とある泊地に着任した提督のお話   作:ふじこれ

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書き貯めⅣ

上手く書けなかった。いつものことか。


二章 49話『バシー海峡に向けて』

―続き

 

食堂にて

 

 米を研いで、大型の炊飯器の中へ入れタイマーをかける。いつもよりもちょっとだけ豪華な夕飯を作るための下準備に入るのだった。

 

 

 寮内 大淀の部屋

 

 ここは寮内にある、軽巡大淀の部屋。

 そこには部屋主である大淀と本日より着任した名取と曙が部屋決めを行い終わったので各自解散しようと言おうとしたとき誰かが部屋の扉をノックした。

 誰だろうか、大淀は思った。名取や曙は早く自分達の部屋へ行きたいようでうずうずしていた。

 

冷葉「あの~……大淀さんいますか? 例のブツを届けに来たんですけどー」

 

 扉をノックしたのはどうやら冷葉補佐のようだ。

 もうそんなに経ったのかと思い、壁にかけてある時計の方を見て確認すると本当であった。

 

大淀「……名取さん、曙さん。5分ほどお時間いいですか?」

名取「え? 構いませんけど……もしかしてさっき言ってた……」

曙「えぇ。大丈夫だけど、何かあったの?」

 

 大淀は2人に聞いた。

 その訳とは提督と補佐が作った甘味が届いたらしいので大丈夫か確認を取った。

 

冷葉「……?」

 

 しかしすぐ出てこなかったのか冷葉は入れ違いになったのかと思っていた。

 

冷葉「あれ? やっぱりまだいない? 一回戻るかなぁ~」

 

 このまま冷葉は食堂へ戻ろうとしたとき、大淀がマズイと思ったのか勢いよく扉を開けた。

 

大淀「冷葉補佐、お待たせしてすみませんッ!!」

冷葉「おわっ! びっくりしたぁ……。? あれ、まだ名取?ちゃんと曙ちゃんもいるじゃん。もしかしてお取込み中だった?」

 

 大淀が勢いよく扉を開けたので冷葉は驚く。そして勢いよく開かれた扉は限界まで開き内装が若干見え、その奥に居る名取と曙を見て呟いたのだった。

 

大淀「いえっ……もう大丈夫ですから……それよりも何か用ですか?」

冷葉「あぁそうだ、そうだった。コレ。作ってきたから。3人で息抜きのお供にな」

 

 そういって先ほど作った生チョコトリュフの入った箱を渡す。受け取った大淀の顔がぱぁっと明るくなる。それを見た冷葉は作ってよかった、と思うのだった。

 

冷葉「そいじゃ。俺はこれで(大淀さんいい顔するじゃん? これはもっと美味しいモン作りたくなっちまうわ~~芙二にも伝えとこっと)」

 

 とても嬉しそうな顔をする大淀を見て、作った側までも温かい気持ちになった所で夕飯の下処理をしている芙二を手伝うべく向かおうとした時だった。

 

大淀「! あ、あの冷葉補佐!」

冷葉「なんだ?」

 

大淀「えっと、わざわざ私の要望を聞いていただきありがとうございます!」

 

冷葉「あぁうん。まぁ美味かったかどうかは後で感想聞かせてな? ま、なぁに俺らも甘いモン食いたかった気分だったからな。いいってもんだぜ。それよりもどんどん要望を聞かせてくれよな! それじゃ失礼するわ」

 

 手を振って食堂へ戻る冷葉に対してお辞儀をする大淀。そして部屋の中に入ると2人がいる机の方へ行く。

 

大淀「お待たせしました。もう少しだけお付き合いしてくださいね」

 

 生チョコトリュフが入った箱を持ったままニコニコして言う大淀を見てか、その中のイメージがつかない名取と曙は大淀以上に期待で満ちた顔をしていた。

 ――芙二と冷葉と妖精さん達が作った甘味が美味しかったかどうかは特に言わなくてもいいだろう。

 

 

 

 

―時刻は18時前 食堂にて

 

 皆に出す食事の殆どを作り終わっていた。後は取り皿などを出し、各机に置くだけとなっている。コップやピッチャーなんかもそうだ。

 

 芙二と冷葉から甘味を貰った妖精さんは食べる前よりも遥かに機敏な動きをして手伝っていた。妖精さん達曰く、一口に食べればたちまち元気になり数時間休みなしで動けるのだとか。

 能力とか一切使ってない。あ、麻薬チックな事はしてないって意味ね?

