GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! 平安大魔境 作:混沌の魔法使い
GS芦蛍外伝平安大魔境 その23
~美神視点~
蛍ちゃんを攫われた、私もヒャクメも危惧していた横島君が独断行動に出ると言うのは無かった。だけど、明らかに苛々とした素振りを隠そうともせず、時折その瞳が真紅に輝くのを見て状況はあんまり良くないと言うのはすぐに判った。
「神便鬼毒の対策が出来ない事には酒呑童子の元へ向かっても死ぬだけだ。だからもう少し落ちつけ」
「……俺は十分に落ち着いてますよ」
「嘘付け、シズク。ちょっと頭を冷やしてやれよ」
高島がそう言うよりも早くシズクは立ち上がる。
「俺は大丈夫、ちゃんと「……不安はわかる。蛍は大丈夫だ、少し落ち着け」
シズクが横島君の両頬に手を当てて、目を逸らそうとした横島君と無理やり視線を合わせる。
「大丈夫かな」
「……大丈夫だ。酒呑童子はお前に何かを見た。それを見るまでは人質である蛍に手を出す事は無い」
「そうですわ。あの手のタイプは自分が楽しむ事を優先しますからね」
シズクと清姫に言われて少しだけ落ち着いたのか、私を見てすいませんと言う横島君。だけど謝るのは横島君では無い、むしろ私のほうだ。
「ううん、謝るのは私。近くにいたのに何も出来なかったんだから……」
本当ならば何としても蛍ちゃんを連れ去ろうとするのと阻止しなければならなかった。だけどそれが出来なかったのは私のミスだ――神便鬼毒……いや、神変奇特酒のせいで動けなかったと言うのは言い訳にはならないのだ。
「とりあえず何とか神便鬼毒……ううん神変奇特酒に対策を何とかしないと」
神便鬼毒と言うのは恐らく、酒呑童子の伝承に組み込まれて、変質した名前だ。本来の名は神変奇特酒――頼光に授けられた神酒で、人間が飲めば力を与え、鬼が飲めば力を奪うと言う酒だったはずだ。
「すっごい稀少なお酒なのね~神魔でも滅多に飲めない極上のお酒なのね~」
そう笑ったヒャクメだが、次の瞬間には真剣な表情を浮かべた。
「でも~本当なら人間に力を与える筈なのね~なんで横島さん達が動けなくなったのか……そこが判らないのね」
「狂神石で性質が変わったって言うのはどうよ?」
「メフィストの言うことも最もだと思うが……そう思い込むのは良くないぜ?そもそも神変奇特酒じゃない可能性だってある」
そうかなと首を傾げるメフィストにそうだと言う高島。先入観と思い込み……それに足を掬われたばかりだから高島の言う事も最もだ。
「……いや、あの香りは間違いなく神変奇特酒だ。断言出来る」
「ええ、少し邪悪な霊力が混じり変質してますが間違いないです」
2人の言葉を聞いてヒャクメに視線を向けるとヒャクメは手をぶんぶん振る。
「あんな稀少なお酒なんて殆ど飲んだことが無いから~絶対なんて言えないのね~!」
本当に肝心な所で役に立たないんだから、でもシズクと清姫がそう言うのならば神変奇特酒で間違いないだろう。
「神便鬼毒と言われて何の事か判らなかったが、神変奇特酒の事だったのだな……となると対策は取れる」
帝達を安全な場所に送り届けてくる為にいなかった西郷さんが話の中に入ってきた。
「本当に対策なんて取れるの?」
「……取れるちゃあとれる。だけど俺としては出来れば外れて欲しかった」
高島が頭を掻きながら言うと西郷さんがその気持ちも判ると肩を竦め、その理由を教えてくれた。
「正八幡大菩薩に授けられた酒だ。確かに稀少ではあるが入手できないわけでは無い。それを飲んで赴けば神便鬼毒は無力化出来るだろうだが稀少な品だから、用意出来て1人分だ」
