レストラン「怪獣」へようこそ   作:青色好き

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人類の夢とも言われる飛行。
空を飛べる怪獣達の話です。

次回は2021年2月26日12時00分に投稿予定です。


レストラン「怪獣」へようこそ 8 飛行

 顔を上げてみて下さい。あなたの目には何が映っていますか?

 

 

 

 一面の空が映っていますか?

 

 

 

 空には雲や飛行機・虫や鳥が飛んでいます。

 

 

 

 夜になると光り輝く星々が点在する幻想的な光景が広がっています。

 

 

 

 昔、人類はこの大空を飛びたいと考えました。そのために気球が生まれ、飛行機が生まれました。

 

 

 

 これにより人類にとって「空を飛ぶ」という行為は当たり前のようになりました。

 

 

 

 ですが、忘れてはいけない事があります。

 

 

 

 空を飛べるのは、虫や鳥だけではありません。

 

 

 

 

 

 

 『怪獣』も空を飛べるということを――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 底が見えぬ程の暗闇が周囲を覆っている。その暗闇の中には点々と星々の光が輝いており、複数の岩石が宙を浮いている。音は一切聞こえない。そのような空間で唯一目を引くのは、浮遊大陸と呼ばれる大きな大地だ。所々赤く光り、見る存在に不気味さを与える。

 そんな浮遊大陸を目指して、ある“飛行物体”が羽ばたいていた。その姿は鳥のような姿で、赤い大きな目を持ち、黒い体色をしている怪獣だった。

 

「もう少しで浮遊大陸に到着だな。皆来てるかな……?」

 

 そう呟いたのは、今まさに浮遊大陸に向かって飛行している怪獣、コンコルンだった。今日は他の怪獣と待ち合わせしていることから、集合場所である浮遊大陸にむかっているのだ。正確には浮遊大陸にあるレストラン「怪獣」に向かっている。今日はレストランで久々に飲み食いしようと誘われたので待ち合わせ場所に向かっているのだ。

 

「あと数分で着きそうだなぁ……。一先ずは遅れはしないな。 ……ん?」

 

 ふと近くの空を見てみると、何か「赤い物体」が移動している事に気が付いた。ウルトラマンが移動しているのか? それともギララが飛んでいるのか?

 コンコルンはその飛行物体の事が気になり、よく見てみることにした。その飛行物体の輪郭がはっきりとしてきた。

 

 赤い翼

 

 鳥のような頭。

 

 コンコルンはその姿に見覚えがあった。なんせその姿はコンコルンが良く知る怪獣の内の一体であり、彼の友達であるから。

 

「ラドンじゃないか!」

 

「ん? その声は…… コンコルンか!」

 

赤い飛行物体の正体――ラドンは親友であるコンコルンに気付いた。彼もコンコルン同様待ち合わせ場所に向かう怪獣だ。

 

「こんな所で会うとは思わなかったよ!」

 

「俺もだよ。他の奴らはまだ会ってないみたいだな」

 

「うん。僕も今のところまだ会っていないよ。ラドン君も?」

 

「ああ、もしかしたらもう皆レストランに着いてるんじゃあ……」

 

「うわぁ! もしそうだったら大変だ! 早めに行こう!」

 

「まぁ、いいが…… 俺を置いてくなよ?」

 

 二体は遅れているのではと思い、レストラン「怪獣」へと急ぐことにした。浮遊大陸の大地に建てられているということもあり、遠目から見ても建物の明かりで場所は分かりやすい。さほど遠くないということもありこのまま行けば1分程で着くと考えていた。

 

「空を飛べるって良いよね~ 気持ち良いし~」

 

「と言っても怪獣墓場の怪獣達は魂みたいなもんだから、全ての怪獣が浮くことが出来るけどな」

 

「まぁ、そうだけどさ……」

 

 自分達も怪獣墓場に来てから大分経っている。魂として存在しているため、コンコルンやラドンのように翼を持つ怪獣も翼を使わなくても飛行する事が可能なのだ。しかし、怪獣墓場に来る前は普通に翼を使っていた事から現在でも使っているのだ。翼を持つ怪獣にとって、飛行時に翼を使うのは当然のことなのだから。

 

 しばらく飛行していると目的地であるレストラン「怪獣」が見えてきた。浮遊大陸において目立つ灯り。遠くから見ても分かりやすい。

 

「あ、あそこだ! 誰か来てるかな?」

 

「いや、いないな。もしかして店の中に入ってるのか?」

 

