虹の花咲くその日まで   作:T oga

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今回はアニガサキ3話のAパートとBパートの間の話になります!

アニガサキ3話相当の話はこの23話と次回の24話でも描写する予定です!

それではどうぞ!



23話 イントロダクション

 俺が中須に曲を提供してから二日が経った日の放課後。

 

 帰宅しようとしていたところを中須に捕まった俺は半場強引に潮風公園へと連れてこられた。

 

 どうやら、中須はこの公園でスクールアイドルの練習をしていたようだ。そして、この場には中須以外にもあと二人……

 その二人に対して、中須は俺をこう紹介する。

 

「じゃーん!こちらがかすみんの超超超超ちょーかわいいデビュー曲『Popping' UP!』を作ってくれたコースケ先輩でぇーっす!!」

「あ、えっと……音楽科三年、内村輝助です」

「あー!この人知ってるー!」

「私も知ってるけど……侑ちゃん、「この人」はさすがに失礼だよ。あっ、えっと私は普通科二年、上原歩夢と言います」

「同じく普通科二年、高咲侑です!」

「あ、あぁ……」

 

 ……いや、上原さん? 「さすがに」も失礼じゃないか? あー、でも「さすがに」は「教養のない私でも分かる」みたいな意味だったはずだから失礼な物言いではないのか? まぁ、いいや。

 

 俺と高咲、上原が挨拶を交わすや否や、中須がいつも通り騒がしくこう驚いた。

 

「ええっ!?侑先輩も歩夢先輩もコースケ先輩とお知り合いだったんですかぁ!?」

「いや、俺は初対面だけど、二人は俺が生徒会長だった頃のことを覚えててくれてたって事だろ?」

「はい!そうです!」

「えぇ、まぁ……男の人ってだけでも結構珍しいですし、それが生徒会長なら嫌でも覚えますよ」

 

 この上原って子は俺に対して地味に分かりづらい毒舌をしてくるな。毒舌に聞こえるような気がするが、いざ言葉の意味を噛んでみると、毒舌じゃないようにも思えてくるとても分かりづらい毒舌だ。……って、俺何言ってんだ? ちょっと混乱してきた。まぁ、いいや。

 

 そして中須はまたも驚く。

 

「えぇーっ!?コースケ先輩って生徒会長だったんですかぁ!?」

「まあな」

「なんでやめちゃったんですか!? かすみん、あんなイジワル生徒会長よりもコースケ先輩のが良かったですぅ……」

「イジワル生徒会長って?」

「今の生徒会長の事ですよぉ!」

 

 そっか、中須は中川がせつ菜だって知らないんだな。可笑しくてついわらってしまう

 

「なんでわらってるんですかぁ?」

「いや、中川も悪いやつじゃねぇよ」

「あーっ!もしかしてコースケ先輩、裏切るんですかぁ!?」

「裏切るってなんだよ」

 

 そんな風に中須達と談笑をしている時、俺のスマホに彼方から連絡がくる。

 

ピピピピ……♪(着信音)

 

「ん? もしもし?」

『こーちゃん、もしかしてそっちにかすみちゃんいない~?』

「おぉ、良く分かったな。いるぞ」

『やっぱり!一昨日の昼休みにかすみさんと先輩が話してるところを見たから、もしかしてと思ったんです!』

 

 この声、桜坂か? 一昨日の昼に中須と居たのを見ていたらしい。 見たなら話しかけてくれれば良かったのに……

 

『とにかく、かすみちゃん連れて来て~』

 

 そう言って、電話は切れた。ラインには地図が送られてきている。

 電話を終えた俺に高咲がこう尋ねてきた為、地図を見る前に答えた。

 

「なんだったんですか?」

「なんか、彼方と桜坂が中須連れて来てくれって」

「え? かすみんお呼び出し?」

「場所はどこなんですか?」

 

 上原にそう聞かれ、地図を見ると……

 

「……ここじゃねぇか」

 

 同じ潮風公園だった。

 

 

 

 指定された潮風公園の夕陽の塔までやってくると、そこには彼方と桜坂、そしてエマと……

 

「なんで、朝香までいるんだ?」

「あら居ちゃ悪い? 親友が困ってるんだもの。助けてあげなくちゃと思っただけよ」

 

 そう言って、朝香はエマを見る。

 

「あぁ、エマが初めて虹ヶ咲に来た時に言ってた「寮まで案内してくれた綺麗な子」って朝香の事だったのな」

「あら? エマがそんな事言ってたの? 嬉しいわね」

「恥ずかしいよ、果林ちゃん……輝助くんも……」

「こーちゃん、エマちゃん苛めちゃダメだぞ~」

「なんで俺だけ怒られるんだよ……苛めてないし」

 

