無限の成層圏へのジャンプはライダーキックへと変わる 作:スカイハーツ・D・キングダム
《楯無視点》
楯無「はあ…はあ…はあ…」
読み違えた!
私は焦りを感じながら一夏君と対峙している
一夏「どうした?最初の余裕な表情が崩れてきてるなあ…?」
私は息を切らしているに対して目の前の彼は息を切らすどころか私とは正反対に余裕な表情を浮かべている
完全に私の誤算だった…
前もって彼のA.I.M.S.での戦闘データや学園内の戦闘シーンを何度も目にして来たけど、まさか私の想定以上だったなんて
体力面は私より数段以上
力じゃ敵わないから技術で相手をしようとしたのに引っ掛からない
どうしょう、彼…私よりもずっと強い
私の想定じゃ多少苦戦はしても勝てない事はないはずだったのに…
一夏「今、『苦戦しても勝てない事はない』って思っただろ?だとしたら、随分と下に見られてたな俺は」
楯無「!?」
思考が読まれている!?
一夏「俺がなぜ、アンタの竹刀を壊したかわかるか?……俺の最も得意な素手の戦いにもつれ込むつもりで壊したんだよ」
楯無「!」
まさか…最初の蹴りは私が竹刀で防ぐ事を見越して……
そして自分の最も得意分野で私を追い詰める為に…
楯無「くっ!」
私は走り込み、一夏君の腕と胴着を掴み
楯無「はあ!」
一夏君を畳に投げ落とそうとした
一夏「甘い!」
のだが、まさかの畳に落とそうとした所を踏みとどまり逆に私を投げた
けど、どうにか空中で体制を整えて踏みとどまった私だったのだが、間髪入れずに一夏君が近づき今度は私の胴着と腕を掴んだ
すると、
胴着が思いっきり開かれ、ブラジャーに包まれた私の胸が出た
楯無「きゃん!」
けどこれはチャンス!
これで動揺する一夏君に空きが出来て反撃が
一夏「会長、反撃しなくていいのか?」
楯無「!?」
が、一夏君はちっとも動揺してない…いやそれどころかどこか萎えているような表情になっている
そして私をそのまま地面に投げつけた
しまった!
私は一夏君の表情に気を取られていなすことができず、そのまま畳に倒れた
う、嘘でしょ…
《カズマ視点》
カズマ「勝負あったな」
俺はこの1対1の戦いを見届けて、そう呟いた
箒「な、何なんだあの人は…一夏を相手に、アレだけやり合うなんて…」
セシリア「あの、箒さん…もしかして知らないのですか?」
箒「し、知らないとは?」
カズマ「まあ、強いのは当然だ。なんてったってあの人はこの学園の生徒会長であり、
現ロシア国家代表なのだからな」
箒「はあ!?こ、国家代表だと!?」
そう、会長こと更識楯無は若くしてロシアの国家代表にまで登り詰めたこの学園唯一の国家代表
日本人なのにロシア国家代表なのは実家の更識家の持つ特権、自由国籍権とやらの影響らしい
カズマ「この学園の長である生徒会長は最強であれ!なんて言われているくらいだ。当然あらゆる分野においても相当の実力者だ……ぶっちゃけるが、今この学園でISを使った生徒の中じゃ間違いなく一番強いのはあの人だ……だから、もしも最初からISを使った勝負だったなら一夏は良くて引き分け、最悪負けてるな」
箒「そ、そんなに強いのか…」
シャルロット「で、でもあの人、素手の勝負で一夏に圧倒的な力の差を見せつけられたよ?」
カズマ「うーん、武器を使わない素手の戦いは一夏の最も得意な分野なのはそうだが、そもそもあのふたりでは戦闘スタイルが違いすぎる」
ラウラ「ど、どういう意味だ?」
カズマ「知っての通り、一夏は技術ではなく力と体力で相手を倒す、かと言って技術面は決して低いわけではないがあいつはパワー型だ……一方で会長は一夏と違い、技術で相手を倒すテクニック型だ。同じタイプ同士が戦えば、その能力が優っている方が勝つ……そして、違うタイプ同士での戦いは、駆け引きと頭脳戦になることが多い……おそらく会長はこの勝負をする前から、一夏を調べ上げていただろうな。ISではなく生身の肉弾戦にしたのは、あえて一夏の最も得意分野で戦って勝つことで、自分は一夏よりも上だとわからせるつもりでいただろう……が、ここであの会長はある致命的なミスを2つ犯した…」
