チックショー……別の所にまとめたの引っ張るの面倒だけど自業自得なんだわ笑
……一番、アナログが鬼畜ってはっきりわかんだね
―続き
食堂に戻った芙二は手伝ってくれていた妖精さんの元へ向かった。何名かの妖精さんは作業中だったがその中の一人は芙二に気がついたのか『いえいえ。この程度お安いものですよ。芙二提督殿もこれからお忙しそうですし、これからも私達を頼ってくだされ』と深々と頭を下げながら言った。
芙二は『洗い物は流石にやっちゃうよ。今はごたごたして出せないけど時間が取れたら甘味を持ってお邪魔するよ。明石たちの食器を運んでくれてありがとうね』と礼を言った。
妖精さん達は仕事を終えたように光の粒となり何処かへ消えた。水に浸けてくれてあった食器やトレーを洗おうと手を付けていくのだった。
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洗い物を終え、芙二は葉月たちの元へ行こうと考え端末を取り出し連絡を掛け始めるが通じない。携帯は通じないので自宅へ掛けてみる。
『もしもし? ……葉月ですがどちら様でしょうか?』
自宅へ繋がり、誰かが受話器取って受け答えをしてきた。が、しかしそこから聞こえてくる声のトーンは低かったので芙二の知らない人かも知れないと思った。なので通話相手に名乗った。
芙二「おはようございます。東第一泊地の芙二です。葉月さんはいらっしゃいますか?」
メイ「え、あ、フジ様!? お、おはようございます。今日はどんな用でしょうか?」
電話をかけてきた人物が芙二と分かった途端、声のトーンは明らかに変わり聞いたことのある人物の声になった。相手側はなにやらテンパっているようにも見えた。
芙二「えっと、メイさん? 大丈夫です? もしかしてタイミング悪かったですか?」
メイ「あいえ……そういうわけでは、ないです(イライラしてて八つ当たり気味でしたが……まぁ大丈夫でしょう)」
芙二「そうなんですね。あ、シェリルさんは今そちらに居ますか?」
メイ「はい。シェリル様はいらっしゃいます……が、シェリル様へ直々に用があるという事でいいですね?」
芙二「はい。それでですねぇ……その行方不明者候補の中に【カイン】と名の付く者はいますか?」
メイ「【カイン】……? すみません、私では分からないので後でシェリル様に聞いてみます」
芙二「後で? 今そっちに居ないんですか?」
メイ「いえ、居るには居るんですけど……昨晩から寝込んでおります」
芙二「風邪? いや違うか。……別世界の生き物だから環境の変化に身体がついて行けないとか?」
メイ「その通りでございます。私はあまり影響を受けないようですがシェリル様はかなり影響をお受けになるようで……先日みたいに動けるのは奇跡的らしいです。ですので体調が良くなってから……え? 今誰と会話してる、ですか? フジ様ですがっ……あぁ、そんな身体で動かないでください! お身体に障ります!!」
シェリルに用があった芙二だが、メイの口調でシェリルの調子がかなり悪いことが向こう側からよく聞こえる。その場にシェリルが現れたのか、メイは芙二との会話を中断し話してるみたいだった。だが、相手が芙二だと聞くとメイの口調が荒くなり大声で彼女に静止を呼びかけた。
芙二「? ……ッ!?」
突然の大声に思わず芙二はビクッと身体を震わせる。だが、メイの言葉はシェリルに届いてないらしくドタバタと迫る音が聞こえてきた。
メイ「シェリル様! フジ様も私も逃げません! なので落ち着いてッ」
シェリル「凌也君!! 凌也君が電話してくるって事は分かったのね?
メイから受話器を奪ったのか、受話器が拾うほどの大きな声を出したのかは分からないがシェリルは芙二に対して話しかけ、詳しい話を聞きたいので来てくれと伝えた。
芙二「分かりました。すぐ向かいます。では失礼します」
そう言って通話を終了した。準備は元々で来ていたし、元々行くつもりだったのでそのまま葉月の家前まで瞬間移動した。家前に着くや否やさも普通にいるかのように周囲に働きかけて扉をノックした。中から音が聞こえ、扉が開いた。
メイ「フジ様、どうぞ」
芙二「うん、改めて。おはようございます。お邪魔しますね」
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居間へ案内され扉を開けるとそこにはシェリルが椅子に座ったまま芙二に対して『おはよう』と挨拶をした。電話で聞いたシェリルの体調に関して違和感を覚えながらも会釈をし、対面となるよう椅子についた。
一応ではあるが【状態異常回復】を発動しておく。効くかは不明だが。
そうして着席したのを確認次第、シェリルは芙二に対して聞いた。
シェリル「メイさんから聞いたけど名前分かったんだって? 私もその名前は一応知ってたから、ね。こっちの世界に居るって聞いてホッとしたの」
芙二「ホッとしたのは生きていたから? それとも何か別に?」
シェリル「生きていたからよ。行方不明者のリストにまとめた所で生存してる確率なんてほぼゼロ。形が変わっても生きている事が分かれば、居場所を突き止め次第連れて帰ることができるでしょ?」
メイ「……」
シェリル「芙二君が教えてくれた子の名前……【カイン】と言ったかしら?」
芙二「はい。
シェリル「その子は深海棲艦だったかしら……そっちへ変わっていたの?」
芙二「…………元が何だったのか知りませんが、陛下のような感じになっていました」
わざと間を開けその後に眉間に皺を寄せながら目を伏せ、言い辛そうな顔をしながらゆっくりと事実を伝えた。それを聞いた途端二人の表情は驚愕と言ったふうになり黙ってしまう。
メイ「陛下のような感じとは……?」
