GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! 平安大魔境   作:混沌の魔法使い

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その32

 

GS芦蛍外伝平安大魔境 その32

 

 

~小竜姫視点~

 

狂神石で暴走している横島さんの圧力は凄まじい物で、背中に冷たい汗が流れるのを感じた。元々持ち合わせている膨大な霊力と狂神石の魔力の相乗効果で、仮に防御をしてもその上から押し潰すとい言う圧倒的な膂力、しかも狂神石の力を使っているので下手に攻撃を喰らえば、私も狂神石に浸食されるかもしれないと言う攻撃するのも、防御するのも難しいという圧倒的な不利な状況だ。

 

(でもだからと言って、諦める理由にはならない)

 

例え勝てないとしても私には諦める理由にはならない、私は横島さんを助けに来たのだ。それを成し遂げる事も出来ず諦めるなんて事は出来る訳も無い。

 

【ビカラ、パワードボアッ!!】

 

「ッ! ちいっ、馬鹿力がッ!!!」

 

シズクさんの作り出した何十枚もある厚さ20Cmはありそうな氷の壁は砕きながら突進してくるシェイド。その姿に重なるように見える半透明のビカラの姿を見ながら両手に持った神剣をクロスし、後ろに向かって跳んだ。

 

「くっ!?」

 

氷の壁、そして神刀による防御に加えて、当たる寸前に自分から跳んだと言うのに私の身体は大きく弾き飛ばされる。物理的な攻撃だけではない、概念的なものも付与されているからこそのこの不可解な攻撃――12神将の力を使っていると言うのも納得だ。

 

【オッラアアアアアアアーーッ!!】

 

大上段から斧の柄を両手に持った英霊――「坂田金時」の裂帛の気合と共に振るわれた一閃。それは当たれば、神魔でさえも一撃で昏倒させうる力を秘めた一撃だろう。

 

【メキラ ディメンジョンステップッ!】

 

だがどれだけ強力な一撃も当たらなければ何の意味もない。掻き消えるようにシェイドの姿が消え、金時さんの斧が地面にめり込みクレーターを作り出したがそれだけだ。横島さんには何のダメージも与えれていない……それよりも掻き消えたシェイドの姿も気配も無く、あちこちを見回すが、知覚出来るほどの霊力も魔力も全く検知出来ない

 

「金時後ろぉッ!!!」

 

美神さんの言葉に振り返ろうとした瞬間、機械合成音による不気味な声と背筋が凍りそうになる霊力と魔力が再び現れた。

 

【ダイカイガンッ! 12魔神将ッ! オメガドライブッ!!】シッ!!【が、がああああーーッ!?!?】

 

後ろ回し蹴りで吹き飛ぶ金時さんは霊力の爆発に飲み込まれながら苦悶の声を上げてその姿を消した。消滅……した訳じゃない、過度のダメージによって一時霊体化したのだろう。

 

「……ちっ、強い」

 

「ええ。そうですわね……」

 

「……これが横島さんが到達しえる1つの高みと言うことなのでしょうね……」

 

横島さんは今も成長を続けている……雛と言ったらおかしな物だが、まだどんな成長を遂げるのか判らない未知の所がある。霊力、魔力、神通力、そして竜気……それら全てを発揮し始めているその姿は横島さんが到達しえる1つの姿なのだろう。

 

「……あんなのを横島の1つの形として認めるのか?」

 

「まさか、ただありえる1つと言うだけですよ。認める、認めない以前の問題です」

 

確かに今の横島さん……いや、シェイドは最上級神魔にもその手が届くかもしれない。だけどそれとこれとは話が違う。あんな知性も何も無く戦闘しか出来ない。しかも横島さんらしい柔軟な発想も、楽しささえ感じさせてくれるやり取りも無い。あんな強いだけの今のシェイドを横島さんと認めれる訳が無い。

 

「今の横島様にあれだけの力を使わせるのはリスクが高すぎます。ベルトを奪いましょう」

 

「ええ、そうしましょう。幸い外れかけていますからね」

 

