とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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自分の癖を捻じ込んだら4時間書いたものがボツになったふじこれです。

泣けます。迷走しました。すみません

誤字脱字だらけかもしれないけどお願いします


二章 42話『東第三鎮守府 after(下)』

―続き

 

 

 

 

 冷葉に出かける旨を伝え、予め用意しておいた昼食のレシピを渡すと頷き艦娘達と作ろうと楽しそうに息巻いていた。羨ましいなこんちくしょう。

 さて、自分の部屋に戻り施錠せずにおく。理由はサラトガが戻るかもしれないからだ。そう言っても明日は引っ越しがあるだろうから居られるのは今日までだろうが。あー人の温もりが恋しくなる―…………

 

芙二「さて、行くかな」

 

 そういうと移動をした。指定する場所は東第三鎮守府の玄関だ。あの夜が始まる前、潮に砲撃された思い出の場所だ。まぁ瞬殺だったが。

 

―――――――――

―――――

―――

 

―東第三鎮守府 玄関

 

芙二「よし、到着。例によって全部消してきたから誰にもバレる事は――…………「え」(おっと、最速のフラグ回収じゃないか?)ん?」

 

 

 背後から驚いたような声が聞こえた。

 バレることはないと高を括っていたのがまずかったらしい。

 だが、声の方へ向くとそれは知り合いであった。

 

 それでもその知り合いは恐怖一色の様だが。

 

??「き、ききき、急に…………人が現れた…………」ガタガタ

芙二「君は――……蒼龍か。元気かい」

 

蒼龍「え、なんで私の名前を――って東第一泊地の芙二提督!? どうしてここに――」

芙二「え? あ、神城殿に呼ばれてね。至急来てほしいって。予定よりも3時間早いけどまぁいいでしょ」

 

蒼龍「えっと、一昨日はどうもっありがとうございましたっ」

 

 たははと笑う芙二を見て蒼龍はいきなりビシっと90度に腰を折って感謝してきた。

 それを見て芙二は驚いて顔を上げるようにいう。それでも蒼龍は感謝の意を延々と述べ始めたので無理矢理起こす。ちょっとだけ納得のいかない様子だったがすぐに機嫌が戻った様だった。

 

蒼龍「感謝しきれないのに…………」

芙二「まぁーうん。それくらいでいいよ。君達はこれからなんだから」

 

蒼龍「これから、ですよね。これから何十年もかけて皆を取り戻すんでしたっけ」

芙二「そうそう。俺も首を突っ込んだ訳だから全力でサポートさせてもらうよ」

 

蒼龍「ありがとうございます! また戻れる日が来るなんて――夢の様です」

 

芙二「そうだね、それはまさに夢のような出来事だろうね。(谷部と滝とかいう2人は絶対に許さないがな)まぁ最後までしっかりやらせてもらうから大船に乗ったつもりでいい」

 

蒼龍「…………! はい! 所で、芙二提督は本当に――」

芙二「人間ではないのかって? あぁそうとも。俺は人間ではないって言ったら信じる」

 

蒼龍「信じます」

芙二「即決かよ。――まぁ事実だけど。どうせ、バレるから言っちゃうけどこの世界の人間じゃないんだよね」

 

蒼龍「というと? あぁでもあんなものを見せられたら信じるしかないです」

芙二「……だよね。あれを出す気はなかったんだよ。だってリミッター解除なんかして全力投球してごらんよ。鎮守府一帯灰燼に帰すよ。とはいえ、長門はあれくらいじゃないといけなかったからね」

 

蒼龍「長門さんは――」

芙二「まぁその辺の事は君達に丸投げするから。部外者の俺がどーこーできるのはサルベージ作戦と怨み辛みの蓄積による深海化状態の解呪くらい」

 

蒼龍「それでも凄い気がするんだけど」

芙二「記憶は消せないし、消させない。背負って生きていくのが贖罪というものなんじゃないかって思ってる」

 

