「Gt.ユウ!」
だ、大丈夫だよな?
いきなり大顰蹙を買ったりは…
「!?」
…しなかった。
むしろ凄い大歓声に思わずビビってしまう。
マジか…初見の…しかもガールじゃないギタリストだぞ?
それでも受け入れてくれるっていうのか…
なんて優しい世界なんだ。
「Ba.&Vo.レイヤ!」
「Dr.マスキング!」
「Key.パレオ!」
ったく、それにしてもどういう心臓してんだよ
この人達は…皆、堂々としてやがる。
こんな中でベストなパフォーマンスを発揮してきたっていうのかよ…半端ねぇな。
空気が震えている…熱気が凄い。
何もしていないのに最早手に汗握っていやがる。
「いくわよ!First song!」
「ふーっ…」
さぁて、初っぱなからコケるわけにはいかない。
出しきるんだ…今までを…ありったけを込めて。
全部昇華してやるよ。
Roseliaさんやポピパさん達が見た景色を俺も…
見るんだ。
何もかも新鮮だった。
何コレ、すっげー楽しい。
振り向くことはできない…が伝わってくる…
音でわかる…きっと皆も同じ気持ちなんだ。
以心伝心っつーのか?
ますきさんのドラムが俺をイヤでも奮い立たせてくれる。ちょうどいい…利用させてもらおう。
そうだよ。
ちょっとぐらいレールをはずれたって平気なんだ。
そんくらいで崩れるほどこのバンドは脆くはない。
それどころかそんなこと気にしてた日には
ヘタすりゃ置いてきぼりをくらってしまう。
『You are unstoppable!』
いつか、チュチュに言われた言葉を思い出す。
そうだ、俺は止まらない。
止まるわけにはいかない。
前を走り続けろ。
トップを独走しろ。
並び立つことすら許すな。
叫びたい衝動すら音に乗せて。
そして、最初の曲『UNSTOPPABLE』を終える。
永遠──とまではいかないが、とてつもなく永く感じられた時間だった。
「やっぱ、たのしーなぁ…ギターって…」
思わずそう溢した。
誰の耳にも届くことはないが…改めてそう思った。
こんなん味わったらやめられなくなるわ。
チュチュのやつめ…責任取れよ。
そうして、2曲、3曲と演奏は進んでいく。
できるなら終わってほしくない。
この最高に楽しい時間。
次は──
『R・I・O・T』か。
RAISE A SUIRENの原点とも呼べる曲。
意味は暴動…だったっけか?
ガールズバンド時代を終わらせると聞いた時には何を言ってんだコイツは…と思ったもんだが…
大言壮語なんかじゃなかった。
相応の力を持っていた。
そんな事を望んじゃいないが、こいつなら本当にそれをやってのけるんじゃないか…という期待感がある。
チュチュ、ありがとうな。
お前には返しきれない借りができちまった。
あぁ…終わりが近づいてきているのがわかる。
終わってほしくないと願っても、時間は無情にも進んでいく。
もっと弾きたい。弾いていたい。
この最高のメンバーと。
「
演奏が終わっても観客のコールは止む気配がない。
「ユウー!」
驚いたことに俺への歓声もあった。
終わった…終わったんだな…。
できればもっとやりたかったが…これ以上を望むのは贅沢ってヤツか。
十分すぎるほどのプレゼントは貰ったんだ。
思い残すことは…ない。
「アンコールの前にSweetなお知らせよ!」
あ、アンコールあるんだ。
良かった。もう一曲弾けるんだな。
それにしてもチュチュめ…まだあんな元気あんのかよ。
「RAISE A SUIREN は BanG Dream! Girls Band Challenge!に出場します!」
いい盛り上げっぷりだ。
大丈夫だ。
皆なら頂点を目指せる。
頑張れよ。
応援してるからな、チュチュ。
「そこで、Roseliaと──」
うんうん。
「ポピパを──」
うん?
「ブッ潰す!!」
「…は?」
ごめん、前言撤回するわ。