暗い魂の乙女   作:Ciels

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8月の中盤から試験や出張等で休みが無かったので初投稿です。


サルヴァの奥底、眠り竜と穢れの落とし子

 

 

 バンホルトとエリーちゃんは一度休息を取るためにマデューラへと戻るとのことなので私一人で奥へと進む。

 眠り竜の褥。その名が示す通り、エレナが歌いかけていた壁の奥からは凄まじい(ソウル)を感じるのだ。恐らく、このサルヴァを飛び回っていた古竜が居るに違いない。

 こんな空気がひりつくような(ソウル)を感じるのはいつ以来だろうか。きっと、ロードランでしか感じ得ない高揚だ。より、私が高みへ至るための糧となる。

 

 開いた壁を潜り、先へと進む。洞窟特有の薄暗い通路の中に、協力者のサインがあった。

 普段ならば協力者を呼ぶ事などしないのだが、幻視した協力者の名と姿を見て思わず足を止めてしまう。その名は超越者エディラ。全身を金ピカの竜と化した、古竜の信奉者であった。

 

「エディラ……嗚呼、なるほど。啓蒙されたのは君の名か」

 

 前に、唐突に啓蒙された名が現れてテンションが上がる。稀にあるのだ、ふと知り得ない情報が頭の中に浮かぶ事が。私が強敵を相手に口にする決めゼリフもそれだったりする。

 まぁ良い、偶には呼ぼうじゃないか。ある種運命のようなものだ。それにこの時代の竜体化した不死というのも見ておきたい。そのうちまた侵入もしてみたいな。不死相手に闘うのも案外楽しかったりする。

 

 さて、超越者エディラを呼び出せば、彼は丁寧に一礼をしてみせた。昔ほど荒くれ者の集まりでは無いようだ。珍しい武器も持っている。竜血騎士共とはあまり関わりは無さそうだ。

 

 さて、竜の騎士を携えて眠り竜の待つ場所へと進む。広い、広い湖。水深は浅く、行動を阻害するほどのものではない。だが水がそこらにあるということは雷が水面を走りやすくなるので有用となるだろう。

 

 そして私は目にする。疲れたように眠る白緑の古竜を。その身体にはやはり大槍が刺さっており、かなり苦しそうだ。

 だが、最早理性など無いのだろう。きっとそんなものは身体に眠る毒を解放した時に消し飛んだに違いない。

 

 その竜は、古く世界を支配していた古竜であっても慈悲深く、心は人と共にあった。

 地の底に捨てられ、忌み嫌われた者達に寄り添い、毒を引き受け。けれど血に狂った英雄に穿たれた。そうしてサルヴァは滅んだのだ。引き受けた毒を吐き出し、その毒に沈んだ。

 

 

眠り竜シン

 

 

 咆哮が響く。人の毒に狂い、犯された竜。それが私達に牙を剥く。

 

 眠り竜が天井スレスレまで飛び上がる。カラミットの時もそうだったが、飛ばれるとこちらは何もできないから困る。奇跡や魔術も、古竜からすれば十分避けられる速度である故に効果的では無いだろう。

 高く舞うシンがブレスを吐く。どうにも古竜特有の炎ブレスというわけでは無いようだ。緑の混ざるその吐息からは毒を感じる。それも猛毒だ。

 

 私とエディラが全力で後退しブレスから逃れる。あれは不味い。仮に炎に強いゲルムの大盾で防いだとしても毒はどうにもならん。

 ブレスを吐き終えたシンはそのままこちらへと滑空して押し潰しにかかる。とんでもない速度だ。横へと転がりその一撃を回避すれば、脚元へと走り闇朧で斬り刻む。

 

「こいつ、硬いぞ……!」

 

 まるで岩を斬りつけているような感触。カラミットも相当な硬さであったが、どうにも古竜であるという理由だけでは無さそうだ。内に回った人間性の毒が変質しているのか?

