我妻物語   作:スピリタス3世

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第十八話 変幻自在

  side 萌

 

 無一郎に痣が出てしまった!マズい!これではかなり不利になる‼︎

 

「月の呼吸………」

「霞の呼吸 肆の型 移流斬り」

「くそっ………!」

「霞の呼吸 伍の型 霞雲の海」

 

 ダメだ‼︎速すぎてついていけない‼︎ならここは一旦撤退だ‼︎

 

「月の呼吸 ではない‼︎」バッ!

「えっ⁉︎」

 

 とりあえず砂を無一郎に向かって投げる‼︎ここは地面に砂が結構あるからこれが使える‼︎そして目眩ししたら、

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 突き技で無一郎とは逆方向に一気に逃げる‼︎

 

 

 

 

 こうして私は無一郎とは割と離れることが出来た。そしてここは川のほとりで、周りには砂だけじゃなく森もある。だから隠れやすい。それもあってか、あっちはどうやら私を視認出来てないみたい。ならここは、

 

「血鬼術 人間擬態・擬態変化」

 

 姿を変える。こうして私は桃色から水色に髪の色を変え、顔も若めの人から中年女性くらいに変えた。そして再び無一郎から見える位置にきた。

 

 

 

  side 無一郎

 

 ん?あそこにも隊士がいるのか。これは心強いかも。逃げたあの鬼を一緒に探してもらおう。

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 って剣を前に突き立てて突っ込んできた⁉︎は⁉︎どういうこと⁉︎とりあえず塞がないと‼︎

 

「霞の呼吸 参の型 霞散の飛沫」

 

 腕で大きな円を描く回転斬りで、とりあえずは相手の攻撃を防いだ…………って砂⁉︎

 

「ごほっ、ごほっ!」

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 くそっ、砂埃で前が見えない‼︎アレはさっきの鬼か⁉︎姿形も変わるのか⁉︎くそっ、あの鬼の報告が鎹鴉からあったのに!記憶喪失で思い出せない‼︎

 

 

 

  side 萌

 

 姿形を変えて、相手の警戒心を下げる。そこからの不意打ちをし、目眩しをした後にすぐ逃げる。これで攻撃が通ると思ったが………すぐさま迎撃されてしまった。明らかに驚いていたように見えたから、不意打ちとしては上出来なのだが…………いかんせん攻撃に気づいてから迎撃するまでが速すぎる。これをなんとかしないとな。

 

「血鬼術 人間擬態・擬態変化」

 

 次は私本来の姿に戻す。金髪の童顔。もし仮にこの姿を見られて鴉に報告されていたとしても、相手に鬼が複数いるように思わせることが出来るはず。

 

 こうして私は再び無一郎の見えるところに出た。

 

 

 

 

  side 無一郎

 

 ん?今度は金髪の女の子が出てきた?僕より歳下の隊士か*1

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 ってまた突っ込んできた‼︎迎撃しないと‼︎

 

「霞の呼吸 弐の型 八重霞」

 

 身体を捻っての何連発もの迎撃。さて、次は…………

 

「月の呼吸 肆の型 年災月殃」

 

 今度は下からか!だったら飛んで………

 

「霞の呼吸 陸の型 月の霞消」

 

 迎撃……………ってまた砂埃か‼︎

 

「けほっ、こほっ!」

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 さっきまでと同じ奴が化けてるのなら、逃げる方向はあっちだ‼︎なんか知らないけど自分の速度が速くなったから、追いつけるはず‼︎

 

 

 

 

 そしてあの鬼を追って走ってきたが……………居ない?どこだ?どこに行った?あの鬼は⁉︎まさか別の方向に逃げたのか⁉︎くそっ、速度では勝てるのに…………。アイツめ、鬼殺隊に化けるくせに鎹鴉のことは知らなかったからバカなのかと思ったけど、意外と頭が回る奴だな‼︎

 

「すいませ〜ん。」

 

 ん?今度は…………男の隊士*2か。見た目も普通の男だし、声もまあまあ低い。流石にアイツといえども、性別を女から男には変えられないだろう。

 

「なに?」

「鬼ってどこにいるんですか?」

「それを今探してる途中。」

「分かりました!とりあえず俺はこっちを探します!」

「お願い!」

 

 まあ味方が増えたのはありがたいことだ。とりあえず彼に背中を任せるとするか…………

 

「居た!賽の呼吸 陸の目 賽子厚焼肉(サイコロステーキ)………って逃げられた‼︎くそっ!どこに行った⁉︎」

 

 それにしても、彼は独自の呼吸を使うのか。賽の呼吸ってなんかサイコロみたいだな。声しか聞いてないから、実際にどんな動きかは知らないけど。まあとりあえず、背中は彼に任せるか…………

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 ってあの鬼の女の声がした⁉︎どこからだ⁉︎後ろか⁉︎なら彼に任せて、

 

「そっちに鬼がいるから、お願い‼︎」

 

 僕はこっちの方を探索しよう。さて、鬼はどこかな……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 って彼が突っ込んでくる‼︎なんで⁉︎嘘だろ⁉︎ま、まさか…………

 

「君、まさか男にも化けられるのか⁉︎しかも声も変幻自在に⁉︎」

「ご名答‼︎」

 

 ってしまった!迎撃が遅れた‼︎

 

「ぐわぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 奴の剣が刺さる!痛い‼︎でも奴はわざわざ近づいてきた‼︎ならばこれが良い機会‼︎砂埃を出したようだが、そんなの知るか‼︎

 

「霞の呼吸 壱の型 垂天遠霞………こほっ、こほっ!」

「くっ…………‼︎」

 

 砂埃のせいでむせる‼︎でも奴に剣は刺さった‼︎後は追加の攻撃‼︎

 

「月の………」

「霞の呼吸 参の型 霞散の飛沫」

「くっ………月の呼吸………」

「霞の呼吸 肆の型 移流斬り」

「ぐわぁぁぁぁ‼︎」

 

 いける‼︎倒せる‼︎奴は僕の速度についてこれてない‼︎

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 奴はまた逃げる気だ‼︎そうはさせない‼︎必ず追いついて、その首を刎ねてや…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「引っかかったな‼︎」グサッ!

「ぐっ………………」

 

 って逃げてない⁉︎真っ直ぐ突っ込んできたのか‼︎くそっ、腹に剣が刺さった‼︎痛い、痛い‼︎だが相手が近づいたのならば‼︎

 

「霞の呼吸 壱の型 垂天遠霞」

「くっそ………っ‼︎速い…………っ‼︎」

 

 まずは突く‼︎そして追加で、

 

「霞の呼吸 伍の型 霞雲の海」

「うっ………‼︎」

 

 斬撃を連発する‼︎僕はここで負けない‼︎たとえ相討ちになったとしても、必ずコイツを倒す‼︎

 

 

 

 

  side 萌

 

 攻撃を食らってもすぐさま反撃してくる体力、そして精神力。流石は柱、強すぎる‼︎相手を騙すために逃げたフリして逆に突っ込んだが………失敗なのか成功なのか分からない!

 

 そして相手は負傷してきている。ただ依然として速度や力ではこちらが負けている。一旦逃げて、また不意打ち戦法をやるしかない。

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

「くそっ………に、逃げるな………」

 

 負傷により追撃は出来ないみたいだ。これはよかった。

 

 

 

 さて、一旦無一郎から離れることには成功した。さて、次は何に変わろうか。鬼狩りは女で2通り、男で1通りと既にあらかた変身してしまった。ならば鬼狩り以外はどうだろうか?それならば警戒心も防げるだろう…………

 

 いや、待てよ?相手もそろそろ私の戦法に慣れてきたはず。だったら変身してもすぐに私だと見破ってきそうだ。それに、たまたまここに鬼狩り以外の人間が居合わせたらどうなる?私が鬼狩り以外に化けると知ってしまうと………奴は関係のない一般人を斬ってしまいかねない。川と森なら、木こりや洗濯、それに釣りに人が来るだろう。そしてその人が巻き込まれてしまう。それだけは避けたい。今は夜で人が来る可能性は低いとはいえ、ゼロではない。だから鬼狩りではない一般人に変身するのはやめとこう。

 

 ならば奴の知り合いに変身………は厳しいだろう。鬼狩りは意外と数が多い。それに、彼が誰と知り合いなのかがさっぱり分からない。柱同士ならば知り合ってる可能性が高いが、私には知ってる人が1人しか居ない。しかもその1人、風柱は見た目こそ特徴的だったが、一度しか会ってない上、当時の私では動きが速すぎて捉えられず、細部の特徴を覚えられなかった。だからすぐに私だとバレる可能性が高いだろう。

 

 ならば変身はもう無しにするしかないな。そうなると、いち早く透き通る世界を見れるようにする必要がある。一度撤退して黒死牟の修行を受けてもいいが…………それだと無一郎の傷も回復してしまう。それに、次いつ会えるか全く分からない。だからなんとかこの戦いで会得しなければ…………いや、待てよ?ここには森がある。砂がある。そして、川がある。川といえば……………それはありかもしれない。やってみる価値はある!

 

 こうして私は、

 

「血鬼術 人間擬態・擬態変化」

 

 自分の姿を………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無一郎と同じものに変えた。川ならば鏡映しで自分が映ることもある。それならば、鏡に映った自分に見せかけて、川から奇襲が出来るはずだ‼︎

 

 

 

 

  side 無一郎

 

 全く、あの鬼はどこに行ったんだ?なかなか見当たらない…………ん、あそこの川に鬼殺隊の人がいるぞ?まさかアイツか⁉︎ならば仕留めよう…………

 

 ってアレはまさか⁉︎嘘、嘘だろ⁉︎霞がかった記憶が段々と晴れていく。過去の苦しい思い出が、徐々に蘇っていく。もしやアレは……………、兄さん?

*1
萌が童顔で背が低いからそう見える&チュン太郎たちが萌のことを報告しているが、無一郎は記憶喪失で思い出せない。

*2
サイコロステーキ先輩と同じ見た目




 ということで、萌が血鬼術と月の呼吸を駆使してなんとか無一郎に食らいついてましたね。若い女→中年女性→本来の姿→サイコロステーキ先輩→無一郎本人、と変幻自在に化けてました。そして無一郎は地力では優ってるものの、経験値の少なさと記憶が曖昧なせいで苦戦してしまいましたね。

 さて、無一郎は自分と同じ容姿に化けた萌の姿を見て、有一郎と勘違いしてしまいます。そしてここからどうなるのか?それは次回のお楽しみに!

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