暗い魂の乙女   作:Ciels

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深みの聖堂、不屈

 

 

 

 

 歴史は繰り返すとは何度も語っていたが、深みの聖堂へと向かう道中にもその兆候はあった。

 ずるり、と伝わる剣の感触。まっすぐ綺麗に引き抜けば、どしゃりと死体が横たわる。

 元々は騎士だったのだろうが、今や追い剥ぎと化している。まるで黒い森の庭のようだが、あそこに比べればまだまだ甘い。

 目線を上げれば、アストラのアンリとホレイスが斧を持った追い剥ぎと戦っていた。大方、あの斧持ちが引き付けた所で今殺した騎士が背後から襲おうとしていたのだろう。

 確かにあの二人は騎士の存在に気付いていなかったから、私がこっそり守っておいた。あの二人はなんだか放っておけないのだ。

 

 

 辛くも追い剥ぎを倒し、三人で先へと進む。

 先導は二人がして、危なくなったら私が手を出す。犬がいたのでそいつらは先行的に排除したが。

 そうして辿り着いた深みの聖堂。まだほんの入り口だが、荘厳な建築物を見上げて感嘆する。

 

 あの坊主が、よくもこんな物を建てられるほどに出世したものだ。謙虚で質素な奴が一番嫌いそうなものだというのに。

 

「ここが深みの聖堂……」

 

 隣でアンリが呟く。その声色には緊張感と、少しの怒りが込められていた。

 この子達があの坊主にどんな事をされたのかは知らない。けれど、この場においてもまだその事実を受けきれていない自分がいたのは確かだった。

 

 ──きっともう、俺達にしかできない。あんたの弟子である俺達にしか。

 

 あの時の言葉が、頭でフラッシュバックする。

 まるで昨日のように。けれど、遠い思い出のように。

 

 

 

 深みの聖堂、その内部へ到るには墓場を経由しなければならないようだった。

 三人で墓から現れた亡者達を倒しつつ進んでいくのだが……どうにも亡者達に沸いている虫が気になる。これは、澱みだろうか。

 

「二人とも、あの虫には触れるなよ」

「あれは一体……」

「……澱み。触れれば、生命を削られる」

 

 人の魂は闇由来。

 それは、暗い魂が故の出来事。

 それが長い時間をかけ、腐り、澱み、虫となる。

 なんと醜いものだろう。あれが人の魂の慣れ果てとは。

 世界蛇の片割れが望んだ世界の末路とは。

 きっと、想像していなかっただろう。

 

 それらを、発火などの呪術で焼いていく。

 闇でしか生きられぬのであれば焼いてしまえばよい。

 焼いて、焼いて、焼き切ってしまえばよい。

 悲劇と愚かさで塗り固められた絵画など、焼いてしまえばよいのだ。

 

「なに!?」

 

 一人、虫を焼いていると。

 アンリが何かに驚いた。それは、突如空から降って来た大矢。振り返れば、不死街の塔が見える……どうやら巨人が狙撃支援してくれるようだ。

 

「味方だ。臆せず進むのだ」

 

 大矢の衝撃で吹き飛び、千切れ飛ぶ亡者。

 それらを横目で見ながら先へと進む。

 時に墓守を殺しながら、時に信徒を蹴散らしながら進んで行く。

 最早まともな者などいるはずもない。宣教師もちらほらいる……奴はここの出の者か。

 

 聖堂の内部へと侵入すれば、そこは天井の梁だった。

 巨大な聖堂には大きな梁が用いられているため、まぁ移動は可能だ。

 

「本当にここを行くんですか!?」

「……」

 

 アンリ達が怖気付く。それがまるであの薪の王を見ているようで。

 

「……ふふ、怖かったら待ってても良いんだぞ」

「うう……行きます!」

 

 やはり、彼女は来る。

 恐る恐る、震えながら一歩一歩歩いていく彼女を見ると心が和む。例え道中に聖堂騎士がいようとも破壊すれば良いだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこは、噂通りの場所だった。

