とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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すげぇ久々の投稿。本当に書き方を見失った結果です。なので今回は結構読みにくいかもしれないです。先にお詫び申し上げます

急に寒くなってきて体の調子が優れないのですが、少しずつ書いていきます。


誤字脱字だらけかもですがご了承ください


二章 40話『予兆』

―続き

 

 

 

ー工廠付近にて

 

 遺体安置室にて目が覚めた少女は再び寝れないので外へ散歩しに来ていた。

 一昨日の夜、ここで激しい戦闘が行われたのか見渡した限りだと辺りに壁やガラスの破片、溶けてひしゃげた金属、そして生々しい血の跡が至る所にあった。

 

??「(一昨日はなにがあったのかしら……?)」

 

 そう考えるも深くは考えようとせず、そのまま工廠へ向かって歩いて行った。

 

――――――

――――

―――

 

 ??「? 誰か、泣いているのかしら……」

 

 そう独り言を呟いたのは理由がある。少女は散歩がてらここまで来たのだが、付近では聞こえなかったすすり泣く声が聞こえてきたからだ。

 

 辺りを見渡すも、近くには居ないようですぐ駆けつける事は出来なかった。なのでしばらく探すことになった。

 

??「どこかしら……」

 

 見知った場所なのに何故か分からなかった。

 そしてかつて工廠の中で建造や開発が行われていた方から“グス……グス”とすすり泣く声が聞こえてきたので急いで少女は走っていった。そして泣いている者の正体を知って驚いたのだった。

 

??「そこのあなた――大丈……夫!? え? ……あなたは――――提督?」

 

 ずっと泣き続けていた者は急に聞こえた声にビクっと震え、そして声の方へ顔を向ける。

 そして神城も短い声を出して驚く。何故ならそれはずっと昏睡状態だったはずの五十鈴が目の前に立っているからだ。恐る恐る、確認を取る。

 

神城「五十鈴……なのか?」

五十鈴「えぇ。そうだけど……どうして泣いているのかしら?」

 

 泣いている理由を聞かれると神城はまた顔を曇らせ俯き、沈黙して語らなかった。それを五十鈴はずっと見ていた。

 だが、しばらく続いた沈黙は破られた。それは神城自身が静かに話始めたからである。

 

神城「大した理由じゃないんだ、本当に。半年の事、一昨日の夜の出来事が強烈すぎて……それが全部ひとりの男がひっくり返して……それでその後なんてとても耐えられなくて」

 

 耐えられない、そういうとまたぐずり始める。その様子を見ていて五十鈴は何をどう声を掛けていいか、一切分からなかった。

 

五十鈴「………………」

 

 姉妹が相次いで亡くなり(沈み)ずっとそのショックで昏睡状態に陥ってしまったのだ。その間は前記したとおりずっと独りだった。

 

 仲間が段々と消えていく絶望感、それに無実の罪を着せられて処刑されていく。そんな状態で狂わない方が異常だ、と思わされた。

 

神城「五十鈴は……五十鈴は散歩してきたか? 鎮守府内を、周辺を見て回ったか? それで、もし何か思うことがあるならなんでも言ってもいい」

 

五十鈴「…………」

 

神城「なにもない、か。そりゃそうだよな。ずっと寝ていたから前の記憶もおぼろ気だろうし。こんな状況、見てられないだろうな」

 

五十鈴「そんなことは、ないわ。提督。私は(なんて声を掛ければいいか分からないだけ)………」

 

神城「私は……? なんだい、今ならなんでも聞くよ」

 

五十鈴「それじゃぁ…………構わないかしら?」

神城「ん、いいよ。ある程度は聞こう。異動かい? それとも通報かい?」

 

 いつの間にか神城は泣き止んでいた。

 そして五十鈴が質問したいっていう事に頷き、耳を傾けつつ思考を先回りしようとして内容を探ろうとしていた。

 しかし五十鈴の顔はどんどん険しくなっていった。

 

五十鈴「どれも違うわ」

神城「あれ、違ったのか。それは失礼、話の続きをどうぞ」

 

 

五十鈴「一昨日の夜、物凄い大声を出した声の主に会わせてほしいのだけどそれは可能かしら?」

 

神城「……! (芙二提督殿か……俺も一応、用があるからコンタクトしてみるかな)分からないかな。彼も一応提督だからね。まだ着任してひと月も経ってない新人だから忙しいと思うけど後で聞いてみようか」

 