「もしかして一番乗りかな?」

 

「かもしれんな。とりあえず入ってみよう」

 

 二体はレストランの中に入ることにした。レストランの中には多くの怪獣達が食事をしている。コンコルンとラドンが知る怪獣達もいる。すると、奥からある怪獣が出て来た。その怪獣はラドンが良く知る怪獣でもあり、この店で働き始めた怪獣でもあるモスラだ。怪獣界でも1,2を誇る美しさであると有名で、コンコルンもよく知っている。

 

「あら、いらっしゃい! ラドンさんとコンコルンさんですね」

 

「ああ、モスラ、何だか仕事慣れしてる感じだな」

 

「大分仕事に慣れたんですね!」

 

「はい! 料理長の指導が分かりやすかったのですぐに慣れました!」

 

 モスラが笑みを浮かべてラドンとコンコルンと言葉を交わした。モスラがレストランで働き始めたのはここ最近なのだが、彼女の礼儀や動作はまるでプロのそれである。ここの料理長であるエビゾールは教えるのが上手いと言われているが、最近此処で働き始めたモスラが短期間でプロのようになっていることから2体は感心した。コンコルンはチラッとエビゾールの方を見ると、彼はこちらに目をチラッと向けていたが直ぐに料理に視線を戻した。自身の話題だったので気になったのだろうか?

 

「あ、俺達は「ネズバートン」の名前で予約が入ってるはずなんだけど……」

 

「あ、それならあちらの席です!」

 

「良かった~、予約がちゃんと入ってた!」

 

 ネズバートン。今日の集まりを企画した怪獣だ。コンコルンもラドンも空を飛ぶ怪獣達と仲が良いのだが、その中のメンバーであるネズバートンが「最近集まって食事してないから久々に集まろうぜ!」というノリで開催されたのだが、皆同じ事を考えていたのかその企画に同意したのだ。こうして皆と集まることになったのである。

 

「そういえば何体か来てる?」

 

「それは行ってからのお楽しみです!」

 

「あ~、成程……」

 

 モスラがあえてと言わんばかりにはぐらかしたところを見ると、何体来ているのか気になりだした。とりあえずラドンと共にその席へ向かう事にした。

 店の奥まで歩くと、目的の席がある部屋の近くまで来た。襖の奥に席がある。ラドンが襖を開くと、そこに企画者であるネズバートンとコンコルン達の友達であるギャオスとグラスキングが座っていた。

 

「おお、コンコルンにラドン!」「よく来てくれたね!」

 

「「ネズバートン(さん)」」

 

 この集まりの企画者であるネズバートンはストローでお冷を飲んでおり、コンコルン達を見るやいなや喜ぶように二体を歓迎した。近くにいるギャオスもグラスキングも同様に歓迎している。

 

「こんな風に皆で食事をするのは何時以来かねぇ……」

 

「う~ん、私の記憶が正しければ多分半年くらい前のジェロニモン達が開いたパーティ以来じゃないか?」

 

「あ、そうか。そういえばそんなことあったな」

 

 ギャオスとグラスキングの会話の通り、かつてジェロニモンが誕生日パーティを開いた時にコンコルン達の仲間が集まって皆盛大に楽しんだ。ジェロニモンと仲が親しいウータンとデボラスもわいわい騒いだあの時が最後だ。

 

「あれだけの料理を作ったエビゾールさん達は大変だったろうな……」

 

「さすがは料理長だな……」

 

「あ、コンコルンもラドンも」「とりあえず座りなよ!」

 

 ネズバートンは一先ずコンコルンとラドンを座らせるよう促した。二体は部屋に着いたこともあり近くの座布団に座ることにした。座った座布団は結構フカフカしており、材質が良いようだ。

 

「さっき連絡があったんだけど、フウリンイドムとバルームは寝坊したせいで遅れるらしい。ランフォリンクスやバドンは急ぎで此方に向かってるって」

 

「そうか…… バランあたりは早く来るかなぁ、と思ってたんだけど……」

 

「あ、それとテラノドンも遅れるって」

 

「結構遅れてる怪獣が」「多いなぁ……」

 

 ギャオスとグラスキングから遅れの連絡を聞くと、ネズバートンはやや困ったような顔をした。何せ皆で楽しもうとしていたのにあまり来ていないからだ。とはいえ、何体かは集まっているだけでマシだろう。

 

「仕方ない、一先ず我々」「で始めるか」

 

「まぁ、仕方ないか……」

 