 シンが片足を上げて私を潰そうとするので、すぐに離れる。これでは先に闇朧が壊れてしまう。

 

 と、エディラがここぞとばかりに走り出す。そして尻尾を切断するとばかりに歪な大剣を振り回した。なかなかにその筋力は高いらしく、斬り落とせないにしてもどんどん尻尾の肉を削いでいく。ふむ、私ももっと筋力を上げなければ竜を相手には厳しいか。

 シンとエディラが小競り合いをしている内に、私は聖鈴を取り出し闇朧にエンチャントする。

 

「太陽の光の剣」

 

 剣に迸るは雷の光。古竜の鱗すらも砕いた大王の奇跡。無いよりはマシだろう。

 エンチャントを終えてまたシンへと至る前に、左手の聖鈴でまた奇跡を唱えた。

 

「雷の槍」

 

 太陽戦士達の中で最も基礎的な奇跡を放つ。するとその槍はシンの頭部へと当たったらしく奴を怯ませた。今がチャンスだ。

 項垂れる頭部へと回り眼球底部へと闇朧を突き刺す。するとやはりシンは痛みのあまり暴れようとするが、その前に闇朧を抉りながら引き抜く。

 

 血は赤い。けれどその返り血からは仄暗い闇を感じる。人間性は古竜にとっては毒であろう。絶えず行われる変化と可能性に、不変であった古竜は耐えられぬ。

 咆哮するシンは私達を引き離すために暴れ回る。あの巨体と重量は人にとっては脅威である。

 

「おい超越者! お前奇跡は使えるか!?」

 

 私がそう問うと、横にいるエディラは聖鈴を取り出しチリンチリンと鳴らして存在を強調してみせた。ならばあれができる。

 彼に耳打ちし、離れていくシンへと駆ける。そして手近な岩に飛び乗って一気に跳躍した。そんな私を待ち構えるシンは、大顎を開けて私を噛み砕こうとする。

 

 刹那、エディラが太陽の光の槍を空中の私めがけて打ち出した。雷の槍とは比較にならぬ程の威力と太さを持つ槍を、しかし私は闇朧で受け止める。

 刀を持つ腕が痺れるが、気にせず私は勢いをつけるように空中で回転した。

 

 

I’m invincible(私は無敵故),I’m unavoidable(逃げる事は叶わぬ),I’m undebatable.(その余地すらない)

 

 

 雷返し。きっと今の時代、雷をこんな風に活用するのは私くらいだ。

 闇朧で受け止めた太陽の光の槍を、シンの大顎に向けて放つ。すると弱点である口内を剥き出しにしていたシンは、飲み込むように雷を受けてしまったのだ。

 

 痺れ、焼け爛れ、シンは私を食らうどころではなくなる。苦しみもがくその様は、最早私にとって単なる獲物でしかない。

 

 飛び降りながらシンの脳天に闇朧を突き刺す。そして重力に従って一気に地上までシンの身体を滑走し、その皮膚と肉を引き裂いた。

 絶叫のような咆哮が響く。着地と同時に刀の血を払い、納刀すれば眠り竜は地に伏せた。

 

 世界を超え、空間の狭間にある刀身に斬れぬもの無し。例え古竜であろうとも私の刃を防ぐことはできぬのだ。

 

━━Victory Achieved━━

 

 

 エディラが一礼して消えて行く。出来る男だ、できれば今度は殺し合いたい。さぞかし(ソウル)を蓄えているはずだから。その時を楽しみにしておこうじゃないか。

 

 

 

 

 ちらりと、ボロ雑巾のように転がる死体に目をやる。朽ちた竜血騎士の装束に身を包んだ泥人形のようなそれは、何かの指輪を持っている。

 それはヨアの指輪。かの竜血騎士団の長と同じ名を冠するものだ。きっとこの遺体は、そうなのだろう。竜血に狂いに狂って都市を崩壊させては英雄などではないが。まぁこの指輪は貰って行く。私が有効に活用してやろう。

 

 湖の最奥に潜む王冠。最早朽ちかけ、けれど暖かな温もりを宿す王冠は、きっとこの地に君臨した古き王のものなのだろう。名すらも残らぬサルヴァの王。私は王になど興味はないが……この地の遺志を、手に入れよう。