シェリル「カインっていう行方不明リストに載ってる
芙二「…………そこまで、ではないかと。陛下の力を直接見たわけではないが…………あ、でもタケミカヅチさんのは見たわ。多分あれくらいか以上かその辺です」
メイ「……タケミカヅチ様と同じかそれ以上というのはちょっと……」
芙二「盛り過ぎ?」
メイ「まぁそうですね。タケミカヅチ様も陛下も種の冠位まで昇りつめるのにはかなりの時間、かなりの労力を有すると聞きました」
芙二「俺もそうだと思いたいですけど……そもそも【種の冠位に到達】ってどういうことです?」
メイ「種の冠位に到達するにはその種族が信仰する神に認められるか、現人神のような存在から試練を受けるか……後はさっきも言ったように」
芙二「かなりの時間と労力を消費しながら到達する、ですか。でも姿かたちは個々で違いますよね?」
メイ「そうですね。タケミカヅチ様や陛下のように人型と龍の姿を使い分ける方々もいらっしゃいますし。逆に他の方々は身体の一部や顔を
話を聞いてふむふむと頷きながら頭の中でまとめる。ドラ〇ンボールの神様みたいな姿をしてる人もいれば陛下やタケミカヅチさんのように力を行使しないときは人型なのか。
まぁ楽そうだしな。龍形態でも二足歩行型なら両立できそうだけど、その発想がない場合も考えられそうだしな
芙二「ふむ。なら、俺の勘は外れるという事かな」
メイ「フジ様、勘というと?」
芙二「いやそのカインって子さ。人間みたいな言い方だからこの地へ来て何らかで龍神となったとしても結局のところ半人半龍なんじゃないかなって。後出しで悪いんだけどさ、別の証言だと少女のような見た目してるって話なんだけど……」
メイ「別の可能性もあるのでは?」
芙二「ある。なんせこの世界でも人身売買とか拉致は行われてるからね。だから別の人間と見間違いっていう可能性もあるから、その子が確実にそれとも言い切れないんだよね」
シェリル「……」
メイと芙二の会話に何かを感じたのかシェリルは顎に手をついて考えていた。芙二とメイに【カイン】という人物について話そうと思い、席を立った。
急に席を立ったシェリルに対して自然と目が行った。そしてシェリルは二人に『少し待っていて。その子について私が知ってる情報を話すから』といい居間を後にした。
残った二人はシェリルが再度来る間、各々で考えを纏めていた。
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再びシェリルが戻ってきた。彼女の手には厚いファイルがあり、二人に見せるようにあるページを開いた。そのページには【カイン・アッドレアについて】とそう書かれていた。
芙二「“カイン・アッドレア……?”」
それが自らをカインと名乗ったモノの本名らしくそう書かれていたのを芙二が読む。メイはシェリルが見せたページのある部分を指差してこういった。
メイ「人間族……? それも幼い少女!」
その発っした声を聞いて見ると、そこにはにっこりと笑う幼い少女が写っていた。シェリルは二人がページの内容に目を通してるとき話す。
シェリル「この子はある国の子供らしいの。髪は黒色で肩まで長くぱっちりとした青い目、それに褐色肌でしょう? 人間の国で黒髪は沢山いても青い目で褐色肌というのは限られてるらしいわ。だからすぐに見つかるのだと思っていたけど、現実は……」
カイン・アッドレアという名の少女の特徴を言っていく。件の少女は一目見てすぐに分かる容姿をしていたようだが現実は味方をしてくれなかったらしい。
芙二「何日、何ヶ月経つも見つからず……か。それはいつの話です? 何百年前? それとも何千年?」
そう聞くとシェリル短く『これは向こうの時間換算で二百八十年前の出来事なの』と芙二に告げた。自分よりも年上という事に対して少し驚く芙二。
芙二「こっちでは二十八歳? いやそんなわけはないか。歳が肉体を表すのは寿命ある生物限定だもんな」
メイ「そうですね。龍國の中にいる人でも
芙二「でもそんな前だけど、どうして諦めてないんだ? 人――いやよそう。行方不明者になったとしても、どんな姿でも我が子の姿は見たいもんか。その子に姉妹の様な人物は居たの?」
シェリル「いたらしいけど……亡くなったらしいわ。百年程前に。何があったかは分からないけども」
芙二「 一族は全滅? 」
シェリル「そこまでは分からないけど……行方不明の子がこの世界に居るのなら見つけて連れ帰らせたいの。だから――「いいですよ。どうせ、ドンパチする運命でしょうし」ありがとう、凌也君」
メイ「フジ様、私からもよろしくお願いします」
芙二「メイさんもその子を無事に家族の元まで連れて帰らせてあげてくださいね」
メイ「はい。任せてください」
話し合いは終わり、席を立つ芙二。シェリルから『そういえば言ってなかったことがあったのよね。前に話した深海棲艦の件もお願いね。場所は沖ノ鳥島の海域らしいの』と依頼される。
前にも話した通り、沖ノ鳥島の海域で深海棲艦が大量に発生/出現してるらしい。
芙二は『任せてください。それは我らの仕事ですから』と返し、行きと同じように帰りも帰った。
泊地内に着くなり自室に戻り、メモ帖に判明した名前を書く。
『カイン・アッドレア』……ね。
芙二「本格的にやばくなってきたな」
そう呟き、メモ帖を閉じる。時刻は午前十一時。もうすぐ昼食の時刻になる。朝出れなかった分、冷葉に楽させてやるかーと思いながら食堂へ向かうのだった。
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『……もうすぐだよ。時雨ちゃん……フフ……アハハハハ!!』
暗い檻の中で蠢く影は『もうすぐだ、もうすぐだ』と心を躍らせ笑っていた。
―続く
前進。