とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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書き溜め①

誤字脱字だらけかもしれませんがその時は報告、お願いします。

R3 12/25 修正 

 章が途切れてしまいそうなので、変更しました。
 元々あった章は後々出します。


南西諸島海域編
二章 46話『出撃! いざ、南西諸島海域へ!』 


ー続き

 

 

 

 

 時刻は午前4時55分。季節は春だが、まだ日は上がっておらず空気はひんやりとしていた。

 芙二はとっくに起床しており今日から南西諸島海域を攻略するが、これといってガチガチに緊張はしていなかった。それに本人は海域攻略よりも他の問題について考えていた。

 

芙二「同郷の者……時雨と清霜のこと。そして……」

 

 同郷の者とはおそらくだが接敵するだろう。いや攻略するのなら100%で遭う。皆を巻き込んでおっぱじめたくないなぁ。え?その時はどうするかって? 

 その時はその時で()()()を使うまでさ。

 

 そして時雨と清霜の件は……治す際、記憶を読んじまったけど……時雨と同じくらいになってるよなぁ。というか、野良艦娘って人権ないの? 

 いやそもそも艦娘は人間から変化してないもんな……まぁ偽神(カミ)に化ける なんてないか。

 

 時雨の運が悪かっただけ。そうだ、そう思っておこう。いずれ会敵すると思うけど。

 その時は、全力を撃ち返してやろう。イベントもそうだったろ? 持てるすべてを――

 

 で、最後は……昨日、まさか東第二鎮守府の提督に会うとは思わないじゃん。しっかり初期艦連れてよ~。あぁ、挨拶してねぇ……気まずいなぁ。冷葉にでもやらせようかなぁ。

 いや何事もなかったかのように振舞ってこー……訪問しなければ、なんとかなりそう(絶対にそんなことはない)

 

芙二「今日の夜にでも謝罪と挨拶をしに行こうかな」

 

 そう思っていると“コンコン”と扉がノックされる。

 

冷葉「芙二~~? 起きているか~~? 起きてたら鍵を開けてくれーー」

芙二「はいよーー……起きてるから、開けるわ」

 

 そういって扉の前まで歩いていき、鍵を外すとそこには冷葉が立っていた。“よっ!”と短く挨拶をしてきた。朝から元気だなと思いつつ芙二も元気よく返した。

 

冷葉「寝起きか??」

芙二「いやそんなことはない。もう支度は終えているとも。これから執務室へ向かおうか」

 

冷葉「流石だな。おぅ、そうしよう」

 

 芙二と冷葉は今日の予定を確認し合いながら向かった。

 執務室に着き、ソファに腰を掛け最終打ち合わせの前に芙二は冷葉に昨日会った人物について話そうと思い切り出すのだった。

 

芙二「なぁ冷葉。昨日言うのを忘れていたんだけどさ」

冷葉「? なんだ?」

 

芙二「昨日外出した先で、とある人物にあったんだよね」

冷葉「ほほぉ? 閣下? それとも葉月さん達?」

 

芙二「いや東第二鎮守府の提督とその秘書艦」

冷葉「うぇッ!! マジかよ、ほんとに??」

 

芙二「おう、会っちまった。そして名前バレもしてる」

冷葉「おいおい。後、2人の提督には連絡すらしてないだろ……?」

 

芙二「そうだよなぁ。今日、謝罪と諸々を込めて挨拶しに行くわ。ちょっとアポ取ってみる」

冷葉「俺も行った方がいい? いいよな?」

 

芙二「いやお前は飯を作ってくれ。昨日もそうだけど、任せきりですまん」

冷葉「……いやいや仕方ないさ。こうやって忙しくなっていくんだと思えばいいさ。間宮さん達ももう少ししたら来るんだろ?」

 

芙二「そうだな。そう聞いてる。ただ――面倒な事が終わってからの方が心に余裕が出来ると思わないか」

冷葉「それが理想よな。ま、そうならんと思うけど」

 

芙二「そうだよな。さて、メンバー決めるか」

冷葉「そうだな。俺は神通ちゃんを旗艦においた水雷戦隊を組めばいいと思う。随伴は龍驤、秋雲、榛名、霞、青葉。そのメンバーを俺は考えた」

 

芙二「ふぅむ。俺はサラトガを旗艦においた空母機動部隊編成を考えた。随伴は川内、皐月、足柄、陸奥、敷波だ。建造されたばっかで実戦経験がない子を選んだつもりだ。川内は不測の事態があれば即座に対応を任せようと思ってる」

 

冷葉「なるべく、実戦経験がない子に積ませたいけど。これはうーん……サラトガちゃんは大丈夫なのか? デビュー戦が今日って」

 

芙二「多分、大丈夫。昨日の呼びかけが聞いていれば、皆、そのつもりでやっているはずだ。それでどうする?」

 

冷葉「お前の案を採用したいが……うーむむむ……」

 