その言葉にやっぱりと私達は思った。神変奇特酒が稀少と言う訳では無い、用意出来る量が1人分と聞いて、またこうなったと誰も口にしないが感じていた。英霊との戦いに人間は介入出来ない――それは当たり前の事だ。神話に名を刻まれた存在は神に近い、そんな相手に牙を剥こうと考えること自体がおこがましい。本来ならば英霊と戦える存在として清姫とシズクがいる……だけど相手の持つ酒は神魔さえも酔わす酒。こうなると神魔であること自体がハンディになる……つまりこの場で蛍ちゃんの救出に迎えるのは1人しかいなかった。
「俺が行きます。金時も力を貸してくれるから」
また横島君1人で送り出す事になると言う事を意味していて、どうしても暗い気持ちになった。だが横島君は既にやる気になっていて、それがますます私達を気落ちさせていた。
【酒呑は俺が止めるさ。どーんっと任せて俺達を送り出してくれ】
確かに金時がいれば心強いが、金時も金時で酒呑童子と因縁がある、そこがどうしても不安要素になる。
「眼魂を持っていくなら、シズクと清姫も同行出来るんじゃないかしら?」
私がその事に気付き提案したが、それは茨木童子に却下された。
「酒呑は横島と金時だけを待っている。他の人間や神魔がいれば……」
【あいつは躊躇い無く蛍を殺すと思うぜ】
いいアイデアだと思ったのだが、やはり私達はいつも横島君が行くのを見ているしかない。そしてそれは今回も同じ、何故なんで横島君ばかりがこんなにも辛い戦場に行かなければならないのか……どうして私は見ているしか出来ないのか……。この無力感は私だけでは無い、きっと横島君に関わる全員が胸に抱いている思いだろう。
「……横島、汝は酒呑を殺すか?」
他人がいれば酒呑童子が蛍ちゃんを殺すと警告した茨木童子は横島君にそう問いかけた。
「俺は茨木ちゃんの友達を止めたい、そして蛍を取り返したいだけだよ」
茨木童子は横島君を見つめ、横島君もその目を見つめ返す。暫くそうしていると茨木童子は諦めた様子で溜め息を吐いた。
「判った。酒呑の所に案内する、いる場所は吾にしか判らないだろうからな」
「ごめんね」
「良い……横島なら酒呑を元に戻してくれると吾は信じる」
元に戻す……。その言葉に私達は首を傾げた、私達の予想では酒呑童子は狂神石の影響を受けていないと感じていた。
「違う、酒呑もあの石の影響を受けている。もっと酒呑童子は意地悪だ」
……だから狂神石の影響を受けているとドヤ顔の茨木童子に屋敷の中に満ちていた悲壮感は消え。1人また1人と笑い出し、何時の間にかいつもの雰囲気へと変わっていたのだった……。
~蛍視点~
酒呑童子に連れ去られた私は何処かの山の中……ううん。多分、大江山の中にいた。だけど私は目の前の光景を受け入れられないでいた。
「貴女は何がしたいの?」
【ん~?果物は好かん?】
私の前に果物を置いて、自身も口にしている酒呑童子が何を考えているのか判らなかった。
「別に嫌いってわけじゃ」
【ほな食べたらええ。毒なんてあらへんで】
にこにこと笑う酒呑童子。今は機嫌がいいけど、気分を損ねると自分が危ないと思い目の前の果物を口に運んだ。
「あ、美味しい」
【美味しいさかい勧めたんや】
ころころと上品に笑う酒呑童子が何を考えているか本当に判らなかった。
「何の為に私を連れてきたの?」
何で私を連れてきたのか、そして人質なのに拘束もしていない。その理由が判らず、思わずそう尋ねる。
【確かめたい物があるんや】
そう言った酒呑童子の瞳は不安と恐怖に揺れていた。その目の色は私に良く似ていた……
【王子様はお姫様を助けに来るんやん?うちはそれ見たい】
「お姫様って私?」
【そう、あの子供にはあんたがお姫様。だから連れてきたんや、それに……あんたはなんとのううちに似てる】
狂神石に狂わされているとは思えない、しっかりとした口調に驚いた。そしてそれと同時に、狂神石に飲まれていないのならば、その力を与えられても狂っていないのならば……仲間になってくれるのでは無いか?と言う淡い期待を抱いた。だがそれは誰でもない、酒呑童子に否定された。
