暗い魂の乙女   作:Ciels

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ずっと百合を書いていたい、けれど戦いも書きたい……


アン・ディールの館、護り竜

 

 

 真に人間性が欲するものは何だろう。

 人が生き、死に向かい歩む中、求め彷徨うものとはなんだろう。

 もし人が、不死になってしまった後に求めるものとは何だろうか。

 

 ━━変わらぬ愛。きっと、それなのだ。強さも(ソウル)も、それだけでは意味が無い。愛故に、人は生きる。生きていける。

 

 マデューラで愛を深め合う私達がそう思うのだから、間違い無い。

 一つのソファに隣同士で座り、互いに薄着で手を重ねあい頭を預けあう。今や私達は互いに薄皮すらも取り去った百合の花。心の底から愛し合える乙女同士。

 いつ以来だろうか、こうも心を許せるのは。

 嗚呼、きっと。あの子(アナスタシア)以来なのだろう。

 

「リリィ、おいで」

 

 空いた腕を開いてこちらを誘うルカティエルの表情は、とても母性に満ち溢れている。

 うん、と頬を赤く染めながら私は咲いた大輪に身を委ねる。

 彼女の心臓の鼓動がひどく落ち着くもので。いつもであれば真っ先に手が出ているであろう状況においても、そんな事すら思わない。

 

 アナスタシアには、悪い事をしているとは思う。けれど、最早彼女と結ばれることは無く。それにずっと引き摺っていては、それこそ思い出に傷が付く。

 前に進むべきなのだ。彼女がそうしてくれたように。

 

「……こんなに気持ちが充実することなんて、久しぶり」

 

 赤子のように抱かれながら私は独白する。

 

「もう二度と、手に入らないと思ってた。女の子達に恋をしても、きっと一時的なものなんだって」

 

「ああ、さっきの聖職者擬きみたいな奴か」

 

 少し、気まずい。先程マデューラに仲良く帰って来た私達を、なぜかリーシュが待ち構えていたのだ。

 前のように殺意満々ではなく、私に調教されたいと声を大にして言うもので、せっかく私と良い雰囲気になっていたルカティエルもこれには笑顔でご立腹だった。背後ではギリガンが常識ねぇのかよと呟いていたし……

 

「妬いてるの?」

 

「ああ。どこかの誰かさんが誰彼構わず手を出すからな〜!」

 

「ひゃひゃひゃ! くすぐったいって! ごめんルカてぃん〜!」

 

 抱きしめる私を後ろから擽る。嗚呼、素晴らしきかな百合の花。この百合で塔でも建ててやろう。

 だが、問題だってある。それは私の色情的問題ではなく。

 

 ルカティエルの、亡者化に関するものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 戯れも程々に、私とルカティエルは再度アン・ディールの館を探索する。

 

 この館の主、アン・ディールについては碌なものがない。

 文献や物質に残った(ソウル)によれば、彼はヴァンクラッド王の実兄であるらしい。彼は弟とは異なるアプローチで不死の因果を乗り越えようとし、しかし運命を乗り越えることはできずに消えていった。

 彼の館では白竜の如き悍ましい実験が行われたのだという。過去の話ではあるのだが。

 けれど今も、その跡は残っている。

 

 薄暗い廊下を超え、玄関ホールらしき広場へとやって来る。

 

「悪趣味なオブジェだな」

 

 辟易したようにルカティエルが言うのは、ホールの大階段に居座るように倒れている竜の白骨。

 確かに趣味が悪い。けれど、単なるオブジェでは無さそうだ。

 

「気をつけろよ。まだ(ソウル)を感じる。何かを拍子に動き出すかもしれん」

 

「……スケルトンみたいなものか」

 

 生き残りたければ全てを疑う。その疑いを晴らした時、我々は生き延びる。

 それにしても広い場所だ。広場の中央には大きな階段と竜の骨、今居るフロアの奥にもまだ何かあるようだ。

 

