Roseliaとポピパを…ブッ潰すっつったか?
「ちょいちょいちょいちょい。」
待て待て待て。
完全に想定外だぞこんなの。
セットリストにないもん。
今まで盛り上がってた観客もこのチュチュの発言には戸惑っている。
そりゃそうだろう。
ていうか何を言うてくれとんねん
このガキんちょは。
RoseliaとPoppin'Partyのファンを敵に回す気か?
俺は明日からどんな顔して学校行けばいいのさ?
「But、そのためには新しいギタリストが必要になるわ…」
お前に必要なのは一般常識だバカたれ。
最後の最後で大ポカをやらかしやがって。
「ロッカ・アサヒ!あなたを私のバンド、RAISE A SUIRENにスカウトするわ!」
照らされたスポットライトには本日の
やっぱり来てたんだな。
「ご、ごめんなさい!!」
「なっ…」
ほらぁー…あんなこと言うから…
断られちゃったじゃんかよ。
「はぁーっ…」
しゃーない。
呆けてるプロデューサーからマイクをぶん取る。
「ちょっ…!」
最後の仕事といきますか。
「あー、ご挨拶が遅れました。本日、RAISE A SUIRENのサポートギターを務めさせていただきました…ユウです。先ほどはこのガ…プロデューサーが不適切な発言をしてしまったことをお詫び申し上げます。」
「ちょっと!勝手に話を進めないで!」
「うっさいわ!お前が変なこと言ったせいで
テンパった空気になってんだろが。」
人がせっかくそれをフォローしようてしてんのに…
言い終わる前にマイクをぶん取られる。
「あっ、このやろ…」
「どうして断るのよ!ロッカ・アサヒ!」
すかさず奪い返す。
「さっきの発言を取り消せ。そして謝罪しろ。」
「できるわけないでしょ!」
こいつ…あとで激辛ジャーキー食わせたろ。
「ほら、Roseliaさんとポピパさんに謝れ。すみませんでしたって頭下げろ。」
「マイクを返しなさい!」
「やだね。」
お前の短いリーチじゃ届かんだろ。勝ち確。
このやり取りがウケたのか観客席からはちらほらと笑い声が聞こえてきた。
望んだ形ではないが、結果オーライか。
「あー…ロッカ・アサヒさん。
プロデューサーはこんなんですが、腕は確かです。RAISE A SUIRENは素晴らしいバンドです。
最強のメンバーと最高の環境が揃ってます。
今一度、考え直してみてはどうでしょうか?」
「…………」
迷っているみたいだな。
ったく、こんなもん即決だろうに。
「あっ!」
油断した…マイクを…
「返事は今すぐじゃなくてもいい!ロッカ・アサヒ!その気になったらいつでも来なさい!私は
あなたのギター
…最初っからそう言えよな…ったく。
色々と一悶着あったが、アンコールを一曲終え、
RAISE A SUIRENの4th ワンマンライブはお開きとなった。
「Sweet!Excellent!unstoppable!」
出た。チュチュ様三種の神器。
随分とご機嫌ですなぁ。
「ユウ!最初の緊張がウソのようなSweetな演奏だったわ!」
「そ、そうか?」
なんだよ、そんなこと言われたらさっきのこと
怒る気もなくしちまうじゃないかよ。
まぁいいか、今日ぐらいは。
「うん、本当に…良かったよ優君。」
「
「また一緒にセッションしましょうね♪」
「パレオ、いつもより3割増しくらい派手にアクションしてなかったか?ライブ中思わずツッコミそうになったぞ。」
「つい張り切ってしまって…」
うん、かわいいな。
「本番で今まで以上の演奏をするなんてな…
やっぱすげぇなお前。」
「ますきさんとはもう勘弁ですよ…こっちが持たないもん。」
「そう言うなよ、またやろうぜ。」
「そう…ですね。」
やれて良かった。
それもこれも、この場を用意してくれた
チュチュのおかげだな…認めたくはねーけど。
「あれ?」
いつの間にかそのチュチュがいない。
どっか行ったんか?
…何かわからんがイヤな予感。
「すんません、ちょっとお手洗いに。」
「ユキナ!本当に出ないつもりなの?」
「………」
うわぁ…予感的中。
チュチュに向かいあうのはRoseliaの面々。
中心に立つ湊さんにチュチュが啖呵をきっていた。
「私たちに負けるのが怖いのね?
それならそうと──」
「こらこら、絡んでんじゃねーよ。」
「ちょっ…!」
「はいはい、いきましょうねー、チュチュちゃん。」
「放しなさい!」
「へいへい…リリース、リリース。」
またこいつは…懲りずにブッ潰すだのなんだの
言ってんのか?
「ゆう!凄かったよー!」
「お、おう…ありがとな宇田川。」
せっかく来て貰ったっていうのにすまんね。
「そのー…すいません、ウチの子が失礼を…」
「誰がウチの子よ!」
「いいからいくぞ…湊さん達はお前のことを
相手にしてるヒマなんか…」
「出るわ。」
「ないん…え?」
湊さん…今、出るわって?
「出るって…バンドリにですか?」
「えぇ。」
いや、でも…
「FUTURE WORLD FES.ってのがあるんじゃ…?」
「その通りです…湊さん、どういうつもりですか?」
それは紗夜先輩も想定外だったようで…
難色を示している。
独断なのか…本当にどういうつもりなんだ?
こんなやっすい挑発に乗るとも思えないし…何か考えがあってのことなのだろうか?
「…いくわよ。」
「じゃーね!ゆう!また明日!」
「おう。」
俺なんかが考えても仕方ないか。
湊さんには湊さんなりの考えがあるのだと
納得するしかない。
「星川さん。」
「え、あ、はい。」
やっべぇ…紗夜先輩めっちゃキレてね?
気のせい?気のせいだよな?
「…どうして隠れているのですか?」
「そうよ!放しなさいよ!」
「どうぞ、コイツから煮るなり焼くなりお好きにしちゃってください。」
プロデューサーを生け贄にしてでも俺は助かる。
今日の友は明日のためへの俺の贄。
「…何の話ですか?」
あれ?シメるとかそっち系の話じゃないの?
「…素晴らしい演奏でした。ただそれだけを言いたくて…それでは。」
「あ…どうもです。」
素晴らしい演奏…そう言ってくれたのか。
もったいなきお言葉だな…俺には。
「今に見ていなさい…Roselia。」
「まずは、ギターだろ。」
「そうね、ユウ!あなたにも協力してもらうわよ!」
「へーい。微力ながらお力添えさせていただきますよ。」
できるならば武道館で。
「チュチュ。」
「何よ?」
「
「…言われるまでもないわね。」
「だな。」
…そのためにも、コイツのこの意固地な性格は
何とかしないとな。
後日、チュチュと俺の小競り合いを収めた動画が何故かバズってたらしい。本当に何故だ。