仕事が忙しくて少し遅くなってしまいましたが、モチベーションは今だ高いままなので安心してください!
新学期が始まり、俺や彼方は三年生へ、中川も二年生へと進級した。
始業式も終わり、俺は今から生徒会副会長としての最後の仕事を果たそうとしている。
ちなみに次の生徒会へは立候補しなかった。高校生活最後の一年は一学期から出来るだけ大学受験の準備に当てていきたいと思ったからだ。実は俺にも夢が出来た。その夢はいずれ明かそう……
学生寮の前でとある人を待っていると、部屋に荷物を置き終わった一人の女性が少し駆け足で俺の方へと向かってきた。
彼女はエマ・ヴェルデ。
スイスから編入してきた留学生である。
「お待たせ!……えっと、多分だけど、アカリちゃんの言ってた輝助くんだよね? あなたが案内してくれるの?」
「はい。元生徒会副会長の内村輝助です。ようこそ……」
ヴェル……ヴェルデ……ヴェルデバスター?
なんか言いにくいな。エマ中尉……じゃなかった。「エマ」でいいか
「ようこそ、エマさん。虹ヶ咲学園へ。生徒会長は別の用事で不在、現副会長もまだ着任して間がないという状況ですので代わりに元副会長の私が学内を案内させて頂きます」
「うん。ありがとう! でも、同学年なんだし、ため口でいいよ?」
「……一応、エマさんはまだ来賓という扱いですので、僕は敬語にさせてもらいます。明日の入学式以降にお会いしたら、その時にまた……」
「そっか、わかったよ。……でもアカリちゃんの言ってた通りの面白い人だね、輝助くん!」
あの人は何を言ったんだろうか? 少し気にはなるが、まぁいい。
「エマさん、ここの学生寮まではちゃんと来られましたか?」
「うん。綺麗で親切なニジガクの生徒さんが学生寮まで案内してくれたんだ! 彼女もこの学生寮に住んでるみたいなの!」
「早速、お友達が出来たようでなによりです。……では校舎の方に向かいましょうか」
「うん。案内よろしくね!」
10分程度だろうか。大まかではあるが学内の施設の案内を済ませ、最後にせつ菜と彼方がスクールアイドル同好会(仮)として練習をしている部室棟の屋上へとやってきた。
「この二人が現在のスクールアイドル同好会のメンバーになります。今はまだメンバーが5人集まっていないので部室もご用意出来ず、仮入部という形になりますが、ご了承下さい」
「うん。わかった。それで二人の名前は……? 黒髪の子は去年の文化祭で歌ってたせつ菜ちゃんだよね?」
「はい。私は優木せつ菜と申します! エマさんの話は生徒会長と輝助先輩から色々聞いています! これからよろしくお願いします!」
「彼方ちゃんは~近江彼方って言いま~す。よろしくね~」
「エマ・ヴェルデです! せつ菜ちゃんも彼方ちゃんもこれからよろしく!」
「それでは僕はこれで失礼します。皆さんスクールアイドル頑張って下さい」
「輝助くん、ありがとう!」
「はい。エマさんも頑張って下さいね」
「「……っ!?」」
何やら二人が驚いた顔をしていたが……どうせ、しょうもないことだろう。無視でいいや
「彼方さん! 輝助先輩は気の知れた人しか名前呼びしないって話でしたよね!?」
「そのはずだけど……この数分でエマちゃんとすごく仲良くなったとか……?」
「もしかして、輝助先輩ってエマさんみたいな人がタイプなんじゃ……」
「……あんまり、こーちゃんに好きな女の子のタイプとか聞いたことないからなぁ~。もしかしたらそうなのかも……」
ほら、やっぱりしょうもないことだ。
俺は聞こえていない振りをして、その日はそのまま家へと帰った。
次の日の入学式では在校生は登校禁止の自宅学習ということになっているので、大人しく家に籠り、始業式で新しくもらった教科書をペラペラとめくりながら軽く予習。
そして、また次の日──
「こーちゃん、おはよー」
「おはようございます! 輝助さん」
家を出ると、彼方と遥が待っていた。
彼方の制服のリボンの色は緑になっており、遥も新しい制服を着ている。
「二人ともおはよう。遥が着てるのは東雲学院の制服か」
「はい!」
「改めて、中学の卒業と東雲学院の入学おめでとな。スクールアイドルも頑張れよ」
「はい!頑張ります! ありがとうございます輝助さん!」
「おう」
俺と遥がそんなやり取りをしていると、彼方は勝手に俺の自転車を引っ張り出してきて後ろの荷台に腰掛ける。
「それじゃ、今日からまたよろしくね。運転手さん兼マネージャーさん」
「二人乗りは違反だって、これ何回目だよ」
最早、恒例と言ってもいい彼方とのやり取り。
「輝助さん気をつけて下さいね……あと、お姉ちゃんも……」
ほら、遥も心配してる。すると、彼方も遥の事を心配し始めた。やっぱ二人は似た者姉妹だな。
「彼方ちゃんは~遥ちゃんの事が心配だよ~。大丈夫? 一人で行ける? 忘れ物とかな~い?」
「私は大丈夫だからあんまり心配しないで! 輝助さん、お姉ちゃんをよろしくお願いします」
「よろしくお願いされました。んじゃ、彼方~ 行くぞ~」
「はーい。遥ちゃん行ってくるね~」
「うん。私も行ってきます!」
そうして、自転車で学校へ向かう途中、彼方とスクールアイドル同好会の話になった。
「エマちゃんもね~、お姉ちゃんなんだって~! 道理で似た匂いを感じたわけだよ~」
「せつ菜とは上手くやれてるか?」
「うん。たま~に厳しい時もあるけど~、楽しくやってるよ~」
「厳しい」という言葉に少しだけ違和感を感じたが……彼方は身体が硬いからな。おそらくダンスの練習とかでせつ菜も少しだけ厳しく言ってしまうんだろう。
「まぁ、楽しくやれてるなら良かったよ。今日からはまた様子見に行くな」
「そっか~嬉しいな~!こーちゃんが来てくれるとせつ菜ちゃんも機嫌良くなるし、あんまり怒らなくなるかも」
うーん……せつ菜が怒ってるイメージがあまり沸かないんだが……。まぁ……今日見に行ってみれば、分かる話だよな。
そうして放課後になり、部室棟の屋上で練習をしているスクールアイドル同好会(仮)の様子を見に行ってみると……
「彼方さん!エマさん! そんなダンスではラブライブで勝ち残れませんよ!! もう一度ステップの練習です!!」
……ん?
何やら不穏な雰囲気(?)ですが、今回はとりあえずここまでです
アニガサキ本編にはまだまだ辿り着けそうにないですが、次話は早めに投稿出来るように頑張ります!
あと評価や誤字報告等ありがとうございます!感想もお待ちしてます!