 まずはこのフロアを調べる事にする。鍵や何か有用なものが落ちているかもしれない。

 灯りが無いせいで薄暗いが、ルカティエルが松明を持って照らしてくれるおかげでいくらかマシだ。それに、明るければ彼女の顔も見ることができる。

 前衛をし、鏡がやけに配置されている場所にやってきた時。突然、鏡の奥から誰かが現れる。

 

「見覚えがあるな」

 

「ああ。鏡の騎士はここの生まれなのかもしれん」

 

 ドラングレイグ城の試練として戦った鏡の騎士。その騎士が持つ大盾と同じギミックらしい。

 あの時はクレイトンが何の因果か召喚されたが、アン・ディールは鏡越しに他世界から霊体を召喚する研究もしていたようだ。

 

 鏡を内側から破り、鎧に身を包んだ青黒い霊体が飛び出してくる。手には槍と大盾。私が相手しよう。

 

「私が出る」

 

「ふむ。久しくリリィの戦いは見ていなかったからな。見せてくれ」

 

 獰猛に笑み右手に闇朧、左手にグラン・ランスを構え霊体と対峙する。

 彼女の期待に応えられると思うと心と身体が軽いが、慢心は決してしない。いつものように全力で殺し(ソウル)を奪うだけだ。

 

 突貫してくる私を見て、霊体は当たり前のように大盾で防御に入る。

 それ自体は悪くはない。むしろそうすべきなのだ。私以外の相手には。

 

「おぉッラァっ!!!!!!」

 

 グラン・ランスの突撃が大盾どころか霊体の身体ごと弾く。むしろそれは、馬車に轢かれたかの如く。巨人に殴られたかの如く。

 燃え滾る魂を神だろうと抑えられなどしない。吹っ飛ばされた霊体に向けて飛べば、仰向けに倒れる奴に闇朧を突き刺す。

 霧散する霊体。要は、死んだのだ。呆気ない。

 

「腕は衰えてないな」

 

「もちろん。でなければ君の愛に応えられない」

 

「口調は、もうやめたのか?」

 

 血振りして納刀する私に、ルカティエルはどこか寂しそうに聞いた。

 口調、というのは……あれだ。二人きりで甘えている時の私の言葉遣いのことだ。

 私はバツが悪そうに顔を逸らす。少しだけ、紅潮した顔を見られたくなかったのだ。恥ずかしいじゃないか。

 

「あれは……その、もっと甘えられる時に……」

 

 語尾に行くにつれ段々と声がか細くなってしまう。参ったものだ、こういう弄られ方には弱いんだな、私は。

 

「ふふ、じゃあ早くここを突破しないとな」

 

 強気な君も凛々しいが、と付け加えてルカティエルは歩み始める。

 おかしいな、つい先日までは私があの役割だったんだが。立場がすっかり変わってしまった。まぁ、それはそれで良いのだが。

 

 

 

「お前、中々の亡者っぷりだな」

 

 強固に張られた帷の中、黒い衣装に身を包む男が言った。

 それがどちらに向けられているのかは分からない。けれど、男は私とルカティエルを交互に見つめていた。その視線は不快そのものだ。

 

 それは偶然だった。

 鏡の間の霊体達を全て駆逐した後、左右に伸びる通路を見つけた。

 片方には、執拗にやめておけ、引き返せというメッセージが書かれたレバー。そしてもう片方には結界により閉じ込められたこの男が居て。

 あのレバーがこの結界を操っているというのは、一目瞭然だった。あれだけの悍ましいメッセージも、この男を見れば納得がいく。

 

「……貴様、人を殺すのが楽しい性分だろう」

 

「ほう……だが残念だな、少し違う」

 

 奇妙な仮面越しに、その男は笑う。

 

「昔、こいつは……ああ、俺の身体になっている奴は、新しい魔術を作ろうとしていた」

 

 そうして男……ナヴァーランと名乗る男は話す。彼、というより、彼の身体は別人のものらしく、その魔術師は新たな魔術を生み出そうとした際にとある人格を生み出してしまった。