 あらゆる娯楽があり、金持ちが闊歩し、奴隷達がゴミのように働く場所。

 煌びやかな建物は、人々を魅了して止まない。

 もっぱら彼らは野宿が基本だったが、この都には自然が無さすぎる。故に宿を取った。高そうな宿だったが、師である少女がポンっと金を出せば、例え旅人であろうとも豪華な部屋を提供してくれた。

 部屋は綺麗で、煌びやかで、どうにも落ち着かない。

 

「二人とも、今日は休め。部屋から出ない方がいい、娼婦や詐欺師が彷徨いているから」

 

 そう言って青年達を部屋に閉じ込め、けれど彼女は一人で出て行こうとする。

 

「師よ、どこへ行くのです」

 

 サリーが尋ねれば、彼女は鋭い目付きで彼を咎めるように言った。

 

「気にするな。朝には戻る。寝ておけ」

 

 あの目をする時、師は本当に恐ろしい。流石のサリーも彼女の後をつけようだなんて考えないようだった。

 二人、サリーとエルは一人用のベッドに座って話し込む。話題は当然、彼らが大好きな師匠についてだった。

 

「一体、約束ってなんなんだろうか」

「さぁ……けれど、穏やかなものじゃなさそうだ。お師匠様の事だから、警備の者達に捕まるような事はないだろうが」

 

 昔、不死を敵視する国に入り込んでしまったことがある。けれど師匠は警備を掻い潜り、道なき道を進み、時には欺いて国を脱出してみせた。しかも自分たちにその事を悟られずに。彼ら二人は普通に観光していたのだ。

 だがそんな人物があんな目をするのだ。きっと何かとてつもない事が起きているに違いなかった。

 

「それは心配してはいない。あの人を倒せる者など、きっと薪の王だけだろうよ。師もそう仰ってた事だし」

 

 定期的に薪の王と神に対する憎しみを聞いていた彼ら。そのほとんどは愚痴のようなものだが。やれ薪の王は坊ちゃんだの、神はどうしようもない奴らだの。

 二人は心の内に靄を抱えたまま、眠りにつく。

 

 

 師が帰って来たのは、日が昇らぬ頃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 聖堂の中は、なんというか、泥に溢れていた。

 全部が溢れていたわけではない。ただ、下のフロアがほとんど泥に塗れている。普通の泥ではない。あれは、人の死体が腐り溶け出たものだ。悪趣味だな。

 

「奴め……」

 

 どうやってその死体を生み出したのかは、想像がついた。

 そして、その泥の上に座り込む巨人。どうやらここを守っているようだ。邪魔なものだ。

 巨人を魔術で屠りながら、下の階への道を征く。そこには祭壇のような場所があり、その隣にも部屋があったのだが。

 

 そこにいた何かに、長い戦士としての勘が警鐘を鳴らした。

 

「下がれ、死ぬぞ」

 

 その部屋から二人を追い出す。

 すると、それは姿を現した。

 

 獣。歪な、獣。

 見た目は雲のようだが、それは獣だった。

 おぞましい。それは深みの生き物。

 否、変質された人間。

 それは私を見つけると、大きな顔を笑みで歪めた。

 

「エル……」

 

 振るわれる多腕を掻い潜る。

 多量の呪いを感じた。きっとあれの攻撃を受ければ呪われてしまうだろう。そうなれば私とて石となって死ぬ。

 足を斬り落とし、腕を爆ぜさせ、けれど私という闇を喰い尽くすために蠢く獣。

 それを殺し切ると、私は思い返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 扉が爆ぜるように開き、二人の青年は飛び起きる。

 何事かと思い入り口を見れば、そこには彼らの師が息を切らしながら立ち尽くしていた。

 亜人の青年が口を開こうとすれば、師はズカズカと歩いてきて椅子に座る。その仕草はどこか荒々しい。

 

