無限の成層圏へのジャンプはライダーキックへと変わる   作:スカイハーツ・D・キングダム

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はい。また息抜きの番外編です。今回は箒が主役の回です。最近あまり一夏×箒展開があまりなかったので、本編から外れた平和な一夏と箒の絡みをどうぞご覧下さい。そして今回で一夏の過去がある程度語られます。


小ネタ集② 篠ノ之箒の初バイト

 

 

鈴「ええ!!箒ってお小遣い、国から支給されるの!?」

 

午後の授業を終え、アリーナで一夏と鈴の3人で訓練をし、少し休憩をしていたときに鈴がポツンとそれぞれのお小遣い事情を言い出したのがきっかけだった

 

一夏は言わずもがなA.I.M.S.所属で高い給料を貰っており、鈴は中国の代表候補生をしており、国から給料を支払われ金銭面は対して困ってなかった

 

が、一方で私はというと

 

箒「あ、ああ…一応国からの擁護プログラムを受けている身でな…」

 

一夏「そうか…ちなみに…いくらくらいだ?」

 

箒「そ…それが…」

 

私はまわりに他の生徒が居ないことを確認すると、小さな声でふたりに教えた

 

鈴「……え?マジ?少な…」

 

一夏「ああ、高校生が貰う平均的な小遣いよりも少ねえ」

 

箒「わ、私は自分が貰う小遣いは対して考えたことはないが、……そんなに少ないのか…?」

 

一夏「少なくとも花の女子高生が一ヶ月で使う金額としては少ないな……もしかしてだが、金欠になったことが、何回かあったんじゃないか?」

 

箒「う…」

 

そう、実は中学以降から小遣いが足りなく感じた

 

それまでは国から支給された小遣いで生活していたが、あまり無駄遣いできるほど小遣いを貰えなかった

 

鈴「でもそれなら日本政府にもっと渡すように要求すればいいんじゃないの?篠ノ之博士の身内の頼みなら了承すると思うけど」

 

箒「……確かに…頼めば了承するとは思うが……私達家族の意思など関係なしにバラバラに引き裂いた日本政府に頼むのは…」

 

一夏「……まあ…それは嫌だな…」

 

家族と離れ離れに……それに…一夏とも別れさせられ、私個人として、日本政府が嫌いだ

 

そんな日本政府に頼むくらいなら金欠でも構わないと思っていた

 

鈴「……どうする箒?……あたしお金貸そうか?」

 

箒「い、いやいい……他人とのお金の貸し借りは問題になるって昔母が言っていたから…」

 

鈴「……んー…あたしは別に返すのはいつでもいいけど……ならバイトでもする?それなら誰かからお金を借りるわけじゃないし、日本政府に頼むわけでもないから…」

 

箒「バイトか……確かにそれがいいと思うが、……一応部活をしているし、こうやって放課後の訓練もあるから……」

 

鈴「それによくよく考えたら、ウチの学園の生徒って基本的に休日以外の学園外に出るの禁止してるしね…」

 

箒「う………結局どうすることもできないか……」

 

一夏「…………あ…ならさ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日の祝日に俺の家でバイトしないか?」

 

箒「……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「よーし、ここは片付いたか……箒、そっちに置いてあるダンボールは机の下に置いておいてくれ」

 

箒「ああ、分かった」

 

翌日、私は一夏の家に行き、一夏の手伝いをしている

 

【昨日の過去回想】

 

鈴「一夏の家でバイトって?」

 

一夏「ああ、この学園の寮に住むようになってから、あまり家に帰ってなくて、そろそろ掃除したほうがいいかなぁって、思っていたところだったしな。ついでに色々やっておきたいこともあったんだが、一人でやるには時間が必要以上にかかるんでな……そこで、お前には俺の手伝いをしてほしい。バイト代はその報酬だ」

 

箒「い、いや…それは一夏が頼めば無償でやるぞ私は……」

 

一夏「やることが多いから明日一日のお前の休みを潰すことになるから、そのお前の時間を使うことにもなるから、バイト代を出すんだよ」

 

箒「し…しかし…」

 

鈴「箒、ここは一夏の提案に甘えなさいな」

 

箒「鈴」

 

鈴「お金はあるに越した方がいいわよ…あったらあったで欲しい物が買えるし……一夏とのデートで使えるお金も増えるわよ」

 

箒「!」

 

