間であった。なぜなら、画面に出された表示は“充電してください”というものだった。

 

神城「充電?! ははぁ……充電切れかぁ……充電するかなぁ」

 

 そう言いながら、コードを探し、電源に接続し充電をし始める。

 神城の目が覚めて、スマホを探して充電が切れているという事実を知るのはたった10分の事であった。そして寝直そうとするも、目が完全に覚めてしまった為に再度寝る事は出来ないと察し、少しだけしょんぼりとしながら洗面台へ向かうのだった。

 

―――――

―――

――

 

 顔も洗い、歯も磨き、髭も剃った。

 いつもやっていることだが今日は初めてやったように感じたのだ。

 そして小さなキッチンへ移動して、蛇口を捻りやかんに水を入れ火にかける。

 

神城「……」

 

 その際、神城は自身の湯呑みと急須を戸棚から取り出し中に茶葉を入れていく。

 やかんが“ピーッ!!”と沸騰の合図を出すまで、一言も発さないでただただ待っていた。

 

 やがて沸騰の合図が聞こえてくると火を消して、やかんをもち急須の中に注いだ。その時に茶葉の匂いが鼻腔を抜けた。そして机に置いてある湯呑みに淡々とお茶を淹れ、急須を置いた。

 

神城「あっつ……」

 

 自分が猫舌ということを忘れていた。淹れたてのお茶は少し冷ましてから飲もう。そう判断したのだった。あったかい湯呑みを机の上に置き、すかさず溜息を吐いた。

 

神城「……これからどうして行こうか」

 

 そう吐いたのは他でもない、これからの艦隊運営の事についてだ。

 祖父から継承した艦隊を全滅と言っていいほど数を減らし、施設も半壊させてしまった。

 

 なによりも大きなことは二つ。

 上記に話した通り、魔女狩りを行って大事な戦力を削いだ事、そして自分も艦娘達も手を汚してしまった事。

 

 しかし前者は芙二提督殿がなんとかすると言っていた。実際に昨日の深夜見た、あの人智を超越していると考えられる力は感服せざるを得なかった。深海棲艦と成った艦娘達(仲間)を一撃で葬れるほどのポテンシャルは畏怖の念すら感じさせる。

 

 絶対に敵対したくはない、と思った。そして芙二提督殿がどう動くかは自分の知る所ではないが、もし公になってしまったら軍上層部というか全世界の偉い人達が大金を支払ってでも芙二提督殿を手に取ろうとするだろう。

 対深海棲艦用の兵器として。それでも手に入らない場合は艦娘達を人質に取って交渉するか。それは絶対にやらない方がいいだろう。

 

 だが知らないから絶対にやる輩も出るだろう、と直感した。まぁその手を使った後はどうなるかは想像にお任せするが。

 

神城「まぁ芙二提督殿の事は信じてみるかな……」

 

 そして一番重要な事は、滝達に命令されてたとはいえ人を殺してしまった。艦娘に人を殺めるように指示を出してしまった。それは許されない、行いだろう。

 

 いずれ罰せられる。罪は償わなければならない。赦されるべく、従事していかなければならないだろう。その間、彼女達を任せられるのは第二の音宮殿か第四の月見殿か。

 

 いや、内情も知っている芙二提督殿の所が一番か。その時が来るまでに全員とはいかないが、サルベージ作戦とやらが上手くいってくれることを祈っていようかなと一人、考えるのだった。

 

 そして温くなったお茶を飲み切ると立ち上がり、時間を確認すべく、立ち上がりスマホの方へ歩いていくのだった。

 

 

―――――――

――――

―――

 

―鎮守府内 遺体安置室として使われていた部屋

 

 

??「……」

 

 神城がお茶を飲み切った時刻と同時刻に目を覚ました者がいた。名前は____。

 彼女は本来、永久に目を覚まさないはずだった。しかし一昨日の夜そうだったはずの事は覆された。

 

 “芙二 凌也”と名乗った声が喧しく起こしに来たのだ。肉体がなく、魂だけの存在になっても鎮守府内に留まり続けた故に彼女はずっと孤独だった。地縛霊と化していたのだ。

 かつての仲間は幽霊となっても現れ続ける事はなかったのに、だ。

 

 一昨日の夜、かなり前に倒れ尽き、幽霊と化した自分の魂すら揺さぶってくるほどの希望(コエ)が聞こえたのだ。

 

 そしてその希望に縋った時、久しぶりに仲間の面影(タマシイ)に触れる事が出来た。

 見る事も触ることも出来なかったのに確認出来て、霊体同士で触れる事も会話することも出来たのだ。

 

 そうしたのも束の間、霊体なのに疲労感が襲ってきて意識を手放したら____()()()()()()()

