虹の花咲くその日まで   作:T oga

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今回はアニガサキ11話相当のお話になります!

それでは、どうぞ~




38話 彼女達それぞれの光

 スクールアイドル同好会の夏合宿が終わってから数日後──俺はいつものように高咲にピアノを教えていた。

 

「それで合宿はどうだったんだ?」

「楽しかったですよ。皆でご飯食べたり、鬼ごっこしたり、プールで遊んだり……」

「なんだよ。遊んでばっかじゃねーか」

「いえいえ、もちろん練習もしましたよ!鬼ごっこは走り込みの代わりですし! 皆、レベルアップ出来たと思います!」

「ふーん。じゃあ高咲もピアノの練習頑張らないとな」

「はい!ご指導よろしくお願いします!」

 

 それから数十分後、ピアノの練習も一段落つき、休憩中に家にあったお菓子とお茶を食べていると、高咲はふと思い出したようにこう言う。

 

「あっ、そういえば私合宿中にいい事思い付いちゃったんですよ!!」

「……いい事?」

「あのですね……」

 

 そして、高咲からスクールアイドルフェスティバルについて聞かされた。

 

 文字通り、スクールアイドルのお祭り……虹ヶ咲だけではなく他の学校も巻き込んで色々なスクールアイドルがライブをする。という内容らしい

 

 その話を高咲から聞かされた俺は、純粋にこう感じた。

 

「なんかμ's(ミューズ)がやったイベントに似てるな」

μ's(ミューズ)の?」

「あぁ、μ's(ミューズ)がラブライブに優勝した後にな、高咲が考えたのと似たようなイベントを音乃木坂が開催したんだよ。秋葉原に何人ものスクールアイドルが集まってな。すごい光景だったらしいぜ」

 

 実際に見た事はないが、話で聞いた事はある。

 A-RISEとμ'sが中心になって集まったスクールアイドル全員が同じ歌を歌ったとかなんとか……

 

「そうなんですね~! 私も調べて見ます!」

「おう! 多分、参考になると思うぞ。……それで生徒会への申請準備とかは進んでるのか?」

「大丈夫ですよ!申請書はせつ菜ちゃんと一緒に作ったので明日生徒会に出してくるつもりなんです!明後日は東雲と藤黄に参加要請にも行くんですよ!」

 

 せつ菜と一緒に申請準備をしているなら多分大丈夫だろう。

 

「そうなのか。ちゃんと企画通るといいな。予算も結構いるだろうし……」

「あ、予算がどれくらい欲しいかとか書いて無かったかもしれません! 今日中にせつ菜ちゃんに相談しないと……!」

 

 ……あれ? 大丈夫じゃなさそう……? いや、でもせつ菜が関わってるんだし、大丈夫のはずだ。予算はうっかり忘れていただけだろう。

 

「だったら、今日はもう帰った方がいいかもな。ピアノの練習も一段落ついたし、せつ菜と明日の準備してこいよ」

「ありがとうございます! じゃあ、そうさせてもらいますね!」

 

 ということで高咲は帰り仕度を整えていった。

 

 

「じゃあ、今日もありがとうございました!」

「おう。それじゃ、またな」

「はい」

 

 帰る高咲を玄関先で見送っていると、前に上原へ完成したソロ曲案を渡した時の様子が少しおかしかった事を思いだし、俺は高咲へとこう確認を取ってみた。

 

「そういえば、前会った時に上原の様子がちょっとおかしかったような気がしたんだが、最近の上原についてなんか違和感とかないか?」

「え? 歩夢が……。うーん。あんまりおかしい様子は無かったと思いますけど……」

 

 一番近くにいるはずの高咲が違和感を覚えていないなら多分俺の勘違いかなんかなのだろう。

 

「そうか。じゃあ俺の勘違いかもしれないな。もしかしたら本当に何か悩んでる事があるのかもしれないし、一応気には留めといてくれ」

「わかりました! ありがとうございます!」

 

 この時の違和感が俺の勘違いではなかったと気付くのはもう少し先の事になる……

 

 


 

 

 次の日、俺は欲しい音楽誌を買いに近くのショッピングモールの本屋に来ていた。

 