【狂いそうになるのを必死に耐えてる、あんたの考えてるようなことはあらへん】
ころころと上品な笑みを浮かべているが、耳を澄ますと歯を噛み締める音が聞こえてくる。平気そうにしているが、その実本当は今にも狂いそうなのだろう。
「そのために私に話しかけたの?」
【気ぃ紛れるさかいな】
私と話をしているのは自分が正気を保つ為の行動であり、人質ではあると同時に私は完全に狂わないためのストッパーだったようだ。丁度そのとき茂みを掻き分けて、茨木童子が姿を見せ、その後ろに横島の姿があった。私を見てほっとした表情をしている横島を見て、私もやっと安心出来た。
【来たか、茨木。あんたはうちの敵か?】
「否、吾は見届けるだけだ。横島にも、酒呑にも敵対したくない」
【甘いな、そやけど茨木らしいわ】
酒呑童子は楽しそうに笑い、舞うようにその場に浮かび上がった。
【小僧も一緒か?】
【ああ、俺ッチもいる】
横島の後ろに坂田金時が姿を見せると酒呑童子は楽しそうに笑った。楽しくて楽しくてしょうがないと言わんばかりに唇を吊り上げた。
「蛍は返して貰う」
【アーイ!シッカリミナーッ!シッカリミナーッ!!!】
金色のパーカーが横島の周りを踊りだす。それを見て、酒呑童子は虚空から身の丈をゆうに越える刀を引き抜き構えた。
【ええで。うちを倒せたらね】
「判った。あんたを倒して、蛍を取り返して、茨木ちゃんとの約束も守る」
【なんや。えらい欲張りやな、鬼よりも鬼らしいで】
このとき初めて、酒呑童子が横島を見たようだ。目を見開き、驚いたような顔をしたと思うと、声を上げて笑い。そう口にした、しかし和やかな雰囲気はこれで終わり、酒呑童子からは刺すような殺気が溢れ始めていた。
【茨木、この子連れて行って、巻き込まれたら危ないさかい】
「……判った」
予想外な事に酒呑童子は私を茨木童子に預けると言って、茨木童子は私を肩に担いで引き返す。
「もうちょっと優しく」
「五月蝿い」
振動と肩がお腹にめり込んで凄く痛いのでもう少し優しくと言ったが五月蝿いと両断されてしまった。
「蛍を先に返してくれるなんて優しいんだな」
【うちの目的はあんた達やさかい、来た段階であの子はもうどうでもええ】
横島と金時を誘い出すという役目を終えた私はもう用済みだと笑い、私にも茨木童子にも視線を向けず、ただ横島とその周りを踊る金時パーカーゴーストだけを見つめる酒呑童子は穏やかに、しかし獰猛な殺意を隠しもせず笑った。
【ほなそろそろ始めよか?】
「変身ッ!」
【カイガンッ!金時!雷光!正義!ゴールデン・スパークッ!】
酒呑童子の言葉に頷き、横島が変身する。雷の中に消えた横島が腕を振るい雷の中から姿を現すと同時に、酒呑童子は地面を蹴り横島へと飛び掛っていくのだった……。
~茨木童子視点~
正直吾はこれで良かったのかと悩んでいた。酒呑は鬼として尊敬しているし、何よりも大事な友である。しかし横島もまた、それと同じくらい大切だと思っている。人間なのに、不思議と父や母と共にいるようなそんな安心感があった。
【あの時の続き見たいやなあ!】
「くっ!?」
高速で振るわれる酒呑の刀に横島は対応しきれていない、だが辛うじて紙一重でかわす事が出来ているのは横島の反射神経が秀でているからだろう。
【鬼はんこちら、手の鳴る方へ♪】
「鬼はそっちだろ!?」
【あはははッ!そうやねえッ!】
横島の反撃は舞うようにかわし、手を叩いて自分はこっちだと笑う酒呑童子。それを見て吾は確信した、やはり酒呑も辛いのだ。確かに鬼にとっては戦いも娯楽である。だが自分を倒す可能性のある相手にあそこまでおどけるような素振りを見せるのは酒呑らしくない。
「……全然見えない」