五十鈴「提督だったのね……それに新人か。ねぇ、提督。ここは当分動かないのよね?」

神城「そうだな。長門達の事もあるし、多方面の事もある。そして何より……おじいt。いや惣五郎殿にも謝罪しなければならない」

 

五十鈴「……私も行ってもいいかしら」

神城「受け継いだ俺が、謝るべきだと思う。歴代の提督達へ申し分が立たない」

 

五十鈴「もしも上に……ましてや元帥の耳に入ったら、バレたらどうなるの!? 貴方は絶対にここを去るしかなくなるわ!」

 

神城「隠す気はないよ、五十鈴。ここは当分の間停止状態にしてもらう様、嘆願書を出してみるよ」

 

五十鈴「今までの事もすべて話すの? 自身や私達の手が汚れたことも?」

神城「いや私の手だけを汚すよ。皆は俺の道具になってもらったというさ。「それじゃあ! 提督だけが! ここで起きた罪を背負う羽目になるじゃない!」いいんだよ。これはこれでケジメなんだ」

 

 

 五十鈴は必死な顔をして神城に話しかけるも当の本人は困った顔を浮かべその顔を見ていた。

 すると段々、五十鈴の目に涙が浮かび上がる。今にも怒って泣き出しそうだと感じた神城は決壊寸前の表情を見て、ちょっとマズイかな。と焦り始める神城だった。

 ふとあの夜、芙二に言われた一言を思い出しほんのちょっとだけ気が楽になるのだった。

 

神城「(閣下もそこまで鬼じゃない、か。どうして芙二提督殿はそんな事を言ったのだろうか)……五十鈴、俺が悪かった。君たちのことが終わるまで居させてもらえるかどうか聞いてみるよ。だから、泣かないで、ね?」

 

五十鈴「………………」ポロポロ

神城「わっ! だから、俺が悪かったからっ」

 

五十鈴「……あなたの事を、考えてたら……ぐすっ……急に姉妹の事が頭によぎって……それでっ!!」

 

神城「………五十鈴」

 

 喪った姉妹の事を思い出し、涙を流す彼女に神城はなんて声を掛ければいいか分からなかった。そして泣き止むまで傍にいたのだった。

 

―――――――――――――

――――――――――

―――――――

 

 

 ―場所は移って…………東第一泊地 芙二の私室

 

 

 芙二の私物であるデジタル時計が表した時間はすでに朝6時になろうとしていた。

 今日は曇り空の為、少しだけ寒い気がした。

 サラトガが隣で寝ているはずだがそれを気にかけ起こさないようにそっと出た。その時に何故か、いつもの温もりがない気がしたので疑問に思うも寝起きの頭にはそんな事まで考えられなかった。

 

 朝の身支度を整えている際、突然頭の中に昨晩見た異常な光景がよぎったが一度それを思考の外に投げ捨てて身支度を済ませるのだった。

 

 そしてサラトガを探すかどうかを考えているとき、ふと昨晩撮った写真が気になったので使ったカメラを探すのだった。

 

芙二「カメラは……っと。ここか」

 

カメラを見つけると手に取り、電源を押す。すると10秒ほどで液晶が光始めメニューが表示された。その中でフォルダを選択し、昨晩の撮った画像を探し始めるのだ。

 

芙二「えっと昨日の晩の写真っと……あった。……どうしてこんな死体が積みあがる羽目になったんだろうか?」

 

 フォルダ内の画像を見て著しく顔を顰める。映っているのは深海棲艦の死体だ。

 その写真の中から数枚ピックアップしてみる。目についたのが深海棲艦の横腹に何者かの噛み跡が残っていたことだ。

 海で頂点に君臨するのはシャチだろうが泊地近海でシャチが生息しているなんて聞いたことがなかった。

 

 ではサメだろうか? 泊地近海でホホジロザメ辺りは生息していそうだがそれでも深海棲艦を襲うのだろうか。

 仮に人間と間違えて襲ったとしよう、サメは躊躇なく砲撃されていそうだ、と考えた。群れで動いているのなら、と思うもそんなに……数十体も必要あったか? と。謎は深まるばかりである。

 

 

 芙二の能力にそういった答えを出すモノはなく、経験測で出すしかないのだが一切分からなかった。ずっと画面を見てウンウン唸っても埒が明かないので取り敢えずパソコン内に移してしまおうと考え行動したのだった。

 

――――――――

――――――

――――

 

 

―寮内 青葉の部屋

 

朝 7時12分。青葉はすでに起きていて芙二達が取り寄せた&設置したであろう椅子に座り、机の上で記事のネタを昨日買ったノートにまとめていた。

 