 彼女は懐から不死の象徴であるエスト瓶を取り出すと、それを一気に飲み干す。その光景に二人は驚いた。何せ、出会ってから数年経つが彼女がエスト瓶を飲むのを初めて見たのだ。

 エスト瓶は不死の秘宝。けれどそれは、不死にとっての絶対。エストがなければ傷は癒えず、故に不死はエストを求める。

 

「人は、愚かだ」

 

 不意に、か細い声で師が呟いた。二人は黙って彼女の言葉を脳裏に焼き付ける。

 

「何も学ばない。悲しみも、苦しみも、過ぎ去れば最早意味はないのか……? 私は、私たちは、そんな奴らのために、闇の王に……薪に焚べられたんじゃない」

 

 心からの叫びだった。

 静かな叫びは、けれど二人の青年に酷く染み付いた。

 

「何があったんです、師よ」

 

 サリーが尋ねる。

 師は頭を抱えると、ただ語った。

 

「人が太陽を作るなど、できるはずがない。最初の火を起こすことなど、できるはずがない。ここの人間は、自らの欲望を制御することを知らなんだ。ただ欲のままに、火を求める。なんということだ……」

「つまり……最初の火を、彼らは作ろうと……? (ソウル)の業の原点を、自ら再現しようと? そんなもの、冒涜だ!」

 

 エルが怒りに震える。

 敬虔な信徒である彼にとって、その行為は背信である。

 神が赦された偉業を真似ることなど、あってはならない。そしてその危うさが分からない彼ではなかった。

 

「かつて貴女はイザリスの末路について語った。ここも、混沌に飲まれると……貴女は言いたいのですか?」

「遅かれ早かれ、あの炎はこの街を焼くだろう」

 

 師が何を思っていたのかは分からない。けど、きっとその瞳で見たであろうかの都の末路を、思い描いていたのだろう。

 

「奴がいた。神にもなれず、人にもなれず、竜にもなれない哀れな男が」

 

 ギリギリと歯が軋む。

 

「奴?」

「殺したはずだった。クソ……私の不始末だ」

 

 それが誰かは分からない。でもその奴という者に対して並々ならぬ憎しみを感じる。

 

「……どうするんです?」

「……唆されたとはいえ、最早この都は手遅れだろう。奴を殺したとしても、その欲は止まらぬ。ならば、できることはない」

「約束はどうするんです。言ってたでしょう」

 

 愛した者との約束。

 あの廃都で生まれた異形を殺すというその約束は、けれどここでは効力を発揮しない。そもそもあの廃都とここでは方法が異なるのだから。

 

「私は……疲れた。もう、人に期待することも、絶望することも、何もかも」

 

 弱々しい少女が、そこにはいた。

 長く生きすぎ、疲れ果て。もう、気力すらもない。

 

「朝になったらここを出よう。もう、用はないのだから」

 

 灰のように燃え尽きた少女。

 ただ二人は、その光景を見ている事しかできなかった。

 

 

 

 そして、少女は見抜くことができなかった。

 この時から二人が、暗い欲を抱き始めたことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おう、貴公! どうやらまともなようだな!」

 

 それは突然現れた。

 巨人のいるフロア、その上層。一本橋の手前に玉葱のようなシルエットの騎士。カタリナのジークバルトだ。

 

「ジークバルト、貴公もここへ来ていたのか」

 

 つい先日会ったばかりの私は当然のように話し掛ける。      

 背後にいるアンリとホレイスは初対面だ、紹介しておこう。ジークバルトならば安心して紹介できる。

 

「二人とも、紹介しよう。彼はカタリナのジークバルト」

 

 そう告げれば、アンリは丁寧に礼をして挨拶する。ホレイスは相変わらず無愛想だが、それが彼なりの挨拶なのだろう。

 だがジークバルトはなんだか少し狼狽える。何かあったのだろうか。

 

「え? お、おう! 私はカタリナのジークバルト。久しぶりだな、うむ」

「……」

 

