虹の花咲くその日まで   作:T oga

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サブタイトルがせつ菜っぽいですが……(元々プロットではDIVEの作曲回の予定だった)

今回は彼方回です!!

彼方ちゃんは可愛いし、綺麗だし、お嫁さんに欲しい子だなって思います。




16話 大好きの沼の底へ

 遥と話した日の夜、俺は彼方に電話を掛けた。

 

『もしもしーこーちゃん? どうしたの~?』

「あぁ……えっと、彼方……今、大丈夫か?」

『うん。お夕飯も食べ終わったし、お風呂も出てゆったりしてたとこだから~全然、大丈夫だよ~?』

「あーあのさ、明日から試験期間に入るけど……彼方は大丈夫か?」

 

 なんて切り出せば良いのか、迷いながらも俺はそう聞く。

 

『ん~? うん。大丈夫とは言い切れないけど、頑張るよ~。奨学金の為だもん』

「そっか……まぁ、わからない事あったら早く言えよ? 勉強付き合うからさ。……専門教科は無理だけど」

『ありがとね~。家庭科と生活産業は自信あるから大丈夫だよ』

 

 虹ヶ咲の二年は『現文』『古文』『数Ⅱ』『生物』『地歴』『英語』『体育』『保健』『倫理』の一般科目と各科別の専門科目三つを習っている。音楽科は『音楽Ⅱ』『音楽史』『ソルフェージュ(楽譜読みや聴音テストなど)』がその専門科目に当たり、彼方から以前聞かされたライフデザイン学科の専門科目は『家庭科』と『生活産業』それと『専攻別課題研究』らしい。

 ……専攻別課題研究って何やるんだろうな?

 

「自信あるなら良かったよ。専門教科で泣きつかれても俺じゃどうしようもないからな」

『彼方ちゃんは~料理が大好きだからライフデザイン科選んだんだもん。その専門教科で泣き言を言うつもりはないのだよ!』

「ほう、頼もしいな。でも今朝の玉子焼きは焦がしたらしいじゃないか? 遥から聞いたぞ?」

『え~、聞いちゃったの~? 彼方ちゃんの恥ずかしいとこ知られた~。違うんだよ? いつもはそんな失敗しないんだけど、ちょっと考え事してて……』

「それって、スクールアイドルのことか?」

 

 いい感じに本題に入れたのではなかろうか?

 今日の俺はコミュ障じゃないぞ!

 

『…………』

 

 電話の向こうの彼方が黙り込んだが、俺はこう続ける。

 

「文化祭が終わってから彼方の様子が少し変だって遥から相談されたんだ。それで、多分彼方はスクールアイドルをやりたがってるんじゃないかなって思ったんだけど……」

 

 「どうだ?」と問うと、彼方はこう答えた。

 

『すごいね、こーちゃん。彼方ちゃんの事、なんでもお見通しなんだ?』

「なんでもは知らないけど、昔からの付き合いなんだ。それなりに知ってるつもりだよ」

 

 なんでもは知らないよ、知ってることだけ……なんてな。

 

 少しの逡巡(しゅんじゅん)の後、彼方はこう話し出す。

 

『あのね……。せつ菜ちゃんのライブ見る前から実はスクールアイドルには興味があったの。遥ちゃんが楽しそうに動画見せてくれたりしたから』

 

 そうだったのか……それは全然知らなかった。

 

『でもね。高校生になったら家計の手助けの為にバイトをしようって中学生の頃から決めてたし、仕事が忙しくてあんまり家にいないお母さんの為と、遥ちゃんの為にも家事はもちろん頑張らなきゃでしょ? そんな中で彼方ちゃんはこーちゃんと同じニジガクに通いたいなんてワガママ言っちゃったじゃない? だから奨学金の為に勉強も頑張らなきゃいけないのだよ』

 

 本当に忙しいな、彼方は……

 

『だから、もうワガママはダメなの。スクールアイドルをやりたいって思ってても、彼方ちゃんにはそれは許されないことなんだよ』

「でも、せつ菜の舞台を見て、やりたいって気持ちが大きくなってきたんだろ?」

『……そうなんだ。だから最近スクールアイドルになった後の彼方ちゃんの事を色々想像しちゃったりして……』

「それが今朝の玉子焼きの理由か」

『……うん』

 

 彼方は忙しいから、これ以上何かを始めるのはやめた方がいい……。確かにそうかもしれないが、それだと現状のまま何も変わらないだろう。

 

 またバイトや家事、勉強の最中にスクールアイドルの事で考え事をして、それらがおぼつかなくなってしまう。

 

 だったら……

 

「彼方はスクールアイドルが好きなのか?」

『……うん。多分好きだと思う。せつ菜ちゃんのステージを見てからより一層やりたいなって気持ちが強くなった』

「じゃあさ、やってみろよ。やらずに後悔するより、やって後悔した方がいい」

『……バイトも家事も勉強もあるんだよ?』

「バイトの時間になったらすぐ帰っていいし、学生なんだから勉強が最優先なのは当たり前だ。家事は朝と夜、あとは休みの日にまとめて……だろ? 放課後いつも保健室とかでダラダラしてる時間をスクールアイドルに当てればいいじゃんか」

『彼方ちゃんにも……出来るかな?』

「彼方なら、出来る。それに彼方がスクールアイドルになれば、遥が喜ぶと思うぞ」

『はっ……!?』

 

 彼方はそう驚いた後、こう言った。

 

『……ねぇ、こーちゃん。こーちゃんの部屋の窓開けて?』

 

 いきなりなんだ? 寒いから窓開けたくないんだが……

 

 そう(いぶか)しみながらも俺は自分の部屋に一つだけある窓を開ける。

 

 すると、窓の先に彼方がいた。

 

 ……そういえば、俺の部屋の窓開けたら彼方の部屋が見えるんだったな。忘れてた。

 

「こーちゃん!ありがと~!! 彼方ちゃん、遥ちゃんの為にもスクールアイドル頑張ってみる~!!」

 

 彼方にしては大きな声。でもスクールアイドルになるならもっと発声も頑張らなきゃいけないぞ……

 

「あぁ!でも、まずはその前に期末テストだ!勉強優先だって、さっき言ったろ!」

「うん! バイトも家事も勉強も今まで通り頑張るよ~! でもスクールアイドルも頑張るから、こーちゃん見ててね~!」

「俺じゃなくて遥に見せるんだろ!」

「遥ちゃんの喜ぶ顔を見たいのが確かに一番だけど、こーちゃんにも見てもらいたいな~! スクールアイドルになってキラキラ輝く彼方ちゃん!」

「わかった! これから頑張ろうな!」

「うん!!」

 

 久しぶりに見た彼方の満面の笑みは最高に可愛かった。

 

 うん。俺の幼馴染はすごく可愛い。

 

 

 




読んで頂いてありがとうございます!

幼馴染っていいですね。

次回はDIVEの作曲開始&彼方ちゃんのスクールアイドルとしての練習が始まっていきます!そして次の次の次の次くらいにアニガサキ本編入れるかな?(無理そうw)

まだまだ遠いですが、道は見えて来ました!
これからも頑張って書いていくので、応援よろしくお願いします!!

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