第十六話 怪しき霧使い
side 萌
私は十二鬼月になると、早速黒死牟様に報告に行った。
「黒死牟様!黒死牟様!」
「どうした、我妻………?」
「私もとうとう十二鬼月になりました!」
「そうか…………それはいいことだ………鬼になってわずか4年で下弦とは………大したものだ…………」
「はい!ありがとうございます!」
無惨様が命の恩人ならば、黒死牟様は師範だ。私に無惨様の役に立つ術を教えてくれた。その人から褒められると、とても嬉しい!
「それではこれからお前に………透き通る世界を………伝授する………」
「はい!ありがとうございます!」
そして次なる技の伝授。これで私は更に強くなれる!強くなって、もっと無惨様の役に立つんだ‼︎
「透き通る世界とは…………その名の通り………相手の筋肉などが透けて見える世界だ………」
「はい……………えっ?」
筋肉などが透ける………?も、もしかして……………
「あ、あの、私の服も透けて………///」
「やましい目的では………使わない………もし気分を害していたら………すまない………」
「い、いや、その、そんなことはないです!」
へ、変な事を聞いちゃったな…………
「とにかくこれは………相手の筋肉や………骨の動きを見て………相手の動きを…………先読みするものだ………」
「なるほど………」
「これにより………更なる高速な戦闘が………期待できる………」
「そ、それは是非とも覚えたいです‼︎」
もし相手の動きが分かるならば、どれだけ戦い易くなることか。相手の攻撃を避けるのはもちろん、適切な返し技まで相手に食らわせることが出来る。痣による速度向上と合わせれば、より戦闘は高速なものとなる。そしてそれについて来れない弱者はすぐに死に、強者との戦いについて来れるようになるはずだ。
「ではまず………私の攻撃を避けることにのみ………専念せよ………」
「はい!」
ということで、私と黒死牟様との修行が始まった。
「月の呼吸 壱の型 闇月・宵の宮」
型は分かる。だから後は避けれ…………
「………あれ?」
ってもう斬られている⁉︎
「反応が………遅すぎる………」
「はい………っ!」
「ではもう一度…………月の呼吸……」
来る‼︎相手の身体を見て、どう動くかを見極めて、そして避け………
「壱の型 闇月・宵の宮」
「くっ…………‼︎」
られない‼︎透き通る世界とやらはまだ見えない‼︎というかそもそも攻撃を避けられていない‼︎
「月の呼吸 壱の型 闇月………」
見極めろ‼︎相手の攻撃を………っ‼︎
「宵の宮」
「くっ………‼︎」
上手く飛んで避けたつもりだったが、足が間に合ってなかった。壱の型はただの横薙ぎの一閃。一番避けやすい型なのに、それでも避けきれない。痣が出て強くなり、十二鬼月にもなって強くなったつもりでいたが……………これが上弦の壱の力‼︎400年にわたる鍛錬の成果‼︎上弦と下弦で分かれているとはいえ、同じ十二鬼月なのに一番上と下でここまでの差があるのか…………
「まずは壱の型を………避けられるようになるまで………特訓だ………」
「はい‼︎」
こうして私は黒死牟様としばらく特訓をした。そうしていくうちに段々と避けられる回数が増えてきたが、それでもまだまだ当たりまくっている。もちろん透き通る世界なんてものは全然見えてこない。
「なかなか………大変ですね………」
「痣と同様………透き通る世界も難しい………」
「ですね………でも頑張って、習得してみせます‼︎」
「そうか………ならば頑張るといい………」
「はい‼︎」
こんな弱い私の面倒を見てくれる黒死牟様のためにも、そして命の恩人である無惨様のためにも、私は透き通る世界を習得するんだ‼︎さあ、特訓の続きを…………
「血鬼術
しようと思ったら、高めの男の声と共に辺りが急に暗くなった。
「な、なんです、これは⁉︎」
「さあ………知らない鬼の………血鬼術か………?」
電灯に黒い霧が覆い被さり、周りは何も見えない。これでは特訓も出来ないだろう。
「どうしましょう………」
「ちなみに透き通る世界は………視界を潰されてても………見ることが出来る………」
「ホントですか⁉︎」
目が見えなくても、辺りが真っ暗で何も見えなくても使えるのか⁉︎これは痣以上に強力なものだな………
「だから特訓は………出来なくもないが………仮に見えてても………攻撃が避けられないと………厳しいな………」
「ですね………」
それにしても、こんな血鬼術を使う鬼が居たとは………。知らなかった。
しばらくすると、
「もうよい、
「はいっ、無惨様♪」
無惨様の合図で黒い霧が晴れた。するとそこには、風柱や八咫河くらいの背丈の男が現れた。黒髪の短髪で、顔全体に黒い布が覆ってある。そして陰陽師を思わせるような服装をしている。
「無惨様…………これは?」
「こいつは影人という鬼だ。こいつにはある計画を託している。」
黒死牟様の問いかけに、無惨様が答える。この影人という鬼は一体何なのだろう?そしてその計画とは?