 何かおかしい。声もそうだが、最初の一言といい私とも初対面のようだ。

 

「ジークバルト、貴公私を覚えているか?」

「うっ、うむ、もちろんだ。だが、あれだな、最近忘れ物が多くてな、うむ。これも不死としての定めか……うーむ」

 

 懸念していた事項だった。

 不死は通常、死ぬと人間性を失う。そして死に過ぎればもちろん人間性を失い過ぎて、いつか亡者となる。

 ジークマイヤーのように。それは、ある種のトラウマだった。

 

「そうか……貴公、あまり死に過ぎるなよ。何度でも死ねるのは不死の特権。けれど、死に過ぎると自らを見失うぞ」

 

 あの時の、ジークリンデの悲しみを思い出す。

 あんなのはもう嫌だ。クロアーナやケイル達のような事も、辛い。もう、慣れてしまったが。

 

「え、うむ。肝に銘じておこう」

「それが良い。ところで貴公、一体ここでなにを?」

 

 何やらぼーっとしていたが。

 

「うむ。やっとのことでこの聖堂の宝物庫を突き止めたのだ」

「宝物庫?」

 

 はて、彼は案外俗っぽいのだろうか。ジークマイヤーはあまり物に執着はしていなかったが。似ているが、やはり別人だしそれはそうか。

 

「宝物庫は、それそこの、細い渡りの先にあるのだが」

 

 そう言って、目の前の一本橋を指差す。

 確かに細いし手摺も無いから落下したら死ぬだろう。

 それに橋の下は巨人がいる。下手をすれば攻撃されかねない。

 

「さて、どうやって近づいたものかと思ってな。ここで難儀しているのさ。うーむ……」

「確かに……危険ですね」

 

 アンリが下を覗く。彼女は高い場所が苦手だろうから尚更渡りたくは無いだろう。

 

「宝物庫には何があるんだ?」

「え?」

 

 ふと、ジークバルトに尋ねる。

 単純に何があるのか気になったのだ。もし価値のあるものがあれば、私が行ってもいい。

 

「あー、それは、あれだ。すごいお宝だ。野暮な事を聞くんじゃない!」

「え? ああ、すまん……」

 

 怒られた。なんで?

 

「ああ、貴公もまだ近づくでないぞ。確かにあのお宝はすごいだろうが……うーむ……」

 

 なんだかそう言われると気になってきた。

 彼はこう言っているが、私も相当な修羅場を潜ってきている。例え巨人であろうとも死ぬ事などない。

 ……なんだか既視感を覚えるが、まぁ長く生きていればこういう事もあるだろう。

 

「あ、リリィ! どこへ……」

「宝物庫とやらを見に行こうじゃないか」

 

 我慢出来ずに一本橋を渡り始める。

 アンリは若干ぐずったが、仕方ないと言わんばかりに溜め息をついてホレイスと追従した。怖いなら待ってても良いのだが、私が放っておけないのだろう。

 

 幸い巨人達は眠っているようだった。

 泥溜まりの上に座り込み、動かない。今が絶好のチャンスだ。

 

 

 

 

「へへ、ざまあねえな欲深女どもが!」

 

 それは突然起こった。

 私達が渡っていた一本橋が、突如として下降していく。

 同時に先ほどまでいた場所から罵倒が響いた。

 

「……これは」

 

 既視感がすごい。

 いやまさかとは思うが。まさかするかもしれない。

 振り返り見上げれば、そこには高笑いするジークバルトがいた。

 そしてそいつは玉葱型の兜を脱ぎ。

 

「タマネギ頭ならみんなマヌケとでも思ったかバーカ!」

 

 つんつる頭の坊主野郎。

 かつて、私のことをロードランでハメに嵌めたあのパッチが、そこにはいたのだ。

 

「せいぜい巨人達と仲良くな! クヒャーッヒャッヒャッヒャ!!!!!!」

 