さっきの私の一撃でベルトは腰から外れかけている。直接的な方法で打ち倒すのではなく、ベルトを外して変身を強制解除させる。私達の作戦はそれに決まり、ゆったりとした動きで拳を握るシェイドの腰のベルトを睨みつけるのだった……。

 

 

 

 

~ビュレト視点~

 

俺と千年前のシズクと清姫、そしてメフィストの4人を相手にしても、アスモデウスの方が一枚上手だった。いや、正しくはアスモデウスとガープの方が一手上だった。

 

「ちいっ、なんだ、随分と見ない間に嫌な戦い方を覚えたな?ええ、ガープ」

 

【知性的と言って貰いたいな。私はお前達の様に脳味噌まで筋肉ではないのだよ】

 

分身だからそこまで強力な術は使えない、だが幻術、防御、強化を自在に切り替えアスモデウスと共に上手く戦っている。

 

「でやあッ!!」

 

「温いな。そんな雷が我に効くと思うなッ!!」

 

並みの神魔なら一撃で戦闘不能にする事も可能なメフィストの電撃も片手で殴り飛ばし、炎の弓を構えるアスモデウス。

 

「ッ! ぐっ!?」

 

それを見てシズクが氷の壁を作り出したが、その壁を容易に貫通しシズクの身体が凄まじい勢いで後方に向かって吹き飛ばされた。

 

「シャアアッ!」

 

「お前は我をなめているのか?我の本懐は炎を操る事だぞ」

 

「きゃあッ!?」

 

清姫の炎を片手で吸収し、自分の炎も混ぜて打ち出すアスモデウスに清姫の身体も吹き飛んだ。それを見て、俺は舌打ちした。

 

「お前ら邪魔だ!小竜姫の方を手伝って来いッ!」

 

「な、何を」

 

「お前らの攻撃が対策されてるんだよ!弱り切ったところを捕獲されたどうするつもりだ! 未来がどうしようもなく乱れるんだぞッ!」

 

俺の言葉にメフィスト達が驚いた表情をするが、俺の考えで間違いない。1000年前のシズクと清姫がいなくなれば、横島の側のシズクと清姫も消える。そしてメフィストが死ねば、美神も消える。そうなれば、横島の戦闘能力は格段に落ちるだろう、いやもっと言えば守る相手がいなくなり、未来に戻ると同時に横島がガープ達の手中に落ちていると言うことにもなりかねない。そうなれば俺達は完全に詰み、過去に遡れるガープと過去を変えて未来を変える能力を持つ横島によってガープにとって都合の良い世界を作られたらそれで終わりだ。

 

「思いのほか冷静だな。お前1人で我とガープに勝つつもりか?」

 

「は、俺だってただ無駄に時間を過ごしていた訳じゃねぇ」

 

メフィスト達が離脱し、数の利は失われた。だがそれでも俺は負ける気なんて毛頭無かった。

 

「てめ、肺怪我してるだろ? 丁度良いハンデだと思わないか?」

 

「……ふっ、そうだな」

 

肺に恐らく折れた肋骨が刺さっている。呼吸が乱れているのが近くに行けば良く判る。狂神石をモルヒネ代わりにして我慢しているんだろうが、それも長くは持たないだろう。

 

【だが、お前1人でッ!】

 

「っと、悪いな。俺は昔から手癖が悪いんでな」

 

ノーモーション、詠唱なしの魔術。天界の連中に聞きまわってやっと身に付けた新しい俺の武器だ。

 

【付け焼き刃で私とアスモデウスに勝てるとでも?】

 

「わるいな、生憎俺は最初から勝つつもりなんてねえよ」

 

剣を両手に構えて腰を落とす。正直に言えば俺自身の手でアスモデウスとガープを殺して、こんな馬鹿な事は止めさせたい。だが狂神石の力を持つアスモデウス達には勝てない、いやもっと言えば俺がベリアルが抜けてからずっと2人で戦い続けてきたアスモデウス達の方が俺よりも強いのは明らかだ。

 

「横島の暴走を止めれば、俺達の勝ち……そうだろう?負傷を押してもここに残っているのはその為だろ?」

 

横島が狂神石に完全に飲まれるのか、それとも美神達がそれを止めるのかそれを見届ける為だけにアスモデウスはここにいる。俺が来たから戦う流れになったが、そうでなければ慎重な性格のアスモデウスが負傷をしていて戦うという選択はしないだろう。