日記『昨日は色々とあって印象深く残り続ける日だった。司令官の正体が人間でなかったり、海が凍ったり、司令官の家族が来て共に外出、宴会を開いて飲んだり楽しみとてもいい時間を過ごせた』

 

青葉「あっ……纏めようとしたのにいつの間にか日記の一文みたいに……まぁ。いいですよね。ここは宝庫でしょうから」

 

 そう呟くとノートを閉じ、机の上に放置し部屋から出るのだった。

 

青葉「(これは早く記事を書きたいですねぇ……っと。今日、明日も休みですし。司令官に聞きたいことがあるから聞きに行ってもいいかもですね~)」

 

――――――――

――――――

―――――

 

―執務室 現在の時刻は7時20分。

 

芙二は15分前、自身の部屋を出て執務室へ向かった際アビスに出会い昨夜見たものを話した。アビスが見せてほしいというので、見せてみると驚いた顔をしたのだ。

 

 驚いた理由を聞こうとした所、突然鼻がむずむずとしたので大きなくしゃみをした。

 

芙二「へっくしょーーい! ……誰か噂してる? いや仕方ないか」

アビス「芙二、この写真はどこで撮りました?」

 

芙二「昨晩、シェリルさん達を送り出した後にビビっと来たのさ。こう、ね」

アビス「なるほど……」

 

 昨日感じたイメージを手振りで説明するもアビスはアビスで顎に手を当てて考えている様だった。

 

芙二「……これを見てほしい。このヲ級の傷の付き方さ? …………何かおかしくない? 普通の死に方じゃないっていうかさ」

 

アビス「どれどれ……本当ですね。何か、噛みつかれたような跡が所々にあります。それが原因で失血死でもしたのでしょうか?」

 

芙二「さぁ。サメがやったにはなんか違う気がするんだよね。このヲ級は噛み千切られたような感じだけど他のリ級やヘ級、イ級なんかは違うんだよね」

 

 アビスからヲ級の写真を受け取ると今度は別の写真をアビスに手渡した。それを受け取り、見るや否や目をかっぴらいて震え始めた。

 

アビス「……こ、これは……なんですか、この……この死体はッ

 

芙二「ヲ級がマシに見えるだろ? 俺とサラトガが見たんだけど、思わず引いたよ」

アビス「…………気分が悪くなったので今日一日はふらついてきます。所で死体は腐敗してました?」

 

芙二「してない。腐敗はしてないけど、魂が消滅していたから救うことも出来なかった。埋葬はした。敵とか関係ないし」

 

アビス「それでも十分ですよ。もしかしたらこれをやったのは例の存在ですかね」

芙二「そうだと思う。本当だとしたら不味いな、非常に不味い。攻略中に会敵したら勝ち目がない。これは単なる深海棲艦の変死では済まされない気がする。海域というか世界が滅びかねない」

 

アビス「でもサラトガから聞いてほぼ確信したのでしょう?」

 

芙二「だとしても、心のどこかでそうあってほしくないと思っていた。まぁ俺の正体バレてるからどーって事はないんだけど何が起こるか分からないからね。最悪は艦娘も避難させて俺はそれとサシで戦うことになる」

 

アビス「まぁ想定はしておいて損はないでしょう」

芙二「そうそう。それ踏まえてだけど深海棲艦と共に進撃してきたら流石にキツイ。艦娘だけじゃなくてこの地域全域を巻き込みかねない。失敗したら全員死ぬ、と思った方がいい」

 

アビス「……そうならないことを祈ります。では……」

芙二「はいよー。今日は何もないからそのまま休んどきなー?」

 

 元気がなくなったアビスはふらふらと何処かへ飛んでいったのであった。

 

芙二「さて、飯でも作るか……冷葉はーー……いいか。ほっとこ」

 

 そう言い、カメラをズボンのポッケに入れると芙二は食堂へ向かった。朝食を作り終わったら皆にアナウンスを掛けて自身は工廠へ行こうと考えていた。

 

 

――――――

――――

―――

 

寮内 響と敷波の部屋にて

 

 少しだけ時を遡り、現在の時刻は6時34分。響と敷波が寝ている部屋だ。その室内で小さく呻くような声が漏れ出していた。

 

 敷波はすぴーと規則的な寝息を立てていたが響が発していた小さな呻き声は悲鳴に変わり室内を包むほどに響いた。

 その声に驚いて飛び起きる敷波。敵かと思い、辺りを見渡すとルームメイトの響が魘され大きな声で寝言を叫んでいた。

 