「それじゃあ、始めよう!」

 

 ギャオスとグラスキングが同意したことで、コンコルンもラドンも料理を食べ始める。食事が始まった。この場にいる怪獣の大半は人間のような腕を持っていないため、基本的に嘴でつまんで食べている。飲み物の場合はストローで飲むのが多い。人間から見れば食べ方が悪いと言われるかもしれないが、怪獣の世界ではこのような光景は珍しくないのだ。

 

 

「そういえばさ、以前ジャイガーから言われたんだけどさ……」

 

「「「「?」」」」

 

「何体かの怪獣は空を飛べるけど空を飛んでて気持ち良いことってある? て言われたんだよ」

 

「「「「うんうん」」」」

 

「その時オイラは綺麗な景色を見ることが出来る、って答えたんだ。そこで考えたんだけどさ、皆はさ、空を飛んでて気持ち良い事ってある?」

 

 ギャオスのこの一言に皆は少し頭をひねって考えることにした。空を飛ぶというのは自分達にとって当たり前の事ということもあり、考えたことが無かったのだ。

 まず最初に口を開いたのはコンコルンだった。

 

「う~ん、風が気持ちいいことかなぁ」

 

「風?」

 

「そう。空を飛んでいると風を受けるでしょ? その風が気持ち良いんだよ」

 

「ああ、そういうことか」

 

 怪獣に限らず人間もそうだが、走る時や自転車などの乗り物で運転する時に風を受ける。中にはその風を受けることが好きな人もいる。暑い夏場には涼しく感じるだろう。コンコルンもその“風”を受けるのが好きなのだ。

 

「ああ、そういえば地球に居た頃、暑い時は空を飛んで涼しんでたな」

 

「ラドンさんもそうでしたか!」

 

「あ~、オイラの家族もそうやって涼をとってるな……」

 

「ギャオスさんのご家族もですか?」

 

 怪獣達の間でも知られてるのだが、ギャオスの家族は非常に多く、「怪獣界一の大家族」とも呼ばれている。宇宙ギャオスから始まり、ギャオスドッグ、ギャオスアルマジロ、バイオニックギャオス、そしてイリスなどの沢山の家族がいるのだ。これだけでもごく一部に過ぎない。それだけ大家族なのだ。

 ギャオスを始めとする年長組は彼らを養うために働いている。子供達はそんなギャオス達の様子を見て育っている。そのため、子供達は「将来はパパやママみたいになる!」とよく言う。そんな光景が度々見られるのだ。

 

「沢山いると世話も大変だろうに……」

 

「まぁ、そうだけどさ、今も充実してるよ。子供達の為に一所懸命になれるんだから」

 

「良いこと」「言うなぁ……」

 

 ギャオスの一言に皆が感動し、皆の食事が同時に止まった。

 

「それで話を戻すけど、オイラの家族が皆空を飛ぶから大編隊になるんだよ。以前メルバが防衛隊の編隊みたい、って言う位に……」

 

「……なんとなく分かる気がする」

 

「コンコルンもそう思うか。私もそう思う…… ギャオスの家族は凄く多いからな」

 

 コンコルンやグラスキングだけでなく、他の怪獣達もある事を思い出していた。怪獣がいれば当然人間達も黙ってはいない。防衛隊が怪獣を攻撃するのは当然故にこの場にいる彼らも防衛隊から攻撃された苦い思い出があるのだ。勿論、あまり良い思い出ではない。

 ギャオスの家族は多い故に皆が空を飛ぶと大編隊のように見える。その光景を見て防衛隊の編隊だと思う怪獣が何体かいるのだ。以前は「怪獣墓場に飛行機が来た!?」とちょっとした騒ぎになったこともある。

 

「だから、最近はオイラの家族であることを分かりやすいように飛ぼうと思うんだ。「ギャオス」って文字に見えるように編隊を組んで飛ぶとか」

 

「確かにそうした方が良さそうだね……」

 

「俺もそう思うな。分かりやすいし」

 

「そういう編隊でもちゃんと涼をとれるし」

 

 少々ほのぼのとした雰囲気となり、再び食事が進むようになる。ネズバートンが何時の間にか一皿どころか二皿たいらげている。頭が二つあるので食べる早さが速いので仕方ないのだが。

 

「しかし、風を受けるって確か人間の乗り物でもあったよな。バイク…… だったか?」

 

「自転車とか」「原付もあるよ」

 