 

 そのおかげで配膳間近までの工程が何倍もの速度で完了されていく。

 2人にはありがたい事だった。そのおかげで片付けまでできるのだから。

 

 そして30分が経ち、あとは料理が出されるだけとなった。今回は各自、カウンターで受け取り運ぶのではない。芙二と冷葉が数名の艦娘に手伝ってもらいながら料理を各テーブルに出すのだ。

 

 既に取り皿や箸、コップ、麦茶の入ったピッチャーは置いてある。

 冷葉が妖精さんに手伝ってもらうことはないか、と芙二に聞くもこれ以上はない、と言った。

 それを聞いた冷葉は妖精さん達を自分の元へ呼び集めると“これ以上手伝って貰うことはない”という事、手伝ってくれたことについて感謝を伝えた。

 

 感謝の言葉を貰った妖精さんは冷葉と芙二の方を向いた。その中で一人の妖精が“こちらこそ”といい一礼した。その妖精の後に続いて一礼、また一礼して食堂から抜けていった。

 

 残された芙二と冷葉は残り40分弱どうするかを相談し、その結果自由時間にしようということになった。

 

冷葉「俺はちょっとシャワー行ってくるわ」

 

 そう言い残して食堂から出て行った。

 芙二も芙二で一旦部屋に戻るか、と思った足で食堂を後にした。

 

 

――――――

――――

――

 

―食堂内

 

 夕食の時間となり、皆が召集される。その中には本日付で仲間となった名取や曙も混じっており皆と打ち溶けている様だった。

 

 そして芙二は皆の方を向いて適当な席につくように、と言った。

 そう言われた艦娘らは喋りながら席について、料理が出されるまで話し合っていた。

 一部の艦娘からは“早く料理を出せ”という視線が芙二と冷葉に刺さった。今集まってるなかには明石は入っていない。まだ修理が終わっていないようだ。

 

 冷葉が声を掛けた際に、終わり次第向かうと言ったそう。その言葉を伝えると、芙二は了承し後で工廠まで持って行くか、と考えた。今夜冷葉と集まる時にでも、と思っていた。

 

 そんなとき、冷葉が手を二回叩くとさっきまで話していた艦娘達の視線を集めた。

 

冷葉「はいはーい! 注目! 食事前に伝える事があるから聞いてな~~?」

 

 その言葉が終わると冷葉は芙二の方を見るように、と誘導された艦娘達は芙二の方を黙って向いていた。

 冷葉に“ありがとう”と思いながら、口を開いた。

 

芙二「今日の出撃、遠征、演習お疲れ様! 出撃組のおかげで南西諸島近海は攻略が出来たので明日はバシー海峡方面へ向かおうと思う。メンバーはもう決めてあるから後で発表する!」

 

 まだいうことはあるが一度切る。すると拍手や提督を労う声も聞こえてくる。

 川内や足柄からは夜戦させろ~~という声が聞こえてくるような、来ないような。

 

芙二「次は、本日付で仲間になった者を紹介する。皆も知ってるかもしれないが、な。名取、曙の2名は俺の隣に来てくれ」

 

艦娘達「「はい!」」

 

 呼ばれた2人は、席を立ち芙二の元へ行く。

 

芙二「もう一度言うが本日付で仲間となった名取と曙だ。2人には軽く自己紹介をしてほしいのだが、行けるか?」

 

名取「は、はい! えっと私は長良型軽巡の名取です。これからよろしくお願いしますっ」

 

 芙二が聞いた時、名取も曙も了承したが名取がいきなり自己紹介を始めたので少し戸惑ったがそのまま終わったのだった。次は曙の番となった。

 