蛍が呆然とした様子で呟く。確かに酒呑も横島の動きも早い、だが酒呑の動きにいつもの切れは無い。
【酒呑……お前……】
横島に憑依している金時もそれに気付いたのか、若干やりにくそうにしている。だが酒呑はその視線に気付くと目に怒りの色を浮かべた。
【いらんこと考えとってええの?】
【「ガッ!?」】
刀を地面に突き刺し、回し蹴りを叩き込む酒呑。その威力は凄まじく、吹っ飛ぶ横島を見て思わず声を上げかけたが、どちらにも味方しないと言った以上声を出すのを堪え、浮かしかけた腰を下ろす。
【不意打ちちゃうと勝てへんの?】
酒呑の挑発に明らかに金時に怒りと動揺の色が浮かんだ。そうだ、そうだよな……金時だって、あの決着は納得していないのだろう。
【いいや、違うぜ。酒も、騙し討ちも必要ねえ。真っ向からお前を倒す!!】
【ふふふ、やってみい?】
金時の言葉に酒呑から怒気が消えた。それを見て安心して吾は酒呑と横島の戦いを見ていられるようになったのだ。
「やっぱり尾を引いてるの?」
「当たり前だろうに」
戦って負けるならいい。だけど酒に毒を混ぜて動けない所を闇討ちすると決めたあの牛女を吾も酒呑も憎んでいる、どうせ死ぬのなら、どうせ悪と裁かれるのならば……戦って、思う存分相手を傷つけ、自分も傷ついて……。
「その上の敗北ならば吾らも文句は言わない、だがあんな結末……受け入れられる物か」
英霊となったとしてもそれは変わらない。よりによって、あの牛女が操られ、それを倒す為の抑止力として召喚されたが、時代も時代なので吾は完全に受肉し、酒呑童子も受肉したが、1度敗れた事で霊体になっている。それでも、吾達はここにいる。確かにここにいる……
(ああ、そうだ。これだ、酒呑が吾に案内せよと言った意味が判った)
ここは吾達が酒を飲み、宴会をした場所――姿は見えないが、同胞の声が聞こえてくる気がする。
【へへ、やっぱり酒呑は強ええな!】
【当たり前、そう簡単に負けたりしいひん】
酒呑と金時の声が重なる。戦いではある、だが今は純粋な力比べになり。あの時の、騙し討ち、闇討ちであやふやになった戦いの続きだ。
回りにあの時の仲間の声は聞こえない、その姿も見えない。だけど確かにいると感じていた……。
【そら、避けんと死んでまうで?】
「【誰が!】」
金時の姿こそ違うが、これはあの時ありえなかった真っ向からの戦いだ。吾はそう感じていた、だからどちらも応援しないと言った自分を僅かに後悔した、横島も酒呑も応援したいと思った。何度も白刃が交差し、互いの拳が交差する。だがそれは決して粗暴では無い、確かに互いの命を奪い去る必殺の剣舞ではある。だがそれには恨みも憎しみもない、ただ純粋にどちらが上かと言う戦いだ。それは見る者全てを引きつけ、そして魅了する。命のやり取りだからこそある怪しい輝きと魅力、それに吾も蛍も、そしてその当事者である酒呑も横島も金時もそれに気付かなかった。
【ごぽ……はは、やっぱしかぁ】
風切音と酒呑の諦めきった声……酒呑の腹に西洋剣が突き立っているのを見た瞬間。吾は立ち上がり、剣を投げた相手目掛けて右腕を突き出していた。
「……姦計にて断たれ、戻りし身の右腕は怪異と成った!走れ叢原火ッ!!!――羅生門大怨起ッ!!」
凄まじい勢いで飛ぶ吾の右腕、それは確かに下手人を貫いた。だが手応えが無かった……。
『狂神石を克服したと思ったが、その振りとは騙されたよ。だが狂神石を克服していないのならば、噛み付いてくる駒はいらん。去ね』
山の中に木霊する男の声――それはアスモデウスとか言う西洋の神魔の声だった。仕留められなかった事に唇を噛み締める。
【酒呑!おい、酒呑!!こ、こんな決着なんて認めねえぞッ!!】
胸に剣が突き立った酒呑の名を叫ぶ金時の叫び声を聞いて吾も金時の元へ走るのだった……。
~金時視点~
横島との憑依を解除して、血を吐き倒れる酒呑を抱き止める。