「あれも気持ち良さそうだよな。空を飛んでる時の風に似てるよ。私も一度は乗ってみたいな」

 

 自転車や原付、バイクは人間が乗る乗り物だ。この場にいる怪獣、もとい殆どの怪獣はそれらに乗ったことが無いので、一度は乗ってみたいという思いがある。乗ってみた時に受ける風が飛行時に受ける風と似ていると言われているからだ。

 

「恐竜戦車とかギャタビランに乗れば分かるかな? それともシルバーライダーあたりに乗れば良いのかな?」

 

「いや、コンコルン。彼らは戦車の怪獣だ。厳密には自転車とかの怪獣じゃないぞ」

 

「そうだっけ? あ、言われてみればそうだなぁ……」

 

 改めて考えると恐竜戦車もギャタビランもシルバーライダーも戦車の怪獣で、厳密に言うと乗り物とは言い難い。乗ろうと思えば乗れないことは無いだろうが、本人からすれば重いと感じるかもしれないので可哀想に思えてしまう。

 

「我々が乗れる位の」「大きさの自転車とか誰か作ってくれないかねぇ……」

 

「相当デカいんだろうなぁ、その自転車は……」

 

「私達の体重に耐えられるのかねぇ……?」

 

 怪獣が乗れる位の自転車となるとかなり巨大だ。巨大である分膨大な質量に耐えられる素材で作らなければならない。そんな自転車を本当に作れるのか、誰が作れるのか疑問に思っていたが――

 

「大爪ロボットかギルバリスあたりじゃないかな?」

 

「あ、そうか。あの二体は手先が器用だっけ。作れるかもしれんな?」

 

 コンコルンが挙げた2体、大爪ロボットとギルバリスは怪獣の中では手先が器用な方だと言われている。前者は大きな爪を持っているものの色んな物を作ることが出来る程手先が器用で、後者はギャラクトロンを始めとするロボット怪獣を制作出来る程手先が器用なのだ。自転車あたりを作ろうとすれば作れるだろう。コンコルンだけでなくラドンを始めとする怪獣達もそう思っていた。

 

「話を戻すけどさ、空を飛んで気持ち良いことが」「他にあるんだ」

 

「あ、そういえば最初はその話だったな」

 

「すっかり忘れてたよ」

 

「それって何?」

 

「「それは……」」

 

 何やら自信満々で語ろうとしている様子に4体は耳を傾けている。そんな様子を見たネズバートンは得意げな様子で語った。

 

「「景色を見ることだよ!!」」

 

「「「「景色?」」」」

 

 その一言に此処にいる一同は頭の上に「?」を浮かべた。

 

「良いか? 我々は空を飛ぶことで地上より高い場所に移動できるんだ」「そこから見る景色が綺麗なんだよ!」

 

「「「「あ~…… 確かに」」」」

 

 ネズバートンの言葉に皆は納得するように頷いた。人間がヘリやドローンを用いて空撮した映像は大自然の映像を美しく映すように、空を飛ぶ怪獣である彼らも同様の景色が見られるのだ。大自然だけではなく人々が賑わう都会の様子も見ることが出来るため、見るのに飽きない風景が展開されるのだ。

 

「良いよね、確かにそうだよね」

 

「俺も空から見た街を見て、人間の住居は凄いなぁ、と思った事があるよ」

 

「オイラも山や街を飛んだことがあるけど、綺麗な景色だよねぇ~」

 

「飛んでて景色を見るのは楽しいよな。怪獣墓場は結構殺風景だし……」

 

 皆が思い思いの意見を述べている間にネズバートンはまた皿に盛られている料理をがっついている。隙をついて料理を食べるための戦略のように見えるかもしれないが、単純に腹をすかしたからである。

 

「でも俺が街に降りた時は衝撃波で街を壊しちゃってさ…… 人間達も俺を攻撃してきて応戦して…… まぁ、地球に居た頃は景色を楽しむ事は少なかったなぁ……」

 

「……まぁ、僕達が空を飛ぶと大抵発生するよね……」

 

「私もそこは気にしてる……」

 

「あ~、そうだね……」

 

 皆の表情が苦笑いの表情となる。多くの飛行怪獣は空を飛ぶと衝撃波を発生させる。その衝撃波で家を壊してしまったり車を吹き飛ばしてしまうといった被害を生み出してしまうのだ。そのため、飛行怪獣が街を飛ぶと大惨事が起きるのだ。

 

「よく考えると、衝撃波って街だけでなく自然も壊すよね……?」

 