アクア「致命的って…?」
カズマ「1つは一夏を散々苛立たせてヘイトを稼いだことだ。一夏を怒らせるような言動をしたのは冷静さを無くさせて自分に有利な状況を作る為だな。が、生憎アイツは戦うときは冷静だ。予想外の状況に陥っても、すぐに冷静さを取り戻す平常心を持っている。そして2つ目は
アイツはテクニック型の相手をしょっちゅうしていることだ」
アクア/箒/セシリア/シャルロット/ラウラ「「「「「あ!」」」」」
2つ目を言った瞬間アクア達はすぐに理解し全員が同じ方を向く
鈴「え!?なに!?」
アクア達が向いた先にいる一夏とやり合っているテクニック型事鈴は驚いた様子を浮かべていた
カズマ「一夏が常にやり合っている相手がどんな戦い方をする奴なのか、それを眼中に入れなかった結果がこれだ。鈴と数え切れないほどやり合っている事もあって、アイツはテクニック型相手でも善戦できる……そして一見、会長と鈴は似たタイプだが大きな違いがある」
セシリア「そ、それは?」
カズマ「あの会長はあらゆる分野に精通しているが、言ってみれば複数の事にバランスよく集中していると言える。対して鈴は素手を使った戦いの為の技術、その一点に集中している。会長に他の分野では劣っていても、素手の戦いなら鈴は、あの会長よりも強い」
ステータスで表せばこんな感じだ
代表候補生平均
銃術45
徒手35
剣術40
銃術70
楯無 徒手65
剣術75
銃術55
鈴 徒手94
剣術50
こんな感じで鈴は徒手に特化している
ちなみに一夏の場合は
銃術75
一夏 徒手105
剣術85
って所だな
いやー、こうして見ると一夏…鍛えすぎたかな…
実は純粋な素手の戦いは一夏の方が強いのだが、それでも鈴が互角にやり合える理由は単純に毎日やり合っているせいでお互いの手の内がよく分かってしまうからだ
アクア「と、とにかく、この勝負は一夏の勝ちってあら?」
一夏達の勝負を見届けていた俺達だったが、突然一夏が会長を立たせると
セシリア「え?」
再び掴んで畳に投げ倒した
シャルロット「え?ど、どうして?もう勝負は着いたのに?」
鈴「……もしかして…」
《楯無視点》
え?
突然一夏君が畳に倒れている私を起き上がらせて立たせてきた
もう勝負も着いたのになぜ
そう思った瞬間だった
楯無「!?」
突然一夏君が私を掴みかかるとまた畳に投げ飛ばした
楯無「え?ええ?」
一夏「何勝手に終わった気になってんだ?」
そう私に睨みつけながら言った
一夏「アンタ言ったよな?地面に背をつけたらアンタの負けだって……」
楯無「そ、そうだけど、だからこの勝負は私の」
一夏「だがアンタは
楯無「え?」
一夏「まだこの勝負は終わってないし…俺の体力はまだまだ有り余っているし」
楯無「!ま……まさか!」
その瞬間、私は一夏君がこれからやろうとしている事に気づいて青ざめた
そして一夏君は笑顔を浮かべると私に顔を近づけて
一夏「さあ続けようか
アンタが泣いて許しをこうまでな」
……この瞬間、私は確信した
目の前の彼は年下の男の子ではなく…人の皮を被った悪魔なのだと
《カズマ視点》
鈴「一夏……散々苛立たせた仕返しをするつもりね」
アクア/箒/セシリア/シャルロット/ラウラ「「「「「ええ……」」」」」
カズマ「忘れてた……そういえばアイツ……やられたことに対してかなり根に持つ奴だったことを」
ラウラ「も、もう勝負は着いたのにこれからずっと投げ続けたりするのか…」
鈴「しかも地面に背を着けようとすればすかさず捕まえて続行させるつもりよ」
箒「も…もうやめてやれ…」
カズマ「あー…これ長くなると思うから、お前ら帰っていいぞ…」
