無限の成層圏へのジャンプはライダーキックへと変わる   作:スカイハーツ・D・キングダム

68 / 72
第54話 信じる心

 

《カズマ視点》

 

カズマ「想像以上の出来だったな…サウザンドドライバー」

 

めぐみん「フフッ、そうでしょう。なんていったって、あれを完成させるために…これまで多くの戦闘データ、更にはプログライズキーやゼツメライズキーのデータ、更に試行錯誤してドライバーを垓さんと完成させました。とはいえ、かなり時間をかけました。主にデータ収集にですけど」

 

カズマ「俺もそれの手伝いしたよな」

 

めぐみん「アレには本当に感謝してますよ。本来、他社の社長である貴方が見返り無しで私達に協力してきたのは信じられないことですよ」

 

カズマ「見返りならあるさ。一緒に戦ってくれるって言う見返りがな」

 

ダクネス「カズマ、勘違いをしない為に言っておくが私達はたとえお前がデータ集めに協力せずともお前に協力は惜しまないつもりでいる」

 

カズマ「フッ、まだあのときのこと気にしているのか?」

 

ダクネス「私にとっては一生の恩だ。助けが欲しいときは、私もめぐみんもお前の助けになるって決めたからな」

 

カズマ「……持つべきものは頼りになる友だな」

 

めぐみん「そう言って頂くと、とても嬉しいです。話は戻しますが正直、サウザーはもう少し苦戦するとは思っておりましたが、これではサウザーが勝ちますね…現時点でサウザーに唯一勝てそうな一夏があれだけ疲弊しているようではなおさら」

 

カズマ「……いや…それはまだわからないぞ……それに、この戦いの勝利の鍵を握っているのは一夏だけじゃない……」

 

めぐみん「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《箒視点》

 

箒「はあ…はあ…」

 

鈴「はあ…はあ…」

 

一夏「チッ……無駄に硬いな…それにこっちの攻撃も避けやがる…まるで社長のシャイニングホッパーみたいにな……」

 

サウザー「フフッ、よく気づきましたね。この仮面ライダーサウザーは演算処理装置『サウザンドシグナル』によって敵をラーニングし数万通りもの行動予測をすることが可能だ…その予測能力は、ゼロワンのシャイニングホッパーをも上回っている」

 

鈴「げぇ、あの超反則能力の上位互換を兼ね備えてるなんて、敵からしたらこれ以上ないくらいやりづらいわね」

 

一夏「全くだ。予測能力があれば格上相手にも勝ててしまうシロモノだ。今まともにダメージを通せるのは俺のワンオフアビリティーだな…だがあれじゃあ攻撃を当てるのも一苦労。おまけにエネルギーもかなり消費している。仮面ライダーに変身しようものならテクノロジー奪われそうだしやりづれえ…」

 

箒「……」

 

今現在、私達は追い込まれている

天津さんの変身する仮面ライダーサウザー

その力は私達全員の総力でも太刀打ちできずにいる

 

このままでは私達が負ける

 

箒「い、一夏…」

 

一夏「どうした箒」

 

箒「あ、いや…その」

 

 

一つ

この不利な状況を覆すことができる方法がある

 

だがアレはまだ未発動

どれだけ練習をやっても発動することのできなかった私のワンオフアビリティー…絢爛舞踏(けんらんぶとう)は一夏のIS、白式の持つありとあらゆるものエネルギーを消滅させる完全防御無視のワンオフアビリティー、零落白夜と対をなすもので、その効果はエネルギーを増幅させるというものだ。このアビリティーを任意に発動することができればエネルギー消耗の激しい白式の零落白夜をほぼ無制限に発動することができる

 

エネルギーを消滅させる白式に対して増幅させる紅椿

おそらく姉さんはこの2つをコンビ運用させる前提で制作をしたんだと考えられる

 

発動さえできればこの状況を覆すことができるのに……いや、無い物ねだりをしても仕方がないか……

 

でも発動したい…間違いなく私はふたりの足手まといになっている

 

これ以上足を引っ張りたくない

最悪私が囮になってでも

 

一夏「鈴」

 

鈴「なあに」

 

一夏「悪いが、少しの間一人で天津さん抑えていてくれないか?」

 

箒「!」

 

鈴「わかったわ」

 

一夏「……即答だな。自分から言っておいてなんだがいいのか?相手は俺たちがまとめてかかっても相手にできるくらい強いって言うのに」

 

鈴「正直、現状アレに勝てるビジョンが浮かばないけど、なにかあるんでしょ?勝つための方法」

 

一夏「まあな…ただそれは、箒次第だがな」

 

箒「え…」

 

鈴「なら、あたしはふたりを信じて抑えとくわ…ああでも、別にあたしが倒してもいいでしょ?」

 

一夏「!……フッ、ああ…倒せるならな」

 

鈴「うん!じゃあこっちは任せて!!」

 

そう言うと鈴はサウザーに飛びかかりながら攻撃し始めたのだった

 

箒「……」

 

そして私と一夏のふたりだけになってしまった

 

一夏「箒ってさあ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして本気出さないのか?」

 

箒「…え?」

 

え?