「計画とは………何でしょう………?」
「それは…………日光遮断計画だ。影人、お前の口から説明してやれ。」
「はい、無惨様♪えっとぉ、十二鬼月のお二人に簡単に説明すると〜、俺の血鬼術である霧で空を覆っちゃおうって感じですぅ〜♪そしてそれによって〜、明けない夜を作るのですぅ〜♪」
つまりは空をコイツの霧で覆い隠して、日の光を強制的に遮断するということか。そうすれば太陽はたとえ昇ったとしても、その光が地面に届くことはない。そうすれば永遠に夜の状態を作り出せるというわけか‼︎
「なるほど…………それは素晴らしいことです………」
「これで無惨様を虐げる日の光ともお別れ出来ますね!」
「その通りだ。これで私は四六時中出歩くことが出来る。」
「だけどぉ〜、まだ俺の血鬼術が弱くて霧を出せる範囲が狭いからぁ〜、もっと広い範囲で出せるようにぃ〜、特訓中で〜す♪」
「そうか………それは………励む必要があるな………」
「はい♪」
これはかなり凄いことだぞ!後は鬼狩りさえ居なくなれば、無惨様の生きやすい世の中が誕生する‼︎
「ということで、萌には引き続き鬼狩り狩りを頼みたい。今から頼む。」
「はい、分かりました‼︎」
「それでは私はこれで。鳴女。」ベベン!
そう言って無惨様は去った。すると、
「そういえばお二人にお話があるんですけどぉ〜♪」
「どうした………?」
「何の話かな?」
私と黒死牟様は影人に話しかけられた。いったいコイツは何の話をするつもりなんだろう?
「無惨様、めっちゃ良くないですかぁ〜?」
なんだ、そんなことか。それなら私にも分かりきって…………
「特にあの顔‼︎絹のように白くて艶やかな肌‼︎これはこれは頬擦りしたくなっちゃいますよねぇ〜♪それに身体‼︎腕や鎖骨やうなじや脚まで、その部位の全てが素敵ですぅ‼︎全てが俺の心をそそってくるんですぅ〜♪なんですかあれ、俺を誘ってるんですか⁉︎あんなスケベな身体して、俺の股間に悪いと思わないんですかぁ⁉︎」
いませんでした。何だこの変態は……………
「あぁん、もう我慢できない‼︎ちょっと
そう言って影人こと変態は去ってしまった…………
「何だったのだ、あれは…………」
「さあ………?と、とりあえず鬼狩り狩りに行ってきます………鳴女さん、お願いします………」ベベン
「行くといい……………」
こうして頭の中が混乱したまま、自分の姿を今までに見られたことのない桃髪で両脇で髪を縛る髪型*1に変えながら、私は鬼狩り狩りに向かった。
到着した先では、自分より歳下と思われる男の子が鬼狩りの隊服と日輪刀を持って歩いていた。歳下相手なら今回はすぐ終わりそうかな?
「初めまして!私は
とりあえずは親しみやすいお姉さん風を装っていくか…………
「僕は霞柱、時透無一郎。よろしく。」
って嘘だろ⁉︎柱かよ、コイツ⁉︎前言撤回‼︎これは大変な戦いになりそうだ………
ということで、修行、変態、無一郎の豪華三本立てで第四章は始まりました。そして、次回からは無一郎戦です。痣も出て十二鬼月にもなった萌は柱相手にどのような戦闘を繰り広げるのでしょうか?それは次回からのお楽しみに!
それと、評価・感想をお願いします。
最後に、変態こと影人(かげびと)のプロフィールを置いておきます。
影人 CV.島崎信長
種族:鬼 年齢:20歳
身長:182cm
髪:黒髪
服装:陰陽師風
血鬼術:黒い霧を生成する