結局その日は榛名と鎮守府の事情をさらに深堀し、充実した時間を過ごすことが出来た
こうやって人と話していると、改めて自分の鎮守府の事情と俺の顔面偏差値が最悪な事に気づかされる
会話の話題は段々と今後の方針か艦娘を語る会に変わっていった
意外にも長官はオタクだった
そして今...気づいたら寝落ちしていたようで、窓から朝日が差し込んでくる
提督「長官...早く起きてくれ...起きて...起きろ!」
長官「...んー...すっかり寝てしまった...」
提督「1軍隊の司令長官がそんなんで良いんか...」
長官「司令長官と言っても...私はここら一帯の鎮守府の1番上ってだけだから大丈夫だ。連合艦隊司令長官が中央なら...私は地方だな」
提督「それでも結構重要では..そんなダラダラしてて大丈夫なのか?」
長官「問題ない。今日は前線視察ってことで君の鎮守府を訪問する事にした」
提督「そんなこと急に言って部下は納得行くか?」
長官「昨日の内に書類を纏めて提出しておいた。前線視察は珍しいことでは無いからな。何とも言われないさ」
いつの間に...
さすが歴戦の軍人というか、歴戦のデスクワーカーというか...
...納得してくれるだろうか...艦娘達は
過去の影響とか関係なしに、司令長官と話に行ったはずの提督が女性と朝帰りとか...いや絶対誤解が生まれる
提督「どうなっても知らないからな...」
長官「どっちがだ?」
提督「どっちも」
長官「大丈夫。君の口から出た言葉なら信じるだろう?」
提督「俺が『こいつに襲われました』って言えば?」
長官「やめて...」
提督「帰り道も長いなぁ...実は昨日車酔いしたんだよなぁ...」
長官「任せておけ。ヘリを用意しておいた」
提督「流石司令長官!...それで迎えに来て欲しかった」
長官「朝食を食べてから直ぐに行くぞ。モタモタするな♪」
提督「そんな意気揚々と...」
〜
流石ヘリコプターってのは速いな
昨日に比べれば大分早く帰れた
一応だが、鎮守府にはヘリポートが必ず一個はあるらしい
だが勿論使ってないので、状態は分からない
長官「撃ち落として来ないよな?」
提督「さぁね...」
長官「...機長。対空砲火を避けた経験は?」
提督「冗談だって...そこまでもう警戒してないよ」
機長「ヘリポートの確認が出来ました。何とか1人で降りてみます」
提督「地上でのアシスト無しか...」
長官「二人しか乗せてないんだから多少乱暴でも大丈夫だろう」
提督「そういう問題じゃ...」
無事着陸を終え、背を伸ばす
快適なツアーだったと思う
空からの景色というのは、中々魅力的だった
提督「生きて帰ってこれた...」
長官「生きて降りてこれた...対空砲火は無かったな」
提督「当たり前だろ」
長官「さぁ案内してくれ、提督殿?」
提督「...」
長官「そう怖い顔をするな。いつも怖いがな」
提督「言いたい放題だな...」
〜
やけに静かな気がする
元々在籍する人数が少ないからいつも静かではあるが、これは嵐の前の静けさというやつだ。何となく分かる
長官「なんか雰囲気悪くないか...ここ」
提督「人が少ないからそう感じるだけでしょう」
長官「...急に襲撃とか無いよな?...ちょっと手出して」
提督「ん?」
長官「無差別攻撃を仕掛けてくるかもしれない。念の為近づいて歩くことで提督と識別した時に私が狙撃されるのを避けよう」ギュ
提督「あんたうちの艦娘の事なんだと思ってるんだ...」
長官「いやあの話を聞けば誰だって怖くなるだろ」
提督「ヘリポートが建物から若干離れてるから静かなだけだ。変な誤解が生まれるから手を繋ぐのはやめろ」
長官「どうせそんな顔だから誰とも手繋いだ事なんて無いだろう?この喜びをもっと噛み締めろ?」
提督「なんだと!?おおお俺だってなぁ...彼女のひとりやふたり...」
テ-トク-!