 それが今、目の前で話す別人格であるやつらしい。

 元の人格は力を求めていたらしく、今の人格はそれを証明するために人を殺しまわっていたとの事だ。

 

「まぁ、何を恐れたのかこいつは俺ごと封印しちまってな。暇を持て余しているんだ」

 

 嫌悪感はあるが、同時に多少なりとも同情する。多分、こいつは単に力を証明したいだけなのだ。生死は関係が無い、殺すことにも意味があるわけでもない。ただ、それが目的だからしているだけ。

 王となろうとする不死と、どんな違いがあるだろうか。こいつは常識とか色々すっ飛ばして生まれただけだ。本能が知識を持っているだけ。

 

「リリィ、行こう」

 

 だがルカティエルはそうは思わないらしい。彼女は私ほど不死らしい不死ではない。それも仕方ない。

 

「まぁ、いいさ。久しぶりに話し相手ができただけでも良い暇潰しだ」

 

 まるで興味はないとばかりにナヴァーランが言う。けれどその瞳は、ジッと私を見ている。

 お前なら分かるだろう? お前は、また戻ってくるだろう? そう、視線は投げかけている。

 ……面白いやつだ。邪魔をしない程度ならば遊び相手になってやっても良い。

 最早戦士としても生きる私にとって、このナヴァーランは細事でしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 石化して行手を阻むオーガを粉砕し、何やら閉じ込められている巨大バジリスクを横目に先へと進む。

 一見すると扉は硬く閉ざされているが、よく分からない竜の置物を隈なく調べれば仕掛けがあった。それを弄って解錠すれば、すんなり先へと進むことができたのだ。

 

「暗っら」

 

 新たな大廊下へと出た瞬間、私は感想を口にした。

 証明が殆どない一本道の大廊下である。見通せる限りでは、敵などは居ないようだが……私の直感では、こういう場所にこそ敵は姑息な手段で待ち伏せているものだ。

 

「松明は……やめた方がいいな」

 

 ルカティエルも相当な修羅場を潜り、この通路が異常である事を察したのだろう。松明の灯りを消す。

 今、ルカティエルを死なせるわけにはいかない。そうすれば今度こそ彼女は亡者となってしまうだろう。

 幸いにも彼女の記憶はしっかりとしているが、(ソウル)の輝きは最初の頃よりも暗いのだ。ダークソウルは確実に彼女を蝕んでいる。

 

「私が前衛をする。君は背後を警戒してくれ」

 

 そう言うと、彼女はすんなりそれを受け入れた。

 前ならば多少は反対もされただろう。けれど一度しっかりと話し合い、私達の認識は統一された。

 ルカティエルの命大事に。そして、私の元からいなくならないように。ずっと一緒に居るために。

 故に彼女は、死ねないという強い意志のもと私を犠牲にする。それで良い。こんな辺境の田舎で死ぬほど私は弱く無い。

 

 しばらく進めば、ファロスの仕掛けを見つけた。もしやと思い余りに余っている石を嵌め込めば、通路の証明が全て灯る。それでも薄暗いが、無いよりは格段にマシだし移動速度も上がるので良しとしよう。

 

「一体、ここで何を研究していたのだ?」

 

 ルカティエルが天井から吊り下げられた巨大な檻を見て呟く。

 一定間隔で廊下の天井に吊り下げられた巨大な檻。その中に、バジリスクやら見たこともない異形やらが閉じ込められているのだ。なんだこれは。

 

「碌でもない研究なのは確かだな」

 

 バジリスクについては、きっと呪いについて研究していたのだろう。その副産物が先程の巨大バジリスクというわけか。呪いと人間性の石化については分からないことが多い。

 だが、あの異形はなんだ? まるで人を竜にしようとしたようなデザインだ。悍ましい。

 

 そして、案の定我々という侵入者に気が付いた敵が現れる。

 おかしなガラスのような面を着けた、学徒のような奴らだ。鎚とおかしな盾を持っている学徒どもは、きっとこの館で悍ましい事を研究していたのだろう。姿を見れば想像できる。