 深い底の王の冠を手に入れ、私はこの地を去る。そういえば道中やたらと強者の不死三人組と戦ったが何だったんだろうか。楔石の原盤を貰えたらから良しとするが。きっと墓荒らしか何かが亡者になったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マデューラに戻る。最早あの地底の底でなす事は何も無い。敵を打ち倒し、王の証を手に入れたのだから。願わくば、これが不死の因果を断つ希望の一端となれば良い。

 緑衣の巡礼に手に入れた(ソウル)を捧げ、自らを強化する。此度の探索は良くも悪くも自らの欠点を知る結果となった。そこいらの不死に力比べで負けるつもりはないが、竜種などの異形と戦うとなればその筋力不足は致命的だ。故に筋力を重点的に強化する。幸い見た目には変化が無いから私は華奢のままだ。

 

「王の冠を、手に入れたのですね」

 

 強化を終えると緑衣の巡礼がそんな事を言ってくる。あぁ、と私は(ソウル)より深い底の王の冠を取り出せば、彼女に手渡した。別に彼女であれば手渡しても盗んだりはしないだろう。

 緑衣の巡礼はしばし冠を見つめ、私に返すと口を開く。

 

「超えようというのですね、不死の因果を」

 

「……可能性があるのならば、賭けてみたいのだ。例え絶望しか焚べられなくても」

 

 例え先の見えぬ暗闇でも。私は立ち止まる訳にはいかない。私が足を止めてしまったら、誰があの子を救うのだ。誰が白百合を咲かせるのだ。

 

 

 

 

「あら……懐かしい匂いがするわね」

 

 カリカリと爪を研ぐのを止めて、シャラゴアはいつものように飄々と言ってみせた。

 言葉の理由はわかる。私が対峙し打ち倒した穢れの(ソウル)を察したのだろう。彼女にとっては姉妹である憤怒の感情を。

 

 彼女を後ろから抱き椅子に腰掛け、抱き締める。大柄な猫はすんなりと私を受け入れ、その偉大なるモフモフを堪能させてくれる。

 

「随分と飢えているじゃない」

 

「いつもだよ。……君の姉妹のエレナを、斃した」

 

「あら、そう」

 

 その事実を、シャラゴアはまるでどうでも良いように受け流す。

 

「あの子いつも怒っているんだもの、会った事はないけれど。まぁ良いんじゃない?結果的に貴方の中に居場所を見つけたみたいだし」

 

「私の中に?」

 

 ふんす、と彼女は鼻息荒く頷いた。

 

「最早王は去り、代わりに見つけた竜でさえも手に負えず……けれど貴女、彼女の事を一人の女の子として見ていたでしょう?哀れな子ね、死んで魂になってから安らぎを見つけるなんて。穢れの子はね、貴女の女の子への愛を受け入れたのよ」

 

 ほう、と私はシャラゴアの話を良く受け止めた。穢れのエレナは私の中の白百合に共鳴したのだろうか。元は人の闇同士、何だかんだ上手くいくものだ。できれば戦う前に私と共存して欲しかったが……

 

「王の器ね、貴女」

 

「君も私に魅入られたかな?」

 

 微笑みながら冗談混じりにそう問えば、シャラゴアは鼻でそれを笑った。

 

「どうかしら? もしかしたら、そうかもね。ウフフ」

 

 猫なだけあって魔性な子だ。それが愛しいのだろうが。

 

 

 

 

 エレナが私に寄り添うのであれば、きっと他の姉妹も私を受け入れてくれるに違いない。それに彼女達はその性質上、古き者達の残滓に縋るだろう。で、あるならば次に向かうは鉄の古王が大いなる時代を生み出す礎とした場所である。

 溶鉄城、鉄の古王を打ち倒した先にあった祭壇。そこへ至ればやはり転送される。サルヴァの時と同じだ。

 

 鍵も事前に手に入れてある。火と煙で燻った古い鍵。まさか朽ちた巨人の森にあるとは思わなんだ。

 

