「百葉箱!?」
現場に着いた伏黒は電話に向かって驚きを叫ぶ。
「そんな所に特級呪物保管するとか馬鹿過ぎるでしょ」
『アハハ、でもおかげで回収も楽でしょ』
電話越しの五条は緩い感じに返答する。
伏黒はその声にイラつきつつ、目的の百葉箱を開ける。
「⋯⋯ないですよ」
『え?』
「百葉箱空っぽです」
マジで?ウケるね、なんて笑いながら五条は手を叩く。本気でぶん殴ってやろうかと思い始めた伏黒。
『まぁ、そういう事もあろうかと応援呼んどいたから』
「応援?まさか春夏秋冬ですか?」
『そーそー』
「はぁ、分かりました」
春夏秋冬がいつ頃到着するのか、体調は大丈夫なのかと話した後電話を切り、その場に座り込む。やれやれ、なんであの目隠しはこうも雑なんだ。全く⋯⋯
******
「着きましたよ、春夏秋冬君」
司は伊地知の声で携帯から目を離して外を見る。見慣れない景色、学校らしい学校に来るのは久々だ。高専はどうにも学校感がないんだよな。
「ここまでありがとうございます。伊地知さん」
「ええ、では気をつけて。伏黒君にも連絡したので、ここで待っていれば来てくれますから」
車を降りて、伊地知に頭を下げて校門に背を預ける。何やらガヤガヤと喧騒が耳に入る。学校ってこんなにうるさかったっけ?と昔の記憶を遡る。ろくな事を思い出さなかったので、直ぐに止めた。
ゴーン、ゴーンとチャイムの音が鳴り響く。そんな中に伏黒の叫びも混じる。伏黒が近くにいるのか、と思い校門をくぐろうとすると。
「あぁ、ごめん!」
車ぐらいのスピードの男が目の前を過ぎ去って行った。風圧で口がブワッてなった。普通なる?
「春夏秋冬!来たのか」
暴走特急の後に伏黒も来た。伏黒の元気そうな顔を見れてどこか安心する。
「えっと、久しぶり?元気そうでよかった。それより、さっきの彼は?」
「あいつ、恐らく呪物を持ってる。放置すると危険だ。着いてきてくれ」
「分かった!」
伏黒が走り出し、その背を追う。
******
「虎杖悠仁だな」
病院の受付にたっている青年に対して伏黒が問う。
「あぁ、そうだけど?」
青年に対して一通り呪いや呪物に付いての説明を施す。
「まぁ、そういう事なら。でもなんで俺?先輩に言えよ」
虎杖は伏黒が見せた写真の入れ物を投げる。中を開くと空っぽであった。
「中身は!?」
「だぁから先輩がもってるって!!」
「その先輩さんのお家てどこなんだ?」
司は虎杖に問いかける。少し考えこむ虎杖。
「あ、そういえば。今日の夜、学校であのお札剥がすとか何とか言ってたな。⋯⋯え?もしかしてヤバイ?」
伏黒の顔が険しいものとなっている。言葉を聞かずとも次に出てくる事は容易に想像出来た。
「ヤバイなんてもんじゃない。ソイツ死ぬぞ」
それを聞いた虎杖の表情から緩みが消える。
「とりあえず学校に居るんだな?春夏秋冬、行くぞ」
「俺も行く」
虎杖が歩き始めた2人の横に並びそう言い放つ。
「ちっ、言い争ってる場合じゃない。走るぞ!!」
こうして3人は学校へと向かう。