鈴「それに……一夏の家で手伝いをするってことは、一日中一夏と一緒に居られるってことじゃないの。なんだったら、普段見られない一夏のアレコレを知ることが出来るじゃないの」

 

箒「!そ、そうだな……よし…一夏!やはりその提案を受けるぞ!!」

 

一夏「いやお前ら…よく本人の前でその話ができたな……まあいい…明日、俺の家に行くからな?頼むぞ箒」

 

箒「ああ!任せてくれ!!」

 

【回想終了】

 

一夏「ふう…最近本増えたな…また新しい本棚買う必要があるな」

 

箒「それにしても…一夏はよく本を読んでいるな。寮でもよく読んでいたが…」

 

一夏「読書好きだからな」

 

箒「普段の言動や態度からはとてもイメージできないな。お前を知らない人が見たら読書好きとは思えないだろうな」

 

一夏「本は好きだ。一冊一冊、書き手が違っていて、表現や言葉遣い……そして物語の違いが星の数ほど存在している……読んでいるだけで、まるで自分がその本の世界に入ったような気分を味わう……本には無限の可能性があるんだよ」

 

箒「小説家が言いそうな事を言っているな一夏…」

 

そう言いながら私は棚に本を詰めていくと、

 

箒「ん?これは…」

 

棚から何かがはみ出ていたので引き抜くとそれは

 

箒「…これは…アルバム?」

 

気になった私はアルバムのページをめくった

 

そこには幼少期の一夏と千冬さんが写っていたものばかりだった

 

中には私も一緒に撮ってある写真もあった

 

あ…これは確か、剣道の大会で私と一夏優勝して、道場で他の門下生達と撮ったときのやつだ

 

懐かしい写真ばかりを目にし、思わず私の頬が緩む

 

私はその後、アルバムのページ全てをめくり、写真に目を通したが、ここである疑問が浮かんだ

 

箒「(そういえば、一夏と千冬さんの両親の写真が一枚もない)」

 

一夏と千冬さんの両親は、ふたりが幼い頃蒸発したと、聞かされていた

 

流石に家族全員が写った写真くらいあるとは思っていたが…

 

一夏「おやおや、手を止めて勝手に人様のアルバムを見るか」

 

箒「う!」

 

と、そんなわたしをいつの間にか一夏が近づき、アルバムを奪った

 

箒「す、すまない…つい目が行ってしまって…」

 

一夏「……まあいいけどな…ちょうど休憩に入ろうかと思っていたからな……アルバムに興味があるなら、そこの棚の下にまだあるぞ。中学生時代から卒業までのやつが」

 

箒「そ…そうか…」

 

そうして私は一夏が教えた棚のアルバムを見た

 

そこには中学時代の一夏や鈴、弾と数が主に写っていた

 

四人で遊んでいる姿や、そこへカズマにアクア、めぐみんとダクネスも追加された

 

そういえば中学の一年の終わりにカズマと出会ったと言っていたな…

 

そう思い、次のページをめくると

 

箒「うわ…」

 

そこには、一夏の飛電インテリジェンスでの訓練の様子が撮られた写真がたくさん貼られていた

 

だが…

 

箒「お前…この頃からこんな訓練受けていたのか…」

 

そこに写っていた写真は、一言で言えば地獄絵図とも言える訓練の様子ばかりが撮られていた

 

しかもこの訓練を受けていた当時はまだ13〜15歳だった為、今現在と比べても追い込み具合が半端じゃなかった

 

箒「……よく生きていたな一夏」

 

一夏「言うな…それは俺も思った。兄貴指導の訓練はヤバすぎるんだよ。何回か三途の川を渡る羽目になったくらいだからな」

 

箒「実際に逝きかけていた!?」

 

私は一夏のあのとんでもない生命力や戦闘能力の元になっているのって、中学時代の訓練から生まれたものだと思わず感じた

 

箒「あ…」

 

ここで、私は一夏にある事を聞こうと考えたが、やはり言うべきではないのでは…と考え、言葉を止めた

 

一夏「……何か聞きたいことがあるみたいだな……ある程度のことは答えるぞ…それがコメントしづらいものじゃなければな」

 

箒「あ…いや、その……一夏と千冬さんの両親のことなんだが……写真には一枚も写っていないから…そのことを聞こうと思ったのだが…やはり無粋だったな。すまない…やはりなんでもな」

 

一夏「写真がないのは単純に撮っていないだけだ…」

 

私が話をやめようと思ったが、そんな私のことを気にせず、一夏が話しだした

 

