無限の成層圏へのジャンプはライダーキックへと変わる 作:スカイハーツ・D・キングダム
《一夏視点》
シャルル「……」
一夏「だんまりか…ちなみに誤魔化しても無駄だからな。きっちり裏は取れている。俺さ…これでもA.I.M.S……対人工知能及び、IS特務機関の所属なわけ…うちにはさ、ハッキングのスペシャリストがいるからそいつにデュノア社を調べさせたんだよ……そしたらその結果…ある事が分かった……シャルル・デュノアなんて男のデータは存在してなかった……だが、代わりに…シャルロット・デュノアという女のデータはあった」
そう言って俺はシャルル……もといシャルロットを見た
シャルル「……いつ…気づいたの?」
一夏「ついさっきだ。さっき、社長からメールでお前についての事を全て聞かされた……まあ…最も、社長は転校初日の時点でお前が女だって気づいていたみたいだがな」
シャルル「え?」
一夏「話を続けるぞ……なぜ男のフリなんてした?」
シャルルは俺を見ていたがやがて観念したのかため息を吐き、話しだした
シャルル「僕…愛人の子なんだ……父に会ったのは2回くらいかな……引き取られたのは2年前…お母さんが亡くなった辺りに…引き取られた時にした検査でIS適応が分かって非公式だけどテストパイロットをやる事になってね……一度ね…本妻に殴られた事があったよ。『この泥棒猫の娘が!』ってね…」
一夏「……」
シャルル「それから少しして…デュノア社は経営危機に陥ったの……今の時代、第三世代型が主流になって来ているのに…うちは未だに第二世代型だから…それにISの開発ってものすごくお金がかかるんだけど、ほとんどの企業は国からの支援で成り立ってる所ばかり…フランスは欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』から除名されているから、第三世代型の開発は急務なの。それでデュノアも第三世代型の開発したけど元々遅れに遅れての第二世代型最後発だからね、圧倒的にデータ不足に時間不足……その上政府からの通達で予算大幅カットされたの。そして次のトライアルで選ばれなかった場合は援助を全カットする上、IS開発許可も剥奪するって流れになって……そこであの人から僕に」
一夏「なるほどな…大体分かってきた。お前が男のフリをしたのは広告塔の役と男の俺と接触しやすくてなおかつ」
シャルル「……白式のデータを盗みやすいから…」
そう言うと曇っていたがどこか楽になった様な表情をした
シャルル「ははは…でもバレちゃったし僕もデュノア社もおしまいだね……」
そして…そんなまるで…もはや何もかもがどうでもいい……そう言いたげな顔をした
……親…
《過去回想》
幼い一夏「チフユおねちゃーん…オトウサンとオカアサンは〜?」
幼い千冬「……いいか一夏…お前の家族は私だけだ」
幼い一夏「え?」
幼い千冬「今は分かってくれないだろうがこれだけは覚えていてくれ。私はお前の前から居なくならない。絶対だ!」
《現在》
一夏「ふざけてるのか?」
シャルル「へ?」
一夏「ふざけてるのかって言ったんだよ!何簡単に諦めてんだよ!勝手に親に生き方を決められたその上こんな結果になった。それでおしまいか?なんで簡単に諦める!!親に振り回されてこれでおしまいって本気で思ってんのか!本当にそれでいいと思ってんのか!?」
シャルル「良いわけないよ!!僕だって…普通に生きていたい!自分のしたい事…やりたい事だってたくさんあるのに……自由に生きられない……そんなの嫌に決まってるでしょ!!……でも…」
そこでシャルルは涙を流した……
相当抱えてたんだろうな……
シャルル「……頼れる人は居ない……居場所もない……無いものだらけな僕は……どうすればいいの………こんな事聞いてどうするの?……一夏が助けてくれるの?」
一夏「いいよ」
シャルル「って…そんなことないかっ…え?」
涙を流しながら語っていたシャルルは驚きのあまり流していた涙が止まる
一夏「助けてほしいなら、助けてあげるって言ってんだよ」
シャルル「な…なんで一夏がそんなこと…それに、どうせ時間の問題だし…」
一夏「特記事項第21、本学園における生徒はその在学中において、ありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意がない場合、それらの外的介入は原則として許可されないものとする」
俺はテキストに書いてあった事をスラスラと言った
一夏「要するに3年間は大丈夫だ…その間に何とかする……ってシャルルどうかしたか?」
シャルル「あ、…特記事項って全部で五十五もあるのによくそんなにスラスラと言えたね」
一夏「これでも勤勉だからな俺…何だったらこの場で全特記事項を言ってやろうか?」
シャルル「そ、そこまでしなくてもいいけど………なんで僕を助けるてくれるの?」
恐る恐るとした様子で聞いてきた
一夏「……A.I.M.Sってのはな、ISによる犯罪の対処に人工知能特別法違反を取り締まる機関なわけ…お前がされた事はれっきとしたIS関連の犯罪だ…そういうのから人を助けるのが俺達A.I.M.Sの仕事だ………」