 昨日は何もしていないのだが食堂へ行ったら()()が置いてあったので聞いて食べて、泣いただけだった。

 久しぶりの料理を食べながら泣いていた。そして同時に出来事を思い返してみてあの声の持ち主と会って話をしてみたい、と思っていた。その願いはすぐに叶うのだが__少女はまだそれを知らない。

 

??「……散歩に行こうかしら」

 

 寝れそうにないので、散歩することに決めたのであった。

 

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―――

 

 

―入渠施設内 ドッグ1

 

 

 一昨日、長門さん達が考えた作戦を実行した。当初の予定だったら、神城(あいつ)の首を完全に切り落として生者(みんな)死者(なかま)に変えていたというのに。

 

 だけども部外者に邪魔されるとは、思わないじゃない。それに私達よりもずっと強い化け物に。 

 タイミングが最悪過ぎた。私達が束になっても拘束すら出来ないなんて、逆に笑えてしまう。

 

瑞鶴(東第三)「あーあ……私達はこれからどうなるのかなー……」

 

 そう考えてしまうのも無理はないだろう。上官を殺そうと考え行動を起こした。普通に殺そうとして起こした作戦を全くの関係ない部外者に完膚なきまでに叩きのめされたのだ。

 

瑞鶴(東第三)「翔鶴姉ぇ……ごめんなさい」

 

 かつていた姉に謝る瑞鶴。その顔には涙が浮かんでいた。上官を殺し損ね、今は罰を待っている状態だ。神城だから甘い罰はないだろうと考え、もし死ぬよりも辛い事だったら嫌だなぁと独りドッグ内で不安がっていた。

 

瑞鶴(東第三)「みんなに合わせる顔がないや」

 

 乾いた笑みを零し、自身の入渠時間が終わるのをただただ待つしかないのだった。

 

 

―――――

――――

――

 

―鎮守府内 中庭

 

神城「……」

 

 

 神城は散歩していた。いや正確には惨状を見て触れて回っていた。

 そして一昨日まで見えてなかった妖精に挨拶をして、修繕の状況を聞いていた。感謝の言葉を言い、妖精たちがいた場所から離れる。

 

神城「はは。妖精さん達は凄いや。本当に……」

 

 せっせと壊れた建物を直していく妖精達を尻目にして工廠の方へ行く。

 だいたいの瓦礫は纏められていたが、それでも血痕は消えていなかった。

 

神城「……」

 

 血痕が付いている場所までいくと、そこに座り込み既に乾いているそれをなぞるように触れた。

 

神城「……ようやく、終わったんだな」

 

 そう呟いた。そしてその場から立とうとするも何故か立てない。疑問に思っていると次はなんでか涙を流し始める。既に乾いている血痕の上に涙が、ぽたぽたと染みを作る。

 

神城「なんで、なんだ? どうして悲しくないのに、涙が止ま……ら、な、いんだ? あ、そ……か」

 

 言い終える頃には、立てない所か涙を止める事すらできなくなるほど顔をしわくちゃにして泣いていた。

 

神城「そうか……俺は失敗したのか」

 

 歯車が狂った時の出来事を昨日の事のように鮮明に覚えていた。自分では自決もできないと思い、自分が提督としての人生を終える為だけに失礼と知りながらも東第一泊地へ乗り込み、芙二提督殿を煽った。大事な仲間である彼女らを道具のように扱った。

 

 彼女らを道具として扱う、非道な役者(キャラ)を演じていたつもりだった。しかし、神城の心は本人の気づかぬ間に段々とすり減っていった。そして仲間を失う痛みも味わった神城だが、正確には狂うことは出来なかった。

 

 長門ですらも少しずつ狂っていった。そして惨い現実を突きつけられた時から一か月後、俺は何故か現実に引き戻された。

 皆だけが狂い、自分は狂うに狂えない地獄が始まったので狂ったキャラも演じた。どうにもならない状態で、どうしようもない状態にさせてしまった自分への非難の声を聞かないようにするためだ。

 

 楽な方へ行ったら、そこには希望(地獄)を作り上げる者がいた。

 

 そいつの言葉を聞くしかないと思いそのままに生きようとしても俺の心は不可能と言っていいほど壊れていた。

 

 今は希望に縋りたい、幸いな事に地獄を作り上げる者は最期まで付き合ってくれるらしい。それなら今は、今だけは____全部吐き出してもいいよな。呟いたと同時に、蹲ったのだった。

 

 ここには明石も妖精もいない。

 吐き出された言葉と共に咽び泣く声は瓦礫だけの工廠に響くのだった。

 

―続く

 




久しぶりに書いたから全然かけんかった。
まぁいいか。ではでは、次回もよろしくお願いします
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