虹の花咲くその日まで   作:T oga

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やーーーっっっと同好会メンバー同士の絡みが本編で書ける!!
(閑話でのしずくとかすみの絡みはあったけど、あれはあくまで閑話なので本編での同好会メンバー同士の絡みは今回が初めてになります。ちなみに原作キャラ同士の絡みは8話の文化祭での彼方と遥の絡みが最初です。遅い)

今回は前半輝助視点、後半少しだけせつ菜視点でお送りします!




17話 ビギニング

 二学期の期末テストも終わり、ついに彼方もスクールアイドル活動を始める事になった。

 

 彼方には今朝、「今日の放課後は生徒会室に来いよ」と言っておいた。直に来るはずだ。

 

「おうみ……じゃない!近江彼方先輩……ライフデザイン学科の二年生で内村先輩の幼馴染……学科専攻はフードデザインを選択……一年の時と今年の一学期も成績はライフデザイン学科の学年内で10位前後をキープ!?すごいです!……えっと、あとは……」

 

 中川はメガネをコンタクトに変え、髪もほどき、せつ菜モードのまま生徒名簿の彼方のページを食い入るように凝視して何やらぶつぶつと呟いている。おそらく「初めてスクールアイドル仲間が出来ます!」なんて感じで嬉しくも緊張しているのだろう。

 

「そんな緊張しなくてもいいぞ?」

「べべべっ……別に緊張なんて、してないですよ!?一緒にスクールアイドル活動をする人がどんな人なのかな~って調べてただけです!」

「あーはいはい。そういうことにしとくわ」

 

 そんなやり取りをしていると、生徒会室の扉をノックする音が響いた。

 

コンコンコン

 

「失礼しま~す」

 

 この緩い声。来たな。

 

「来たか、彼方。入っていいぞ~」

 

 その言葉が言い終わるや否や、彼方は扉を開いて生徒会室へと入ってきた。

 

「彼方ちゃん、生徒会室久しぶりに来たかも~」

「あぁ、そういえばそうかもな」

 

 俺があの人から生徒会長を引き継いだばかりの頃はたまに彼方も心配して俺の様子を見に生徒会室へ訪れていた。

 

「ねぇ、こーちゃん。生徒会長さんは~?」

「ん? 生徒会長はk……」

 

 「こいつだよ」と言おうとして中川の方を見ると、彼女は小刻みにフルフルと首を振っていた。

 

 え? 何? 言っちゃダメなの? 何故?

 ……まぁ、いいや。

 

「ここじゃなくて別のとこで仕事してるぞ」

「そうなんだ~。副会長になってもやっぱりこーちゃんは一人で生徒会室居る事のが多いんだね。こーちゃんぼっち?」

「ちげぇよ。今日はせつ菜もいるだろ」

 

 そう言って、せつ菜に話を振る。

 

 おそらくまだ緊張しているのだろう。少し体が震えている。文化祭の舞台ではそこまで緊張してなかっただろ……

 

「えっと……こほん」

 

 一度、咳払いすると体の震えも止まった。

 やっぱすげぇな、こいつ。

 

「ニジガクのスクールアイドルをやらせて頂いてます!優木せつ菜です!近江先輩もスクールアイドルにご興味があり、これから一緒に活動出来ると聞きました。とても嬉しいです!」

「うん。これからよろしくね~せつ菜ちゃん」

「はい!よろしくお願いします!」

「でも、せつ菜ちゃん……ひとついい?」

「はい。なんでしょう……?」

 

 なんだろう?

 

「彼方ちゃんは~確かにせつ菜ちゃんの先輩かも知れないけど~スクールアイドルではせつ菜ちゃんが先輩だから、「先輩」とかつけずに名前で呼んでくれていいんだよ~?」

「え?あっ、そうですか? ……じゃ、じゃあ……彼方さん……で」

「うん。それのがいいな~」

「わかりました! 改めてよろしくお願いします!彼方さん!」

 

 二人とも、これから上手くやっていけそうだ。

 

 まぁ、あんまり心配してなかったけどな。

 

 

 

 そして、あれから数日後──

 

 二学期が終わり、冬休みを迎え、クリスマスも元旦も終わった一月二日。

 

