明日は明日の風が吹く。   作:ぺんと

2 / 3
始まりの向い。

 明るさを感じられて、目を開く。

 

 パチパチと瞬きをし、視界に鮮明に写る世界に、カズマは少し感動した。

 

 そこには街が見えた。

 

 懐かしい騒がしさと、穏やかな風がカズマ達を迎えた。

 

 そして隣には、あの素晴らしい駄女神が。

 

 「なあアクア。新しい世界? に来たことだし、何か目標でも立てないか?」

 

 「はあ? 目標なんて魔王討伐でいいでしょ! それよりも、さっさとギルドにいきましょ!」

 

 カズマの首根っこを引き、ギルドへの道を走り出した。

 せめてもう少しマシな運び方をして貰いたかったとこだが。

 

 引きずられながら、カズマは思う。

 

 そう言えばコイツは面倒くさがりだった事、そして目標は。

 

 【目標: 仲間を危険な目に合わせない】

 

 自分勝手な目標を定めたカズマ。カズマなりに気に掛けている結果なのだろう。

 

 青空を眺めて黄昏ているカズマはある一つのことに気づく。

 

 「おいアクア、金はどうするんだよ」

 

 「あっ 確かに。カズマさん流石ね」

 

 コイツ……考えなしでここまで来たのかよ。

 

 「まあ良い、俺たちは二回目なんだぜ? 一瞬でバイトなんか終わらせて、美味い飯でも食おうじゃないか!」

 

 「賛成よ! じゃあ、善は急げ、早くいきましょ!」

 

 そして走り出す。バイト先へ。勘違いしているアホどもは元気に走り出した。

 

 

     ◯

 

 

 

 ザク、ザク、と土にシャベルを突き刺す音が聞こえる。

 

 そしてもう一つ聞こえるは、疲れが混ざったため息、吐息などだ。

 

 カズマは忘れていた。自分がレベル1にもなれていない事を。

 

 前世はレベルがそこそこ高かった故に無茶ができた訳で、レベル1にもなっていない引きこもりの体力には限界が近付いていた。

 

 そんな情けないカズマに比べ、アクアは元気が有り余っている様だった。

 

 粘土を城壁に塗り広げ、みるみる内に仕事を終わらせていく。

 

 相方の活躍を見て自分の手を見て頭が痛くなるばかりだ。

 

 「おいカズマぁ! 手ェ動かせぇ!!」

 

 「サーセン親方ぁ!」

 

 まだまだカズマには労働は厳しい様だった。

 

 

 

     ◯

 

 

 

 あれから一ヶ月。流石にカズマも少しは筋肉がついた…ついた筈だ。

 

 「あらカズマさん。少しは鍛えられたんじゃないかしら? ヒキニートの頃に比べて少しはマシなんじゃない。プークスクス!」

 

 「うぜぇ」

 

 一言しか言えないカズマ。別にアクアの言葉に反論できなかった訳ではなく、ただ単にカズマは疲れていた。

 

 毎日シャベルを振り回す日々を送ったカズマ、筋肉がついたとは言えニート、精神面ではぐしゃぐしゃなのだろう。

 

 「おいアクア、給料どうだった?」

 

 「ん? 軽く三万エリスくらいかしら?」

 

 「……。俺は二万五千エリス」

 

 その結果とともにカズマはガバッと体を叩き起こす。

 

 「おっかしいだろぉぉ! 何で五千エリスも違うんだぁ!? 何でだよ、不平等だよ! アホか!」

 

 「オイゴラうっせぇぞ!!」

 

 「「サーセン!!」」

 

 壁を叩かれてしまった……。

 

 「ほら、カズマさんの所為で壁叩かれちゃったじゃない」

 

 小声でカズマに抗議するアクア。

 

 「でも五千エリスの差はおかしいだろ」

 

 自分の給料に納得いかないカズマ。

 

 「まあいいじゃない。さっさと寝ましょ、明日もお仕事なんだから」

 

 「まあ確かに」

 

 アクアの意見に納得し、ワラのベットに横になる。

 

 ああ、疲れたからやっと眠気が……。

 

 ……てか何でバイト始めたんだっけ?

 

 ……。

 

 「アホかぁぁぁぁぁあぁぁあぁああ!」

 

 「うぎゃーーー!」

 

 「うっせーつってんだろぉ!」

 

 カズマの大声。アクアの悲鳴。壁越しの文句。

 

 「ちょっとカズマ! 急に何叫んでるの! 寝れないんですケド!」

 

 「おい待てアクア。俺たちは何でバイトを始めた!?」

 

 少しの沈黙がカズマ達を包んだ。

 

 「……そうだわ! 全くそれを忘れるなんてカズマはどう言うこと!?」

 

 「いや、お前もな」

 

 本気で忘れていたんじゃないだろうなコイツ。

 

 「じゃあ、明日にでもギルドに行ってカード作ろうぜ」

 

 「良いわね。じゃ私は寝るわ」

 

 てか俺も本気で忘れかけてしまったからな……。

 

 コイツヤバイな。と言うか、こう言う二回目の世界と言うか。なんかこう言うのって凄い特典とかつく奴じゃないのか?

 

 チートがもらえる系じゃないのか!?

 

 

 

 カズマは少しの期待を胸に、明日を迎えましたとさ。

 




遅れ遅れ、毎度私はこんなペースで。

お気に入り登録してくれた人も居ると言うのにお恥ずかしい。

あと文章が所々おかしい場面もあると思われますが、報告して頂ければ幸いです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。