「あ、確かに……」

 

 グラスキングの発言の通り、衝撃波は街を壊す程の威力があるのだ。言うまでもなく木や岩といった自然の風景すらも壊しかねない、非常に危ない行為なのだ。さすがにコンコルン達もこれはまずいだろうと思い始めた。

 

「都会でも自然の中で飛ぶ時は、低空で飛んじゃだめだね。衝撃波で色んな物を壊しちゃうからね……」

 

「全く」「だな」

 

 コンコルンの意見にネズバートンだけでなくこの場の皆もうんうんと頷いている。皆は怪獣であるため移動する際は木や岩を壊してしまうことはあるが、当人からすればあまり気持ちの良い事ではない。極力壊さずに移動したいのだ。

 

「高い場所で飛ばなきゃいかんが景色が綺麗に見えるのは分かった。他に気持ち良いことってあるか?」

 

「あ、あれだな。地上を歩くより早く移動出来る! オイラはそう思うぞ!」

 

「あ、そうか! そういえばそうだね!」

 

 ギャオスの言う通り、空を飛べば比較的早く移動出来る事が多い。地上では山や川といった障害物になりえる物が多いが、空路は障害物が無いため移動しやすいのだ。

 

「でも、飛行機とぶつかったりしたら……」

 

「……確かに」

 

「俺は以前、ヘイレンと思いっきりぶつかった事があったが、結構痛かったな……」

 

 空は広大とはいえ他の乗り物にぶつからないわけではない。怪獣とて空を飛んでいる時は細心の注意を払って空を飛んでいるのだ。万が一ぶつかればかなり痛い目に遭うのだ。

 

「空を飛ぶのも大変だなぁ……」

 

「確かに…… オイラの子供達にもその事をしっかり教えないとなぁ……」

 

 自分達が日常的に行っている「飛行」は危険も含まれている。短い会話ながらも、コンコルン達はその事を強く意識することにした。

 

「最近の人間達はプラモデルやドローンとかを飛ばしてるよね。人間って色んな物を飛ばしてるよねぇ……」

 

「プラモやドローンか……」

 

 ギャオスのちょっとした呟きを聞いたコンコルンは何かを考え始めた。ラドンとグラスキングはそんな様子を少し不思議に思いながら見ている。ラドンはグラスキングと目を合わせるも彼は首を傾げる。やはりコンコルンが何を考えているのか分からない。一方のネズバートンは相変わらず食事を続けている。

 

「ねぇ、提案なんだけどさ、僕達も何か飛ばしてみない?」

 

「「「え?」」」

 

「僕達は空を飛ぶ事は多いけど、何かを飛ばした事は殆ど無いよね? 楽しそうだからやってみようかなって……」

 

 その言葉を聞いて此の場にいる怪獣達は何となくコンコルンの言う事を理解した。自分達は人間のように紙飛行機や凧のような物を飛ばした経験が無い。そのため、何かを飛ばしてみようと提案したのである。

 

「……それは面白そうだな」

 

「確かに。子供達も喜びそう!」

 

「今度やってみるか!」

 

 ラドンも、ギャオスも、グラスキングも、興味が湧いたためやる気になっている。目はキラキラと輝いており、まるで好奇心を沸かせる子供の様にも見える。

 

「皆が言うなら……」「我も何を飛ばすか考えてみようかな……?」

 

 ネズバートンもそう呟き、どんな物を飛ばすか思考することにした。双頭故にそれぞれの思考も異なる。もしかしたら異なる物を飛ばそうと考えるかもしれない。だが、ネズバートンの双頭は仲が良いため、喧嘩になる事は一切無い。

 

 すると、部屋のふすまが開き、そこからコンコルン達がよく知る声が聞こえた。

 

「おまたせ~」

 

「ごめんごめん、遅れちゃったよ」

 

 そこには今回の集まりで遅れていたフウリンイドム・バルーム、ランフォリンクス・バドン・バラン・テラノドン、といった面々が部屋に入ってきた。急いで来たせいなのか、息切れしている怪獣もいる。

 

「あ、バードンにオオタチ、キングゼロにグラプターも来てるんだ」

 

「ああ、彼らに来てみないかと誘われてたんだ。メッサーの奴も来るんだとさ」

 

「メッサーM4さんも来るのか。料理は足りるかな……?」

 

 フウリンイドムの言う事には、他の怪獣達にもこの集まりを誘ったのだ。結果として最初の予定人数より多い数の怪獣が来る事が確定した。しかし、別に困る事ではない。大勢の方が楽しいために、寧ろ楽しみに感じていた。もっとも、食事の量が気になるところだが。

