クロです。二日連続で天敵が現れるだなんて聞いていません。クロです……クロです……。
「有咲!!クロちゃん、本当に可愛いよね!!」
「だぁぁぁ!声が大きんだよお前は!猫は大きい声苦手なんだぞ!?」
「そういう有咲も大きい声を出しているのでした」
「有咲ちゃん……クロちゃん驚いてたよ?」
「クロ、ごめんね。いつも騒がしくて」
と、猫耳・髪の毛Versionの香澄のお嬢の腕の中にいる私なのですが、まあ……香澄のお嬢が元気有り余っている方でして……。耳元で大きな声を出すのは止めて欲しいです。はい。耳がキーンってなります。それに有咲のお嬢……つられて大きな声出し過ぎです。
あ、沙綾のお嬢!喉を、喉を撫でないでぇぇぇぇ!!!!ゴロゴロゴロゴロ♪
「本当可愛いよね、クロは」
「沙綾ちゃん、次、撫でてもいい?」
「おっちゃんには負けるけど、可愛いよね」
と、次々に私の頭やら喉などを撫でる五人。そもそもなのですが、私がノンビリ、ラウンジ内を散歩していたら、凄い勢いでラウンジに入ってきたのは香澄のお嬢でした。そしてあっという間に捕まって、抱っこされた訳であります。
いや、抱っこするのはいいんですよ?でもね、大きな声で騒ぐのだけは止めてぇぇぇぇ!?
「あ、クロ?どうしたの?」
「そろそろ下りたいんじゃねぇの?」
前足をジタバタさせて、下りたいんですとアピールをする私。首を傾げて、私が何をしたいか理解できていない香澄のお嬢。いえ、香澄のお嬢に理解されなくても、誰か理解してくれる――と、思っていたのですが、すぐさま有咲のお嬢が私の意図を理解してくれました。香澄のお嬢が声はうるさいですが、優しく下ろしてくれました。そういう所はもう二人の天敵とは違う所ではありますので、嫌いになれないんですよね。まあ、香澄のお嬢を制御してくださっている有咲のお嬢のお陰でもありますが……。
下りてから体を震わせて、顔を洗います。毛繕い毛繕い。これをしないと落ち着かないんですよね。
「あっ!毛繕いしてる!かわいいぃ!!」
「だからうるせぇっての!可愛いけどさ」
「クロちゃん、猫じゃらしだよー」
む?りみのお嬢が私専用のオモチャを持っているではないですか。遊んでくれるのですか!?昨日は、息を潜めていたので、遊び足りなかったので嬉しいです。
「あ、気付いた」
「わっ。凄いジャンプ」
と、取ろうとしたのですが、高い所にオモチャを上げられてしまったので、ジャンプ一番!取ったと思ったのですが、右前足の爪が掠っただけでした。なぬ。腕を上げましたね、りみのお嬢。
前だったら今ので、オモチャ奪取できていたのですが……ムムム。これは手を変えねばなりませんね。という訳で、直接攻撃です!!
「わわわっ!?クロちゃん!?」
「はいはいクロ。直接はダメだよ」
と、りみのお嬢の腕にしがみついたところで、沙綾のお嬢に抱き上げられてしまいました。解せぬ。
「クロ……お前、利口なんだかバカなんだかよ良く分からねぇな……」
「いやいや有咲。クロちゃんはお利口さんだよ!」
「うんうん。今のだって、りみりんが高くしたから、取る為に持っている手にしがみついていた訳だから、クロは利口だよ」
と、たえのお嬢が私をナデナデしてくれます。まあ、私自身。利口かどうかは分かりません。人の言語を理解できるのはマスターのお陰ですし、飼い猫としてマナーを教えてもらったのはご主人のお陰ですし……。
「うんうん。たまに悪戯するけど、私達の声聞いて、きちんと反応してくれるし!」
「そうそう嫌がる事ないよね」
「香澄が大きな声出した時ぐらいだしな」
「あ、ひっどーい有咲!」
「だぁぁぁぁ!!だきつくんじゃねぇぇぇぇぇ!!!!」
と、目の間で行われるやり取りを見ながら、私は欠伸をするのでした。いえ、そろそろお昼寝の時間なのですよ。猫は眠るのが仕事ですから。あ、本当に眠くなってきた。
「ん?クロ、眠いのかな?」
「沙綾、そうみたいだね。いつもの場所に置いてあげよう」
「うん。はい、クロ。寝るならここだよ」
と、沙綾のお嬢が私がよく眠っている、私専用のクッションに置いてくださりました。ありがとうと鳴いてから、体を丸くして眠りにつきます。五人の話し声が聞こえましたけれど、すぐに夢の中に入る事が出来ました。
で、起きたらラウンジ真っ暗でした。どうやら眠っているからと電気を消してくださったようですが、ここまで暗いと夜ですよね?あれ?ご主人?私置いて帰った?そう思った瞬間、ラウンジの灯りがつきました。まぶしっ!?
「クローごめんね。遅くなっちゃった。って、今起きたのかな?この寝坊助さん」
「みゃー」
わしわしと撫でてくださるご主人こと月島まりなのお嬢。どうやら、仕事が長引いていたようです。
「今日はおやつ貰ってないみたいだねぇ。水は飲んだ?」
「にゃ」
私の事を心配してくださるご主人。水は飲みましたよ。あの五人が来る前に飲んでいたので、問題はないはずです。ただ、眠ってしまったので、おやつはもらえてませんね。残念です。
「それじゃあ、帰ろっか」
「みゃん」
と、抱き上げられる私ですが、家に帰るのですから嫌がる事はしません。ご主人の出勤の日はいつも一緒にCiRCLEに来ているのです。ただ、来てからはラウンジに閉じ込められるという言い方もおかしいですが、そこにいるので、暇と言えば暇です。特に平日。よく遊んでくれるメンバーが、学校?なるものに行っているのが原因です。
そういう時は、スタッフの方々が遊んでくださったり、エサを用意してくださったりするので問題はないのですが。
「あ、クロのエサもう無くなったんだった。忘れてたよ。ちょっと寄り道していくからね」
「みゃー」
エサが無いという発言が聞こえましたが、きっと買ってくださるはずです。じゃなければ、本気で噛みます。そんな私の心配をよそに、ご主人はきちんとエサを買ってくださったのでした。良かった良かった。
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