『言ったであろう、奴もまた私と等しく闇の落とし子。その気配は容易く察知できる』

 

 脳内で響くは穢れのエレナの厳しくも甘い声。闇の落とし子の魂は、人間性の本質である変化によりその姿すらも変えていた。

 シャラゴアとの会話を終えてロザベナと戯れていたら突然声が聞こえるようになったのだ。最初は妄想かとも思ったが、どうやらエレナは私を王と認めたらしく、物質こそ持たぬものの魂だけで私に語りかけてくるようになったのだ。

 

「頼もしいじゃないか。その調子で頼むぞ、エレナ」

 

『勘違いしないでもらおう。お前がいつか王として君臨したならば、その(ソウル)を私が奪う。それまでの共生だ』

 

「素直じゃないな。そういうところも可愛げがある」

 

『くっ……何を言っても響かないなお前は……』

 

 エレナは基本的に、ツンデレである。ルカティエルとは異なりツンが多めだが、そう言った子には逆張りせずにしっかりと愛を伝えてあげればいつかデレデレになる。しかし可愛いものだ、声が聞こえ始めた時はとうとう私もおかしくなったと思ったが……しっかりとエレナは女の子で、声を褒めてやれば機嫌を良くするし(ソウル)の質を讃えれば言葉ではツンツンするものの嬉しがる。さぁて、次の落とし子はどんな子だろうか。

 

 鍵により飛ばされた場所。そこは煤だらけの部屋であった。

 まるで砂のように敷き詰められた煤と灰は、最早王などいない事を示唆しているようだ。仮に鉄の古王がいたならば、溶鉄城のように機能しているならば、こんな事にはなっていないだろう。

 

 

 

 扉を開け、見えたるは大きな鎖。そして断崖。

 

「いやはや、凄い光景だな」

 

 思わず口にしてしまう。時刻は日の入り前か、はたまた日の出の直後か。まるで天然の塔とも言える切り立った断崖同士を繋ぐのは、巨人ですら小さく見えるほどの鎖。そしてその先には、鉄の古王が遥か昔に鉄の精製を開始した塔。

 

『どうしてあそこに王たるものがいると思ったのだ、我が姉妹は……』

 

 頭の中でエレナが嘆く。確かに、遠くの塔から感じるのは僅かばかりの(ソウル)である。小さくはないが、あれを王とするのは少し無理があるだろう。

 

「それだけ焦ってたんじゃないかな?君だって滅んだ都に嫁ぐくらいには頭が回らなかっただろうに」

 

『ぐっ……私の時は、眠り竜がいたから……』

 

 苦しい言い訳を流しつつ、鎖を渡っていく。

 しかしいくら太いとはいえ、この鎖を橋代わりに渡るのは無理があるな。ツルツルしているし、下手すると滑って落下死しかねない。

 エレナは高所が得意ではないのか、何やら時折ヘタれた声をあげているし。ヘタレのエレナじゃないか。きっと私の知る薪の王ならばビビって前に進めなかっただろう。

 

 

黒霧の塔

 

 

 敵襲がなくて助かった。危なっかしくも鎖を渡り終え、さっそく見つけた篝火に点火する。幸先が良いのかな。

 しかしとんでもない場所に塔を建てたものだ。兵站や材料の補充はどうしていたんだろうか。転送は一度に大量の物資を運ぶのには適していないだろうし。初めから材料が無ければ成り立たないぞ。

 

『おい、白百合よ』

 

 篝火で休息を取る私にエレナが声をかける。名前を呼ばずに白百合と呼ぶ辺り、まだ恥ずかしいのかな? 可愛いじゃないか。

 

「どうしたエレちゃん」

 

『二度とその名で呼ぶな。……我が姉妹が近いようだ。心して掛かれよ』

 