 

「そういえば何の話をしていたんだい?」

 

「ああ、それはね……」

 

 バルームの問いにコンコルンが答える。この後、皆がどんな反応をするのか、どんな意見が出てくるのか……

 

 

 

 今夜もレストランは賑やかとなる。

 

 

 

 ○怪獣図鑑

 

・超音速魔獣 コンコルン

 ドラマ「サンダーマスク」に登場した怪獣。魔王デガンダに操られる魔獣。マッハ5で空を飛び、口から火を吐く。1万年の眠りから覚めたサンダーマスクと戦った。

 サンダーマスクの怪獣(魔獣)第1号。名前の由来はやっぱり音速旅客機のコンコルドからなのだろうか?

 

・宇宙大怪獣 ギララ

 第4話を参照。

 

・翼竜怪獣 ラドン

 第1話を参照。

 

・巨蛾 モスラ

 第3話を参照。

 

・巨獣 エビゾール

 第1話を参照。

 

・双頭怪獣 ネズバートン

 ドラマ「宇宙猿人ゴリ」に登場した怪獣。ゴリがネズミと鳩を合成させて作った怪獣。双頭で、鋭い牙・長い尾・強靭な再生能力・厄介な病原菌を持っている。翼を使って飛行できるが長時間は飛べない。日の光が苦手。ドラマ「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」では再生個体が登場したが、こちらは翼が無い。

 双頭の怪獣ですぐに思いつく怪獣がこのネズバートンとパンドンです。

 

・超音波怪獣 ギャオス

 映画「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」に登場した怪獣。富士山の火山活動により目覚めた怪獣。コウモリのような姿で、二又のような後頭部が特徴。血や肉を好んで食べる。口から超音波メスを放つ。日光が苦手で、夜間しか活動できない。映画「ガメラ 大怪獣空中戦」では古代アトランティスの技術で作られた怪獣、映画「小さき勇者たち ガメラ」ではオリジナルギャオスの名前で登場した。

 ガメラのライバル怪獣です。平成では何度も出てるのでさすがに飽きています。そろそろレギオンみたいにギャオスと関係ない怪獣は出ないのだろうか……(切実)。

 

・怪鳥 グラスキング

 ドラマ「ジャンボーグA」登場した怪獣。アンチゴーネが出現させた怪鳥の怪獣で、電気をエネルギーにしている。頭から光線を放ち、突風を引き起こす。自分のエネルギー源である発電所を襲った。

 まんま鳥、と思わせるデザイン。正しくシンプルとも言うべきか……

 

・怪獣酋長 ジェロニモン

 ドラマ「ウルトラマン」に登場した怪獣。羽毛と髭を生やしており、羽毛を飛ばして相手を攻撃する。口から反重力ガスを吐き出す事も出来る。そして怪獣を蘇らせる能力まで持っており、60匹の怪獣を蘇らせて一斉に攻撃を仕掛けようとした。

 羽毛と髭により威厳が凄い怪獣です。武器として使える羽毛も便利です。

 

・霊媒怪獣 ウータン

 ドラマ「ジャンボーグA」に登場した怪獣。マッドゴーネが操る怪獣の内の一体。両頬が風船のように膨らませられるのが特徴。指からミサイル、口から煙幕や爆弾を吐き、丸まって尾で攻撃出来る。更に幻惑念力を使って怪獣の亡霊を召喚することも出来る。ジャンボーグAを怪獣墓場に釘付けにしてその隙に地球を攻撃した。

 戦闘時に怪獣の亡霊を召喚すればジャンボーグA相手に有利に戦えそうです。

 

・宇宙巨獣 デボラス

 ドラマ「幻星神ジャスティライザー」に登場した怪獣。ハデスが持つ怪獣で、金色の体をしており、腹に青い球体が付いている怪獣。目を光らせることで死んだ巨獣を蘇らせることが出来る。他にも口から火炎を吐く攻撃と腹の青い球体から出すことが出来る。劇中ではデモンナイトの指示で動き、デッドラーとギルモネを蘇らせてライゼロスと戦った。

 デザインがかっこいい怪獣です。個人的にジャスティライザーの怪獣の中では一番好きな怪獣です。かっこいい……

 

・思念獣 フウリンイドム

 ドラマ「鉄甲機ミカヅキ」に登場した怪獣。風鈴に関する想いにより誕生したイドムの内の一体。顔に一本角が生えており、下半身が風鈴のような形をしていて足が多数生えている。口から電撃を吐き、フウリンノイドを口から放出する。

 風鈴みたいな姿…… というよりスカートを穿いているようにも見えます。スカートイドム?