 と、三年生だけで話していると、高咲が手を上げて話に入ってきた。

 

「あの~、みんなの紹介をして欲しいんですけど……かすみちゃんやせつ菜ちゃんと一緒のスクールアイドル同好会だった人達ですよね?」

「あぁ、ごめんね。私はエマ・ヴェルデ。国際交流学科三年生です。スクールアイドルをやりたくて今年から編入して来たんだ~」

 

 高咲の言葉を聞いて、エマが自己紹介をする。

 それを聞いて、上原がこう質問する。

 

「エマ・ヴェルデさん……外国の方なんですか?」

「そうだよ~。スイスから来たの~」

「スイス!アルプスの少女だ~!!」

 

 高咲はなんか目を輝かせている。

 

「彼方ちゃんは~近江彼方って言いま~す!ライフデザイン科の三年生だよ~」

「国際交流学科一年、桜坂しずくです!」

「彼方さん、しずくちゃんもありがとう!私は高咲侑って言います!」

「上原歩夢です。侑ちゃんと同じ普通科二年だよ。よろしくね」

「私はスクールアイドル同好会とは関係ないんだけど、ライフデザイン学科三年の朝香果林よ。親友のエマが困ってたから、少し協力してあげてるの」

 

 彼女達が自己紹介をし合っている途中、俺のスマホがまた鳴った。……今度は中川か。

 

「皆、すまん……えっと、もしもし?」

『あ、内村先輩? 少し生徒会の事で相談したい事があるんですが……今よろしいですか?』

「あー、そうだな。ちょっと待ってくれ」

 

 俺は一言、中川にそう断ってから、全員にこう伝えた。

 

「ごめん。ちょっと用事が出来たから先帰るな」

「わかった~。じゃあ、こーちゃんには今日の話の事、後で連絡するね~」

「頼む、彼方」

 

 そう言って、俺は公園を出て、家へと歩いて戻りながら中川からの電話に出た。

 

「もしもし?」

『……はい! もう大丈夫ですか?』

「あぁ。んで、何の話だ?」

『実はですね。校内に猫がいまして……』

「あー知ってる。右月さんと左月さんに猫がいるって伝えたの俺だからな」

『そうだったんですね。それなら話が早いです。実はその猫の対処方に困ってまして……』

 

 はぁ……結局、答えが出ずにこっちに相談しに来た訳か。

 

「今はお前が生徒会長なんだから、お前が考えなきゃいけないんだぞ。俺が卒業したらどうするつもりだよ」

『う……ごめんなさい。でも、どうしても思いつかなくて……』

 

 今の副会長と右月さんと左月さん、あと会計も監査も揃って全員真面目だからな……頭固いやつの集まりだと、どうしても特殊な問題が発生した時に頓知(とんち)が聞かない。

 

 まぁ一応、猫を見つけた時に俺ならどうしようか、とは考えていた。

 

「確か宮下と彼女と一緒にいる一年が見つけた猫だったよな」

『はい。情報処理学科二年の宮下愛さんと同じ情報処理学科で一年生の天王寺璃奈さんです』

 

 へぇ~、あの子は天王寺さんって言うのか。

 

「二人とも家で猫は飼えないって話だったよな」

『そこまで知っているんですね。でもあの()、天王寺さんに懐いてしまっているようで……他の人の家で飼おうにも、天王寺さんの側を離れたがらないと思うんですよ。だから困ってしまって……』

 

 そういう事か、じゃあ俺が最初に考えていた生徒会メンバーの誰かの家で飼うって案は最善手じゃないな。

 

 天王寺さんは人見知りっぽかったし、猫に会いに行くために他の人の家へ遊びに行けるような子でもなさそうだ。多分だけど……

 

「じゃあ、そのまま学校のマスコットにでもしちまえばいいんじゃね?」

『校内で放し飼いにするのは校則で禁止されてます!』

 

 そういえば、三年前に大型犬が放し飼いにされていて、なんかの部活の邪魔をしたとかで新しく校則が追加されたんだっけ? そんな話を明莉さん(あの人)から聞かされた覚えがある。

 

 でも、あの猫は人懐っこかったし、そういう問題も起きないだろ。

 

「理事長に話を通す必要はあるけど、生徒会メンバーに招き入れればいいんじゃねぇか」

『生徒会メンバーに?』

「例えば……お散歩役員とかさ? テキトーに役職つけときゃいいだろ」

『そんな方法……でも、一番いい案かも知れません。考えてみます。ありがとうございました』

 

 そう言って電話は切れた。

 

 さて……問題解決。一件落着!

 …………帰るか。

 

 




次回はせつ菜のDIVEですよ!お楽しみに!!
なんだか次回は文字数多くなりそうな予感……!
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