はX視点、という意味です。
第一話 2人の我妻
side 善逸
日も暮れてしばらくしたころ、俺はある森に来ていた。今日はいよいよ鬼狩りとしての初任務。普通の鬼狩りなら期待に胸を膨らませるところだが、俺は全く膨らませていない。むしろものすごくしぼんでいる。何故かって?だって鬼が怖いんだもん‼︎俺がすぐ死ぬのが分かるんだもん‼︎というか選別試験で死ぬと思ったのに‼︎なんで俺生き残ったの⁉︎なんでぇぇぇ⁉︎
「チュン太郎、俺帰っていいかな?」
「チュンチュン!」
どうやらダメみたいだ。全く、厳しい世の中だぜ‼︎はぁっ、誰か俺を勇気付けてくれる、可愛い女の子が来たりは…………
「あれ、もしかして君も鬼狩りなの?」
したぁぁぁぁぁぁぁ‼︎俺と同じ金髪の、俺よりも2まわりくらい背が小さい女の子‼︎髪の毛は俺より少し長いくらいで、おっぱいとお尻はどっちも小さめ‼︎そして元気あふれる喋り方*1‼︎ハッキリ言って後輩っぽい感じで超可愛い‼︎ここは自己紹介しなくては‼︎
「いやっふぉぉぉぉ〜‼︎俺、我妻善逸‼︎16歳‼︎君の未来の旦那さ‼︎」
「えっ、善逸君も苗字が我妻なの?私も我妻だよ!しかも同じ16歳‼︎」
「マジで⁉︎」
なんという偶然⁉︎苗字と年齢まで同じだなんて‼︎これはもう結婚するしかないよね‼︎そうだよね‼︎
「私、我妻萌!よろしくね、善逸君‼︎」
「今後一生よろしくね、萌ちゃん‼︎」
こうして俺は未来の妻を手に入れる事が出来た。やったね!
その後、俺は萌ちゃんと一緒に森の中をしばらく歩く事にした。もちろん、鬼を狩るために。
「萌ちゃん、鬼が出たら俺に任せてね!」
「善逸君、私も一応鬼狩りなんだけど……」
「でも大丈夫!俺が必ず萌ちゃんを守ってみせるから‼︎」
「ホント⁉︎それなら任せよっかな〜?」
「任せて任せて!」
ここはなんとしてもカッコいいところを見せないと‼︎ここで萌ちゃんの心を掴んで、結婚するんだ‼︎
そんな事を思いながらしばらく歩いていたのだが、なかなか鬼は出て来なかった。萌ちゃんにカッコいいところを見せられないと思う残念さと、怖い鬼に出会わなくて済み、萌ちゃんにビビりで情けない姿を見せなくて済むという安心感が同時に心の中に存在していた。そんな中で、俺は萌ちゃんに話しかけられた。
「なかなか出てこないね〜、鬼。」
「ホントだね。ま、まさか、俺たちにビビっちゃったのかな〜w」
「そういえば、善逸君は何の呼吸を使うの?」
「えっ………?」
呼吸の話か…………あんまり話したくはないんだよね………。ここは好感度のためにも、誤魔化そうかな………
「全部の呼吸を使えるよ‼︎炎、雷、水、風、岩、その全部を‼︎」
「正直に話してくれると嬉しいな〜♪」
「うっ……………」
萌ちゃんにそう言われたら…………言うしかないか…………
「一応、雷の呼吸…………だよ………」
「なんでそんな自信なさげなの?」
萌ちゃんが心配そうに聞いてくる。カッコいいところを見せようと思ったのに、これじゃあ台無しだ。
「えっと……」
「言いにくいかもしれないけど、正直に言ってくれた方が私は嬉しいな〜。」
萌ちゃんは優しくそう言ってくれた。ならここは男らしく、事実を正直に話すか………
「実は俺、壱の型しか使えないんだ………だから大して強くなくて………さっきはあんな風に言ったけど………俺って実は臆病だし………だからその………」
ああ、嫌われるのかな………それか弱い者扱いされて、また騙されるのかな………やっぱり俺はダメな男だな…………ごめん爺ちゃん、兄貴…………俺は何も変われなかったよ…………
「正直に話してくれてありがとう、善逸君!私は君のそういうところが好きかも♪」
「えっ………?」
嘘でしょ?こんな俺のことを失望しないどころか好きになってくれるなんて………
「どうしたの、そんなキョトンとした顔しちゃって?」
そう言う彼女の音はとても優しいものだった。いや、正確には鬼のような禍々しい音の中に透き通るような優しい音がした。きっと彼女は親しい人を鬼に殺されて、その怒りに燃えているのだろう。本当はこんな情けない男よりも強い男と出会って、今すぐにでも鬼を狩りたいのだろう。でもそんな中でも他者を気遣う優しさを持っている。なんて素敵な人なんだろう…………。よし、決めた‼︎俺は絶対に、萌ちゃんを幸せにしてみせる‼︎
「い、いや〜なんでもないよ‼︎うん、なんでもない‼︎あははは‼︎よぉ〜し、俺、頑張っちゃおうかな〜‼︎」