シャルロット「そ、そう?なら僕はここらでお暇させて貰うね…いこ、ラウラ」
ラウラ「う、うむ……兄さんを散々苛立たせたあの会長には当然の報いとは思うが……正直兄さんのああいう所は見ていて色々思う所がある自分もいる…」
セシリア「いえ、それが普通だと思いますわ…」
箒「で、では私もこれで」
鈴「いやアンタは残りなさい、彼女でしょうが。見届ける義務があるでしょ」
箒「ええ……これを見届けるのか…」
そう言いうなだれる箒
……正直同情する
そう思いながら俺とアクアと箒と鈴の四人は最後まで見届けた
一夏の会長いじめは1時間以上にも及び、やがて会長は涙目になって降参宣言してきたのだが
一夏「んー、嫌だ♪まだまだやりたいからもっと続けよう♪」
更にそこから1時間続いた
もう、俺もアクアも箒も鈴も会長を気の毒に思いつつ、全員心の中で『一夏だけは敵にまわしたくない』と思ったのだった
△△△△
《一夏視点》
楯無『…そういうわけで、昨日の企画に対してとある方面から大きな苦情が出たから、『各部対抗織斑一夏争奪戦』を大きく変更します…』
放送を聞いた生徒達「「「はあー!?」」」
翌日、昼食時間に学食を食べに食堂に来た俺達は、昼食を食べていると放送が流れ、それに多くの生徒が驚いた
一夏「♪」
が、それを無視しながら俺は本日の昼食『俺特製お茶漬け』を作っていた
中には卵やら納豆やら鮭やら緑茶やらとにかく色々と混ぜた物だ
箒/ラウラ「「ウェッ…」」
セシリア「うっ…食欲が…」
シャルロット「ち、ちょっと一夏、そのグロテスクな食べ物をこっちで作らないでよ!」
アクア「あ、やば…吐きそう」
カズマ「おい!ここで吐くなよアクア!」
めぐみん「うっ…私も吐きそうです…」
ダクネス「まて!吐くなら袋で吐け!」
本音「わあ〜!かんせーい、いっただきま~す!」
吐き気が伝染している中、食堂に向かう途中で会った本音も交えて一緒に昼食を食べる
ちなみに本音が食べているのは『本音特製お茶漬け』だ
俺が作ったお茶漬けの原型だ
お茶漬けの中身のグロテスクさは俺のと同等だな
鈴「よ…よく食べれるわね…そんなもの」
本音「えー?だって美味しいのにー?」
一夏「お前だって俺の作った茶漬け食って美味いって言っただろ?」
鈴「言ったけど!言ったけど中身のビジュアル的に食欲が失せるから好きじゃないのよ!」
気持ちはわからなくもないが、何度も見ている俺はもう何も感じなくなっている
人間慣れてしまえば無敵だな
カズマ「それはそうと一夏、お前本当に良かったのか?」
一夏「何がだ?」
楯無『あ、けど心配はしないで、大きく変更したものでは、個人個人にチャンスが大幅に上がるから』
↑
カズマ「……アレ、お前のアイディアだろ?」
一夏「……俺なりの最大の譲歩だ……」
楯無を散々いじめ終えた後、俺は楯無から生徒会のやろうとしていた出し物を詳しく聞いた
それを聞き終えた俺は楯無にある提案をした
楯無はそれに驚きつつも、俺の提案に乗ってくれた
一夏「さーて向こうはあの会長がやってくれるとして……こっちはこっちでクラスの出し物作りに集中するか…」
お茶漬けを食い終えた俺は片付けると教室に戻り、出し物作りの続きをするのだった
《おまけ》
箒「一夏が思っていた以上に率先して動いているな」
カズマ「アイツ、やるべきことは早めに終わらせようとするタイプだしな。課題とか仕事の提出する報告書も渡した翌日に提出するほどだな。提出期限はまだまだ先だっていうのに…」
箒「だ、だからか……時々夜遅くにA.I.M.S.の仕事用の大量の書類と格闘してたのは……」
カズマ「アレ本当は提出2週間後とかその辺なのにアイツ翌日に提出してくるから速すぎるんだよ……多分アイツのおかげでウチのクラス、他より速く完成するだろうな……普通に有能すぎるな」
速く投稿できて良かったです!!