 

 個人個人は強くはなかった。容易に突破し、隠された篝火を見つけて一度休憩をし再度探索に戻る。

 ミミックやら異形やらを何とか二人で片付け、封鎖された扉の前で立ち尽くせば私たちは困り果てた。

 

「参ったな。流石の私でもこの扉は破壊できんぞ」

 

 鎖で頑丈に封をされた扉。鉄で補強された木製の大扉は、明らかに侵入を拒んでいた。仮に闇術で吹き飛ばそうとしても、フレームは残ってしまって通ることはできないだろう。

 

「どこかに鍵でもあるんだろうか」

 

「うむ、きっと……待て、何か聞こえる」

 

 扉の奥から、異音がした。ドシン、という振動と共に段々と大きくなる。

 咄嗟に私はルカティエルを抱き抱えて後ろへ飛ぶ。瞬間、あれだけの封をされていた大扉は向こう側から吹き飛ばされた。

 

「一つ目のオーガ……! 罠か!」

 

 向こう側から扉を破壊したのは一つ目のオーガだった。サイクロプスとも言う。

 猛るように吠えるそれは、壁すらも粉砕してみせたのだ。嫌な防御装置だ。

 

 だが、所詮はオーガだ。耐久力はそれなりだが、闇術で隙を作って目を穿てばそれだけで死ぬ。

 そう言ったことがこの後も続き、この館に二人で辟易しているとようやく外へと出て陽の目を見ることができた。

 

「嗚呼、外の空気が美味い」

 

 デカい鳥籠のような建物に繋がる通路で、ルカティエルが言いながら深呼吸する。

 どうやらこの先に、この館のボスがいるようだ。それなりに大きい(ソウル)を感じるし、鳥籠の入り口には濃霧が立ち込めている。そしてその先に見えるのは。

 

「おいおい、空にでも行かせる気か?」

 

 雲を突き抜けるほどに伸びる昇降機。一体この先は何なのだ。

 感想も程々に、私たちは巨大鳥籠の濃霧を潜る。するとそこに居たのは……

 

「こいつ前に見たぞ」

 

護り竜

 

 懐かしいっちゃ懐かしい。前にハイデの大火塔で見たものと同一だ。

 所謂、飛竜というやつだった。古竜の劣化版。つまり雑魚。飛ばなければだが。

 

 昼寝でもしていたのだろうか、むくりと起き上がると何しに来たとばかりに吠える。竜は声ばかりデカいから困る。

 一瞬ルカティエルと目を合わせればやるべきことが決まった。私が左手を杖に変えると彼女は竜に向かって走り出す。

 館の中の敵よりも、余程やり易い。故にルカティエルにも頼るのだ。

 

(ソウル)の結晶槍」

 

 魔術を詠唱し、杖から結晶化した(ソウル)が伸びる。それは寝起きの護り竜の顔面に容赦なく突き刺さった。痛そうだな。

 多分、かなり効いたのだろう。護り竜は驚きと痛みのせいで仰け反っている。その隙にルカティエルが足元に潜り込んで斬撃を放つ。

 

「フンッ!」

 

 前に見た時よりも更に洗練された剣技だった。両手で大剣を構え、流れるように足を斬り刻む。

 急な遠近攻撃に堪らず護り竜が地団駄を踏むようにして攻撃するも、ルカティエルはあっさり転がってそれを回避した。良いぞ、カッコいい!

 こりゃいかんと、護り竜は飛び上がる。その判断は正しいのだが……相手が悪過ぎた。

 

 護り竜が飛べば、すかさず新たな魔術を詠唱する。

 

「追尾する(ソウル)の結晶塊」

 

 私の周囲に結晶化した(ソウル)の塊が舞う。それは目標を定めると、勢い良く飛んでいる護り竜に飛翔していく。

 叡智の杖をクァトの鈴に切り替える。そして今度は闇術を唱えるのだ。

 

「追う者たち」

 

 数個の仮初の生命が生まれ、それは強大な(ソウル)を持つ護り竜を見つめる。あとは、分かるだろう?

