遂に来た…来てしまった…この日が。
10月7日。
RAISE A SUILENの4thワンマンライブ。
その名も『RAISE your RAGE』
ゲネプロ(本番同様の形式で行う最終リハーサル)を終えるまでは良かったのだが…ここにきて
緊張しすぎて足の震えが止まらないという事態に陥ってしまった。
どうしよう…どうにかなんだろ!とか思ってた
数時間前の俺を殴ってやりたい。
「なんだよ優…お前、緊張してんのか?」
ますきさんが茶化すように言う。
「そ、そりゃあ…俺は皆さんのようにライブ慣れしてませんし…」
「そんなんじゃ困るわね。あなたはRASの
ギタリストなんだから、堂々としていなさい。」
「…やっぱり帰っていい?」
「No!今さら何言ってるのよ!」
「ですよねー…」
いや、だって…ライブの告知ポスターに
それぞれの担当パートの名前が書かれてんだけども…
Gt.Secret
ハードル上げてきますねぇ…さすがチュチュ様…
集客にも抜かりはないってか。
それに…どうやら今日のライブ…Roseliaさんと
ポピパさんも来るらしいのだ。
どういう意図かは知らないがチュチュが招待したらしい。
心臓の鼓動がやばい。
こんな調子で果たしてまともに演奏できるのかどうか。
「ユウさんなら大丈夫ですよ♪」
…
でも、ありがとうな。
ホント良い子だよこの子。
けど、演奏時のパフォーマンスはめっちゃド派手なんだよな…縦横無尽に動き回るっていうか…
そりゃあもうピョンピョン跳ね回る。
ますきさんは言わずもがな。
狂犬の名は伊達ではなく、隙あらば即興のアドリブを入れてくる困ったちゃん。本人曰く楽しくなってきちまうんだよな…とのこと。
レイさんは…昔からは考えられないくらい変わった。力強い歌声…それでいてベースの方もおざなりではない…どこか自分を出しきれていないあの頃とは違う。
「大丈夫だよな。」
この人達となら。
「吹っ切れたみたいだな。」
「えぇ、ご心配おかけしました。」
「もうすぐ開場よ!準備はいいわね?」
「あぁ!いつでもいけるぜ。」
とは言ったもののよ…客の入りがやべぇ。
ほぼ満員じゃねぇか。
キャパ1000人って言ってたから1000人近くはいる計算になるわけか。
だが大丈夫だ…やれる。
このメンバーなら。
できる…俺はできる。
大丈夫だ…信じろ。
今こそ俺のギター
満員?
それがどうした。
できるか?とかそういう問答は今さらナシだ。
退路はとっくに断たれてるんだからな。
「Hello everyone!」
チュチュの挨拶に対し観客席から歓声があがる。
さすがに熟れてるな…こいつ。
何度もこういう場面を経験しているだけはあるな。
「今日はRAISE A SUILENの4thワンマンライブに来てくれてThanks!ライブの前にSweetな
New guitaristの紹介をするわ!」
先ほどよりもさらに大きな歓声があがる。
すげぇ歓声…と、圧倒されてばかりでもいよいよいられないな。
さぁ、早いとこ紹介してくれよプロデューサー。
およそ1000人。
俺の音を聴く観客といよいよご対面の時だ。