番外編は、台本形式を採用しています。嫌な人はブラウザバックです。
犯罪を推奨しているわけでもありません。
『なろう三大百合』
銀玲、妖精さん、スタッフで動画の企画会議、お昼の定例です。
銀「なろう三大百合作品を紹介しようと思う」
妖「じゃあ私から。これは鉄板ですよね
”「お前ごときが魔王に勝てると思うな」とガチ勢に勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい”」「鉄板」「せやな」
ス「二つ目はあたしか そうだな」
ス「”はぐるまどらいぶ。”」「異論なし」「なし」
銀「ん……」
銀「三つ目はせーので言いませんか?」
「「「せーの」」」
妖「”少女の望まぬ英雄譚”」
ス「”氷の滅慕”」
銀「”幻想再帰のアリュージョニスト”」
銀「……やっぱり?」
妖「いや、冒険、SFと来たら戦記(?)では? 完結してますし」
ス「いやいやここは老舗を推すのが……っていうか銀玲」
銀「何?」
ス「その物語の主人公は男」
銀「ダブル主人公ですけどぉ??。百合結婚してたら百合でしょ」
ス「主従百合、姉妹(?)百合と来たら、おねロリが妥当だ」
言い争いは激化していきます。
ス「”湯沸かし勇者の復讐譚〜水をお湯にすることしか出来ない勇者だけど、全てを奪ったお前らを殺すにはこいつで十分だ〜”とか」
妖「それありなら”病毒の王”もありでは? ちょっと違うというか」
銀「”異世界迷宮の最深部を目指そう”も百合という説が」
妖・ス「「ちょっと黙ってくれ(ください)」」
で、結局こうなった。
銀「”乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…”がお勧めでして」
知名度とか薦めやすさを考えてのチョイス。ガチ勢から怒られそう。因みに私としては”「「神と呼ばれ、魔王と呼ばれても」」”が――
『Yとの出会い』
妖「銀玲のお父さんって新聞記者ですよね」
銀「そうだけど、何か? もう縁は切ってるし」
妖「ヤの人たちとどうやって繋がったのかなと思って。その伝手ですか?」
銀「流石に。父も裏の世界と繋がりはないはず。ヤの人と出会ったのはね……」
数年前
「じゃあ行ってくる」
「お願いします」
スタッフが扉を閉める。未だ眠気が取れない頭にヘッドフォンをつけて、動画を再生する。
「うわぁあ」「ゲームが好きです」「よろしくなのじゃ」「ぶっ殺す」「あぁー……」
取り合えず5窓で。vtuberが増えているが、まだ1000にも満たない。その半分は一か月もしないうちに消えるだろう。要するに、数は少ないから今の内に全部のvtuberの動画を見る。
「キャアアアア!」
それとは別に幾つか長時間のアーカイブ垂れ流しにしている。今は少ないからいいが、今後こう言った形が主流になってくると大分厳しいものがあると感じる。そんな感じで今日の分の実況も撮り、スタッフの帰りを待つ。お腹空いたな。
「銀玲」
ドアを開ける。……あれ?
「はじめましテ。ワタシ飛蘭とモうしマス」
「スタッフ? 何で他の人」
「手、見てみろ」
黒――拳銃? いやここ日本なんですけど。
「コラボシませんカ?」
妖「それでどうなったんですか?」
銀「いや、普通にコラボした。それしかないし」
妖「確かに、当時何でコラボしたんだろうって思ってましたが、前世の繋がりかなって」
銀「他にも色々言われたけど」
「飛蘭……登録者1万2千人、2か月前にデビューしたC国出身のvtuber。個人勢とされているが、実際はペーパーカンパニーが後ろに居て、その正体はC国系のマフィアの娘。まったくふざけた話だ」
「銀玲に絡む理由は?」
「個人勢の第一人者じゃないですカ銀玲ハ」
伸びてないからかな。飛蘭は1万再生くらいは出せてるけど、それ以上は行かない。見た感じ、アピールできる要素が無い。C国系というアドバンテージも国際情勢によってはハンデになるし、今後同じC国のvtuberは間違いなく出て、個性じゃなくなる。
「悪いけど、私が銀玲である以上急に箱に入ったりコラボし続けたりというのは、死んでも断る。結局それって伸びが私依存だから、何か不祥事とかですぐにパァ」
「個人勢ドウしで連帯しないト、これからのvtuber界についテいけまセンよ?」
「……個人勢が企業になるパターンもあり得る」
それが移籍か転生かというのは時と場合によるだろうけど。企業側が前世で実績を積んだ個人を取りこむというのは、既に行われている事例、当然vtuberも例外ではない。個人側としても、企業に移りたいvtuberは存在する筈だ。
「だから、多分逆で」
「ギャク?」
「個人勢と企業勢が絡まざるを得ない状況を作り出すべき」
個人勢としての利点を生かす。
「個人勢で権利関係の健全化を目指すグループを立ち上げる」
企業勢で権利関係を完全に白に出来るグループは多分無い、そこまで意識が回っていないだろうから。これから箱が増えるなら猶更。権利も個人は守って、企業は破るという対立構造が作れたら、企業は私達のことを絶対に無視できない。結果的に個人勢の秩序も保たれるし、守れない人はアウトロー路線で差別化を図ってください。
妖「とか言っておきながら、裏ではヤの人と絡む」
銀「バレなきゃ罪じゃないからね」
妖「でも、表でこの話を聞いたのは大分後になってからですよ?」
銀「話し合いとか色々あったから。企業間でもあの企業をはぶるみたいな」
「ん-気に入りましタ。銀玲は私達のマンションに住みマせんか?」
「マンション?」
「今のままだとここ危ないですヨ? 特定されたり、ご近所トラブルが起こるカモ」
それを言われると弱い。実際引っ越しは検討していたが、優先順位が高く無いため見送ってたという事情のため。それに、今の住所が三大都市圏から遠いのも将来的には良くない。
「それってどこなの?」
「東京デス」
「まぁ断る余地はないわけだが」
「決定デスね。これで銀玲たちは私達のファミリーデス」
銀「つまり、ここに住んでる限り関係は嫌でも継続します」
妖「変な人をよく見かけるなと思ったら、そういう事情があったとは」
銀「色んなことをこっそりやるための場所らしく、私達の住処としても都合が良かっただけとか」
ここまで話して、ふとヤの人からもらった煙草を思い出した。一度思い出すと無性に吸いたくなって、がさこそと戸棚を漁る。
銀「吸う?」
妖「要りません」
私は火をつける。煙が充満し妖精さんが少しいやな目をする。段々と意識が遠くなって………覚醒する。
銀「気分悪い」
妖「ひょっとして馬鹿ですか?」
銀「合わなかっただけだから」
一生馬鹿であり続けるのが容易に想像できて、少し泣いた。
現在第二部を計画していて、
その際に募集したいものがあります。
①銀玲のオリ曲
②オリジナルのvtuber
③その他、登場させたいものがあれば
取り合えず第二部の連載が終了するまで活動報告にて募集します。
詳細は活動報告にて、何らかの規約に反するようであれば教えてください。