 

「ならば時間の奪い合いだ。精々楽しませろよ」

 

【付け焼き刃ではないか、確かめてやろう】

 

「はっ!言ってろッ!油断してるとてめえらの首を刈り取るぜッ!!」

 

横島の暴走が止まるのが先か、それとも狂神石の力が無くなりアスモデウスが力尽きるのが先か……時間の奪い合いとは上手く言った物だなと笑う、俺もアスモデウスも実力ではなく時間により勝敗が決する。一秒でも長く、相手を足止めする。一秒でも早く相手を戦闘不能にする――互いにそれだけを考えてほぼ同時に地面を蹴り、互いの獲物の剣を振るうのだった……。

 

 

 

 

 

~西郷視点~

 

高島が死んだと言っても何時までもほうけている時間はない。京を守る為に、私は立ち上がらなければならない。

 

(そうだろ、高島)

 

私は貴族、高島は平民……それでも私達は友情を育んできた。どちらかが死んでも、京を守るために戦うと私達は約束したんだ。その誓いを無碍になど出来る訳が無い。

 

【う……西郷】

 

「た、高島」

 

立ち上がろうとした時、高島の身体から抜け出た魂が私に声を掛けてきた。

 

【横島は俺が何とかする。メフィストを呼んでくれ、それとこれを道真公へ】

 

メフィストを呼べ、そして正と刻まれた文珠を渡して消えた高島に最後まで自分勝手な奴だと涙が零れる。

 

「メフィスト!高島が呼んでいるぞ!」

 

「え!?高島殿がッ!?」

 

私の呼び声にメフィストが振り返り私の元に来る。すると消えていた高島が姿を見せて、邪魔だと言わんばかりに手を振る。その姿に最後まで自分勝手な奴だと泣きながら笑い、倒れている道真公の元に駆け寄り正……即ち正気と言う言葉が込められた文珠を発動させる。

 

【む……せ、拙者は……】

 

「道真公。お力添えを、貴方を操った西洋の悪魔を打ち倒す為に貴方のお力をお貸しください」

 

シズク様達は奮闘しているが暴走している横島を止めるには力が足りない。確かに今は押しているが、それでもまだ力が足りないのだ。

 

【……拙者にはそれほど力は残っていないが……力になれるのならば】

 

「助かります」

 

道真公に肩を貸して高島の元へ戻ると、美神や蛍も高島の遺体の側に集まっていた。

 

「ちょっと正気!?」

 

【ああ、正気も正気だ。今の横島は完全に暴走している楔が必要だ】

 

「で、でも!そんなことをすれば高島殿は転生出来なくなるかもしれない!」

 

メフィストの転生出来なくなるの言葉に慌てて高島の元へ足を向ける。

 

【おう、西郷。道真公を正気に戻してくれたんだな。ありがとよ】

 

「何の話をしていた?」

 

【横島と俺の魂は良く似ている。道真公の文珠と、メフィストとの契約で俺の魂の一部を横島の魂に移す】

 

理屈は判る……だがそれは横島に自分の魂の欠片を残すという事……それは高島が完全な形で転生するという事を諦めたという事に他ならない。

 

「……私は、横島君を止めてくれるって言うなら、高島の策に乗りたい」

 

「わ、私もです」

 

高島は美神達にとっては過去の人間だ。自分達にとっての未来の人間の横島を救いたいと思うのは当然の事だ……だがメフィストはそれを受け入れられない。

 

「い、いやだ。あたしは嫌だよ!?」

 

【メフィスト……頼むよ】

 

「い、嫌だ……だってもう高島殿に会えないって事だろ!?あたしはそんなの嫌だ」

 

確かにそれを言われれば私だって嫌だ。だが……そうではない、そうではないのだ。

 

「死とは、少しの別れに過ぎない。メフィストはまた高島に会える」

 

何千年もの時を経て、美神と横島として人間として2人は出会える。

 

「私はどうだ?未来で横島に会えているか?」

 

「はい……西郷さんも会えてます」

 

そうか……時を越えてもなお、私と高島の縁は切れないか……。

 

