我妻物語   作:スピリタス3世

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第二十二話 美しき毒使い

  side 萌

 

 桜餅頭のお姉さんから逃げたと思ったら、

 

「私の継子を………カナヲを殺したのは、お前だな⁉︎」

 

 私の前に蝶の羽織と髪飾りをした別の女が現れた。柱に加えてもう1人。正直厳しい!だからまずはこっちから倒して頭数を減らそうと思うのだが…………

 

 それにしても、あの髪飾りはどっかで見たことあるような?確かカナヲって…………栗花落の下の名前だよな。なるほど、そういうことか。

 

「花の呼吸を使う栗花落カナヲさんのことですよね?知ってますよ。」

「⁉︎それじゃあやっぱり………っ⁉︎」

「ええ、私です。貴女の大切な人を殺したのは。」

「………っ‼︎このクソ女、殺してやる‼︎」

 

 さて、まずは透き通る世界……………ってなんだこれは⁉︎これ、本当に人間の身体か⁉︎確かに筋肉と骨格は合ってるが、細胞や血液が紫色だ。鬼の中にもそんな変な奴は居なかったぞ⁉︎

 

「蟲の呼吸 蜂牙の舞 真靡き」

 

 そして知らない呼吸⁉︎しかも突きがめちゃくちゃ速い‼︎刀の形もなん変だ⁉︎

 

「月の呼吸 壱の型 闇月・宵の宮」

「くそっ………!」

 

 刀でなんとか無理矢理弾いたけど、あと一歩遅れてたら間に合わなかった。透き通る世界に入れてなかったら確実に対応できなかった!それと、相手の刀を無理矢理自分の刀で弾けてことから、力はあま強くないみたいだ。

 

「貴女も特異体質ですか………」

「馬鹿にしてんの?」

「いや、違いますけど…………」

「私が小柄で非力なの、馬鹿にしてるでしょ⁉︎」

 

 そして会話が通じない‼︎確かに怒るだけの理由はあるが、もう少しちゃんとして欲しい‼︎

 

「いや、私の方が小柄です!血鬼術 人間擬態・擬態変化」

 

 とりあえずは元の姿に戻した。速い相手には的を小さくするのも手だからだ。それと、無理矢理会話を噛み合わせるために。

 

「これが私の元の姿です。」

「あっそ、確かに私より小さいね。でも鬼だから私より力はあるんでしょ⁉︎」

「鬼になったから力を得たのですよ?元は貴女と同じ、非力です。」

「そう。」

「それより、貴女はどこまで紫色が好きなんですか⁉︎身体の内部まで紫だなんて………私が言いたいのはそっちの方です‼︎」

「身体の内部が見えるなんて…………鬼ってホント化け物ね‼︎」

「貴女には言われたくないです‼︎」

 

 日輪刀で攻防しながら会話を続ける。早くコイツを倒さないと、柱が来てしまう‼︎

 

「蟲の呼吸 蝶の舞 戯れ」

 

 上から飛んでの突き‼︎ならばこちらは、

 

「月の呼吸 肆の型 年災月殃」

 

 下からの迎撃で‼︎

 

「「くっ…………‼︎」」

 

 お互いがお互いの攻撃を受ける。ただ耐久力は鬼の方が上‼︎ここから追加の攻撃を……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぐっ…………うわぁ⁉︎」

 

 ってなんだこれは⁉︎身体が痺れる⁉︎それに突かれたところから腐ってく‼︎まさか………っ⁉︎

 

「毒………ですか…………っ!」

「ご名答。」

 

 くそっ、どおりで変な形の刀をしていたもんだ‼︎毒を注入しやすいように…………って待てよ?身体の紫色はもしや………?

