「みんなー!花女と文化祭やりたい
かー!?」
「「おぉー!」」
「はいはい。」
現在、生徒集会の真っ最中。
羽丘は本日も平和です。
花女って学校と合同で文化祭を
やるんだと。
理由?聞くだけ無駄だと思う。
「花女と文化祭やるぞー!」
「「おぉー!」」
日菜先輩、あんたのカリスマ性は
大したもんだよホントに。
周りからは楽しみーという声が
ちらほらと。
いやさ…他校ですよ?皆さん。
何が楽しくて見知らぬ人達と文化祭なんかやらなきゃいけないんだっちゅう話だよ。しかも花女…正式には花咲川女子学園
というらしいが…よりにもよって女子校かい。
「はぁー…」
女子の分母だけ増えるとか…俺に対する
いじめですか?そりゃあ女子だけって
部分を切り取れば楽園に見えるかもしれないけどさ…実際は地獄よ?
「ありえねーわー…」
「えー?あこは楽しいと思うけどなー?」
お前の意見は聞いとらんわ。
ていうか、いつの間にいたんだお前は。
「俺は楽しくないの。大体向こうは賛成してんのか?」
「生徒会長がりんりんだから、たぶん
大丈夫だよ!」
「りんりんって確かRoseliaの…」
りんりんって人、生徒会長だったのかよ。
大丈夫なのか?
向こうは向こうで自由人だったりしないよな?
カオスだぞ?そうなったら。
「紗夜さんもいるし、あこ、すっごく楽しみ!」
紗夜さんって日菜先輩のお姉さんか。
同い年なのか…双子だったんだな。
もしかして、お姉さんがいるから合同とか言い出したのか?
あり得る…あの人なら。
あの人の姉好きは俺も知っているし。
るんっ♪てすることとおねーちゃんが頭の大半を占めているからな。
あれが二人いるのか…震えが止まらんわ。
「やっぱり、姉ちゃんが好きなように
できてんのかねぇ…妹ってのはさ。」
「そうだよー!ね、あすか?」
「えっ、私は…」
「ん?戸山も姉ちゃんいるの?」
「…うん。」
へぇ、意外だな。どっちかっていうと
姉ちゃんっぽかったから。
こんなしっかりした妹さんを持って
お姉さんも鼻が高いだろうな。
「私のお姉ちゃん…花女の生徒なんだ。」
「まじで?嬉しい偶然じゃないの。」
「別に…」
「もー照れんなって…な?」
「照れてないし…」
そりゃあ、知り合いとかいる人はいいだろうけどさ、俺なんか数えるくらいしかいないぞ?
「あ。」
「どうしたの?」
「いや、そういや…小さな頃からの
知り合いがいるんだけど…越してきてから未だに会いに行ってねーなーって…」
「前に話してた人?」
「あれ?話したっけ?」
「うん、一個上の先輩でしょ?」
「あぁ…うん。」
まじでどうしよう。
なんやかんやで…もう2ヶ月以上も
経っちまったよ。
かといって、このまま会わんわけにもいかないしなぁ。
「その人と連絡は取ってないの?」
「あぁ…家は知ってるんだけど…」
「じゃあ、会いにいけばいいじゃん。」
「いや、心の準備がだな…」
「もしかしたらさ、近くに住んでるなら
花女に通ってるかもよ?」
「いやいや、まさか…」
会いたいよ?会いたいけどさ…。
会いたいけど会いたくないっていう
ジレンマってやつ?
…そもそも忘れ去られてたりしたらどうしよう。
万が一彼氏とかいたら…そいつはぶっとばそう。
あぁ、くそっ…被害妄想ばかりが広がる…。
いつから俺はこんな女々しくなったんだ?
「何ぶつぶつ言ってるの?」
「なんでもない…」
「そういえば、ろっかは?」
「わかんない。どこ行ったんだろ?」
「また、先生にパシられてんだろ。」
「それか、バンドのメンバー集めかな?」
「あぁ、そういやこの前そんなこと言ってたな…バンドがやりたくて東京来たって…」
「うん…軽音部の体験入部に行ったり
してたんだけど、うまくいかなかったみたい。」
あいつ、意外と行動力はあるんだな。
少しばかりだけど見直した。
けど、現実は甘くないんだよな。
この時期っていったらもうある程度
バンドは組み上がってるだろうし
…仮に今組めても文化祭に出るのは
無理だろう。練習時間が足りない。
そんな中、意気消沈した顔の朝日が教室に入ってきた。
恐らく、メンバー集めがうまくいかなかったのだろう。
諦めろ…とは言えない。
あいつの…あの時のあの目は本気だったから。
情熱を宿した目…それが、俺とお前の違いなのか。
いつか、お前の弾いている姿も見てみたいもんだな。
「はぁー…」
ため息ばっかりついてんな俺。
だって人使い荒いんだもの。
うちのクラスの女子達。
何故に俺一人で備品の買い出しなんか
せにゃならんのだか。
「もう無理、ちょい休憩。」
手近なベンチに腰掛ける。
もう夜じゃんかよ。
街灯がなけりゃ真っ暗だぞこれ。
「大体、準備期間が短すぎるんだよ…
急に女子校と合同になるしさ、実行委員
やらされるわ…挙げ句パシられるって…俺、前世で何かやらかしました…?」
誰か教えてクレメンス。
「何か、悩み事?」
「えっ?」
見上げると、どえれー美人さんがおった。
「星川優君…だよね?」
しかも…俺を知ってらっしゃる!?
えっと…どちら様ですか?