蒼龍「分かってます。飛龍は――いえ、みんなの思い出があんなのでいいはずがない」

 

芙二「そうだ、と決めつける資格は俺にはないからな。蒼龍達が決める問題だ。先に進むための手助けはしてやれるがなっといけねぇ。執務室へ行かなくちゃならないんだ。蒼龍、来るかい」

 

蒼龍「いえ、遠慮しておきます。食堂へ行って料理を作らないとなので」

芙二「お、そうかい。じゃあ、また後でな」

 

蒼龍「はい。また後で」

 

 そういうと蒼龍は建物の中に入っていった。

 玄関にいたのは単なる偶然だろう。

 

 まぁ神城達に知られるのは時間の問題だろうし。

 それに蒼龍が吹聴するとも思えなかった。

 

芙二「さぁて、また移動していこうかな」

 

 そういうと玄関から中へ向かうのではなく直接、その場から執務室前に向かうのだった。

 

 

―――――――

――――

―――

 

 時刻は13時10分。

 執務室の中には何故か身構えてる神城と雑務をこなす大淀の姿があった。

 

大淀「提督? どうして身構えているんですか」

神城「いや、これから芙二提督殿が来るんだろう? 言い方が悪いが彼は神出鬼没な気がしてならないんだ。だからこう――――いつ来てもいいようにだね」

 

大淀「普通に来ると思いますよ。というか、呼んだのは提督自身でしょう? 身構えるのはおかしいと思いますが」

神城「そ、それもそうか。身構えるのは止めておこう」

 

大淀「我々は普通にしていればいいと思います。何故、芙二提督殿を呼んだのか理由をお聞きしてもいいですか?」

 

神城「それは彼に会いたいと頼んできた者がいたからだよ。彼も明日までは休みと聞いたがそれ以降は難しいと思ったから嘘を吐いて至急来てもらったわけだ」

 

大淀「なるほど。私もいていいですか? 芙二提督殿には色々と言いたいことがあるので」

神城「構わない」

 

大淀「そうですか。では、お茶の準備をしますね。その頼んだ人は一人ですか? 名前を聞いてもいいですか?」

 

神城「名前は――――(コンコン)誰だろう。はーい、空いてるよー」

 

芙二「失礼します。東第一泊地の芙二です。予定の時刻よりも幾分か早いですが急を要するということなのでその辺は勘弁していただきたく――ってなんでそんな顔してるんですか」

 

 礼儀正しく、正面から入ったのだがまずかっただろうか。目の前の神城と大淀があんぐりさせているからだ。

 

 確かに芙二は執務室内にあるであろう空き箱から手品の如く現れたかったが目論見を看破されていたので普通にノックして入っただけだ。

 

 それなのに意外といった顔をされた。

 無言の時間が30秒ほど流れたのだが流石に芙二も苦笑いをして本題へ行ったのだが一度やってみたかった事を実行することにした。

 

 

芙二「ん゛ん゛…………患者はどこですか? 早めに診ないと命に関わるかもしれないですから…………さぁ!」

 

神城「あ、いやその」

芙二「さぁ! ミスター! 患者はどこですか! 私は殺してでも患者を救います! 案内してください!」

 

 苦笑いしていた時の微妙な雰囲気とは一変して燃え盛る炎の様な剣幕に若干押される神城と大淀だった。

 

芙二は“さぁ! 早く! 私をその急を要する患者の元へ! 案内してください!!”と段々と迫力を増していく。神城は冷や汗を掻き始めつつなんとか答えようとしていた。

 

 大淀は大淀で静かに二人と距離を取りつつ、お茶を入れるべく戸棚へ向かったのだった。

 

神城「(大淀のやつ気配を消しやがった――――)…………あの」

芙二「仕方ないですね!! 時間が惜しい! 妖精さ――…………「ねぇ、声が外に漏れてるわよ」ん?!」

 

神城「い、五十鈴……」

芙二「五十鈴?」

 

