白ウサギが悪意をラーニングしたのは間違っているだろうか 作:クロウド、
―――迷宮都市オラリオ。
『ダンジョン』と通称される地下迷宮を保有する、いや迷宮の上に築きあげられた巨大都市。
都市、ひいてはダンジョンを管理する『ギルド』を中核にして栄えるこの歳は、ヒューマンも含めあらゆる種族の亜人が生活を営んでいる。
ダンジョンに潜り、そこから得た収入で生計をたてている人間を『冒険者』、そうひとくくりに呼ばれている。
―――ダンジョン、第五層。
『ヴォォ……。』
現在、半人半牛のモンスター、ミノタウロスは満身創痍の状態でその場に立っていた。
本来、ミノタウロスはLv.2相当の力を持つモンスター。本来ならこんな階層にいるはずのないモンスター、そして、この階層を探索しているはずの冒険者では決してかなわないはずのモンスター。
しかし、そのモンスターは全身に傷を作り片腕を深く切り裂かれ既に動かすことができなくなっている。
「この程度か」
そこにいたのは全身を紫色装甲で覆った仮面の戦士。腰には紫のデバイスが展開された黄色いバックルのついたベルトが装備され、その手にはカバンのような形状をした刃弓が握られている。
この戦士と、自身では力の差がどれほどあるのかはモンスターであるミノタウロスにも理解できた。
だが、モンスターとしての意地があるのかミノタウロスは拳を振り上げるが、それよりも早く手元の紫の弓、『アタッシュアロー』から放たれた紫色のエネルギーの矢がその腕を射抜いた。
「無駄だ。既に貴様の行動データはラーニングした」
仮面の戦士は全身に傷を負ったミノタウロスを落胆するように見つめると、腰のベルトに手を当てる。
「滅亡せよ……。」
紫の戦士は低い声でミノタウロスにそう告げると、腰につけたドライバーのアンカーを開閉する。
『スティングディストピア!』
ゆっくりとした足取りで進む紫の戦士の腕の伸縮刺突ユニット、『アシッドアナライズ』が伸び右足に巻き付く。複数に分岐した史管が足に破壊エネルギーを注入し、威力を高めた蹴りがミノタウロスの胴体に見舞われる。
破壊力を高めた凄まじい蹴りがミノタウロスの胴体に叩き込まれ、モンスターはその場に崩れ落ちる。倒れたミノタウロスが爆裂四散するのを背にその場を立ち去る紫の仮面の戦士『仮面ライダー滅』。
ひと目がなくなったところで滅は腰のドライバーのアンカーを閉じてそこから紫色のデバイスを引き抜く。すると、彼の身体が紫色に発光し装甲が消滅する。
光が収まるとそこには和風の羽織を羽織った黒ずくめの白髪の少年が立っていた。彼の腰には一本の刀がさしてある。少年が腰からバックルのみの状態になった黄色いベルト、『フォースライザー』を取り外すと赤黒い靄とともに彼の腰に黒いベルト、『アークドライバー』が現れる。
「――五層までのデータはラーニングした、もうここに用はない」
少年らしさを残す声で年不相応な機械的な言葉を発する少年。彼の名はベル・クラネル。
(まだだ、この世界の悪意を摘み取るためにはこの程度の力では足りない)
異世界の悪意をラーニングし、自分が見た異世界と同じような事が起きないようにするため、悪意を摘み取るに戦う戦士となった少年だ。
服装は完全にニュー滅です。エイナさんからめっちゃ叱られますが、無視してダンジョンに潜ってます。