side 萌
この男の子、歳下で弱そうだと思ったら、まさかの柱‼︎これは大変な戦いになりそうだな………
「えっと、は、柱だったのですか⁉︎これは失礼しました‼︎申し訳ございません‼︎」
「いいよ、別に。」
彼はそっけなく返事する。もしかしから見た目が若いだけで、私より歳上なのかもしれないな………
「も、もしかして意外と歳いってたり………」
「14。君は?」
14⁉︎私より歳下⁉︎そしてその年齢で柱だと⁉︎コイツ、超天才じゃないか‼︎
「じゅ、16です!」
「そう。」
「す、すごいですね‼︎その年齢で柱だなんて!」
「ありがとう。」
それにしても、さっきからぶっきらぼうというか、適当な感じの返事だな。あまり雑談に興味関心がないのかな?なんか何を言っても上の空みたいな感じだし。
そんなこんなで私たちはしばらく鬼を捜索した。そして私は捜索をしながら、無一郎を殺す隙を探していた。でも流石は柱。
「?どうしたの?」
「い、いや、なんでもありません!」
「そう。」
中々隙を見せないどころか、私が狙おうとするとすぐに反応してくる。もしや猪男や臭い男みたいに殺気を感知できるのか?でもそれにしてはもっと私に返し技をするといった反応を見せるはず。ただ単純に反応が早いだけか……………
「オイこのアバズレ‼︎ワタシの無一郎様*1とデートしてるんじゃないワヨ‼︎」
ちょ、何コイツ⁉︎まつ毛バシバシの鴉が急に私に話しかけてきたんだけど⁉︎そんなのあり得るの⁉︎鴉といえば八咫河が殺してたのを見たけど、そいつもこんな風に喋ったり………しないよな⁉︎コイツだけだよな⁉︎*2
「ひいっ⁉︎きゅ、急になんです⁉︎」
「カエレアバズレ‼︎ワタシの無一郎様にテヲダスナ‼︎」
「す、すいません‼︎」
怖い‼︎怖い‼︎鴉って喋ることあんの⁉︎嘘でしょ⁉︎しかも思いっきり私を罵倒してくるし‼︎何なのコイツ⁉︎
「銀子、静かに。」
「ゴ、ゴメン………」
「あ、ありがとうございます………」
「気にしないで。」
流石飼い主、と言うべきか…………こんな変な鴉を飼ってるなんて、ちょっと変わった人だな。
「それにしても、凄い鴉ですね!」
「そうかな?」
「そうですよ‼︎だって喋る鴉なんて私、初めて見ましたもん‼︎」
正直、猪男以上の衝撃だ。この大きさで中に人間が入ってるだなんて、正直考えられない。あまりの珍しさに、飼いたくなる気持ちも分からなくは…………………
「ねえ、なんで君は鎹鴉のこと知らないの?」
っていきなり刀を向けてきた⁉︎なんで⁉︎鴉のこと知らないだけで怒られるの⁉︎
「ちょ、ちょっと待って下さい‼︎喋る鴉なんて普通居ませんよ⁉︎そんな当然みたいなこと言わないで下さい‼︎」
「鬼殺隊なら1人1匹与えられるはず。もし君が
なんだよそれ⁉︎鬼狩り共は皆そんなわけわかんない鴉を飼ってるのか⁉︎でもそれだと八咫河の鴉殺しは同士討ちに………ってアイツならやりかねない。と、とりあえずここは新人を装う!そして自分の鴉は喋らないことにしよう!
「わ、私は新人でして‼︎そ、それに鴉も喋りません‼︎」
「なら呼んでみなよ?今すぐに。」
「すぐに来れないと…………」
「カラスはヨンダラスグにクル‼︎やっぱりアバズレはアバズレだ‼︎」
くそっ!本業の鴉に言われちゃ仕方ない‼︎てか本業の鴉って何だよ⁉︎
「銀子の言う通り。君、さては人間に化けた鬼でしょ?僕たちの間でも話題になってたんだよね。」
流石にもう弁明のしようがない。こうなったら真っ向勝負だ。
「ええ、そうです…………よっ‼︎」ヒュン!