神城「そ、そうだ。そして申し訳ないのだが急を要する艦娘はいないのだ」

芙二「それはなんとなく察してましたので、お気になさらず。それと俺からも一つ謝罪を。悪乗りが過ぎました。申し訳ございません」

 

神城「そ、そうか。怒ったのかと思ったよ」

大淀「私も思いました。あ、そこのソファーへおかけください」

 

芙二「分かりました。では、失礼します」

 

 大淀から座るように言われたので断ってからソファーに腰を掛ける。そして扉側に居た五十鈴もこちらへ寄ってきて神城の隣に座った。

 芙二の方を向くと立ち上がり、一礼して話始めた。

 

五十鈴「初めまして、長良型軽巡の二番艦の五十鈴よ。今日は私が提督に無理を言って呼ばせてもらったの。どうしても芙二提督に会っておきたくて」

 

 丁寧に自己紹介をしてもらったので五十鈴が座ったのを見計らって立ち上がり一礼、そして自己紹介を始めた。

 

 

芙二「こちらこそ初めまして。聞いての通り、東第一泊地の芙二です。えっと俺に何か用? サルベージ作戦について、それとも?」

 

 話終わるとソファーに再び座り直す。

 すると五十鈴が話始めた。

 

五十鈴「一昨日の夜の事だけど…………どうやって蘇生を行ったの? 私もそうだけど他の子たちも……もう助からないと分かっていたはずでしょ?」

 

芙二「それは単純さ、五十鈴さんや。俺が蘇生の仕方を知っていたから。俺は神様じゃないけどあるものが残り続ければ、蘇生は容易いのさ」

 

五十鈴「あるもの? それは命かしら」

 

芙二「当たりだ。厳密には命というか魂かな。ほら、死んだ魂は49日かけてなんか修業だかするって言ってるじゃん? だから死んですぐには成仏しないのさ。魂は残り続ける。肉体と魂の二つの要素があれば蘇生は――」

 

大淀「簡単、ということですか」

芙二「そうそう」

 

大淀「でもそれが出来るという事は、芙二提督殿は人間ではないですよね」

芙二「勿論。(あ、やべいずれバレるとかじゃなくて今バレたわ……えぇいままよ!)俺は人間ではないよ。深海棲艦の仲間でも…………ないかな」

 

神城「やはり人間じゃなかったか。でも潮から聞いたのですが芙二提督殿は禍々しい盾のようなものを使うと、それは誰が作ったのですか? まさかそちらの明石? それとも芙二提督殿自身が作られたのですか?」

 

芙二「あーえっと作ってくれたのはアビス達(妖精さん)ですね、はい。この世界で採取困難な素材を持ってきて作ってもらいました。そしてそれらを扱えるのは俺だけです」

 

神城「妖精さんが艦娘の艤装以外に作る……? いやまぁ修繕や修理なら聞いたことあるけど」

大淀「そうですね。それ以外は聞いたことないです」

 

芙二「まぁそういう妖精さんもいるってことで。他には何かあります?」

五十鈴「もう一ついいかしら?」

 

芙二「五十鈴さん、どうぞ」

五十鈴「五十鈴さんじゃなくて、五十鈴で構わないわ。芙二提督。サルベージ作戦とは何を行うの?」

 

芙二「分かった。五十鈴の質問に答えよう。サルベージ作戦とは沈没船を引き上げるって事なんだけど、実際に沈んだ船を引き上げる際にも命名されるんじゃないかな。まぁ今回は轟沈した艦娘を引き上げるんだけどね」

 

五十鈴「そんな事が可能なの…………? 49日どころか半年前なのに…………とっくに命はないはずよ」

 

芙二「いやそうとも言い切れない。実際に五十鈴たちはもう二度と目を覚まさないはずだったんだろう? ある意味ではもうとっくに死んでいる。それでも今、蘇生されただろう?」

 

五十鈴「という事は、深海棲艦になっているということ……? それか幽霊?」

芙二「いや前者だと思う。艦娘は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということが分かった、から」