 

・風船巨獣 バルーム

 ドラマ「巨獣特捜ジャスピオン」に登場した怪獣。ギルザが操る巨獣で、全身に風船が付いているような姿をしている。尾から風船生命体を生み出して東京の至る所にばらまいた。技は尾から出す風船爆弾や光線を出し、空を飛ぶ。

 風船の怪獣なのですが、風船生命体がパックマンに見えてしまう……

 

・怪鳥 ランフォリンクス

 映画「恐竜・怪鳥の伝説」に登場した怪獣。富士樹海付近の環境変化により化石化した卵から孵化した翼竜。凶暴な性格で、空を飛びながら家畜や人を襲った。

 予告編では「ランホリンクス」と表示されていました。名前の表記が後に変わる例ってありますよね。

 

・テラノドン型怪獣 バドン

 ドラマ「恐竜大戦争アイゼンボーグ」に登場した怪獣。日本の空港を襲う目的でステゴザウルス型怪獣ガロンを運ぶテラノドンの怪獣。

 実は一時期名前を「バトン」だと思っていた時期がありました。ハイ……

 

・むささび怪獣 バラン

 映画「大怪獣バラン」に登場した怪獣。中生代の恐竜バラノポーダの生き残りで、北上川上流の湖で暮らしており、近くの村では「婆羅陀魏山神(ばらだぎさんじん)」として崇められていた。ムササビのように皮膜を広げて空を飛べる。映画「怪獣総進撃」では怪獣島に住む怪獣として登場し、小説「GODZILLA 怪獣黙示録」では2030年に2個体目がロサンゼルスに出現した。

 何かと出番が少ない怪獣です。何時か本格的な出番が来れば……!

 

・怪鳥 テラノドン

 ドラマ「怪獣王子」に登場した怪獣。遊星鳥人が火山島に送り込んだ怪獣。赤い大きな目を持つ翼竜のような姿が特徴。翼を使って強風を引き起こす。

 翼竜の割には目が大きい…… 視力が良さそうです。

 

・大魔獣 ジャイガー

 映画「ガメラ対大魔獣ジャイガー」に登場した怪獣。ウエスター島に眠っていた怪獣。頭に5本の角を持つ。頭の角からマグネチューム光線で地上を焼き払い人間を白骨化させ、尾の先端から卵を相手に産み付けるなど、多彩な技を持つ。海水を飲んで頭部横のエラから噴射させることで海上を高速で移動し、短時間なら飛行も出来る。

 四足歩行で角を持つあたり、バルゴンと被っちゃった感じがあります。

 

・超音波怪獣 宇宙ギャオス

 映画「ガメラ対大悪獣ギロン」に登場した怪獣。惑星テラで繁殖しているギャオスの亜種。体の色が銀色。ギャオス同様口から超音波メスを放つ。

 なして地球にいるギャオスが別の星にいるのか……? 宇宙にも進出してたのだろうか?

 

・ギャオスドッグ

 ゲーム「ガメラ2000」に登場した怪獣。ギャオスの遺伝子を元に作られた怪獣の内の一体で、犬のような顔をしている。噛みつきなどで攻撃する。

 犬っぽいギャオスです。一家に一匹持ってる人はいるのかねぇ……

 

・ギャオスアルマジロ

 ゲーム「ガメラ2000」に登場した怪獣。ギャオスの遺伝子を元に作られた怪獣の内の一体で、アルマジロのような姿をしている。外皮が硬いが動きは鈍重。

 アルマジロのようなギャオスですが…… もう姿が別怪獣ですね。

 

・バイオニックギャオス

 ゲーム「ガメラ2000」に登場した怪獣。長い眠りから覚めたギャオスで、ガメラの遺伝子を持っているため両腕がガメラに酷似している。地面に埋まっていて地中から触手を出しており、進化すると地面に埋まって部分が引き剥がれて空を飛ぶ。

 も は や ギ ャ オ ス じ ゃ な い

 

・邪神 イリス

 映画「ガメラ3 邪神覚醒」に登場した怪獣。ギャオスの変異体で、「柳星張(りゅうせいちょう)」の名前で封印されていた。人型で、生物の遺伝子を吸収することで自身を進化させる能力を持つ。武器は触手・触手から放つ超音波メス、遺伝子の吸収。

