奏でることを忘れた少年   作:TAKACHANKUN

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待っていてくださった方、二ヶ月以上も
すみません!


始まりは

放課後にパレオ失踪騒動の謝罪をするべく

ポピパさん達の通う花咲川女子学園に来ていた。

 

怪しい者だとは思われない…はず。

合同で文化祭もやったし俺の顔ぐらいは皆さん

知ってる…よな?長時間待つのはさすがに

キツイけど。

 

「とはいえ、さすがに帰ってるかな…」

 

時間も結構経っているし、今日のところは諦めて帰ろうか…

 

 

「ゆーくーん!」

 

と、そんなことを思った矢先に後ろから俺の

名前を呼ぶ声が聞こえた。

 

この声は…香澄さんかな?

 

そう思い振り返るってみると予想通り香澄さんが

俺のほうへ向かって…というかもう目の前まで

きてるんだが…

 

…ちょっと待て!?

 

「っとぉ!」

 

ギリギリセーフ!セーフ!?

 

抱きつこうとしてきた(?)香澄さんから間一髪

逃れることができた。

 

…この人マジでか!?

今、俺に何しようとした!?

 

…とにもかくにもだ。

危うく越えてはならない一線を越えるところ

だったのは確かだ。

 

…いや、本当に危なかった。

 

(明日香)よ…お前の姉ちゃんは一体どうなっているんだ…俺にハグかまそうとしてきたぞ?

 

「か、香澄さん…」

 

「ん?」

 

「…相手は選んでください。」

 

「えー?」

 

えー?じゃなくて。

何でちょっと残念そうなんだよ。

 

「それよりどうしたの?」

 

「あぁ…えっと…」

 

それよりで済ませちゃいけない気もするけど…

なんだったっけ…衝撃的すぎて当初の目的を忘れてしまった。

 

ていうか、今さらながらすげー髪型してんのな

この人は…猫耳ヘアーとでも言ったらいいのか。

 

「そうだ、ほら、RASのゴタゴタで色々とご心配をおかけしたじゃないですか?それの謝罪をと

思いまして…」

 

「全然いいのにー!でも良かったね!」

 

「まったくですよ…それで、他の皆さんはもう

帰っちゃいました?」

 

できれば皆さんにも謝りたかったのだが

塾にバイトに家の手伝いに生徒会と忙しいらしい。

 

「私だけ暇になっちゃって…」

 

「なるほど…それじゃあ仕方ないですね。」

 

それはまたの機会にするとしよう。

 

「というか、生徒会って…ちゃんとやれてるんですかね?あの人(市ヶ谷先輩)は。」

 

「有咲?頑張ってるよ!」

 

お前にだけは言われたくねーよ!とか言われそうだけど…それを聞いて安心した。

 

香澄さんが連れ出してくれなかったら今頃どうなっていたことやら…そう考えると本当に感謝しかない。

 

「そういえば…」

 

「ん?」

 

「先輩ってどうやって市ヶ谷先輩と知り合ったんですか?前にチラっと本人から話は聞いたんですけど…」

 

大体、香澄のやつが──しか言ってなかったから要領を得なかった記憶しかない。ちなみに百回は軽く言ってたな…間違いなく。どんだけやねん。

 

「んーとねー…星のシールを見つけたから…

かな?」

 

「星のシール…ですか。」

 

「うん!色んなところに貼ってあって…それを

追いかけていったら有咲の家の蔵に続いてたんだ!」

 

「たぶん、犯人はあの人本人ですね。」

 

そういうことか。

大体わかった。

 

「あの人が通ってたピアノ教室じゃ、ピアノが上手に弾けましたねってことで星のシールを貰えることになってたんですよ。」

 

「そうなんだー!」

 

それをその辺に悪戯で貼っていたんだな。

まったく…何をやってんだか。

 

なんにせよそのおかげで…

 

「お二人は運命の出会いを果たしたと…」

 

「…泥棒に間違われちゃったけどね。」

 

ファーストコンタクト最悪だった。

 

何はともあれ、星のシールが香澄さんを導いたんだな。

 

それがPoppin'Partyという一つのバンドが生まれるきっかけになったわけで…

 

それはもう…

 

「…奇跡ですね。」

 

「ん?」

 

「あ、いえ…それで、ギターに出会ったんですね。」

 

「うん!それで有咲とライブハウスに行ってね!」

 

いや、行動早いな。

いきなりライブハウスて。

弾こうとしたのか?

ギター初心者だったんだよな?

 

無謀にも程がある…チュートリアル終わってないのにボス戦行くようなもんだぞ?

 

そうして、そこでグリグリというバンドの演奏を聴いてキラキラドキドキ?したそうだ。

 

「キラキラドキドキ…ですか。」

 

「うん!」

 

なんとなくわかった気がした俺は確実にあの御方(日菜先輩)の影響を受けているな…うん。

 

しかし、小気味の良いフレーズだな。

なんだか気に入った。

 

「…香澄さん。」

 

「ん?」

 

「今度の武道館で俺にもさせてくださいよ…

その、キラキラドキドキってやつを。」

 

パァッと効果音が付きそうなくらい香澄さんの顔が明るくなる。

 

「もちろんだよー!ゆーくんをキラキラドキドキさせてあげるね!」

 

「ちょっ…!?」

 

…完全に油断してた。

 

「先輩!離してくださいってば!やばいって!」

 

…当たってるし…何がとは言わないが。

引き剥がそうにも女性を手荒に扱う真似はできない。

 

…早い話が詰んだ。

 

誰か助けてくれ。

 

 

「じゃーねー!ゆーくん!」

 

「は、はい。」

 

…ようやく解放された。

なんだろう…すげー疲れた。色んな意味で。

 

ちなみにこの日、俺の中に香澄さんがデンジャラスな人物として追加されたのを追記しておく。

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