 

大淀「な!? そんな情報(もの)はどこでッ」

 

 芙二が今回を通して長門達と戦闘し怨結晶を抽出した際、偶然分かったことだった。

 だが、実際に長門達は死んでいない。妹や姉は轟沈したが彼女らは轟沈していない。

 

 ならば、どうして深海化したのかは仮説を立ててみよう。肉体が死ぬのでなく恨み、憎しみを持って精神(ココロ)が死んだ際、何らかのエネルギーが生じ肉体や精神を再構築したのではないか、ということだ。

 

 まぁ仮説だからあまり当てにして欲しくない事だが、大淀が噛みつく。

 大淀自身も深海化しかけていたから、どこか思う所があったのだろう。

 

神城「まぁまぁ、そんなにがっつかなくても」

 

大淀「だって、艦娘が何もない状態で急に深海化し深海棲艦となる、という未知の状態異常のメカニズムを紐解けそうなのですよ!?」

 

芙二「大淀さん…………落ち着いてください」

大淀「はっ! し、失礼しました。あ、あの芙二提督殿。教えてはいただけないでしょうか」

 

芙二「仮説ですがいいですか?」

大淀「はい! それでも構いません。あ、ちょっと待ってください。メモの準備をするので」

 

大淀「あ、はい」

 

 そういうと大淀はソファーから立ち上がり自分の部屋に戻っていったのだ。

 しばらく帰ってこない事を察した芙二が2人に質問を投げかける。

 

五十鈴「私はいいわ。提督からは何かないの?」

神城「そうだなぁ。芙二提督殿があの夜に見せたのをもう一度見せてほしい、と言ったら見せてくれるだろうか」

 

芙二「お、ぉけ。予め人払いを済ませておこう。場所は工廠でいいかな」

 

 神城の質問について芙二は即決した。そして応用させて、芙二が許可した者以外は見る事も聞くことも出来ないといった内容の結界を張り巡らせる。

 

 干渉してやってもいいのだがそれだとなんだかつまらない、ということを知った芙二の遊び心(?)というやつだ。新しい事を覚えたらすぐアウトプットすることも重要だろうしと内心はニヤついていた。

 

 大淀が来るまでの間、3人は雑談をして時間を過ごすのだった。

 

――――――――

――――――

―――

 

 

 

 大淀は自室に戻ると机に置いてあるメモ帖を見つけると乱暴に取り、バタバタと廊下を走って執務室まで走り抜けるのだった。

 

―執務室

 

大淀「お待たせしましたぁ!!」バァン

 

神城「おぅ!?」

芙二「わぁ。走って来たんだねぇ。息を整えて」

 

五十鈴「大淀さん大丈夫?」

大淀「はぁ、ふぅ。はぁ、はぁ…………」

 

芙二「俺はすぐ帰らないから大丈夫」

大淀「し、失礼しました」

 

芙二「落ち着いたら席についてね。仮説を話し始めるから」

大淀「はぁ……はぁ。了解です…………」

 

~5分後~

 

大淀「お待たせしました。芙二提督殿、お願いします」

芙二「はいよ」

 

 大淀が落ち着いたら芙二は話し始める。

 まぁ前記したとおりの事を言いながら質疑応答していったんだけど。

 

大淀「精神(ココロ)ですか」

芙二「そうそう。逆に心を強く持てば、いいって思ったけど現実はそう甘くないんだよね」

 

大淀「そうですよね。私はあの時、絶望しましたから。それで死亡判定を受けあのような姿に変えたのだとしたら…………」

五十鈴「話の途中悪いのだけどいいかしら。それでどうやって戻すの?」

 

芙二「五十鈴たちで深海棲艦を撃破したら俺は片っ端に魂から怨念を取り除く。その時に泡と消えたら違うって事。それでも形になったら誰か、だと思う」

 