【おい、おいッ!酒呑ッ!なにやってるんだよ!お、お前ならこの程度で死ぬわきゃねえだろ!】
【いやあ、えらい前から無理しとったさかい……ここまでみたいやな】
口元を血で汚した酒呑の姿に頼光の大将に首を切られ、俺の腕の中でお先にと笑った姿がダブる。息を吸っているのに息が出来ない、どんどん息苦しくなるのを感じた。
「しゅ、酒呑……」
【泣かへんの……うちは十分楽しんだ】
【楽しんだって何だよ!こ、こんな終わり方なんざあんまりだッ!!】
こんな終わり方なんざ、俺も酒呑は勿論、横島だって望んでいない。
「……止めないのか?」
「いい。どうせ止めてもやるだろうし……しょうがないから、私も美神さんに謝ってあげるわ」
【そうだな、それに酒呑童子が協力してくれることになれば、私達も楽になる。今回は目を瞑ろう】
背後で横島と蛍が話をしているのが聞こえるが、俺達はそれ所ではなかった。
【首今度こそ切ってくれへんか?】
消滅しかけている身体で髪を持ち上げてうなじを見せながら言う酒呑に俺は思わず息を呑んだ。
「しゅ、酒呑!?お前何を!?」
【2回もあないな不意打ちで死にたないんや、だから小僧に今度こそ首を切ってもらうんや】
だから消える前に首を切ってくれと言われ、俺は黄金喰いを手にする。だけど、みっともないくらいにその腕は震えていた。
【酒呑……良いのか?】
【ええで。いや、ほんまはかなんけどあないな奴に殺されたない】
「や、止めろ!また酒呑を殺すのかッ!」
消えかけているが強い意思を込めた口調で言われ、俺は茨木が静止するのを無視して黄金喰いを振り上げ、目を閉じて振り下ろした。
「駄目だッ!」
【な、よ、横島!?】
目を閉じた一撃は横島が割り込んだことで防がれていた。
【何で止める!?】
「止めるに決まってるだろうが!そんなにつらそうな顔をしている奴を黙ってみてられるか!」
そう言われて初めて気付いた、俺の目から涙が溢れていることに……。気付いてしまうと、俺はもう黄金喰いを持っていられなかった。
【酷いな。せめて小僧に殺されたいのに……】
「大丈夫、俺にはこれをどうにかする手段がある」
横島が両手で印を結ぶと白い眼魂がその手の中に現れる。
「これに入れば死にはしない。だけどその代りにこれからの戦いを手伝って貰う」
【はは。なんや、やっぱしあんたは鬼よりも鬼らしいで、助ける変わりに一緒に戦えって事やろ?】
「そうなる、だけど俺は金時も茨木ちゃんも辛い顔をしているのは見たくないだけなんだ」
横島の言葉に酒呑は楽しそうに笑い出した。そして髪を下ろし、胸元まで消滅している身体を横島に向ける。
【ええで。あの無礼者を殺せるんやろ?手伝うわ】
「それじゃあこれからよろしく、酒呑さん」
横島はそう言うと酒呑に眼魂を当てる。酒呑の姿が眼魂の中に消え、紫と赤と黒の3色に染まった眼魂を茨木に渡す。
「い、良いのか?」
「多分と言うか確実に、暫く酒呑さんが意識を取り戻す事は無いだろうし……茨木ちゃんの友達だから、預けるよ」
「……ありがとう。横島」
【俺も言うぜ、ありがとうよ】
あんな不完全燃焼で終わらなくて良かったと横島に感謝の言葉を告げる。
「ありがとうって言うなら美神さん達の説得手伝ってくれよ。絶対怒られるからさ」
「そうよね……茨木と金時も協力してくれれば上手く説得出来るかも」
師匠に怒られると青い顔をしている横島と蛍に俺と茨木が任せてくれと言ったのは当然の事なのだった……。
GS芦蛍外伝平安大魔境 その24へ続く
NEW眼魂「酒呑童子」GET。正し、意識不明なので使えても英霊憑依モードは無理と言う状態ですね。次回からは道真公の話に入って平安編の完結に向けて書いて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。