長官「...今何か聞こえたか?」
提督「...聞こえた」
榛名「提督!帰還しておられたのですね...」
長官「...」
榛名「...」
長官「...あは」ギュ
提督「早く離せ!」
榛名「じょ...女性引っ掛けて帰って来たんですか...?」
提督「待て榛名...早とちりするなよ...?ほら、おいで」ジリジリ
榛名「...」トコトコ
提督「よし、良い子だ」ワシャワシャ
榛名「...♪」
長官「うぉぉはぁ可愛いぃぃい!私にも撫でさせてぇぇええ!」
榛名「ひゃぁぁぁぁあ!!」ビュ-ン
長官「あ...」
提督「あー...繊細なんですから、そんな大声出して興奮して...」
長官「猫みたいで可愛かった...」
榛名は来た道を全速力で帰って行った
さすが高速戦艦と言ったところか...
今頃誰かに泣きついていないといいが
とにかく誤解が広がる前に行かないと
長官「可愛かったなぁ...」
こいつを早く何とかしないと
提督「早く行くぞ。司令長官殿」
〜
正面玄関には、長門と長門に泣きつく榛名がいた
長門が頑張ってあやしてるようだが
...そんなに泣くかね。
提督「帰りました」
長門「ご苦労。...して、そちらの女性は誰かな?」
長官「ここらの鎮守府を総括している、司令長官です!榛名ちゃんをみに...じゃなくて、前線視察に...」
司令長官という言葉を聞いて、一気に凍りつく榛名と長門
先の態度は、確かに軍において上の者にする態度ではない
長門「も、申し訳ありません。先の無礼、お許しください」ピシッ
榛名「お、お許しください!」ピシッ
長官「...」コツコツ
長官が無言で、榛名の前に立つ
俺は次の行動を予測できるが、榛名は何をされるか分からなくて今頃心の中で大泣きしているだろう
長官「...」ジ-
榛名「...」
長官「榛名ちゃぁぁぁあん!!」
榛名「ひぇっ!?」
長官「なんて愛らしいんだ!可愛い!可愛いぞ榛名ちゃん!」ナデナデ
榛名「あっ...あのあぁあ...???」
長門「えぇ...」
提督「これが司令長官ちゃんだ。仲良くしてやってくれ」
長官「私を子供みたいに言うな。私は司令長官“殿”だ」
提督「失礼。噛みました」
長官「違う。わざとだ」
提督「そうだよわざとだよ」
長官「そこは『かみまみた』だろ!」
提督「急に何を...」
榛名「あの...あのぉ...」オロオロ
長門「ちょ、長官殿...?これはどういう...」
提督「長官に榛名の話をしたらかなり気に入ったらしくてな、榛名の事が大好きになってしまったらしい」
長門「わっ...私は...」
提督「いやそこ張り合うなよ。子供か」
長門「むぅ...」
提督「長官は理解のある人だからな。友達感覚で接して大丈夫だぞ」
長官「長門ちゃんも可愛いとこあるそうじゃん!」
長門「はぁ...え?それはどういう...」
あんな容姿で「むぅ...」は可愛いと思う。面白いし
そういう旨の話を長官にしたら、やはり食いついた
榛名「司令長官殿は...ここの事情をご存知ですか?」
長官「勿論既知している。...遅かったと思うがな...しかし、この状況を知った以上は見過ごせない。全力で復興支援を行うことを約束するよ」
榛名「ほ、本当ですか...!」
長官「誓う!マジで!」
榛名「...ありがとうございます」ニコ
長官「ぐふぅ...」
騒がしいなこいつ
提督「して、他の4人はどこに?」
長門「その辺にいるんじゃないか?概ねいつもの所と言った感じか 」
いつもの場所って...どこだ?食堂?
加賀はいそうだが、他は分からない。とりあえず行ってみるか
提督「加賀とは今後のことでしっかりと話しておきたい。長官もはよ来い」
長官「私犬みたいな扱い...?」
〜
加賀はいた。知ってたが
どうやったら腹も膨れないでそこまで食えるのか。流石の燃費だ
提督「加賀ー」
加賀「...帰っていましたか。お疲れ様でした」
長官「それ私にも言って?」
加賀「...この雌豚は誰?提督」ギロ
急に加賀が怖くなったな...司令長官だって知ったらどうなる?