五十鈴「つまり、芙二提督がいなければ意味がないって事ね?」

芙二「そういうこと。サルベージ作戦を行うにあたってはうちの艦隊と合同で行うかも、って思ってくれればいいよ。勿論、俺だけって事もあるし」

 

神城「その時はしっかり報連相しましょうね。芙二提督殿」

芙二「応とも」

 

大淀「芙二提督殿、ありがとうございます。この仮説と共にさらに考察していきます。では、先に失礼します。提督、五十鈴さん。また後で」

 

神城「了解。また後で」

五十鈴「えぇ、大淀さん。また後で」

 

 大淀は用が済んだのか、メモ帖を片手に持ちニコニコした顔でお礼を告げると執務室を後にした。残る用事は芙二の艤装というか装備を見せる事。

 

 あのフルプレートならすぐに出せるが…………いや辞めだ、とくだらないことを考えた芙二は内面、黒い笑みを浮かべ神城達を工廠へ行こうと言ったのだった。その時、神城と五十鈴は全く持って気がついていない。

 

 

 

―――――――――――――

―――――――――

―――――

 

 

 

 

―工廠

 

芙二「さて、どうしようか。神城提督殿。どれがいい」

神城「宣言した時のもので。あの姿を覚えておきたい」

 

芙二「あの姿かー…………残念だけど今はできそうにないんだよねぇ」

神城「そうか、それは残念だ。では、なんなら出せそうです?」

 

芙二「あ、1個ありました。まだ試作段階ですけど。それでもいいのなら」

神城「あぁ、構わないよ」

 

芙二「では、失礼。…………とその前にこのままだと2人が死んでしまうので先に張らせていただきます」

 

神城、五十鈴「「?」」

 

 死んでしまうとはどういうことだろうか。見せようとしているのが試作段階だから危険ということだろうか。クエスチョンマークを頭に浮かべていると2人と工廠全体を覆うようにドーム状の何かが展開されていった。

 

芙二「では、少しお目汚しを失礼します…………ぐぅ……アァァ! …………ガァッ! ……ゴポッ…………」

 

 そういうと芙二は苦しみだした。痛みに苦しむような悲鳴を上げて苦悶の表情をしていく。そして目、鼻、口、からだらだらと尋常ではない量の血を流し始めた。その行動は普通の人ならトラウマ確定というもの。

 やがて、べちゃりと血だまりの中に倒れ伏す。倒れた芙二は動くことはなかった。あの量の血が流れたのだ。普通は死んでしまったのかと思う。

 

 だが、芙二の肉体は動き始める。血溜まりに沈んでいく。思わず、神城は手を伸ばして落ちないようにしようとするも結界に阻まれていて何もできなかった。

 そしてトプン、と音が1回鳴ると同時に完全に沈んだ。しかし程なくして血溜まりがボコボコと沸騰しているような現象を見せる。

 

神城、五十鈴「「!?」」

 

 2人は驚く。

 そして血溜まりはパァン!と音と共に中身が弾け出た。黒い液体は辺りに飛び散りシュゥゥゥーッと音を立てていた。

 

芙二?「…………」

 

 そこには赤毛の狼男となった姿の芙二が居た。

 といっても本物の狼男というわけではない。

 

 耳は頭の上に移動し髪はかなり伸び、床につきそうな程だった。

 そして着ている物も変化し上半身は藍色の装飾が施されたローブ、下半身は黒い色のグリーグを身に纏っていた。

 

 一番注目するのはあの夜に深海武蔵戦で使用した鈎爪がさらに一回り大きくなり鋭くなっていた。深海棲艦の装甲も紙同然として切り裂きそうと思うほど、だった。

 

 そして遠吠えを上げた。見た目は獣人チックなのに中身は獣となってしまったのか疑問に思う神城と五十鈴であった。

 

??「な、なんだ!? あの生物は――――!?」

芙二?「(アれは…………長門カ? マズい。制御が効かナイ)…………」ギロリ

 

神城、五十鈴「「!?」」

長門「な、こちらを見るなぁ!! くっ! 化け物め!! 死ねぇ!!」ガコン

 