「あった。これだ」

 

 目的の本を見つけ、レジへ持っていこうとしたその時──

 

「もしかして、内村先輩……ですか?」

「ん?」

 

 声を掛けられた方へ振り向くと、そこには大きめの帽子を被り軽く変装をした綾小路さんが立っていた。

 

「あぁ、綾小路さんですか。お久しぶりです。ダイバーフェスの時以来ですね」

「はい。お久しぶりです」

 

 軽く挨拶を済ませた後、そのまま俺と綾小路さんは自然と話し始めた。

 まだ会って間もないけど、綾小路さんと話してると結構楽しいんだよなぁ。こういう人馴染みのよさもスクールアイドルとしての資質なのかも……と、ふと思った。

 

 聞いた話によると、どうやら綾小路さんはファッション雑誌を買いに来たらしい。

 

「このファッション雑誌に果林さんが載ってるんです!!」

「そうなんですか、良くチェックしてますね。本人にファンだって伝えれば、朝香はファンサとかしてくれそうですけど」

「えぇ~恥ずかしいです……。でも次会えたら伝えてみますね」

「はい。それがいいと思います」

 

 まさか綾小路さんが朝香のモデル時代からのファンだとは……意外だった。

 

「そういえば明日、虹ヶ咲(うち)の高咲やせつ菜と話し合いがあるらしいですね」

「はい。あまり詳しくは聞いていませんが、合同イベントのお誘いらしいですね」

「まぁ、楽しみにしていて下さい。きっと綾小路さんも気に入るイベントだと思いますよ」

「そうなんですね。明日が楽しみです」

 

 レジでの待ち時間中に少しそんな感じの話をした後、精算を終えた俺達は本屋の前で別れた。

 

 綾小路さんと別れた後、俺は高咲へ次のようなラインを送る。

 

『昨日言ってたフェスの話、生徒会の許可は下りたか?』

 

 その返事はすぐに返って来た。

 

『副会長から課題をもらったんです。会場の指定をしなくちゃいけなくて……。それで今、皆で会場候補を色々見て回ってるところです』

 

 会場か……確かμ's(ミューズ)は秋葉原の道路の真ん中で歌ったんだっけ?

 

『そうなのか。いい場所見つかるといいな。あと、明日東雲と藤黄に話つけるって言ってたよな』

『はい』

『お前とせつ菜と他に誰が行く予定なんだ?』

『えっと……遥ちゃんと話すので彼方さんは一緒に行く予定ですけど』

『そこに朝香も連れてくと面白いもの見れるかもしれないぞ』

 

 数分遅れてこう返信が来た。

 

『果林さんは一緒に行ってもいいって言ってくれたので連れていきますけど、面白いものってなんです?』

『まぁ、連れてけば分かるよ』

 

 ちょうどさっき、綾小路さんに「ファンだって伝えたらどうか」と助言したところだし……

 

 顔を真っ赤に染めて恥ずかしがる綾小路さんが容易に想像出来るよ(笑)

 

 

 

 それから一週間後、どうやら無事に生徒会へフェスの申請も通ったようだ。

 会場はお台場すべてを使うと高咲が言っていたので、許可が通るか心配したが、それは双子書記の右月さんと左月さんから江東区長の娘である明莉さん(元生徒会長)に連絡が行き、お台場全体を使った企画が通ったとの事だ。やっぱりあの人は色々規格外だな……

 

 ちなみに綾小路さんも朝香にファンだと打ち明けたそうだ。予想通りの反応だったらしい。

 

 

 すべてが順調かと思われたが、高咲からとある連絡が来た。

 

『内村先輩、前に歩夢の様子がちょっとおかしいんじゃないかって言ってましたよね……』

「あぁ、言ったけど……もしかして、何かあったのか?」

『え、えっと……』

 

 




読んで頂いてありがとうございます。

アニガサキ11話のラスト、初見で見た時めちゃくちゃ驚いて震えたな……歩夢に恐怖覚えたもん……

それはそうと、ついにUA20000超え達成しました!読んで下さる皆さんには感謝しかないです!本当にありがとうございます!!

感想等も募集してます!次回もお楽しみに!

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