そして、今回の話で輝助がせつ菜に協力する理由の答え合わせをします!
楽しみにご覧下さい!!
「内村輝助君。君を後期生徒会の会長に任命します!」
とある日の昼休み、俺を生徒会室に呼び出した生徒会長『山崎
「……はぁ?」
俺が疑問に思うのを他所に彼女はこう続ける。
「亡くなったお母さんに寄り添えなかったんでしょう? 寄り添ってあげれば良かったと悔やんでいるんでしょう? なら、そのリベンジの舞台をあなたにあげる。生徒会長になって、この学園の生徒全員に寄り添いなさい!」
そういうことか……
「それはなんか違うんじゃないですか?」
「何が違うの? 母に寄り添えなかったのを悔やんでるなら、今後はもっと人に寄り添うようにしようって思うでしょう? 生徒会長はまさにそれにふさわしい舞台だと思わないかい? 学園の生徒全員に寄り添う事が出来るんだよ?」
いや……うーん……
「私はもう三年だし、そろそろ就職の準備を進めたいの。進学する気はないからね。だから新しい生徒会長が必要なんだけど……君がやってくれないかな?」
「……それが本音ですか?」
「本音は違うかな。まぁ、君の噂話を聞いて、君なら生徒会長に相応しいってそう思ったんだよ」
「なぜ、そんな結論に至ったのかは不明ですが、僕は遠慮しておきますよ」
「どうして?」
「…………えっと」
否定したかったが、否定の言葉が見つからなかった。
「確かにいきなり生徒会長は難しいよね。でも基本的な仕事とかは副会長に任せればいいからさ。私もちょくちょく顔出すし、OBとして。だからやってみない?」
「……なんで、俺なんですか?」
俺がそう質問すると、会長はこう言った。
「今は私が生徒会長なんだから、他人に寄り添うのは当然でしょ? 君が心の支えにしていたお母さんを失って絶望しているのを救いたいと思ったんだよ。習い事も演劇も、お母さんを思い出すものは遠ざけたい。それは仕方ないと思う。でも、何かしてないと気が滅入るだけだよ? だから、『やるべき事』を君に与えればいいと思ったんだ。君が生徒会長になって、他の生徒と寄り添っていけば、「お母さんに寄り添えば良かった」っていう後悔を忘れずにこれからの人生の糧にしていける。今の学園内の暗い雰囲気も、君が生徒会長になって、全校生徒の前で「俺は大丈夫だから心配するな」って行動とともに示せば、きっと元の明るい学園に戻るはず。……だからさ、やってみなよ生徒会長。君にはやる資格がある」
そうして俺は生徒会長になり……彼女の言ったとおり、学園にも明るい雰囲気が戻ったのだった。
「おい、輝助。そろそろ朝だぞ?」
「ん……おはよ、父さん」
俺はどうやら夢をみていたようだ。過去の夢を……
「
「ありがと」
今の俺は父さんと二人暮らしだ。
離婚して、家を出ていったはずの父が何故、ここにいるのかって?
それは母が死んだ後、俺の親権が父に戻ったからだ。
父は浮気してしまった事を後悔して母の生前、何度も謝りにきていたのだと言う。よりを戻そうとしていたのだ。
しかし、精神的に弱っていた母は父の顔も見たくないと塞ぎこんでしまっていた。
やはり俺はあの時、母に寄り添ってあげるべきだったんだ。あの時、母の話をちゃんと聞いてあげれば、父と母のよりを戻す為の協力を惜しまなかったはずだろう。
今の俺はそんな後悔を胸に、とある少女に寄り添っている。
彼女の名は『中川菜々』
またの名を『優木せつ菜』
「どうして、私にここまでしてくれるんですか?」と中川に問われた事がある。
その時、俺は彼女にこう言ったのだ。
「それはな……俺が生徒会長だからだよ。生徒会長なんだから、学園の生徒に寄り添うのは当然だろ? お前もこの学園の一生徒だ。スクールアイドルになりたいって思って、スクールアイドル部はないのかって生徒会室まで聞きに来たお前の助けになってやろうって思うのは生徒会長として当然の事だと思うぞ。 スクールアイドルをやりたいけど、他の誰かを誘うのは難しい……。なら、ソロのスクールアイドルとして先導して中川が舞台に立って、歌って踊って見せる事でお前のスクールアイドルが大好きだって気持ちを思いっきり叫べばいい。そうすればそれを見た誰かが、スクールアイドルをやりたいって手を挙げてくれるはずだ。だから、それまでソロとして活動してみないか? 俺も生徒会長として、一人の内村輝助として、お前に全力で寄り添ってやるからさ」
山崎明莉。俺に多大な影響を与えた彼女の事を俺は決して忘れる事はないだろう。
あの人、今はどこで何してるんだろうな……
そして、時は過ぎ──
「内村先輩!どうしましょう!? 理事長からの呼び出しなんて……私、何か生徒会長として悪い所でもあったんでしょうか?」
「大丈夫だ。安心しろって。理事長はそんな怖い人じゃねーよ」
とある冬の日の放課後、後期生徒会長である中川が理事長に呼び出された。
「この時期だから多分、予算についてだろ。俺も一緒に行ってやるから、心配するな」
「ありがとうございます……」
そして、俺と中川は理事長室へとやってきた。
コンコンコン
「失礼します。生徒会長、中川菜々です」
「どうぞ」
そう言って部屋に入っていく中川の後ろに立っていた俺を見て、理事長はこう言った。
「あら?内村君も来てくれたの?」
「会長の付き添いですよ。お久しぶりです理事長」
「えぇ、久しぶりね」
「本当に久しぶりだね」
ん? 中川でも理事長でも俺でもない声が聞こえてきた……
その声が聞こえた方を見てみると、扉の横に彼女は立っていた。
「え……なんで、先輩が?」
そこにいたのは、山崎明莉……俺に影響を与えた卒業したはずの元生徒会長だった。
読んで頂いてありがとうございます!!
輝助がせつ菜に協力する理由はこの話の通りです。この話を読んだ後に2話を読み返しても面白いかも知れませんね。
感想等募集してます!次回もお楽しみに!!