 突然の登場により一同は動揺するも長門は芙二だとは思わず、恐怖のあまり砲撃をしようと至った。

 

神城「な、長門!? マズイ、こっちも巻き込まれ――――」

五十鈴「あれ!? で、出られない!!」

 

 その攻撃宣言を聞いた、2人は巻き込まれる前に離れようとするも芙二は貼った結界の所為で逃げられなかった。

 そして長門は放つ。

 

長門「主砲一斉射撃――――撃てッ!!」

 

 ドドォ――――ン!!と長門が砲を放つ音が聞こえた直後に――――バゴォン!!と硬い物を砕く音と煙が神城達と周囲を包み込んだ。

 

 煙が晴れる時、どこかから獣の咆哮が聞こえたかと思えば――バシュッ!!と引き裂くような音が聞こえたが結界の所為で外に出る事は叶わなかった。

 音も止み、視界が晴れる頃二人を包んでいた結界は無くなりびくびくと怯えながら硝煙の臭いが鼻をくすぐる中を歩くのだった。

 

長門「…………っ!!」

 

 

 長門の攻撃は芙二の狂爪により無効化され、逆に芙二の攻撃が長門に直撃しそうだったので気合いで暴走しかける力をコントロールに成功した。

 そして寸での所で外せたので長門は怪我を負うことはなかったが今のでトラウマになってしまったのではないかと思う芙二だった。

 

芙二?「アブナいな。ナガと、危険な目にアワせてスマナ――――いっ」

 

 体力、気力を制御に使ったので立っていられなくなり膝を突くと同時に獣となる前に戻った。そして本格的に倒れる前に懐から赤い瓶を取り出し開けて飲み干す。

 

芙二「(ポーションあってよかった。なかったら、間違いなく倒れていた)……被害はどんな感じだ」

 

 辺りを振り返ると一昨日よりかはマシになっていたがそれでも破壊されていた。

 長門の隣なんて一番酷い。地面に直径に2m程のクレーターが出来ている。それと大きな刃がコンクリートを切り裂いていた。

 それを見て、制御に夢中だった芙二自身思わずドン引く。

 

芙二「(当分、使わないようにしよう)…………直すかー」

 

 能力を使用して元の地形にしていく。破壊、引き裂かれたコンクリートはその前の状態に。

 10分ほど歩きまわって作業していき、そしてすべてが終わると神城達の方へ向かっていった。

 

芙二「いやーすみません。やっぱり制御できるまで頑張ってみます」

神城「いやこちらこそ、興味本位でとんでもないことを聞いてしまい申し訳ありませんでした」

 

五十鈴「本当に人間じゃない…………いや深海棲艦なんて絶滅できそうな程強い」

芙二「いや、させないよ。それだけは出来ないんだよね」

 

神城「…………芙二提督殿は帰られますか?」

芙二「あ、うん。じゃあこのまま帰るよ。それでは失礼します」

 

神城「お疲れ様でした…………」

芙二「では、また来ます」

 

 そういうと芙二は光の粒となって消えていった。

 その光景を見て3人は啞然とするのだった。

 

神城「長門。大丈夫か」

長門「…………私達が喧嘩を売った相手は神だったのだろうか」

 

神城「そうだろうね」

五十鈴「夢を見てるみたいだわ」

 

神城「ところがどっこい夢ではないのだよ」

長門「東第一泊地の艦娘は慣れてそうだな…………」

 

五十鈴「どうだろう? 隠してるかもしれないわよ」

神城「考えても仕方がない。五十鈴、長門。妖精さん達に振舞うデザートを作りに行こうか」

 

長門「あぁそうだな」

五十鈴「…………そうね」

 

―続く

 




寝る時間削ってライズしてるせいで曜日感覚2日くらいバグッてきたので寝ます。
書き方を忘れてきたけど、まぁいいかな。(良くない)

次回もよろしくお願いします
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