無限の成層圏へのジャンプはライダーキックへと変わる 作:スカイハーツ・D・キングダム
一ヶ月投稿が遅れて申し訳ございました!!
今も大学の課題提出とモチベーションを持ち直すのに尽力しております。
今回はいつもよりも短めです。
平行千冬「む?」
その日、今日の仕事を終えた千冬は自身が使っている寮の部屋に帰ってきたのだが
平行千冬「……鍵が開いている?」
ドアノブに触れると鍵が掛かっておらず、簡単に入ることができた
平行千冬「……なぜ鍵が……誰かが侵入したのか……いや、この学園でそんな命知らずな事をするバカはいないだろうな……」
そう思いながらも千冬は部屋に入ると違和感を感じた
平行千冬「……部屋が臭くない?…それになんだこの匂いは」
やがて千冬は電気をつけるために壁のスイッチを押した
すると
平行千冬「なっ!?」
電気をつけ部屋を明るくすると、部屋は綺麗に片づいており、更にはテーブルには料理が置いてあり、よく見るとテーブルに置いてある料理の一つである味噌汁からは湯気が立っており、少し前にできた料理であることがわかる
平行千冬「な、なぜ部屋がこんなにも綺麗に……それになぜ料理が用意されている!?」
一夏「そんなの俺がやったからに決まってるだろ?」
平行千冬「!」
突然後ろから声がしたので驚いて振り返ると、違う世界の自身の弟である織斑一夏が立っていた
一夏「まったく…いくらなんでも油断しすぎだろ…声かけるまで気づかなかったとはな…もし俺がアンタを狙う殺し屋かなんかだったらとっくに背後からブスッと行ってたからな?」
そう言われて腹が立った千冬だったが確かに自分が油断し過ぎていた事を自覚した
ここには腕利きの教員や高いセキュリティーが備わっていたが、外部からの侵入は過去にも何度かあったため、学園内でも警戒しなければならなかったのだから
いやそれよりも
平行千冬「なぜお前が私の部屋にいるのだ!どうやって入った!!」
一夏「いやどうやっても何も、鍵掛かってなかったし…」
平行千冬「は!?」
一夏「俺の所の千冬姉の部屋は汚かったからどうせアンタの部屋も汚いと思ってたからついでに片付けでもしてやろうと思って部屋の前に来たら鍵開いてたからそのまま入って片付けをしたんだが………流石は千冬姉……世界が違えど家事能力と私生活力0の女なのは変わり無しだ」
平行千冬「ギッ!貴様!」
一夏「おっと、怒るか。だが俺は間違ったことは言っちゃいねえよ。部屋に散らかっている大量のビール缶にツマミの残骸、更には下着類に散らばった資料……とても24歳が使っている部屋とは思えないな……」
平行千冬「だ、黙れ!ガキが大人の私生活に口出しするな!」
一夏「大人!?今大人って言ったか?24にもなって部屋の整理整頓もできてねえ、今どきの小学生の部屋よりも汚い部屋にしておいて大人だって?しかも家事能力がそこらの少年少女よりも低いくせにか?どうせアンタも俺の世界の千冬姉同様、家事類をこの世界の弟に頼りすぎた結果なんだろ?…」
平行千冬「ウッ…」
一夏「部屋が汚え、家事できねえ、更には酒癖も悪い……アンタみたいなのを何ていうかわかるか?……『ま』るで『駄』目な『オ』トナ……略はして『マダオ』だな」
平行千冬「ゴフッ!」
違う世界とはいえ、弟にここまでキツく言われた事に心にダメージを負った24歳
一夏「はぁ…別によお…家事とか完璧にやれだとかそんな難しいこと言うつもりはないが、せめて最低限の事はできるようになれよなあ…でなきゃマジでアンタ行き遅れになるぞ?」
平行千冬「ぐっ…!」
一夏「……まあいいや…どうせ普段からまともな飯食ってないだろうなって思ったからついでに飯作ってやったから…さっさと座んな…」
そう一夏が言い2つの茶碗に米を入れテーブルに置いた
それに千冬はなにか言いたげだったが結局一夏の言うことに従い、座りだし食べ始めた
平行千冬「……美味いな……貴様も仕事をしていてもここまで家事ができるのか」
一夏「仕事が忙しいからと言って家事をおろそかにしていい理由なんざないからな」
そう淡々と言いながら二杯目を入れる
平行千冬「……そういえば聞きそびれていたが……お前の世界の私は一体……」
と、平行世界の千冬は一夏に聞いてきた
一夏「……そうだなあ…まあある程度の事は箒が言っていた通りだな……いつも自分のことよりも他人を優先する…そんな姉だったな………俺がガキの頃からそうだった……ただ、俺はそれがずっと嫌で嫌で仕方がなかった……自分の幸せを一切考えないその姿勢がな…」
平行千冬「……」
一夏「……俺の世界の千冬姉はな、昔…ある罪を犯して以来…自分は決して幸せになってはいけない……他の人のような人並みの幸せを得てはならない……そう思いながら生きていた」
平行千冬「……」
一夏「ずっとだ…ずっと千冬姉は、自分が犯した罪の意識に苛まれていた……けどな、それを救ったのが他でもない…うちの社長だったわけ」
平行千冬「なっ!?」
一夏「フッ…驚いたみたいだな?そう……何年も何年も苦しんでいた千冬姉の心を救ったのは……自身の生徒だった……それからだ……千冬姉が、自分の幸せを考えて生きていくようになったのはな」
平行千冬「……そう…だったのか…」
一夏「まあそれもあってか、うちの社長…千冬姉がこの世で数少ない、頭の上がらない存在なんだよな」
平行千冬「そうか……そっちの私は恵まれている様だな……」
一夏「……まあな……だが…俺の出生を黙っていたことについては、根に持っているがな」
平行千冬「!」
一夏「お、その様子じゃそっちではまだ話してないみたいだな……俺の……もとい俺たち織斑の出生の秘密を…」
平行千冬「お前は…」
一夏「ああ、知ってるよ……でも言うほど驚かなかったな……薄々だったが、俺自身普通とはかけ離れている自覚あったし……まあでも別に俺の境遇が不幸だったなんてこれっぽっちも思ってねえし……これでも並の人間より結構幸福な人生送れているしさ……そんな俺を育ててくれた千冬姉には、こう見えて感謝はしているぞ」
平行千冬「一夏…」
一夏「まあでも俺の出生を黙っていたり嘘付いた事には結構根に持っていたから一発ぶん殴ってやったけどな」
平行千冬「!?」
一夏「意識飛ばすつもりで殴ったのに気絶しなかったのは流石は千冬姉だと思ったな」
平行千冬「……お前……本当に殴るのだな…」
一夏「というか日常的にも教師と生徒の垣根を超えた殴り合いするからな俺」
平行千冬「……本当にお前は私の知る一夏ではないな」
そう思いつつも、心のなかでは
違う世界の己が幸福な人生を歩んで居ること……そして違う世界の弟が何事にも縛られず、自由に生きている事に安堵を感じたのだった
平行千冬「所で……それで何杯目だ?」
一夏「もう6杯目だな」
平行千冬「食べ過ぎではないか!?」
一夏「この程度軽い軽い……俺おかず無しで米を20杯食べ切れるからな?」
平行千冬「……胃袋が尋常じゃないな……よく太らないな…」