 

それはどういう

 

一夏「この際だから言うが箒、お前の実力はそこらの代表候補候補生はおろかセシリア達と遜色ないからな?」

 

箒「なっ!?」

 

私が…セシリア達と……いや、そんなはずは

 

もしそうだとしてもなぜ

 

一夏「けどお前はいつも本気を出しちゃいない……いや、俺の記憶の中では最後に本気を出したのは学年別トーナメントの時だったな……臨海学校の時は初めて使う専用機の性能に振り回されるのをどうにか抑えていたって感じだった……だがその後は明らかに本気を出してない戦いが目立っていた。俺を含めた戦いをある程度こなしてきた実力者にはそいつが本気を出しているかいないかを見抜く力がある……なあ箒、お前さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつ本気の出し方忘れちまったのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴「はあ…はあ…」

 

サウザー「フム……多勢で戦うときよりも動きが良くなっていますね……凰君……君はひょっとして、多勢で戦うことよりも一人で戦ったほうが力を発揮するタイプではないですか?」

 

鈴「……さぁ…」

 

サウザー「ですが、いくらなんでも私をたった一人で相手にするのは些か無謀だと思いますが…そこのところはどう考えていますか?」

 

鈴「……さぁね…ただ一つだけ言えることは……あたしは後のことを気にせず、前だけを見て戦えばいいのよ…!」

 

サウザー「ほう…それで君が敗れることになっていても?」

 

鈴「これでもあたしは一夏とは付き合いが長くてね…なんとなく、アイツならどうにかしてくれるって思っている……それと、今はまだ迷っている箒だってやってくれるって信じているわ…なんて言ったってあの人外外道を好きになった女で、あたしの友達だから!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「お前は自覚していないかも知れないが、戦うときに全力を出していない…それだけでなく、タイマンじゃない限りお前自身は前に出て戦わず、サポートや補助に回っている。これが俺や鈴、ラウラならもっと前に出てガンガン攻めているぞ。まあセシリアとシャルはどちらかといえばサポートメインなところがあるが、アイツらはアイツらで全力でやっているからそれはいい、何だったらチャンスさえあれば全然前に出ているしな。けどお前は違う…常に守る戦いに徹して攻めないでいる。さっきだってそうだ。俺や鈴、ラウラは攻めて、シャルとセシリアはサポートしながら前に出ているのにお前は一番後ろからのサポートにのみ徹している……」

 

箒「……」

 

一夏「別にサポートにまわることが駄目なんて言ってんじゃねえよ。それも立派な戦術……攻めるだけが戦い方じゃないからな………けどサポートや補助ばかりで攻めないのはお前本来の戦い方じゃねえだろ」

 

箒「!」

 

一夏「なあ箒……この際だからはっきり言うぞ………お前は何を恐れているんだ?」

 

箒「!わ…私は…」

 

一夏「失敗を恐れているのか?それとも足を引っ張ることを恐れているのか?……そりゃあ恐れるのは当然だ。俺だって戦うときにヘマしないか、失敗しないか警戒する。でもな…俺はいつだって自分自身を信じている。絶対上手く行くってな。お前は実力に申し分ない。あとは精神的な問題だ。箒、よく覚えておきな。自分の心を救えるのは自分だけだ。俺みたいな他者に出来ることは手助けしてやることだけだ……」

 

一夏はそう言うとショットライザーを取り出し

 

一夏「…お前に今一番足りないものは…お前の心にある……それを見つけろ……そして自覚してみろ…………俺はお前を信じているぞ……変身!」

 

仮面ライダーバルカンに変身し、天津さんの元へ向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

箒「……」

 

私は…いつもそうだ

自分に自信がなかった

 

どれだけ鍛えても、どれだけ己を追い込んでも

いつだって自分を信じきれていなかった

 

一夏と勝負するときや、鈴達と勝負するときも心の何処かで『どうせ勝てない。私程度では勝つことができない』

 

極めつけは一緒に戦うことになったときもそうだ

 

他よりも劣っている自分がいることが場違い

足を引っ張ってしまうかもしれない

私のせいで負けてしまったらどうしよう

 

一度そう思ってしまうと前へ行くことに恐れを抱いてしまう

 

一夏は私に言った

 

私自身の実力はセシリア達と遜色がないと

あと足りないものは私の心にある

 

でも…私は強くなんか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺はお前を信じているぞ』

 

箒「!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《一夏視点》

 

バルカン「ふぃー…まさかアサルトウルフでも勝てねえのかよ」

 

サウザー「いやはや、凰君といい君といい、一人で戦った方がむしろ強くなっていないかな君たちは」

 

俺がサウザー、いや天津さんと鈴の元へ行くとすでに鈴は倒されており、俺は出し惜しみなんてしている場合ではないと考えアサルトウルフにフォームチェンジして戦ったが、それでもサウザーは強く、ダメージこそ与えられたもののやはり決定打にはならなかった

 

サウザー「さて、どうするかな?私としてはもう充分過ぎるほど実戦データは得られ、更には改善点も見受けられた。ここらで終わりにしても」

 