 死ぬほど腹が立つ笑い声。

 アンリ達は嵌められた!? と驚く。その横で、私はただ震えていた。

 

「んんぐぐぐぐぐパァアアアアアッチ!!!!!!」

 

 私の、数百年ぶりの叫びが響く。

 それを引き金として、巨人達が飛び起きた。

 この華奢な身体のどこからあんな声が出ているのだろうか。

 エルドリッチは今はどうでもいい。やらなければならない事ができた。

 

(ソウル)の結晶奔流」

 

 杖を取り出し、こちらに迫る巨人達へと向ける。

 そして放たれる結晶化した極太の結晶塊。

 それは暴力。巨人達の頭部を超える太さのそれは、容易く彼らを切断し、爆ぜさせる。

 あっという間に消え去る巨人達。それを見て、アンリ達だけでなくパッチまでもが唖然とした。

 

「言ったはずだぞ」

 

 杖の先端を、上層のパッチへと向ける。

 死刑宣告。

 

「次はないと」

 

 そこからの私の動きは早かった。

 泥溜まりをものともせず、待ってと懇願するアンリ達を置き去りにし、道中の亡者どもを薙ぎ払い、パッチのいた場所へと駆ける。

 ロードランでもあの男に嵌められた。もう我慢ならん。

 

「ちょっちょちょちょちょっと待ってくれよハニー」

「殺す」

 

 アンリが駆けつけた時には、革の鎧に身を包み土下座するパッチ。そして彼に剣を突き付ける私がいた。

 

「貴様ァ、ロードランといいエス・ロイエスといい、余程私に殺されたいと見える」

「な、何のことだよ! 俺はあんたの事なんて知ら」

「嘘をつくなよ! 私だよ、リリィだ! 闇の王になろうとした女など私を置いているものか! 覚えているだろう!」

「リ、リリィ! 落ち着いて!」

 

 私を羽交締めして止めようとするアンリとホレイス。けれど私の膂力の前に彼らの行いは児戯にも等しかった。

 

「リ、リリィ? わかんねぇよ! あんたみたいな女は初めてだ! ロードランもロイエスだかって場所も、覚えてねぇよ!」

「……お前」

 

 (ソウル)を覗く。

 それは確かに、パッチの(ソウル)。けれど、よく見ればその魂は薄れていた。

 死に過ぎた。それによる、人間性の喪失。彼は亡者へと近付いていたのだ。或いは、長く生き過ぎた事による弊害か。不死ならばよくあることだった。

 ならば、私という存在は歪である。

 

「……本当に、覚えてないんだな」

「ほ、ほんとだよ! 許してくれハニー!!!!!!」

「ハニーはやめろと言っただろう。……まったく」

 

 剣を納める。覚えていないことを、言っても仕方がない。いや、それ以上に虚しかった。

 きっとこいつは、アナスタシアの事も覚えていないのだろう。

 

「わ、分かってくれたか。ノーカウントだよな、はは」

「カウント1だ、このマヌケ」

 

 まぁ良い。幸にして巨人が死んだだけだ。

 

「ところで、お前カタリナの鎧はどこで手に入れた」

「え? あー、それはだな」

「素直に言え。死ぬよりも酷い目に合わせるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かたじけない! この鎧さえあれば自力でどうにでもなる!」

 

 井戸の底から、本物のジークバルトの声が響く。

 どうやらパッチはジークバルトを騙して鎧を剥ぎ取り、彼を井戸に突き落としたのだそうだ。まったくなんてことをするのだ。

 背後ではホレイスに見張られたパッチが不貞腐れたように座り込んでいる。懐かしい品の無い座り方だ。

 

「まぁ、その……彼も助かったことですし、ね?」

 

 アンリに諭されながらも私は数千年分の苛立ちを隠さずにはいられなかった。あいつに嵌められると本当に腹が立つのだ。

ダークソウル3のリリィは

  • 暗い方が良い
  • 暗くても多少明るい方が良い
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