 うんうんと唸る冷葉。

 どっちにしようと考えているようだった。

 

 唸りながら考えていること5分……冷葉は決断したようだ。そんな顔をしていた。

 

冷葉「お前の案を採用しよう。サラトガを旗艦において、今日は出撃していってくれ。ただし、俺の案は明日の出撃にて採用って事でいいか?」

 

芙二「おーけー。構わない。明日の朝にオリョール海の編成を考えよう。バシー海峡の編成はそれでいい」

 

冷葉「了解っと。もう一度メンバーを教えてくれ。メモして後で読み上げる」

 

芙二「今日の出撃メンバーは旗艦にサラトガ。随伴は陸奥、足柄、川内、皐月、敷波だ。積む装備はこれからざっとリストを作り上げるから俺が後で渡しておく」

 

冷葉「分かった。メモはすぐに書き終わる。芙二、配膳後でここ戻ってくるか?」

芙二「戻ってくるけど飯の前辺りかな。んで、アビスに頼んで俺らは配膳をやってしまおう」

 

冷葉「おっけ。アビスへの報酬は必要か?」

芙二「いんや、俺が渡しておくから大丈夫」

 

冷葉「了解。それじゃ飯を作りいこう」

芙二「そうだな」

 

 今日、南西諸島近海へ出撃するメンバーを書いたメモを一度机に置いてそのまま執務室を出るのだった。

 

芙二「今日の朝は何を作るか決めたん?」

冷葉「昨夜妖精さんと会話しながら作るのを決めたから、大丈夫」

 

 ちょっとだけドヤ顔をする冷葉を見て、そのまま手伝ってこうと考えた芙二であった。

 

――――――

――――

――

 

 

――食堂

 

 芙二と冷葉は食堂の扉をあけるとすぐさま厨房へ行く。

 換気扇のボタンに触れ、オンにし換気扇を回す。蛇口をひねり早く手を洗うと冷葉が考えた朝食のメニューを聞き、頭の中で手順を思い浮かべたらそのまま調理へ移行する。

 

 テキパキと調理が進み、どんどん出来上がっていく。

 2人が朝食づくりを始めて20分経つ頃には大半が出来上がっていた。ちなみに今日のメインは鮭の塩焼きだそうだ。あとは鮭を焼くだけである。味噌汁も出来上がり、サラダも出来上がった。米は炊きあがるのを待つだけだ。

 

芙二「ふぅ。なぁ冷葉。お前さん、調理速度上がってないか?」

冷葉「そうか? でもまぁほとんど料理してるしな。今の所は、よ。それにお前といるとつられて速度も上がるってもんだよ」

 

芙二「そんなもんか?」

冷葉「そうだ。そんなもんだ」

 

芙二「鮭を焼いてる間、行ってくるか」

冷葉「あれ、アビスに頼むんじゃないのか?」

 

芙二「よくよく考えたら一人が鮭焼いて、もう一人が取りに行けばいいんじゃない?」

冷葉「それもそうか。芙二が行くか?」

 

芙二「いや冷葉に任せる」

冷葉「了解っと。そいじゃ、取ってくるよ」

 

 そういうと冷葉は厨房を抜けて執務室へ向かった。

 芙二は鮭を焼き始めたのだった。

 

――――――

――――

――

 

 冷葉が戻ってくる頃には鮭を焼き上げて、各皿に入れていた。ちらほら、艦娘達が集まっていた。皆の方に視線をやるとその様子はキラキラとやる気に満ちている様だった。

 そんな様子を見た芙二と冷葉は頷いて声を掛け始める。二人の声を聞いた艦娘達はわらわらと集まりトレーを受け取り始めた。泊地での朝が始まった。

 

 そして時刻は午前8時。皆が食事を摂り終わり、朝礼が始まろうとしていた。

 艦娘達の前へ出るとコホンと一回咳払いをしてこれから南西諸島海域を攻略する旨と出撃メンバーを発表する。これに該当するメンバーは残るように、と伝えようとしていた。

 

芙二「皆、おはよう。今日はいよいよ、南西諸島海域の攻略に入る。これまでよりも難しいかもしれないけど――――攻略を終えた先の景色は見たくないか? ということで、メンバー発表だ。昨日も言ったとおり呼ばれなくてもしょげないでな」

 

川内「提督~! 夜戦出来る!?」

冷葉「夜戦を行う機会はあるだろうから、期待しててな」

 

川内「やったぁ~!!」

芙二「ま、今から発表するぞ。大人しく聞いとけ」

 

芙二「メンバー発表する。今日の出撃メンバーは旗艦にサラトガ。随伴は陸奥、足柄、川内、皐月、敷波だ。呼ばれた者は、この後残ってくれ。渡すものがある」

 

川内「やった~!! 私入ってる! つまり、今日は夜戦の日だね!!」

皐月「ふえぇ!? き、如月ちゃん! ぼくメンバーに選ばれちゃったよぉ~」

 