 冬の寒い中、授業もないのに学校に行くのはさすがに嫌なので彼方のスクールアイドル活動についてはすべてせつ菜に任せてある。

 せつ菜は歌も踊りもほぼ完璧に仕上がっているし、せつ菜に任せておけば、彼方も大丈夫だろう……大丈夫だと思いたい。

 

「じゃあ、輝助。留守頼むぞ」

「ん、行ってら~」

 

 2021年最初の仕事へと向かう父さんを見送ってから、父さんと一緒に食べた朝食の片付けを終わらせた後、俺は自分の部屋に戻る。

 

 部屋で何をやるかって? 作曲だよ。

 

 せつ菜の次の舞台用の新曲を作っているところだ。CHASEはせつ菜が歌詞と曲のイメージを作った後、俺が音を乗せていったが、今回の曲は俺が先に音楽を完成させて、その出来上がった曲にせつ菜が考えた歌詞を乗せてもらおうと思っている。つまりCHASEとは逆のアプローチで作る曲ってことだな。

 

 ちなみに彼方の曲もイメージだけなら出来てはいるが……まだ早いだろ。せつ菜の曲が出来た後に作ればいい。

 

 あと冬休みの宿題は先月中に終わらせた。年始に何かをやり残しておくのは俺はあまり好きじゃない。

 

 っつーことで、自分の部屋にあるピアノに向かったその時──

 

 ピンポーン

 

 ……家に誰か来たようだ。

 

 


 

 

 数分前──

 

「本当にいいんでしょうか? 連絡もなしに急にお邪魔して……」

「大丈夫だよ~。彼方ちゃんも遥ちゃんも一緒なんだし」

「輝助さんがマネージャーなのに、お姉ちゃんとせつ菜さんのこと放ってるのが悪いんですよ。あと、新年の挨拶もまだしてませんし、お年玉ももらわないと!」

 

 昨日、ラインで彼方さんに「明日からの同好会(仮)の活動どうしましょう」と連絡したところ、「とりあえず、明日は今年最初の活動になるし~こーちゃんのお家に突撃だ~!」と誘われて、今に至ります。

 

 東雲駅についた私を彼方さんと彼方さんの妹である遥さんが輝助先輩の家まで案内して下さいました。

 

 ……本当に彼方さん達の家のお隣なんですね。

 

 ちなみに彼方さんからの助言で私は先輩の呼び方を「内村先輩」から「輝助先輩」へと変えることにしました。

 生徒会長の時は「内村先輩」って呼ぶようにしてますけど……

 

「やっぱり、今からでも連絡を入れた方が……」

「大丈夫ですって!!」

 

 そう言って遥さんが輝助先輩の家のインターホンを押すと、少ししてから輝助先輩が家から出てきました。

 

「はい……って、お前ら!? 何しに来たんだ?」

「こーちゃん、あけましておめでと~う!」

「あけましておめでとうございます! 輝助さん!」

 

 彼方さんと遥さんが輝助先輩に新年の挨拶をしました。あっ、私もしなきゃ!

 

「えっと、あけましておめでとうございます!」

「あ、あぁ……。あけおめ」

 

 輝助先輩はそう返した後、私たちに尋ねます。

 

「で、何しに来たんだ?」

「特に用事はなかったけど~」

「えっと、その……来ちゃいました」

「……はぁ?」

 

 その日は輝助先輩の家でお餅を食べたり、居間で柔軟運動をしたり、輝助先輩のピアノに合わせて歌の練習をしたりなど色々して過ごしました。

 

 

 そんなこんなで平和に冬休みも過ぎていき……三学期になってからも彼方さんや輝助先輩と一緒に『スクールアイドル同好会(仮)』として活動を進めて行きました。

 

 

 そして、三学期も無事に終わり……私は二年生へと、彼方さんと輝助先輩は三年生へと進級。神枝先輩は卒業し……

 

 始まった新学期。

 

 まさかあんな事が起こってしまうなんて、この時の私は思いもしませんでした……

 

 

 




彼方ちゃんのスクールアイドル活動が始まって
二学期が終わって冬休みが始まって、終わって
三学期が始まって、終わって……新学期が始まる。そして、あんな事が……

と、色んな事が始まったり終わったりする回でした。

少し飛ばし気味ですが、そろそろアニガサキ本編に突入したいのです!!

やりたい話が目白押しなので、頑張って書いて行きますよ~!

でもその前に特別編でも書きますかね……

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