 なにっ、と言って篝火から離れて警戒する。そんな気配はまるでなかったのだが。姉妹だからこそ、落とし子の一人だからこそ分かるのだろうか。

 闇朧の鞘に手を掛けながら歩む。エレナが憤怒の感情に囚われ襲い掛かってきた以上彼女の姉妹も襲ってくる可能性は大きい。おまけに私は彼女達の父親の仇でもあるし。

 ふと篝火の近くに無造作に置かれていた楔のような何かを手にする。武器ではないようだが、何かしらの力を感じるものだ。蒐集癖もあるが、もしかしたらこの先有用になるかもしれない。拾い上げて(ソウル)へと収納する。

 

 そんな時、不意に塔のエントランス前でそれは現れる。

 亡者と化し、煤に塗れてなお侵入者を退治しようとする兵士共。そしてそんな兵士達と現れた、無機質だけれど闇を孕んだ何か。

 

 それは生物と呼ぶにはあまりにも灰である。けれど禍々しい呪いと闇がその人型の何かに立ち込め、訴えてくるのだ。

 

 ━━やっと。来てくれたの。

 

 啜り泣く声を聴くと共に、その灰の闇がエレナの姉妹である事が理解できた。だがそれにしては(ソウル)として弱過ぎる。これじゃまるで━━

 

『孤独に耐え切れず肉体を捨てたようだ。残念だな白百合よ、最早我が姉妹は残滓に過ぎない』

 

 闇の落とし子の残滓。そう呼ぶに相応しい有様である。

 啜り泣く声だけでは飽き足らず、彼女はその灰に至った過程である炎の柱をあたりに吹き荒れさせる。まるで呪術の炎の嵐だ。

 

 炎の嵐を回避し、迫る兵士と対峙する。大斧や剣を携えているその兵士は、あまり強くは見えない。

 けれども奴らの攻撃を避け、闇朧で斬り刻めばその違和感に気がついた。

 

「むっ……硬いな。おかしなほどに」

 

 単なる亡者にしてはあり得ないほどに防御力が高い。金属を斬ったような感触でもないから、素であんなにも硬いのだろうか?

 

『見ろ、我が姉妹が亡者共に術を施しているのだ。先に姉妹から片付けねばジリ貧だぞ』

 

 言われて気付く。確かに兵士達の身体に僅かばかりのオーラが纏われているのだ。厄介な事だ、今度はそう言った類の仕掛けか。

 仕方なく兵士達を無視して煤の像へと斬りかかる。しかし灰は灰でしかない、手応えもなければ効果も無いようだ。つまりエレナの姉妹は倒せない。

 

「物は試しか」

 

 先程拾ったばかりの楔を手に、煤の姉妹へと突っ込む。炎の嵐が舞うも、それをジグザグに回避して楔を彼女の灰の身体に突き刺した。

 刹那、怨嗟のような炎が煤の姉妹の身体から燃え上がる。同時に彼女の灰と化した身体から(ソウル)が浮き出てきた。

 

 

 ━━ああ、どうして……

 

 落とし子の悲しげな声が響く。

 

「なるほど、故に楔か。(ソウル)と灰の身体を別つ……」

 

 最早この落とし子の身体に力は無く、ただ崩れ去るのみ。私は小さな(ソウル)を拾い上げると兵士達と対峙する。

 亡者共も、タネが明かされ強くは無い。故に始末は簡単であった。それと同時に、この黒霧の塔で待ち構える敵の強さも予想ができる。

 

『どうするのだ?このまま塔を進むか否か。それを決めるのはお前だ』

 

 別に、敵の強さは問題無い。このまま先へと進むべきだろう。せっかく来たのだ、この地に眠る王の証を手に入れるまでは帰れない。

 楔を手元でくるくると回し、私は宣言した。

 

「行けるところまではやるさ。君はどうする?私の話し相手になってくれるのかな?」

 

『フンッ。退屈するよりはマシだな。精々楽しませる事だ』

 

 要約。寂しいから話し相手になって。憤怒だなんだと言っても乙女である事には変わりない。

 時間はない。けれど焦り過ぎるのも良くはない。マイペースに行くに限る。

 

百合ばかりの番外編を

  • 見たい。百合こそ人類の宝、ダークソウル
  • いやぁそうでもないっすよ
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