挨拶がてら、横薙ぎの一閃をする。ついでに眼と歯を戻し、痣を出す。
「君、十二鬼月なんだね。でも下弦なら柱の敵じゃないよ。」
そう言いながら軽々と避ける無一郎。痣有りの私の一撃を簡単に避けるなんて、八咫河とは比べものにならないほど強い。これが柱と一般隊士の差なのだろう。でも前に風柱と当たった時に比べれば、その動きは見える!私は確実に強くなってる‼︎
「銀子、危ないから逃げてて。コイツは俺が仕留めるから。」
「アリガトウ……っ!サスガワタシの無一郎様‼︎」
「仕留められるのは貴方ですよ、無一郎さん‼︎」
「殺れるもんなら殺ってみなよ、下弦の陸‼︎」
こうして私と無一郎の戦いは始まった。
「月の呼吸 壱の型 闇月・宵の宮」
「霞の呼吸 参の型 霞散の飛沫」
私の横薙ぎの一閃を円を描くような回転斬りで防いできた。なら次は………
「霞の呼吸 肆の型 移流斬り」
下に潜り込んできた。そしてくるのは上へ突くような斬撃‼︎ならばここは……………
「月の呼吸 玖の型 降り月・連面」
後ろに飛んで上から下への斬撃!これは遠距離技だが、それを調節して近距離で使う‼︎
「霞の呼吸 壱の型 垂天遠霞」
天に向かって一突きときたか‼︎それならそれを刀で受けて、
「月の呼吸 伍の型 月魄災禍」
鍔迫り合いから攻撃できるこの技で‼︎
「霞の呼吸 伍の型 霞雲の海」
それに対して無一郎は辺り一面を覆うかのような高速な斬撃の連続‼︎数にはやはり、
「月の呼吸 陸の型 常世孤月・無間」
数で対抗する‼︎だが流石は柱。上手く自分の攻撃で私の攻撃を中和してきた。
「やるじゃん。君、下弦にしてはかなり強いよ。」
「ありがとうございます。無一郎さんも私より若いのに強いですね。」
「それは柱だから。柱は下弦に勝って当然なんだよ。」
「そうですか!なら貴方は下弦に負けた柱になってしまうでしょうね‼︎」
このままだと両者の力が拮抗した戦いが続くだろう。そうなると体力面で鬼に分がある。でもそこまでなるには時間がかかる。そうしているうちに朝になったら、今度は鬼の負けだ。だからここは冷静に、月の呼吸の強みを活かしていく‼︎
「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」
「ん?」
まずは拾伍の型で一気に距離を取る。相手は追ってくるが、拾伍の型の速さには少しついてこれてない。だからここは予定通り、
「月の呼吸 漆の型 厄鏡・月映え」
遠距離技で仕留める‼︎
「霞の呼吸 陸の型 月の霞消」
相手は上空で飛んでの無数の斬撃‼︎その目は上から私を見下ろすように見ている。ならばここは‼︎
「月の呼吸 拾陸の型 月虹・片割れ月」
視界の外からの攻撃、上から刺すこの型で‼︎
「くそっ………‼︎」
ようやく攻撃を食らってくれた‼︎そしてここは一気に畳み掛ける‼︎まずは横方向の遠距離一閃から!
「月の呼吸 捌の型 月龍輪尾」
「霞の呼吸 弐の型 八重霞」
体幹を大きく捻りながら繰り出す斬撃。そろそろ奴の攻撃も私のところに届くようになってきた。だがら、
「月の呼吸 拾肆の型 兇変・天満繊月」
大量の斬撃を浴びせる‼︎
「霞の呼吸 伍の型 霞雲の海」
向こうも大量の斬撃を出してるが、それで手一杯‼︎ならばここは‼︎
「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」
一気に再び距離を取る‼︎そして再び遠距離攻撃だ‼︎
「月の呼吸 拾の型 穿面斬・羅月」
回転
「月の呼吸 拾参の型 闇夜ノ円舞・月輪」
「霞の呼吸 肆の型 移流斬り」
一回転して放った斬撃を、下に潜って避けたか‼︎ならばこちらはこれで‼︎
「月の呼吸 拾肆の型 兇変・天満繊月」
「霞の呼吸 伍の型 霞散の飛沫」
無数の斬撃を放つ‼︎相手も迎撃技を放ちなんとか対応しているが、この辺がそろそろ限界のはず‼︎
「霞の呼吸 弐の型 八重霞」
「月の呼吸 弐の型 珠華ノ弄月」
ってまだ突っ込んできた‼︎流石は柱‼︎そう一筋縄ではいかないか‼︎
「やっぱり君強いね。本当に下弦?上弦くらいあるんじゃないの?」
「舐めてもらっては困りますよ。上弦の方々は私なんかの何倍も強いんですから!」
「そう。それは困ったね。」
そんな事を言いながらどこか余裕そうな素振りを見せる無一郎。私は痣有り、あっちは痣無し。なのにこの拮抗具合。地力の差をつくづくと感じる。これで痣なんか出された日にはたまったもんじゃないな。
さてと…………ん、アレは……………?
無一郎の頬にさっきまで無かった霞模様が浮かんでいる…………ってこれは痣じゃないか⁉︎マズい‼︎かなり不利になってしまった!
ということで、無一郎戦開幕、からの痣を出すまででした。原作では無一郎が痣を出すまでに結構時間がかかりましたが、本作では割と早めに出てます。ちなみに原作では炭治郎がきっかけで痣を出しましたが、本作では萌がきっかけです。
さて、次回は痣が出た無一郎がガンガン攻めます。萌はそれにどう対応していくのか。お楽しみに!
最後に、評価・感想をお願いします。