曙「私は綾波型駆逐艦の曙よ。昼間はク……いや提督と一悶着あったけれど……これからもよろしくお願いね」

 

 そう言い終わると2人は一礼した。芙二は戻っていい、と言うと他の艦娘から歓迎の意味を込められた拍手をされ、自分の居た席に戻っていった。

 

芙二「2人ともありがとう。名取と曙の2人の今後だが急に出撃ではなくて、まずは演習や遠征をやってもらいたい。皆も教えてあげてほしい」

 

川内「分かったよ。でも提督、そろそろ夕食頂戴よー」

芙二「もうちょい待て、川内。最後は出撃メンバーを発表する」 

 

 川内が催促をするが、芙二は待つように言う。そして明日の出撃メンバーを発表するというと空気が変わる。今日海へ出た者も明日も出たいという思いが伝わってくる。

 

 遠征や演習ばかりでは、やはりストレスが溜まるのだろう。本業が出来ないとなると溜まるものは理解出来なくはないのだが。

 

芙二「明日の出撃メンバーは……旗艦神通。随伴は龍驤、秋雲、榛名、霞、青葉の5名だ。明日の朝、つけてほしい装備のメモを渡すのでそれに従って欲しい。それでは――冷葉!」

 

冷葉「はいよ! さっきから飯くれって目線が鋭く刺さる! 今から各テーブルにおいてやっから誰か手伝って! あ、芙二。お前もこっちこい!」

 

芙二「って事だ。誰か手伝ってやってくれ。んじゃーそれまで自由! 雑談でもなんでもしてくれ!」

 

 厨房にいる冷葉から声が掛かる。早歩きで向かい、手伝う。

 料理の入った皿を持ち運ぼうとした時、カウンターから声が掛かった。どうやら誰か来てくれたようだ。

 

 進んで手伝ってくれるのはいいなーと芙二。

 んな、事言ってないで早く、渡せってんだと冷葉。

 

 そんなこんなで料理は全てテーブルに行き渡り、食事開始の合図がおりると皆、それぞれ料理を取って食べ始めた。

 

 夕食はいつも通りに楽しく、活気があった。喧騒に包まれていると言っても過言ではない食堂の中で一人の艦娘がふらっと何処かへ行った。

 後は片付けだけだ、と一息ついていた芙二はその存在に気がついたがトイレ程度にしか思っていなかった。

 

 じわりじわりと呪いの様なモノに侵蝕されていく彼女に気がつかなかった。今、この時。深海神棲姫から授かったその能力を以て見ていれば、或いは触れていればあのような事は起こらなかった、のかもしれない。

 

 

 

 夕食も終わり、皆解散していく。結局明石は最後まで来なかった。

 皿や調理道具を洗いながら、芙二と冷葉はこれからどうするかと相談していた。

 

芙二「これからどうする?」

冷葉「これから? あー明石呼ぶ?」

 

芙二「そうだなー、工廠にいるかな。飯持ってくか」

冷葉「了解。あ、お前今日東第二鎮守府へ向かった?」

 

芙二「あ」

冷葉「……菓子折り持ってこう」

 

芙二「そうだな」

冷葉「お前がな? 俺はまぁそのうち」

 

芙二「まぁついでに紹介しといてやるよ」

冷葉「おぅ。……あ、工廠で報告をし合う?」

 

芙二「それでもいいな」

 

冷葉「それじゃあ俺はちょいと工廠に。明石に渡してくるわ」

芙二「了解。あ、俺ちょっと遅れるかも」

 

冷葉「どした?」

芙二「サラに報告書を書いて出すように言ってねぇ」

 

冷葉「あれま。まぁ飯は俺が持ってくからよ~~……なるべく早くお願いな」

芙二「はいよ」

 

 食器を洗い終えると、冷葉は今日の夕飯が入ったトレーを持ち工廠へ行った。

 芙二は寮内に居るであろう、サラトガの元へ行ったのだった。

 

―続く

 

 

 

 




なんか、こう書けるような書けないような。
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