提督「そいつ司令長官やで」
加賀「...し...司令長官...?......今度こそ軍法会議で死刑ね...」
長官「いや大丈夫だよ。無理もないって...」
提督「あと、その認識で間違ってないから大丈夫だぞ」
長官「司令長官の威厳が...」
提督「加賀よ、近いうちにお前を少し病院について行きたい」
加賀「構わないけれど、今改めて言うことかしら?前から言ってたことじゃない」
長官「その事で説明があるんだ」
長官に詳しい事を話してもらう
病院と言っても、艦娘だからな。普通の病院へは行かせられない
長官「海軍直属の研究施設がある。そこでは何か艦娘に機能的なトラブルがあった際に艦娘の修理...つまり治療をする場所でもあってな、そこへ連れていきたい」
加賀「...変な事されなですよね...まだ小児科の先生の方が信頼出来るわ...」
提督「大丈夫だ。艦娘を使っての実験とかはされてないからな。安心しろ」
加賀「表向きはそうかもしれないわね...」
長官「...それはどういう意味だい?」
加賀「...2年前、私の脳をいじったのは“医者”という立場の人間だったわ...“研究者”の立場を利用している輩がいないとは言えないでしょう?」
長官「...確かに、その可能性がないとは言えない」
長官「しかし加賀さんには選ぶ事が出来る。行くのか、行かないのか...あくまでも貴艦の意見を尊重したい」
ずるいことをする
加賀は赤城との記憶を思い出したい
そんなの、加賀に選ばせてるとは言えない
しかし渋る加賀には有効手段だ
加賀「...行きます」
提督「安心しろ、長官は信頼出来る。何より人を見る目がある」
表面上だけで人を判断しない、これだけで信頼に足りる
嘘はつけなそうだしな
長官「今私の事褒めた?」
提督「黙っとけバツイチ」
長官「なっ!?私まだ未婚だしなんならしょj...」
提督「なんてこと口走ってんだ。悪かったからそれ以上は言うな」
長官「私もそろそろお嫁に行かないと本当に足柄みたいなキャラ設定になっちゃう...」
提督「して加賀よ、予定はこっちで計画しとくから、そのつもりでいてくれ」
加賀「...分かりました」
どことなく不安気な顔
無理もないがな...
提督「...そういえば、由不電はどこに...?」
加賀「中庭とかじゃないかしら...?」
提督「別にいらないと思うが、一応の帰還報告をせねばな」
間宮「お疲れ様です。今日は食で労わないとですね」
提督「報告に行っただけですがね」
間宮「長官と話すのは大変でしょう?」
長官「お久しぶり間宮さん。といっても数日ぶりか」
提督「1度長官の司令部を中継して派遣されたのか」
間宮「よく喋る方ですからね。私もちょっと会話しただけで疲れてしまいました」
長官「そんなに私ってうるさい?泣きそう」
〜
とりあえず中庭に来た
...いた
なるほど、中庭のベンチでいつも話しているのか
提督「おーい帰ってきたぞー」
電「あっ!お、おかえりなさい、なのです」
不知火「...そちらの女性は?司令」
提督「司令長官」
不知火「ちょっ...」ピシッ
司令長官の名は伊達じゃない
その言葉を聞いただけでも直ぐに直立不動の姿勢を取り、敬礼をする
由良「...何故この鎮守府へ?」
長官「...前線視察?」
提督「お前が疑問詞になってどうする」
電「し、司令官は長官と仲がよろしいのですね」
提督「こいつは長官の皮を被った変態だから、緊張しなくても大丈夫だぞ。この鎮守府を理解してくれている」
由良「提督さんがそこまで言うなら...信じてもいいのね?...ね?」
長官「...私の血あげるわ」
由良「...え?」
長官「私の血、貰ってちょうだい!」
由良「え?え?...え?」
流石にそれはキモイだろ。流石に。
由良「わ、私...提督さんのしか欲しくないです...」モジモジ
提督「うーん紛らわしい」
長官「不純だぞ提督殿」
提督「あんたがそれを言ってしまわれるか」
不知火「司令、話は上手く進みましたか?」
提督「おう。なんなら長官を手に入れた。何時でも利用できるぞ」
長官「私はアイテムじゃないのだが」
電「それにしても遠慮が無さすぎるのです...本当に初対面だったのですか?」
提督「士官学校卒業から即鎮守府入りの異例な自体だから、会ったことは無いな」
長官「司令部での手続きもしないなんてふざけた話だ」
電「距離感が熟年夫婦なのです」
提督「こんな奴と?勘弁してくれぃ」
長官「あ”?」
不知火(司令の顔よりおっかない...)
