鍾馗   作:駆露洲

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バケツが...バケツが無いんです...


現状確認

提督「...やっちまった...」

 

闇を見た...というか最初から見えていた

いくら軍だからってキビキビしすぎている

“大丈夫そうだな”とか思ってたさっきの俺を殴りたい

俺が思ってる以上に艦娘達は傷付いていた

 

迂闊だった

気安く榛名の傷口を抉った

そんな気がしてならない

それに...絶対顔見られたじゃん。なんかちょっといい雰囲気になってたけど

絶対顔で持ってかれたわ

そういえば...上官にあんなこと言われたっけな...

 

 

 

上官「なんだその顔は!そんな顔してると部下からも信頼され無いぞ!その醜い顔から直していけ!」

 

提督「(顔が酷いのは認めるけど部下から信頼されねぇのはおめぇだろシバくぞマジで...これで俺の顔が原因で部下から信頼無くしたら自分の顔ぶん殴るって誓ってやる...)」

 

 

 

あっ

いやでも最初から多分信頼なんてされてなかったし...いやでもなんかちょっと心を開いてくれそうなとこまで来てたな...

 

...はい^^

 

バキッ

 

 

 

 

殴ったせいで余計に顔が怖くなった

外に出たが、誰もいない

皆自室で休憩...いや、何時でも呼び出されてもいいように“待機”しているだろう

その辺も何とか解消したいんだが...今は無理だな

この顔の事を何とか説明しないと一向に状況は良くならない

...そういえばどこに何があるのかとか何も教えてもらってないな

少し見て回ろう

 

 

〜工廠

 

 

ここが工廠...ですかぁ

色々と説明ありきでいじってるとやばい事になりそう

辺りを見ていると埃を被った艤装が工廠の隅に置いてあった

...汚ね

 

埃まみれでとても使えたもんじゃない

鎮守府(ここ)に関する資料によると、前任が勤務していたのは2年

一年目まではしっかりと艦隊運営を行い上層部からの評価も良かったらしい

 

問題は二年目以降

 

一斉に艦娘の解体(リストラ)をした

200隻以上いた艦娘も今の人数まで削減

何か心境に変化が起きたのか

それとも最初からこれが目的だったのか

 

その後の出撃などの記録は一切ない

てかこの記録見たら榛名呼ばなくて良かったじゃん

 

ここには書かれてないが、工廠もそういう理由で以降一度も使われてないのだろう

 

...現在時刻1730

 

食堂綺麗かな...

 

 

〜食堂

 

 

テーブル等は埃まみれだが、キッチンはしっかりと掃除されている

換気でもしとけば使えるようになるだろう

...ガス通ってるよな...?

いやでも前任は多分ここで作ってた...作らせてただろうし

テーブルを使っていないって事は...執務室とかで食ってたのか

艦娘は...食ってないのかな...?いやでも食わないと死...

 

 

 

 

教官「いいか。艦娘は食事を摂らなくても生きていけるが、空腹を感じるし、士気に関わるので三食美味い飯を食わせるように」

 

提督「(...鉄から出来てるのに飯は食うし喋るし感情は持ってるし...艦娘って不思議だなぁ...)」

 

 

 

 

...!

食わせていない...?

少なくとも前任がいなくなって半年は食ってない。

 

こうしちゃいられねぇ...すぐさま買い出しだ!

近くのスーパーは...10km先!?

自転車すらねぇってのに...ふざけやがってぇ!

 

ーーー

 

長門「...出ていったぞ」

 

榛名「...」

 

由良「榛名さん...どんな人だったか...教えてくれない?」

 

榛名「優しかった...です」

 

電「!それなら!」

 

榛名「でも...」

 

不知火「...?」

 

榛名「前任と同じ目をしていました...」

 

加賀「...それだけじゃないのね」

 

榛名「はい...表情が...無かったんです」

 

長門「表情が無い?」

 

榛名「榛名に無表情で、冷酷な目で優しい声をかけてきました...正直言って気持ち悪かったです」

 

長門「...優しくされても...心を開いたら負けか...」

 

加賀「...死んだ方がマシかしら」

 

電「そんな事言わないで下さい!私...加賀さんに死んで欲しくないのです」

 

加賀「冗談よ...でも、“死にたい”なんてここじゃ当たり前よ」

 

由良「...なんで提督(あの人)は出ていったんだろう?」

 

長門「ここの有様にうんざりして文句でも言いに行ったか?」

 

加賀「とにかく...これからも私達は耐えて行くしかないわ。...前任には逆らえなかったけど、私達は艦娘よ。艤装で奴を殺すことだって、難しいことじゃないわ」

 

不知火「しかし...提督を殺したとして、私達はどうなるのですか?」

 

榛名「提督に怪我を負わせたとなれば、私達は解体...それ以上に酷い措置が下されると思います...」

 

電「私達に助かる道は...ないのですね...」

 

長門「...消えていった仲間達の為にも、私達はどんな苦痛も耐え、生きていかねばならない」

 

長門「...最悪提督を殺すことも厭わない」

 

加賀「...私達は人間を前にすると恐怖心で正常な思考が保てなくなるわ...そんな状態で殺すなんて...」

 

榛名「...榛名がやります」ボソッ

 

由良「?榛名さん...今、何か言った?」

 

榛名「いえ...なんでもないです」

 

長門「...私達が幸運だったことは今こうして正常な思考ができている事だ。それを最大限生かし、これからの日々に耐えていこう」

 

 

 

ーーー

 

 

提督「あっぶな...」

 

顔で通報されかけた

ついでにグラサンを買ったので、威圧感は増すけど気味悪さは減る

艦娘達は...雑炊とかでいいかな?

てか食うかな?警戒して...無理にでも食うか

ま、とりあえず帰るか...現在時刻1830

もうだいぶ暗いな...

てか...夜道をこんな顔で歩いてるとこ誰かに見られたらどうしよ...893だと思われる...

はぁ〜...気遣いが大変だなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




バケツくれや。セッツブーン来るの早すぎるんじゃ
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