「なら、メフィスト。力を貸してやって欲しい、高島の最後の願いだ」

 

「っくう……判った。判ったよ……」

 

【すまない、ありがとう】

 

「最後まで我侭な奴だ、いつまでも振り回される私の気持ちを知れ、馬鹿」

 

私は笑えているだろうか……別れの時は互いに笑って見送ると約束したんだ。だから私は泣かない、泣きたくない。約束を……誓いを守る為に。

 

【今度は迷惑を掛けないように気をつけるよ。だから、またな】

 

「ああ。また」

 

さよならは互いに言わない、遠い未来でまた会おうと約束する。私と高島の最後はこんな形が相応しい。

 

【願ってくれ、その想いを。俺は横島に届ける……道真公。文珠を……】

 

【ああ。判った】

 

3つの文珠が美神達の前に浮かび上がり、願、願、届の3つの文字が刻まれた。その霊力を感じ取ったのか横島がが振り返りガンガンブレードベルトに翳す。

 

【グルルルルッ!!!ガオオオオオーーーンッ!!!】

 

半透明のショウトラのオーラが現れ、雄叫びを上げると横島が頭上に振り上げたガンガンブレードの中に飛び込み、その刀身を漆黒の霊力が包み込んだ。

 

「まだかッ!?」

 

「駄目ッ!この位置じゃ遠すぎるッ!」

 

文珠を使うには距離があり、そして高島とメフィストの別れにはまだ早すぎた。

 

【メイジテミナー! メイジテミナーッ!!】

 

【ウォオオオオオオオ―――ッ!!!】

 

【ダイカイガンショウトラッ!ハウリングバイトッ!!!】

 

頭上から袈裟切りに放たれた刃から飛びだした巨大な犬の頭部が地面を抉りながら美神達に迫る。

 

【させん、させんぞおッ!!】

 

その前に躍り出たのは道真公だった雷その物が刃になったような剣を振りかざし、漆黒の牙と鍔迫り合う。

 

【ぐ、ぐうう……すまぬ、操られた事をこの程度で償えるとは思えぬが……許し……】

 

【ガオオオオオンッ!!!】

 

一際大きな雄叫びと共に道真公の刃は砕け散り、漆黒の犬に噛み付かれ大爆発した霊力の中に消えた。

 

「み、道真公ッ!!」

 

「くっ!ギリギリ間に合いましたッ!!」

 

道真公の名を叫んだ瞬間、地面を削りながら小竜姫が姿を現し、肩を噛み千切られ意識を失っている道真公を地面に降ろす。

 

「……急げ、もう時間がないぞッ!」

 

「シャアアアアアーーッ!!」

 

最後の目晦ましだと言わんばかりに放たれた水流と火炎がぶつかり合い、周囲に白い煙幕を作り出す。

 

「……高島殿……また……ね?」

 

【おう。メフィスト……またな】

 

そして私達の前で高島の魂が形を変え、眼魂へとその姿を変え、文珠と共に暴走している横島の胸に突き刺さりその姿を消し、シェイドの身体から12の獣が浮かび上がり、その周囲を駆け回りながら周囲を覆っていた煙幕を消し飛ばす。

 

【見せてやるぜ、陰陽師高島の最後の力をなぁッ!!】

 

【ダイテンガンッ!!木土!土水ッ!水火!!火金!金木!五行相克ッ! 大!大!!大!!!大ッ!!!!陰陽師ッ!!!!】

 

漆黒から白銀へ、12神将の衣装を持つ全身鎧を纏った白銀の仮面の戦士が私達の前に現れた。高島の最後の力であり、未来へと託した希望の姿を見て、私は堪えていた涙を抑えきれず涙を流すのだった……。

 

 

 

~シズク(千年前)視点~

 

高島の魂が横島の身体に入ったのを見て、私も清姫も漠然として悟った。これで高島とは別れなのだと……魂の最後まで燃やし尽くして、そしてあいつは逝ってしまうのだろう……。

 

「……悲しいな」

 

「そうです……ね。悲しいですね」

 

私達に申し訳なさそうな視線を1度だけ向け、高島は地面を蹴ってアスモデウスへと飛び掛る。

 