 そして次に驚くことが昨日買ったパジャマが汗で滲んでいた為尋常ではない事が分かった。再び響に目をやるとまるで高熱を出したかのように息は荒く、呼吸が乱れていた。

 寝ているだけなのに歯を食いしばって何かに耐えようとしていた。それを見ていられないと思った敷波は誰かを呼びに行こうとしていたのだが…………

 

 

――――――――――――――――

 

<回想>

 

響?『はっはっはっ……逃げないと、逃げないと』

 

 私は逃げていた。でも足と言うかヒレのような感じだったがそんなことに構ってはいられなかった。

 何から逃げているのかは説明不要だろう。後ろにいるあの未知の怪物からだ。

 

怪物『…………GruuaaaaaaAAAA!!!!』

 

 また吼えた。

 仲間をあんなに食らっておいてまだ足りないというのか。

 どれだけ食べるんだ。急に行動が鈍くなった。満腹で動けないだろうか、いや違う! あれは…………マズイ、避けないと。死んでしまう

 

 

怪物『…………天獄:■■■■■■』

 

目の前が白く染まった。鋭い痛み、身体を無理矢理引き裂かれる痛み。痛みを声に出して和らげようとし、目を見開いた時自分の身体を見て心の中で悲鳴を上げた。

 

怪物『…………死ね』

 

 怪物が何かを言い放ち、意識は落ちた。そして事の発端はなんだったんだろうかと薄れゆく意識の中で考えた時、ハッと思い出したのだがもう遅い。

 

――――――――

―――――

―――

 

 ――それは突然の出来事だった。

 その日は月が出てそよ風が吹き、波は静かだった。だがヲ級たちが哨戒していた海域で惨劇は起きた。今思うとそれは嵐の前の静けさというものだったのかもしれない。

 

??『…………』

 

 海上に見慣れない生物がいたので近づいたのだ。そしてその生物はヲ級たちの姿を見るや否や“Gurrrr……aaaaAAAAA!!”と咆哮を上げ、こちらへ向かってこようとしているのがすぐわかった。と同時にあの声はダメだ。すべてを恨んでいるとそんな気がした。

 

 そんな気がした手前、聞いてしまうと途端に動けなくなる。

 そうなるとどうなるかは想像がつくだろう。

 

イ級『…………』ブルブル

 

 怯んだ仲間をその大きな手で捉え、無慈悲にも握りつぶして口の中へ放り込んだ。

 ベキベキと言う硬い装甲とぐちゃりと中身の砕ける音が波の音に混じって聞こえる。その音がただ従うだけだった私達の意識を無理矢理叩き起こしたのだろう。

 そこからは地獄だった。

 

ヲ級『くっ…………なんだ、あのバケモノは!!』

 

 空母が突然起こった出来事を見て叫んだ。私達はあの空母達に従って隊列を組んで移動していたのだろうと真っ先に理解できた。

 

 だがその列はめちゃくちゃに乱れ、皆蜘蛛の子を散らすように逃げていた。アレは敵わないと本能で感じた様だったからだ。それでも私は動けなかった。

 

 空母達の命令で艦娘を殺せという命令はあったがどうもあれは規格外な気がした。どうみても、この世の生物ではないから。そして私以外の仲間(イ級)達は真っ先に逃げているのを見て別のが空母に向かって叫んだ。

 

リ級『なっ! ヲ級様、イ級達が逃亡しようとしてます!』

ヲ級『くっ! 仕方ない! ル級達、砲撃をーーーーえ?』

 

 リ級やヲ級に指示を出そうとした時だった、ヲ級は宙を舞っていた。

 正確にはヲ級の上半身だけが宙を舞っていた。下半身は力なく、臓物を零しながら倒れた。

 

怪物『GarAAAAA…………!!!!』

 

リ級『…………ヲ級様!? く、こいつ……ッ』

ル級『……撃て!! 出来るだけ時間をーーーー』

 

 旗艦を殺されたリ級やル級は混乱状態に陥った。そして逃げればいいのに砲撃を開始したのだ。こうして全滅への火蓋は落とされた。

 

 夜間時の戦闘でマトに照明を当てていないと命中率は落ちるという当たり前の事すら考える暇はなくなっていた。

 砲撃は一発も的に当たる事もなく終わりリ級たちは切羽詰まった表情に変わった。そしてそんな彼女らを見て、楽しそうに笑って次の砲撃の催促をするような行動をする怪物。

 