「なんかよく分かんないけど、元気になったようで何よりだね♪」
「ありがとね、萌ちゃん‼︎」
「どういたしまして♪」
さて鬼よ、どっからでもかかって………
「俺よ、アレは16の女ではないか?」
「どうやらそうみたいだな。よし、俺がいただくとするか。」
「待て俺よ。ここは俺の番だろう?」
「…………」キリキリキリキリ
って地面から出てきたぁ⁉︎しかも形が似ている3体‼︎1人は喋らずにずっと歯軋りしてるし………
「なになにコイツ‼︎ちょ〜キモいんですけど⁉︎というか会話おかしくない⁉︎なんで一人称と二人称がどっちも俺なの⁉︎しかもなんで萌ちゃんの年齢が分かったの⁉︎」
「善逸君、落ち着いて………」
宥めてくれる萌ちゃんを横目に、その鬼は喋り始めた。
「女の年齢は鮮度に影響するからな。」
「16を過ぎると途端に鮮度が落ちるんだ。」
「だから食うなら今しかない。そうだろう、俺よ?」
「あぁ、まさにその通りだ‼︎だから俺がありがたく頂かせてもらおう‼︎」
「……………」キリキリキリキリ
なるほど、そういうことか…………鬼と戦うのは怖いけど…………本当は逃げ出したいくらい怖いけど…………大切な人を守るために、俺はやってやる‼︎
「萌ちゃん、下がってて。」
「えっ?あっ、うん…………」
爺ちゃん、兄貴、俺の背中を蹴っ飛ばしてくれ‼︎頼む‼︎
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 三連」
俺が使える唯一の型。この型で、俺は大切な人を守るんだ‼︎
気がついたら、俺は鬼を倒していた。どうやら無事に俺は鬼の首を斬れたみたいだ。
「すっ、凄い!壱の型しか使えないって言ってたけど、それだけで鬼を倒しちゃうなんて!ホントに凄いね‼︎」
萌ちゃんが俺の事を褒めてくれた。この笑顔を見れただけでも、怖い思いを乗り越えて良かったな〜。それと俺に呼吸法を教えてくれた爺ちゃん、努力家な姿を見せてくれた兄貴、本当にありがとう‼︎おかげで俺は大切な人を守る事が出来たよ‼︎
「どうも!」
「あのね善逸君、ちょっとお話があるの。」
「えっ?」
話ってなんだろう?そして萌ちゃんは俺を絶景スポットまで連れてきてくれた。
「綺麗だね〜。」
「でしょ?さっき見つけたの♪」
萌ちゃんが連れてきてくれたところは崖になっており、辺りを見渡せるようになっている。周りに見える森や街などの景色はとても綺麗だ。そしてもうすぐ夜が明ける。まさかこれは……………告白⁉︎朝日に照らされて、俺は告白されてしまうのか⁉︎萌ちゃんに⁉︎遂に俺の春が来てしまうのか⁉︎
「あのね、善逸君………///」
「萌ちゃん………///」
ヤバい、ドキドキする‼︎あまりにもドキドキし過ぎて、俺は死んじゃうんじゃないかな⁉︎いや、そんなヤワな事で死んでたまるか‼︎俺は絶対に萌ちゃんを幸せにするんだ‼︎
「さようなら。」 ドン
えっ?何で俺は崖から落ちてるの……?えっ………?というかなんで萌ちゃんは俺を崖から突き落としたの…………って死ぬ‼︎このままだと死ぬ‼︎だからなんとか踏ん張らないと‼︎崖に脚を無理矢理当てて………」
「雷の………」
「月の呼吸 玖の型 降り月・連面」
「ぐわぁぁぁぁぁ‼︎」
クソっ、脚を斬られた‼︎雷の呼吸は脚が大切なのに………っ‼︎マズい‼︎このままじゃ落ちる‼︎死ぬ‼︎萌ちゃん、どうして…………ってアレは……………鬼の眼?鬼の歯?なんで萌ちゃんに付いてるの…………?まさか萌ちゃんも鬼だったの………?だから鬼みたいな禍々しい音がしてたの………?でもさっきまで人間の眼と歯だったのに……………マズい………落ちて………死ぬ…………
side 萌
本当は善逸を食べたかったわけだが、思ったより隙を見つけるのに時間がかかってしまった。そのせいで夜明けまでグダグダと時間がかかってしまうとはな。それと、彼に余計な絶望を与えてしまうとは。全く、私としたことが……………
さてと、今日の活動は終わり。また夜になったら再開するとしよう。無惨様のために、人に化ける血鬼術を使って、鬼狩り狩りを。
ということで、主人公は善逸ではなくオリキャラの萌の方です!ちなみに主人公の簡単な設定は次の通りとなっています。
我妻 萌 CV.大久保瑠美
種族:鬼 年齢:16歳
身長:147cm
B:73・W:54・H:70
髪:金髪ショート
血鬼術:人間擬態(眼や歯も人間と同じになる)
呼吸:月の呼吸
さて、次回は萌の過去をやります。お楽しみに!
最後に、評価・感想をお願いします。