 も は や ギ ャ オ ス じ ゃ な い 

 昔「ギャオスの設定を無理矢理入れられたのでは?」と思った事があります。

 

・超古代竜 メルバ

 ドラマ「ウルトラマンティガ」に登場した怪獣。「空を切り裂く怪獣」とも呼ばれ、イースター島から出現し、秋田県でゴルザと共に石像を破壊しようとした。目からの光線と両腕の鋏が武器。

 ゴルザが度々再登場しているので、メルバも再登場して欲しいです。

 

・戦車怪獣 恐竜戦車

 第2話を参照。

 

・重戦車魔獣 ギャダビラン

 ドラマ「サンダーマスク」に登場した怪獣。サイのような頭を持つ怪獣。体の両脇にキャタピラが付いており、突進攻撃を行う。手足を自由に出し入れ出来る。不死身でもある。

 一部書籍では「ギャ『タ』ビラン」とも表記されています。恐竜戦車とは別の意味でインパクトがある怪獣です。

 

・戦車ロボット シルバーライダー

 ドラマ「アイアンキング」に登場したロボット怪獣。不知火一族が作ったロボット。車輪で動き、両手の鎌で相手を攻撃する。車輪を飛ばして攻撃することも出来る。

 タイヤを飛ばす攻撃が印象に残るロボット怪獣です。単眼・鎌…… ガイガン?

 

・大爪ロボット

 ドラマ「大鉄人17」に登場したロボット怪獣。巨人頭脳のブレインが製造したロボット怪獣で、日本の全兵力を倒す目的の為に送り込まれた。手から放つ火花や角をミサイルとして放ち、両手を分離して飛ばすことも出来る。

 爪がでかくて強そうですが、足とかに生えてる棘も痛そう……

 

・ラストジャッジメンター ギルバリス

 映画「劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!」に登場したロボット怪獣。惑星クシアの人々が作った人工知能。平和の為に作られたが「平和のために知的生命体は不要」と考えてクシアをサイバー惑星に変え、あらゆる星々を滅ぼした。通常時は白い塔のような姿をしているが、戦闘時は重武装した形態となる。また、多数のギャラクトロンを製造している。

 銃武装したギャラクトロンという印象を持っています。当初は機械の亀みたいな姿で、「メカガメラ」と呼ばれてたそうです。

 

・超音速怪獣 ヘイレン

 ドラマ「ウルトラマンマックス」に登場した怪獣。翼を使ってマッハ10を超えるスピードで飛行できる怪獣。特定の波長の音を放つ相手を敵と見なす習性がある。口から放つ火炎弾や衝撃波が武器。地上でもかなり移動速度が速い。

 飛行時だけでなく地上でも素早く動けるので、素早い怪獣と聞いて真っ先に思い浮かぶ怪獣がこのヘイレンです。

 

・火山怪鳥 バードン

 第5話を参照。

 

・凶悪翼獣 オオタチ

 第3話を参照。

 

・宇宙巨獣 キングゼロ

 ドラマ「幻星神ジャスティライザー」に登場した怪獣。幻星神を倒すためにバッカスが地球に送り込んだ怪獣。巨大な青い翼を持ち、突風を引き起こしたり空中を高速で飛行する。技は口から出す光線と突風と鋭い爪。

 青い鳥型の怪獣です。ドラマ「ウルトラマンオーブ」でマガバッサーが出た時は「キングゼロじゃねぇか!」と心の中で突っ込みました。

 

・合成恐獣 グラプター

 ドラマ「超星艦隊セイザーX」に登場した怪獣。サイクリードが鳥の化石にコスモカプセルのエネルギーを注入したことで誕生した怪獣。赤い鳥の姿をしており、翼で突風を引き起こし、エネルギーの反射や羽を飛ばして攻撃することも出来る。口からは光線を吐く。

 青い鳥型怪獣(キングゼロ)の次は赤い鳥型怪獣…… 超星神シリーズが4作以降続いたら緑の鳥や黄色い鳥の怪獣が出てたかも……

 

・メッサーM4

 ドラマ「スーパーロボット マッハバロン」に登場したロボット怪獣。ロボット帝国空軍が所有するロボット怪獣。前方から魚雷を発射する事が出来、両足がドリルとなっている。

 なかなか独特のデザインのロボット怪獣だと思います。特に両足がドリルになっているというのが……

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