 

 

怪物『m s s m s s(もっと、もっと)!! 』

響?『(何をいってるんだ…………? でも、逃げないと…………)』ガクガク

 

 混乱するリ級たちを見ていたイ級(響?)はそう考えていたが足が震えて動けそうにない

 そしてとうとう怪物が動き始めた。自分達よりも大きな身体がとても考えられない速度で動くのだ。

 

響?『!?』

 

そして一度見失うと仲間たちの断末魔が聞こえてきたのだ。生まれて初めて感じた生命の危機は凄まじいものであった。

 

響?『……』ブルブル

 

 恐ろしくて動けなくなっていると身体を突かれたので目だけを動かすとそこには少女がいた。

 

怪物『I  t゛x u e(逃 が さ な い)』ニコ

響?『?』

 

 急に笑みを浮かべながら何か言ってきたのでこれで終わりかあるいは見逃されると思ったらそうではなかった。

 

 

響?『!!……ガァッ……ギィッ!?』

 

 いきなり鈍痛がしたので痛みの方へ目を向けると少女の手がイ級()の身体を貫いていた。青色の血がどくどくと流れた。事が理解できず混乱していると、今度は殴り飛ばされた。

 ばしゃばしゃと海面を跳ねて行く。

 

 そして何か大きい物が落ちた音と共に巨大な水柱が上がったと思えば先ほどの少女の姿はなく角の生えた怪物が居た。

 私は恐怖で動けなかった。それでも“逃げないと”そう強く思ったのだ。

 

 そう思ったのも束の間、怪物が目の前まで詰めてきていた。そして私の身体を――――

 

 

――――――――

――――――

――――

 

響「はっ!!」ガバ

敷波「……だ、大丈夫? 凄い魘されていたけど」

 

響「…………いや大丈夫」

 

 敷波が心配し、聞かれるも響は痩せ我慢して何もなかったかのように起き上がり布団を持ち上げようと掴むも手はガクガクと震えて上手くできなかった。

 それを見た敷波はオロオロとした表情をして声を掛けた。

 

敷波「明石さんか司令官に相談した方がいいんじゃないかなって思ったんだけど……」

 

 でも響はこう返した。

 

響「敷波、私は大丈夫。でも汗をかいてしまったからドッグへ行ってくるよ」

敷波「あ、うん。行ってらっしゃい…………」

 

響は酷く疲れた顔をしながら敷波にドッグへ行くと告げ、去ろうとしていた。

反面、敷波は響にばれないように相談しようとしていた。

 

敷波「(余計なお節介かも知んないけどさ…………相談した方がいいよね?)…………ぇ?」

 

 敷波は見た。響の背後に形容し難い何か悍ましいモノが見え隠れしていたのだ。

 自身、建造されてまだ海へ出て深海棲艦()と対峙していないがそれでも直感で分かった。

 

 そしてバタンという音で現実に戻された。響が去り、部屋は静かになった。背後に居た何かについて信じて貰えないだろうが司令官に話そうと思うのだった。

 

――――――――

―――――

―――

 

 時間は流れ、現在10時29分。朝食のアナウンスも済ませ、PCへデータを移し今は先ほど執務室を訪れた冷葉と共に考察している最中であった。

 

冷葉「これやばくないか…………?」

芙二「かなりやばい」

 

冷葉「深海棲艦があんなになってんだろ? 艦娘も人間も確実に殺されるのは想像し易いよな…………もしかして場所は分かるのか?」

 

芙二「南西諸島海域、だと思う。潮の流れは調べたから間違いない。違うっていう可能性もあるけど、90%でそこからだ」

 

冷葉「嘘だろ? 今すぐにでも攻略は止めておこう。落ち着くまで、は…………」

芙二「それがいいかもしれない。一応、閣下にも報告しておこうと思う」

 

冷葉「これからか?」

芙二「もちろん。早い方がいいってことだから俺は閣下…………いや大鳳さんの方がいいか。連絡して伝えてくる」

 

冷葉「今日は滅多にない休日なんだろ?」

芙二「まぁそういう日もあるさ。ちょっと俺は部屋に戻る」

 

“あ、おい”と冷葉が声を掛けるも芙二はカメラを持って部屋に行き執務室に残った冷葉は“あいつが動いて俺だけ、休めないじゃん”と呟くのだった。

 

―続く

 




書くスピードが落ちてきたような気がします。
少しずつあげていきたいですねぇ。


では、次回もよろしくお願いします
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