 弾速に優れる結晶塊が執拗に護り竜を追う。そしてそのすぐ後に、ゆっくりと追う者たちが(ソウル)を求めて追い縋る。相手からしたら地獄だろう。

 

「やる事がえげつないな」

 

「竜を見たら容赦はしちゃいけないからね」

 

 私の隣にやって来たルカティエルが呆れたように笑う。もう、結果は目に見えていた。

 泣きそうな顔で叫びながら追われる護り竜は、とうとう結晶塊にぶち当たる。そして痛みで速度が落ちればそのまま追う者たちの餌食となった。

 身体を食い荒らされた護り竜は床へと墜落していく。哀れだな。

 

「さぁ、君の出番だよ。愛しい騎士様」

 

「うむ。白百合殿はしっかりと私の勇姿を見ているが良い」

 

 正統騎士団の大剣を両手に、ルカティエルは地に伏せた護り竜へと駆ける。まだ生きている護り竜は、何とか立ちあがろうとするがそれすらもできないほど衰弱していた。

 それでも炎を吐くくらいはできたらしい。ルカティエルに向けて最期の一撃とばかりにブレスを放射する。しかし勢い良く跳躍した騎士はそれを容易く回避し。

 

「竜に挑むは、騎士の誉れよ」

 

 彼女の大剣が脳天に突き刺さる。響き渡る絶叫を物ともせず、彼女は剣を突き刺したまま護り竜の身体の上を駆け巡り、その尾へ向かう。

 すっかり私の戦い方が身についたようだ、リリィ嬉しい。

 ルカティエルが地上に降り立つのと、護り竜が左右に分たれたのは同時だった。

 血を吹き出しながら地に伏せる竜を背に、彼女は背中の鞘へと大剣を納刀する。護り竜が(ソウル)に霧散するのもお構い無しに私は拍手を贈って飛び跳ねた。

 

「カッコいい! ルカティエルめっちゃかっこいいよ! 素敵!」

 

「ふふ、誰かの真似をしたに過ぎないさ」

 

 クールに笑うルカティエルに抱き付く。嗚呼、偶にはこういうのも悪く無い。

 哀れな竜の事など忘れ去り、私達はその場で抱き締め合ったのだ。

 

 

 

 

 

「長いな」

 

 昇降機の中で、隣のルカティエルがそんな事を言う。変わり映えの無い風景に、私も頷く。

 護り竜の鳥籠を抜け、昇降機へと到った私達。けれどその昇降機は、それだけ登ろうとも目的地につかない。かれこれ数分はこうしているだろうか。

 それもそのはず、昇降機はどうやら雲の上まで伸びているらしい。時間の流れなど気にしない私ですら、これは長いと感じる。風景がずっと変わらないのも悪い。

 

「でも、君と一緒に過ごせる。それってすごく良い事じゃない?」

 

「お前は……可愛いやつめ」

 

 だが、それも悪くないと。愛する人と眺める空も悪くはないと思える。

 手摺に寄り掛かる私を後ろから抱き締めるルカティエル。こんな時間も愛おしい。

 

 だからこそ、私はなし得なくてはならぬのだ。因果を断つ事を。或いは、乗り越えることを。

 玉座など、犬にくれてやる。火が陰ろうとも、私は愛する人がいればそれで良い。ただ私は、最期まで愛する人といたいだけ。

 

 昇降機が雲に突入する。不思議な感覚だ。あれだけ巨大な雲も、触れる事など出来はしないのだから。

 そうして私達を待ち構えるのは、また竜である。つくづく私は竜に縁があるな。

 

護り竜の巣

 

 もうすぐ、旅は終わろうとしている。けれど一つの旅が終われば、新たな旅に出るだけなのだ。そうして人生は巡っていく。

 

 

 




そういえばプロフィールから私のTwitterに飛べるようにしました。基本怪文書しか書いてませんがよかったらどうぞ。
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