バルカン「天津さんよ……アンタ忘れてないか?俺はかなりの負けず嫌いだってことをなあ……それと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ勝負は終わっちゃいねえ!」

 

サウザー「!」

 

その次の瞬間、横からレーザーが放たれそれをサウザーがサウザンドジャッカーで防いだ

 

バルカン「……」

 

レーザーが飛んできた方を見ると、そこには

 

箒「……」

 

ISを解除し、部分展開のみをした箒が空裂と雨月の両方を握っていた

 

サウザー「ISを使わずに生身で相手をするつもりですか?そのつもりならこちらも容赦はしない!!」

 

そう言うとサウザーはサウザンドジャッカーを振りエネルギー刃を飛ばした

 

箒「!」

 

それを箒は走りながら空裂を振りエネルギー刃を飛ばして相殺させた

 

サウザー「!」

 

そしてサウザーの近くまで来ると持っている2つの武器で斬り掛かった

 

それをなんなく防ぐサウザーだったが箒はドライバーを蹴飛ばしサウザーを仰け反らせた、更に蹴った反動を利用して空中回転しながら二本の武器で斬った

 

サウザー「ぐあ!……まさか生身の貴方にやられるとは」

 

天津さんも流石に生身の相手に攻撃を当てられたことに驚きつつも、警戒を解かない

 

バルカン「……やっと気がついたみたいだな……お前に足りないもの」

 

箒「……ああ…やっとわかった……私が本当にたりなかったものを…」

 

そう言うと箒はISを再び装着した

 

すると

 

箒「!一夏!今なら使えるぞ!」

 

箒のIS、紅椿が紅く光りだしたかと思うと手の方に紅い光が集まった

 

バルカン「そうか!なら」

 

俺は変身解除をし再び白式へ

 

箒「これが…絢爛舞踏……受け取れ!一夏!!」

 

そして箒の手から離れた紅い光が白式に当たると

 

一夏「……エネルギーが回復してやがる……ついにやったな箒!」

 

箒「ああ!……すまない一夏!!今まで迷惑を掛けて!掛けた分の迷惑は戦いで返す!」

 

一夏「お、言ったな?なら俺も遠慮なくお前を前に出すがいいよな?」

 

箒「ああ!問題ない!!なぜなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は誰よりも強い!

 

一夏「!」

 

その時の箒の顔を見たとき…俺の頭にある思い出が蘇った

 

幼い頃 剣道の大会があったとき、箒がラストを締める大将戦

前回の剣道の大会で箒を負かした相手と対戦することになり、緊張し全力が出せないでいた

そんな箒を見かねた俺は箒にこう言った

 

過去一夏『箒、大丈夫だ…箒なら勝てる。でも実力で勝てても心で負けてしまったら試合に勝てないぞ。だからお前に絶対勝てるおまじないを教えるぞ』

 

過去箒『お、おまじない?』

 

過去一夏『【私は誰よりも強い】だ。これを心の中で思っていれば勝てるよ。しっかりしろ…お前の強さは俺も千冬姉も保証する……行け!』

 

そして箒は試合に勝ち、俺達は優勝した

 

過去一夏『やったな箒!な、言ったとおりだろう?なぜなら』

 

過去箒『【私は誰よりも強い!】』

 

過去一夏/現在一夏『!……フッ』

 

あのときのことを思い出し、つい微笑ってしまった

 

一夏「行くぞ、箒!」

 

箒「ああ!一緒に!」

 

俺と箒はそれぞれが武器を持ち、サウザーに立ち向かった

 

一夏/箒「「はああああああー!!」」

 

箒は自分自身の力に過信することはない

それは新しい力(専用機)を得たときも、厳しい訓練をやり遂げたとしてもだ

だからこそ箒は強くなっても力に溺れることはない

俺はそう思った

 

それが箒の長所であり、短所でもある

 

この自分を過信しないというものはいい意味で言うと謙虚、悪く言い換えれば己を信じないことでもある

 

箒は自身がどれだけ鍛えても、専用機を得ても自分は強くなってない

 

そう強く思うことで無意識のうちに自身の力をセーブしてしまっていた

実際箒は普段から全力の半分行くか行かないか程度しか発揮出来ていない

 

つまり箒は自分に自己暗示を掛けることで、本気を出せないでいた

 

だが

 

一夏「今だ箒!」

 

箒「はあああああ!!」

 

今やっと箒は、自分に足りないものを理解した

 

その結果今の箒は、今までよりも強くなった

 

そして

 

《カズマ視点》

 

カズマ「勝負あったな」

 

めぐみん「まさか…こんなことが…」

 

ダクネス「だが…今目の前光景が現実だ……だが…私もこうなるとは思っていなかった…」

 

カズマ「なっ?言ったろ…この戦いの鍵を握るのは一夏だけじゃないって……そして箒に足りなかったもの……それはシンプルかつ単純…だがだからこそ誰もが持ち合わせているもの……自分を信じる心

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自信だ

 

 

そう俺は目の前の光景

 

箒の攻撃をサウザンドジャッカーで防ぐサウザーだったが、後ろに回り込まれ、零落白夜を発動させた雪片を向けた一夏

 

これにより、勝負は決したのだった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。