シャルル「え?」
一夏「つまりお前は、ISによって被害を受けた被害者だ。だから助ける……それに……お前悪い奴じゃないしな」
シャルル「な…なんでそんなことが言えるの?」
一夏「ここ数日間…お前を監視する意味で一緒にいた結果…お前は悪い奴じゃないって判断した……これでも人を見る目はあるつもりだ…」
シャルル「……信じてくれるの?……」
一夏「しつこいな。俺がそう判断したらそうなんだよ。まあ、うちの社長ははなからお前を助ける気だったみたいだがな…」
シャルル「し…社長って…カズマのことだよね?…」
一夏「まあな、アイツはお人好しだから…お前みたいな境遇の奴はほっとけないみたいだからな」
シャルル「フフッ…」
と、シャルルが突然笑い出した
一夏「…何笑ってんだ?」
シャルル「ううん、カズマの事をお人好しって言ってるけど、一夏も負けず劣らずのお人好しだなあって思って………一夏…僕、もう決めた……あらがうよ…今をあらがって、自分の人生を好きに過ごしたいから!」
さっきまでの弱気だったシャルルの表情とは見違える程の覇気を感じた
一夏「そうか…もう大丈夫みたいだな………出てきてもいいぞ
シャルル「へ?」
シャルルが驚くと同時に、部屋のクローゼットから鈴が出てきた
一夏「悪いな…ガキの頃からの約束で、俺と鈴との間で隠し事をしないって事にしてんだ。それで鈴…この事は」
鈴「わかってる…この事は、あたし達だけの秘密ね……」
シャルル「……もしかして凰さんも僕を怪しんでいたの?」
鈴「まあ…普通に考えたら怪しむわよ。昔から一緒にいる一夏はともかく、二人目の男性操縦者で正直男とも女とも取れるような外見のアンタは怪しむわよ。多分言わないだけで、他にも怪しんでいるのはいると思うわ」
シャルル「そ、そうなんだ…」
鈴「それはそうと、もうすぐ始まる学年別トーナメント……シャルルはあたしか一夏と組んだほうがいいんじゃないの?」
シャルル「え?なんで…」
一夏「本来なら個人戦でやる筈だったんだが…お前が転校してくる前にちょっとしたハプニングがあって…それを考慮した結果ペアを組んでのイベントになったわけだ……それにバレる危険があるからな…今はまだバレるわけにはいかない……だから…俺か鈴と組もうか…」
シャルル「い、いいの?」
鈴「あたしは全然いいわよ………アンタの境遇聞いたらほうって置けないし…それに、一夏と勝負するチャンスが回ってくるかもしれないしね♪」
一夏「ほう…言ってくれるな。だったら先月果たせなかった勝負の続きをするか鈴!」
鈴「上等よ!!どっちが上かはっきりさせてやるわ!!」
その後、話の流れでシャルルは鈴と組む事となった
シャルル「あれ?これ僕の為?凰さんと戦う為?」
△△△△
「━━━ってそれ本当!?」
「私はそう聞いたよ!この大会で優勝すれば織斑君と佐藤君と━━━」
一夏「……」
翌日、俺は教室の机にうつ伏せになって休んでいる
時刻は放課後
もう少し休んだ後はアリーナに言ってISの特訓でもするつもりだ
……そう思いながら10分ほど眠ろうと思ったその時
箒「一夏!!」
突然教室に入ってきた箒が俺を読んだ
だが息を上げていた
走ってここまで来たってことだろうな
一夏「ん?どうかしたか?俺今寝ようと思ってたんだが?」
箒「そんなことしている暇じゃない!!大変なんだ?」
一夏「……なんかあったのか?」
箒の様子を見てただ事ではないと悟った俺は箒に聞いた
箒「い、今アリーナで
セシリアと鈴がボーデヴィッヒと戦っている!」
△△△△
一夏「はあはあはあはあ!!」
俺は急いでアリーナに向かって走っている
俺の走りに箒はついて行けず置いて行った
そしてアリーナに着くとそこには
ラウラ「フン、この程度で代表候補とは、笑わせるな」
ISを装着しているラウラと
セシリア「グッ…」
鈴「こ、ここまで相性が悪いなんてね…」
ISを装着した状態でボロボロにされている
ラウラ「やはり貴様ら如き、私一人で充分だったな」
そう言うと更に鈴達を痛めつけた
シールドエネルギーはあっという間に減って
これ以上ダメージが増加し解除されることがあればふたりの命は
しかしラウラは攻撃をやめない
普段と変わらない無表情のラウラの口元が確かな愉悦に歪めたのを見た時
俺は思わず殺気立ち、白式を展開し、アリーナを取り囲んでいるバリアを破壊しようとした
『グラスホッパーズアビリティ!』
その瞬間横から黄色の斬撃が俺の横を通り抜け、バリアに当たる
するとバリアは破壊され、それでも勢いが死なない斬撃は攻撃を続けているラウラに向かっていった
ラウラ「!」
が、既のところでラウラはそれを避けた
俺は突然のそれを驚いていると
ゾクッ
一夏「!」
突然俺の背後から俺の殺気を上回る凄まじい殺気を感じた
よく見るとアリーナにいる他の生徒達もそれに勘づき、怯え始めた
ラウラもその殺気を感じたようで、俺の背後の殺気の元の方を見た
俺は振り返らない
なぜなら、この殺気は誰が放っているかわかるからだ
カズマ「お前…俺のダチに…何してんだ? 」
俺の背後にいる殺気の元は……それはもうお怒りだった