〜
提督「この鎮守府の状況を己の目で見て改めてどう思う?」
長官「大丈夫じゃない。問題だ」
抜けた床、軋む床、朽ちた床
人が使えば長持ちするが、人が使わなくなるだけでこんなにも廃れる
長官「わざわざ出向いてきた理由も頷けるな」
提督「早急に頼むぜ我が友よ」
長官「会って日が浅い人にそんな言葉使います?普通」
提督「あんたがそれを言ってしまわれるか」
長官「...それにしても、百聞は一見にしかず...だな。艦娘はもう大丈夫だったが、その後遺症は建物に残っている」
提督「...何とかしてくれますよね?」
長官「...先も言ったが、諸々の件は私に任せておけ。こういった時の行動力は、誰よりも速いぞ?」
〜
提督「前線視察(笑)もいよいよ終わりですな」
長官「カッコ笑を付けるな。視察っぽい事もしたでしょ」
提督「はいはい、御苦労さんだす」
長官「もうこの人助けるの止めようかな...」
提督「そんなことしたら人間に怒り抱いたここの連中と蜂起するぞ」
長官「勘弁してください」
提督「...では御達者で。また会える日を心待ちにしています」
長官「あんたは生きてろよ?鍾馗野郎」
提督「あ?俺って瘴気放ってるのか?ヴァ〇ハザクか!?」
長官「勉強が足りないようだな!次会う時までにはもっと賢くなっておけ!では!」
そういうと颯爽にヘリに乗りすぐ離陸
...行っちまった
瘴気野郎ってなんだ?悪口か?
それとも別の言葉か?正気?勝機?
次会った時に、意味を聞いてみるとするか
〜
それからの長官の行動力は、まぁ速いわ速いわで
その日の内に建設業者か何かが来て、床板の張替え作業が始まった
家具や道具も新品が届き、鎮守府近海の哨戒もしてくれているらしい
提督「...感謝この上ないな」
榛名「変な人でしたけど、仕事はしっかりするんですね」
長門「伊達に司令長官務めてないな」
明石「新しい工具は届かないんですけどね...」
提督「...あ」
忘れてた
明石「...」
提督「...」
明石「ドラム缶風呂ですかね...」ボソッ
提督「何だ?何する気だ?俺は何をされる!?」
加賀「...提督。この箱の中、工具みたいよ」
提督「ありがとう長官。危ないところだったぜ」
明石「今回のところは見逃してやります!ピカピカ...素敵...」
提督「工具バカめ」
由良「生活必需品は粗方揃ったみたいですね。それにこんなに沢山...」
電「し、司令官...この箱の中身...」
提督「なんかやばいものでも入っていたか?」
電「女性物の下着なのです...」
提督「そりゃあ生活に欠かせんだろう。お前らパンツ1枚しかないだろ?そんなん困るだ...待て。1枚しかないんだよな......今までどうしてた?」
一同「...」
不知火「洗うので、2日に1回履いていない日があります」
長門「っ!...よくそんな恥じらいもなく言えるな...」
提督「俺が来てからもノーパンの日があったってことか?」
不知火「なんならノーブr」
榛名「それ以上はやめてぇ!」プシュ-
提督「でも榛名はさらしだろ?ブラジャーでは無いから終始ノーブラって事になるな」
加賀「恥も外聞も無いのね...」
正直忙しくて執筆する時間が無かったですごめんなさい。とか言って競馬予想にはじっくり時間を費やすんですが。
失踪することは死なない限り多分無いので、「まぁまぁおもろいやぁん?^^」って思ってくれてる方は今後少々お待ちください。ごめんなさい