如月「ふふ、おめでとう。皐月ちゃん。初陣は任せたわよ」

皐月「任せてよ! 如月ちゃん!」

 

陸奥「あら……私? お姉さんに、任せてちょうだい? 成功させて見せるわ」

足柄「やったわ! 私も参加できるわ!!」

 

 メンバーに選ばれたものは様々な反応を返すが芙二が続きを話したいがために二回手を叩く。

 

芙二「喜ぶのは後にしてくれ。呼ばれなかった者には遠征と演習を行ってもらうから、冷葉の元へ行ってくれ。準備が出来た者から出撃ドッグへ集合。遅くとも9時45分には出撃するので、そのようにしてくれ。では、解散!」

 

 “解散”と言われ、皆トレーを片付け始める。冷葉に後で洗い物をしておく、と言って他のメンバーに指令を出してくれと頼んでいた。了承した冷葉は他のメンバーを自分の元に集め始めた。

 

 そして芙二の元へ出撃メンバーが集まってきたので詳しい説明する。

 

芙二「今日は南西諸島海域での初陣だ。初めての所なので気を引き締めてほしい」

サラ達「「了解です」」

 

川内「所で、提督さ? 渡すものって何?」

芙二「それは――芙二提督考案の装備メモ! 出撃メンバー全員に渡すよ」

 

 そういうと芙二はメンバー全員にメモを渡し始めた。受け取った川内らがまじまじと見つめていた。その中で陸奥が呟く。

 

陸奥「もしかして、メモに書いてある装備をつけてくれってこと?」

芙二「そうそう。これを明石に見せると専用の装備を貸してくれるだろうから装備して出撃ドッグへ向かって欲しい」

 

川内「はーい。了解! それじゃ行ってくるよ!」

足柄「あ、ちょっと川内!? 待ちなさいっ」

 

 川内は勢いよく飛び出した。足柄も追うように出た。サラトガ達はポカーンと立ち止まっていた。そして皐月が芙二に質問をする。

 

皐月「 司令官? これで終わり?」

芙二「あぁうん。タイミング悪いけど、解散ね。おそくとも9時45には集まってな」

サラ「了解です。提督」

 

皐月「了解だよっ! 陸奥さん、敷波ちゃん! 行こう?」

敷波「あ、うん。それじゃ、またね。司令官」

 

陸奥「また後で、ね。提督」

 

 皐月たちは食堂を出て、明石のいる工廠へ向かったのだ。

 残ったサラトガは芙二に話しかけた。

 

サラ「提督、どうしてサラが旗艦なのですか?」

芙二「ん、実戦経験を積んでほしいと思ったから。それだけ」

 

サラ「そうですか……あの、こう言ってはなんですけど失敗するかもしれませんよ?」

芙二「その時は謝って、またやりなおせばいいさ。最初から成功する奴なんていないさ」

 

 そういってもまだサラトガは何か言いたそうだった。

 

サラ「……響ちゃんから出てきた存在(モノ)は――私が見た少女なのですか?」

 

芙二「そうだね。分かったことだが響は殺されかけた。その経験は悪い(モン)となってずっと縛り付けていた。ありゃあ……だれでも絶望しちまうだろ。相手はこの世のモンじゃないから。……南西諸島にはアレが棲みついてると思うと鳥肌ものだな」

 

 手を組み、小さく震えたあとに手で擦った。

 しかしサラトガから見る芙二の表情は何処かまだ余裕があるように見えたがこれ以上話していると皆に迷惑をかけてしまうと思ったので芙二の方を向き、“失礼します”と言い工廠へ向かったのだった。

 

芙二「さて、俺も行くか。どうなるか、分からんけどな」

 

 呟き向かうは厨房。洗い物は能力を使用し、2分足らずで終わらせる。そして皆で食べる昼食用のおにぎりを作り皿に並べてラップを掛けておく。

 

芙二「さて、昼飯も作ったことだし。俺も向かうかな」

 

――――――

――――

――

 

―出撃ドッグ

 

 時刻は9時28分。

 出撃メンバーは全員集まっている様だった。そこへ芙二が登場して指示を出す。例の如く、芙二は後からついて行くと伝え工廠へ戻っていった。

 

 残ったサラトガは皆に出撃すると声を掛ける。掛けられた川内らは真剣な顔に切り替わる。そしていよいよ、出撃の時。サラトガは出撃ドッグを勢いよく飛び出した。

 それを確認すると川内達も飛び出す。

 

 初めて出撃をした。空に雲はなく快晴であったため太陽光を受けた海面はキラキラと綺麗だった。

 そして初めての旗艦ということや初めての出撃ということで高まった彼女の感情は抑えられるとこなく声に変わる。

 

サラ「CV-3、サラ、出撃します! 皆さん、行きましょう!」

 

―続く

 




ようやく踏み込めた。

次回もよろしくお願いします
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