ライブ終了後。
「お嬢、実は――」
「えっ?……え?」
ヤの人達の力を借りたおかげで、ライブの安全は滅茶苦茶確保されていて、銃まで持ち出した時は過剰かと思いましたが、必要だったみたいです。
「まったく、銃を持ち出すとはふざけている」
整形でもしたのか少し顔は変わっているが、写真で見た雛月がそこに居た。
「ライブに入ろうとした所を捕まえて、姉さんに確認した結果雛月と判明し……」
「成程」
「お嬢、近づいては駄目です。感染症に」「!!」
確かに、咳をしている。
「そこに居るのか、銀玲」「そうだよ」
硝子越しの対話。
「海外に逃げたはずでは?」
「その予定だったが、感染症の影響で飛行機が止まって、逃げられなかった」
「何故ここに?」
「そのまま潜伏を続けていたら罹ったんだ。バカげた話だが、自然の悪意には勝てないということか」
「ライブの話を聞いて、自分の中にある悪意が再び目覚めたような気がした」ゴホッ……ふぅ
「この時のために自分が産まれてきたんだとさえ思ったよ」
「実際は、取り押さえられてしまったが。対人戦にも自信はあったが、病んだ身体で銃は」
「そっちも銃使えばいいじゃないですか」
「それではただのテロだ。君たちの管理が行き届かなかった、不十分だった、だから感染が広がった」
「悪意ってそんなルールに縛られたものでしたっけ?」
「……ひょっとして君も、あの輪の中に居たのかな。いや、道理で……」
「貴方を殺したことで、信者の誰かが復讐してくれると思ってるなら大間違いですよ」
「どういうことかな」
「さっき、例の集団と話をつけてきました。私の本名と顔写真、貴方の愉快な死にざまで手を打ってくれるとか」
「何を――」
「拷問器具が無いのが残念ですが、まぁいいでしょう。取り合えず、薬投与するんで簡単に死なないでくださいね」
「おい、止めろ!。人殺し共が!!」
「戸籍が無いのに人間扱いを要求しますか? せっかくバーチャル世界に居場所を得たのに。雛月、バーチャルは永遠ですよ。死んでもあなたは生き続ける」
「このバーチャル至上主義者がぁあああああああ!」
「雛月……んふふ……ふふっ、R.I.P.」
エロボイスも冗談交じりに要求されたので付けておいたら意外と反応が良く、顔写真と本名公開は数年後まで引き延ばされた。
「ふふふ、ははは、ハハハハハッっつつああ、嗚呼、ギャハハああ」
「ゲホッ、ゲホッ」
あれ?
「おい、銀玲、大丈夫か?」
「大丈夫……?」
段々意識が遠ざかっていくのを感じる。
「銀玲、しっかりしろ!」
別にここで終わっても――
翌日の感想配信は中止になった。
「頑張りすぎて熱が出たみたいです。感想配信楽しみにしてた人はごめんね」
「今日は安否確認代わりの雑談ということで」
色々あったけど、多分こうやって明日もvtuber活動を続けていくのだろう。
こんこん
わこつ
こんこん銀玲
元気になった?
怜がリステ歌ってびっくりした
実はライブ見てない
スパチャ投げられないんだが
こんこん
銀ちゃんが元気でよかった
ラップよくわかんなかった
感想配信になる流れでは
初見です
ヒメちゃんの感想ツイート見た?
途中で倒れるかもとひやひやしてた
銀玲 ライブのネタバレしてもいい
ハッシュタグ決めようぜ
fin.