「やっぱり、Roseliaは強いな。」
投票率はトップ…それも、2位のRASとは
かなり差がある。いわば、独走状態だ。
さすがに知名度、実力共に申し分無いだけはあるな。
だが、それをこのまま許すチュチュ様ではないはずだ。
朝日が加入し、本格始動したRASもこのまま
終わるとは思えない。
ポピパさんは…今のところは順位圏外みたいだな。ただ、予選ライブは始まったばかり。
追い上げてくる可能性はまだまだあるわけだ。
しかし、上位二バンドってのが惜しいところだな。RAISE A SUIREN、Roselia、Poppin'Party…
是非とも彼女達が武道館に並び立つ姿を見てみたかった。
RASはMVを作成するそうだ。
確かに、客を取り込むのに一番手っ取り早い方法ではある。いつでも最短ルートを一直線だな
あいつは。
そしてそれを即座に実行できるあたり、チュチュの腕の良さが窺える。
前にパレオからチラッと聞いたけど、音楽業界にコネを多数持っているらしい…マジでスペックだけ切り取って見ればくっそ優秀なんだけどね…。
「いらっしゃいませー。」
「おう。」
「おや、ますきさんと…RASのギタリスト(仮)さんじゃないですか。」
「…ここでバイトしとったん?」
「まぁな。ほら、座った座った。」
どことなーく元気がないが…さっそく壁に
ぶち当たったか?
「どうだ?MVの進捗具合は?」
「それが…」
「…うまくいってないと。」
「…うん。」
「ま、最初からうまくいったら苦労はしねーさ…俺も最初は怒られまくってたしな…」
「…優君も?」
「あぁ、お前と違ってバンド組んだ経験もなかったし…探り探りやってくしかなかったんだよ。」
「なんか、この間のことなのにすげー懐かしく
感じるな。」
「…ですね。」
壁にぶち当たるのは悪いことじゃない。
…コイツにはそれをぶっ壊す力があるはずだ。
「…ラーメンお待ち。」
「え、こ、こんなに!?」
「おう。特別大サービスだ。」
「…こ、この量は…」
「何言ってんだ…色々マシマシにしたラーメンはこの比じゃねーぞ?何せ野菜で麺が見えなくなってんだもん。」
「野菜で!?」
一回だけとあるラーメン屋に行ったけどあれは
エグかったな。
「いいから食え。腹が減っては戦はできんだろ?細かいことは食ってから考えろ。」
「…い、いただきます!」
「ごちそうさまでした。」
「お粗末様。」
結局、食いやがったよ。
「朝日。」
「?」
「いつまでも(仮)やってんなよ?お前は俺と
チュチュが認めたギタリストなんだ。
もっと自信持て…な?」
「うん…ありがとう。」
「何だかんだ言って、六花のこと心配してんだな。」
「それはないっす。」
電話の鳴る音で目を覚ます。
誰かは何となく予想はつくが。
「やっぱりか。」
モーニングコールにしちゃ早すぎませんかねぇ…チュチュ様。仕方ないから出るけど。
「はいよー…どしたん?」
「MVが完成したわよ!今すぐに見なさい!」
「…えむぶい?あぁ…MV!マジか、わかった。」
…って、もう切れてるし。
相変わらずやな。
「どれどれ…」
さっそく視聴しますか。
「あった。これだな。」
さーて、出来はどうかね?
「か…」
かっ…けぇぇぇぇぇぇぇ!!
Sweets!Excellent!Unstoppableだよ!
神?神ですか!?神かよコレ。
鳥肌が止まらねぇ!
これは神MV認定間違いなしですわ。
さすがはチュチュ様…良い仕事するねぇ。
そもそも、こんだけクセの強いメンバー達の
個性を噛み合わせてんだもんよ…冷静に考えて
凄いよな。
…各々の実力が高過ぎるってことは裏を返せば
演奏を破綻させるリスクも孕んでいるわけで…
そういったリスクヘッジも踏まえて一つの演奏として見事に昇華させるのはもはやプロフェッショナルの域と言っていい。
レイヤさん、ますきさん両名はもはや言わずもがな…安定の力強さ。こんな人達がサポートやってたとかウソだろ。絶対喰われるわ。
パレオはかわいさに騙されがちだが結構暴れる。キーボードを背面弾きしてたのを見た時はマジでこの子やべぇ…と思ったのは記憶に新しい。
指鉄砲に一瞬ドキッとしたのは内緒な。
そして、朝日。
あいつ…いっちょ前にツーステなんぞ刻みおって…しかし、眼鏡とシュシュ(?)を外しているからなのか…
雰囲気がいつもと段違いだな。
「…いいじゃん。」
最初の演奏にしては及第点ってとこだな(何様)
いや、しかしかっけぇ。
「優!朝から何騒いでるの!?」
「あ、すんません。」
どうやら声に出てたようだ…はっず。
「そうか、(仮)は取れたのか。」
まぁ、順当な結果だわな。
「心配させやがって…最初からやれよな。」
「ごめん…心配してくれてたんだ…。」
「あ、いや…言葉のあやだよ…お前がしっかりせんとRASの良い演奏にも繋がらんだろ?」
「はぁ…優って本当に素直じゃないよね。」
「いやいや、戸山さん…そんなわけないじゃないっすか。」
「何で敬語なの?」
「それにしても、
「チュチュさんには鍵のことだって…」
なるほど、RASの鍵になれと…そういう
メッセージが込められてるわけね。
約半年か…長かったな。
「頑張れよ…
「う、うん!頑張る!」