「ぐっ!? き、貴様何を!?」

 

【人間の底力、人間の覚悟を見せてやるぜッ!!】

 

剣指を切ると空中に陣が浮かび火や水が飛び出し、アスモデウスにへと襲い掛かる。

 

「お前……いや、何も言わないぞ。俺は」

 

【ああ、ただの馬鹿な人間の馬鹿な意地だ。何も言わないで、最後まで見届けてくれ】

 

両手に剣を持ち、アスモデウスに切りかかり、蹴りを、陰陽術を交えながら高島は最後の戦いに身を投じる。

 

「……私は慢心していたのかもな」

 

「そうですわね」

 

最上級の龍神と言う立場に私は甘えていたのかもしれない。高島を守る事も出来ずに死なせてしまい、そして命を、魂を燃やして戦うその姿をただ見ているだけしか出来ない……。

 

「……私は霊脈の上で眠る。もっと力をつける」

 

「そうですか、では私は天界へ帰りましょう」

 

「「もう2度と、こんな思いをしない為に……」」

 

「シズクさん、清姫様……」

 

小竜姫が悲しそうな視線を私達に向ける。その目は何を言っても私達の決意が変わらないこと、そして自分が何も出来ない事を感じているのが痛いほどに伝わってきた。

 

「……見届けろ。お前も、1000年の時を越えて、見ているだけではない。今度こそ、あの悪鬼を打ち倒す為に」

 

「……2度、私達は敗れません。その誓いを立てましょう」

 

「はいッ!」

 

神魔であるからこそ私達は不自由だ。だが、それでも自分の意志までは不自由になったつもりはない。愛した男を……例え、この愛が叶わないとしても、その思いは決して誰にも覆されるつもりも、否定されるつもりも無い。

 

(もう2度と……こんな思いはしない)

 

きっと清姫もそう思っているだろう。何も出来ず、見ている事しか出来なかった……この悔しさを、アスモデウス達への憎しみを決して私は忘れない。1000年後の私が横島の側にいるというのならば、2度とこんな思いをしなくて済む様に、もっと力を付けることを誓った。

 

【でやぁッ!!!】

 

「がっ、ぐううっ!?」

 

剣による一閃と陰陽術の追撃によってアスモデウスが全身から煙を散らしながら転がり落ちてくる。

 

「これが……横島の力か、ふふふ、ふははははははッ!見届けたぞ確かにその力をッ!」

 

【てめらはここで1度退場だ。いや、そのまま表舞台になんか立つんじゃねぇ】

 

「ありえもしない事をいう物ではない。だが敗北は認めよう。この痛みを、お前の魂を受けて我は敗北を認めようぞッ!!」

 

大の字に手を広げ、打ってこいと言わんばかりに吼えるアスモデウス。その隙だらけの姿を見ても私達は動かない、アスモデウスに引導を渡すことが出来るのは……横島の身体を蝕む狂神石を振り払う為に己の存在を賭けた高島だけだ。私達に出来る事はこの戦いの結末を見届け、2度とこんな思いをしない為に力をつけることだ。

 

【ダイカイガン! 陰陽師オールドライブッ!!!】

 

【でやああああああーーーーッ!!!】

 

「ぐ、ぐううう、ぐおおおおおおおおーーーッ!!」

 

5つの五芒星が空中に浮かび、五芒星の中心を潜り抜けながら急降下した高島の飛び蹴りがアスモデウスの胸部を捉え、大きく蹴り飛ばされたアスモデウスの姿と雄叫びが爆発の中に消え、地面に高島が着地すると同時に白銀の姿は鮮やかな黄色の姿へと変わった。

 

【オヤスミー】

 

「……う……あ」

 

「横島!」

 

「横島様ッ!」

 

千年後の私と清姫が横島を抱きかかえる姿を見ながら、私達の前で陽炎のように消えかけている高島をジッと見つめるのだった……。

 

 

GS芦蛍外伝平安大魔境 その33へ続く

 

 




次回で決着、そして平安時代編を終了して、少し幕話を書いてファイナルに入って行こうと思います。平安編も後1話30話近く書いてきましたが、次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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