虹の花咲くその日まで   作:T oga

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輝助の過去回やっぱ長くなりそうなので二話に分けます。最近、文字数多めの話が多かったので、今回は2000文字程度で!


鍵をかけた遠いmemories
廻る過去と走りだした
悲しみのこの地球(ほし)に映るよ everlasting love

ガンダムUCの歌の中でmerry-go-roundが一番好きなのでそこからサブタイ選びました。

それでは、どうぞ!



11話 鍵をかけた過去の記憶

 文化祭が終わり、虹ヶ咲の生徒はそれぞれ片付けの準備を始めていた。

 

「だいじょ~ぶ、遥ちゃん? 一人で帰れる?」

「もう、お姉ちゃん! 子供じゃないんだから、一人で帰れるよ! 大丈夫だってば」

「うーん、彼方ちゃん心配だよぉ……」

「過保護だなぁ、彼方は。大丈夫だって!」

「やっぱり彼方ちゃんか、こーちゃんが送っていった方が……」

「輝助さんもお姉ちゃんも片付けで忙しいでしょ! 本当に大丈夫だから」

「わかった……。でもニジガク広いから迷わないように気をつけてね!何かあったらすぐに電話して!彼方ちゃん、すぐに駆けつけるから!」

「ありがとう、お姉ちゃん! じゃあ先に帰ってるね」

 

 そうして、遥は帰っていき、彼方も自分のクラスの片付けへと戻っていった。

 

 俺はその後、舞台袖の控室に向かう。

 

 その控室では着替えが終わった高坂穂乃果さんとせつ菜がいた。

 

「穂乃果さん、今日は本当にありがとうございました!」

「ううん。お礼を言うのは私の方だよ!久しぶりに学校で歌って踊ったから、6年前のスクールアイドル時代を思いだしちゃった! あと、せつ菜ちゃんのステージもすごく良くて、私も負けないように頑張らなきゃって思えたもん!!」

「それは良かったです!! ……あっ、内村先輩! 見てくれました! 私の初ライブ!!」

「あぁ、見てたよ。すごく良かった!頑張ったな」

「はい!ありがとうございます!」

 

 満面の笑みを浮かべるせつ菜を見て、彼女をスクールアイドルにしようと頑張ってきたこの半年間は無駄じゃなかったんだなと思えた。本当に良かった。

 

 その後、やってきたマネージャーに連れられて穂乃果さんは虹ヶ咲を後にし、俺とせつ菜……ではなく中川も生徒会長&副会長として文化祭の片付けに入る。

 

 文化祭の片付けは日曜日である明日もあるが、今日中に出来る事はやっておきたい。

 

「それじゃ、もう一仕事!張り切って行くぞー!」

「はい!内村先輩!!」

 

 

 そんなこんなで一日が終わり、彼方とともに帰宅する途中、彼方はこう質問をした。

 

「こーちゃんが隠してたのは、せつ菜ちゃんの事だったんだね~」

「まぁな、夏休み前からあいつがスクールアイドルやりたいって生徒会室に来てな。それからずっと歌やダンスの練習とかをサポートしてたんだよ」

「そっか~、じゃあ……もう大丈夫なの?」

 

 おそらく、あの話だろう。

 

「大丈夫……とはまだ言い切れないけどな……」

 

 

 あれは去年の夏の事……

 

 俺の目標であり憧れだった……母が死んだ……

 

 


 

 

 俺の母──竹中裕子は国民的大女優だ。

 朝ドラの主演を努めてから広く名を知られるようになり、三度の優秀主演女優賞と四度の主演女優賞を受賞し、優秀助演女優賞も一度だけ受賞している。

 父である内村大輝も俳優や声優・歌手など多岐に渡って活動していて、俺にとっての両親は自慢の親であり、憧れの存在であり、そして目標であった。

 

 父や母のようになる。それは俺の目標であると同時に両親も望んでいたものだったのだろう。

 俺は産まれた頃から英才教育で歌や踊り、そして演技などを叩き込まれた。

 

 ボイストレーニング、ボーカルスクール、ダンススクール、演劇教室、ピアノやギター・ヴァイオリンなどの音楽教室……

 

 本当にとても多くの習い事を毎日こなした。

 

 小学校の高学年に上がると同時にドラマの子役としてのオファーも出始め、徐々に学校に通う事も減っていった。

 

 そんな毎日……普通の子供なら文句の一つも言いたくなるのかもしれない。

 だが俺は全くと言っていいほど苦しくはなかった。その生活が毎日楽しかったのだ。

 

 ……あの日までは

 

 

 俺が中学に上がってすぐ、父が飲酒運転と信号無視で警視庁に検挙された。

 

 それ事態は警察への罰金でなんとかなったのだが、問題はその車の助手席に女性が乗っていた事だった。

 

 その女性は……浮気相手だったのだ。

 

 

「大輝さん、どうしてこんな事したの!?」

「…………」

「何か、言ってよ!!」

「…………すまん」

「もういいっ!!」

 

 

 ほどなくして、父と母は離婚した……

 父は家から出ていき、俺と母二人だけの生活が始まった。

 

 

「ごめんね……コウくん……。ごめんね」

「いや、大丈夫。俺……もっと頑張るから」

 

 

 なんだかんだで母はやはり父の事を愛していたのだろう。離婚してすぐは気丈に振る舞っていたが、一ヶ月経った頃には仕事も休んで、部屋に引きこもってしまった。

 所謂(いわゆる)、「うつ病」というやつだろう。

 

 

 俺がもっと頑張れば、きっと元の母さんに戻ってくれる。

 

 俺はそう信じて、より一層芸能活動に打ち込むようになった。

 

 

 そして……ドラマや舞台、習い事を繰り返す生活でまともに中学にも通わないまま、中学校を卒業した俺は音楽科推薦で虹ヶ咲学園に入学した。

 

 虹ヶ咲では演劇部に所属。

 習い事の一つである演劇教室が中学生以下対象の教室であった為、演劇教室をやめ、その代わりに演劇部に入部したのだ。

 

 

 その演劇部の行事である藤黄学園との合同演劇祭の日の事だった。

 

 藤黄学園との合同演劇祭は毎年行われている恒例行事であり、会場は一年ごと交互に各学園の講堂で行われている。

 

 俺が主演を努めたこの年は虹ヶ咲の講堂で行われた。

 

 劇は大成功に終わったのだが、演劇祭の後、俺のマネージャー(元々は母のマネージャーだった)が虹ヶ咲の講堂に大慌てで駆け込んできて、俺にこう告げたのだ。

 

「輝助くん!お母さんが……!!」

 

 この日、母が死んだ……自殺だった……

 

 俺が家に戻ると、自分の部屋で首を吊って自殺した母がいた……。遺書は無かった。

 

 

 




読んで頂いて本当にありがとうございます。

辛い話でごめんなさい……。オリキャラばかりで話をすすめてごめんなさい……。あともう一話、過去編が続きます。そこでまたオリキャラが増えます。本当に申し訳ないです……

こんな過去いるか?って言われてしまうと別になくてもいいのかもしれないんですけど、これが私の作風なんです……書いてるとどうしてもこんな感じになっちゃうんですよね……

こんな私でもついてきてくれる方いらっしゃれば、是非感想を頂きたいです。

後々のニジガクメンバーが揃い始めるアニメ本編ベースの話が楽しく書けるようにこれからも頑張っていきます!!応援よろしくお願いいたします!!

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