奏でることを忘れた少年   作:TAKACHANKUN

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文化祭開幕

 

「今日は待ちに待った文化祭!みんなー!最高にるん♪ってしよーねー!」

「おぉー!」

「盛り上がってますなー。」

 

始まった文化祭。

始まってしまった文化祭。

スタートの合図は鳴った。

あとはゴールまで突っ走るだけ。

 

「楽しんでなー。」

 

花咲川へと行く戸山、朝日、宇田川らを

見送り教室へと入る。

俺は初日からがっつりシフト入ってるもんでね。

ま、展示なんて見て回るつもりはないけど。

 

っと最初のお客さんだ。

 

「よし、やるか。」

 

改めて気合いを入れ直す。

 

「星川、3番席にこれ持ってって!」

「りょうかーい。」

「5番席、注文何だっけ?」

「アイスティー、抹茶ラテ、タピオカドリンクな。」

「ごめーん!終わったら入り口の受付事務お願い!」

「へいへい。」

 

何コレ。

客の入りが予想以上にやべぇ。

正直パネぇ。泣きそう。

 

肝心のセッション組のほうはは滞りなく

やってるようだ。さすがに楽器経験者揃いなだけはある。

 

「はぁー、何とか落ち着いたかな。」

「休憩、入っていいよ。」

「おー、そうさせてもらうわ。」

 

っていっても回るところとかないんだよな。

一緒に回るやつもいないし。

ぼっちは辛いね。

 

「大丈夫?」

「う、うん…ちょっとくらっとしただけだから…」

「少し、休んだら?」

「大丈夫。」

 

はぁ、何で無茶するかねぇ。

 

「保健室、行ってこいよ。」

「え、でも…」

「俺が代わりに入るからさ。」

「休憩中でしょ?」

「いいから、暇でどうしようかと思ってたとこだよ。連れてってやってくれ。」

「う、うん。」

「ごめんね。」

「いいって言ってんだろ。こういう時ぐらいは男を見せさせろ。」

 

女子に無茶させて休憩なんかしてられるかってんだ。

客入りも落ち着いてきたし、何とかなるだろ。

 

「星川ーあっちにも注文取ってきて!」

「はいはーい。」

「ごめーん!1番席の注文なんだっけ?」

「言うから復唱せーよ。」

「あのーすみません。」

「はいはーい、何でしょう?」

 

ごめん、何とかなんないかも。

普段の運動不足のツケが回ってきたか。

あいにくと気合いとか根性とかいう便利なものは俺の中には搭載されてねぇ。

けれど乗りきらなければ。文化祭のトリを飾る幼馴染のバンドの演奏のためにも。

ここで燃え尽きるわけにはいかない。

 

 

「も、燃え尽きた…。」

「お疲れー。」

「助かったよー本当に。」

「…終わったんだな。」

「うん、明日は星川のシフト無しにするってみんなで決めたから、文化祭楽しんできなよ!」

「いつの間に…」

 

ったく、いらん気遣いしやがって。

けど、せっかくのこいつらの厚意を無下にもできないし、お言葉に甘えておきますか。

 

ともかく、1日目終了。

 

「ゆう!お疲れー!」

 

戸山達も戻ってきたようだ。

 

「おー、お前ら楽しんできたか?」

「うん!楽しかったよー!」

「明日は頼んだぞ。」

「ふっふっふ…よかろう、この大魔姫あこに任せるがよい!」

「優、だいぶ疲れてるね。」

「体中ガッタガタだわ。」

 

ともかく明日はフリー。

先輩のバンドの番まで適当に時間潰すとしよう。

 

しかし、2日目が波乱の文化祭となることをこの時の俺はまだ知らない。

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