一夏「それか本当はあったのかも知れないがなくしたのか…或いは持ち去っていったのか……考えたら切りがない……それと、俺に親は蒸発したって教えたのは誰だと思うか?」

 

箒「それは…千冬さん…ではないのか?」

 

一夏「ああ……幼い頃の俺にそう教えて中学に上がるまで、育てたんだよあの姉は」

 

箒「え?…中学までって…」

 

一夏「勘違いするなよ、別に育児放棄したわけじゃない。単に俺の独り立ちが早かっただけだ。いつまでも千冬姉の世話になるのは俺も嫌だったんでな、中学に上がったあとは、できる限り千冬姉の援助なしで生きてきた」

 

箒「……(あまりこの話題について聞かないほうがいいな)そうだったのか…」

 

一夏「だが今ならわかる……俺に親は蒸発したって言っていたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれは千冬姉の嘘だな(・・・・・・・)

 

箒「……え?いや待て!」

 

今…なんて…?

 

千冬さんの……嘘?

 

箒「ど…どういう…ことだ…」

 

一夏「言葉通りの意味だ。俺には親は蒸発したなんて言ったが、千冬姉は嘘をついている……」

 

箒「なぜ…それがわかる?」

 

一夏「分かるさ…曲がりなりにも俺はあの姉のことを他の誰よりも近くで見てきた……嘘つくときの感じもよくわかる」

 

箒「……」

 

一夏「本当はさ……調べようと思えば調べられるんだよな、俺の親に俺の出生も……けどあえて調べないことにしてんだよな俺」

 

箒「……なぜ………なぜ調べないんだ…もしかしたら、一夏の過去に関する重大な何かがあるかもしれないというのに…」

 

そうだ、知りたいはずだ

自分に関わることならなおさら

 

一夏「……俺は待ってるんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬姉が自分の口から話すのをよ」

 

箒「!」

 

一夏「千冬姉は頑なに話さないが、……あの姉が俺に話さないのは、悪意あってのことじゃない……あれは、多分何かを恐れているんだよ」

 

箒「恐れている…?あの千冬さんが…」

 

一夏「そう思うだろ?俺もそう思っている……まあ、普段人外って言われてはいるが、感情面だけはちゃんと人間だよ」

 

箒「感情面…だけ…」

 

それはそれで酷いと思う

 

一夏「だから、俺は話すまで待つことにする……真実はそれまで触れないことにするさ」

 

箒「一夏…」

 

あれだけ千冬さんの悪口言ったり険悪ムードを出しても、ちゃんと信頼して信用はしているのだな…

 

一夏「まあ真実話したあとは嘘ついた罰で顔面を一発殴るけどな」

 

箒「根に持ってた!?」

 

一夏「それによ……俺は親の居なかった事を別に不幸に思ったことはねえ」

 

箒「……」

 

一夏「一応家族は千冬姉いたし、お前に鈴達、それに社長や滅さん達と出会い、過ごし、こうして今一緒に居られる。自分が尊敬する人や気に入った人達と生きていけるって、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……これって幸福なことなんじゃないか?少なくとも俺は幸せだと感じている」

 

そう言う一夏の表情は、少しいたずらっぽい笑顔を浮かべていた

 

箒「!///」

 

ああ、まただ…こいつはこうしてまた私の心をときめかせる

 

一夏「さて…話し込んじゃったな……それじゃあ作業の続きするか」

 

箒「!あ、ああ!」

 

そう返事をし、私も再び作業を始めるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日一日

 

一夏と一緒に居て分かったことがある

 

こいつがどれだけ姉である千冬さんの悪口を言おうが、どれだけ喧嘩腰で接していたとしても

 

千冬さんの事は信頼し信用の置ける、『家族』として思っている

 

それと自身の境遇を決して不幸とは思っておらず、多くの人と出会い、過ごしてきた日々を大切に、それでいて楽しく過ごしている

 

それは私も例外ではなく…

 

こいつにとっては、それらが今の自身を形作る

大切な欠片(ピース)なのである

 

きっとこの男はこの先も

多くの人と触れ合い、自身をまた大きく形作る欠片が揃うだろう

 

 

 

だが…いつの日か必ず

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はお前の特別なピースになってみせる!!

 

 

そう私は、その思いを胸にしまい

これからも一夏のそばに居ることを、改めて誓ったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにバイト代が万札5枚だったことで、一夏に慌てて返そうとするのはまた別の話だった

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