 

「それじゃあ身体の中のは…………藤の花⁉︎」

「おお、すごいね。そこまで分かるんだ。姉を殺した鬼を倒すために、1年間それを食べ続けたのよ。」

「はぁ………っ⁉︎」

 

 この女、正気か⁉︎人間のすることじゃないだろ⁉︎

 

「信じられないなら、私をちょっとかじってみれば?」

「結構です………っ‼︎」

 

 くそっ、コイツを殺しても食えない‼︎それに、早く動かないと、あのお姉さんが来ちゃう‼︎

 

「しのぶちゃ〜ん‼︎大丈夫?」

「ええ、大丈夫です!」

 

 って来ちゃった‼︎くそっ、この女が追撃しなかったのは、柱のお姉さんを待ってたからか‼︎

 

「彼女は今毒で弱ってます。今のうちに殺しましょう。柱2()()といえど、彼女は強敵です。毒も思ったより効きません。」

「そうね!」

 

 柱2人?まさか、この毒使いも柱なのか⁉︎これは流石に状況が悪い‼︎

 

「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

「逃すか‼︎蟲の呼吸 蜻蛉の舞 複眼六角」

「恋の呼吸 参の型 恋猫しぐれ」

 

 くそっ、毒で遅くなってかわしきれない‼︎真っ直ぐな毒入りの突きと、ぐねぐねした刀による複雑な攻撃‼︎ならば避けずに耐久力で勝負する‼︎攻撃を喰らわせてやる‼︎

 

「月の呼吸 陸の型 常世孤月・無間」

「きゃあっ‼︎」

「くっそ………っ!」

「月の呼吸 捌の型 月龍輪尾」

 

 沢山の斬撃を浴びせた後、ちょっと距離を取ってからの遠距離横薙ぎ。

 

「恋の呼吸 伍の型 揺らめく恋情・乱れ爪」

「蟲の呼吸 蜈蚣の型 百足蛇腹」

 

 桜餅の人は後ろに下がっての攻撃!毒使いは撹乱攻撃‼︎ならばまず警戒するのは、近づいてきた毒使いの方‼︎今彼女は右にいるから、

 

「月の呼吸 拾壱の型 宵の上弦」

「くっそ…………‼︎」

 

 右側へ攻撃‼︎

 

「恋の呼吸 壱の型 初恋のわななき」

 

 桜餅さんが左から来るなら………

 

「月の呼吸 拾弐の型 明けの下弦」

「きゃあっ!」

 

 刀を右から左へ持ち替えて左への集中攻撃‼︎

 

「甘露寺さん、同時攻撃を仕掛けます‼︎」

「分かった、しのぶちゃん‼︎」

 

 そして左と右から同時に来ようもんなら、

 

「月の呼吸 拾参の型 闇夜ノ円舞・月輪」

 

 自身を回転させながら斬撃を放つ‼︎

 

「蟲の呼吸 蝶の舞 戯れ」

「恋の呼吸 肆の型 想い(つづ)し恋文」

 

 しのぶさんという毒使いは突き‼︎避けるので精一杯‼︎鞭のようにしなりながら私のところへ飛んでくる桜餅さんこと甘露寺さんの攻撃は、この際受けてもいい‼︎

 

「くっ…………‼︎」

「毒の方は避けるんだ。流石ね。死ねばいいのに。」

「貴女、頭いいのね!」

「伊達に鬼狩りを狩ってませんから!」

 

 段々と毒も解毒できてきた。ただ次食らったら振り出し。しのぶさんの攻撃は慎重に避けないとな……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「甘露寺さん………うなじのところに見えてる模様*1はなんですか?」

「わっ、ホントだ‼︎なんか出来てる‼︎」

 

 ってマジで⁉︎甘露寺さんに痣が発現したのかよ‼︎しのぶさんにはまだっぽいけど。これはかなりマズい状況だ‼︎

 

 ただ一ついいことは、鬼狩り側が痣を知らないこと。これを利用して、相手を混乱させるか…………

 

「それは寿命を縮める感染症のようなものですよ。私が移しました。」

「えっ⁉︎」

「はぁ⁉︎お前、ふざけやがって…………っ‼︎」

「鬼に寿命は関係ありませんが、人間は大変ですよね。ちなみにそれ発症すると、25歳までに死にますよ。」

「ええっ⁉︎そ、そんな………」

「よくも出鱈目を‼︎」

「出鱈目じゃありません。四百年前にもその痣が鬼狩りの間で発症して、何人も死んだんです。無一郎だってそれを発症した後しばらくしてから死にました。もしかして資料を調べたら、出てくるんじゃないですか?」

「くっそ…………っ‼︎」

 

 別に何一つ嘘は言ってない。痣が日の呼吸の使い手を起点に始まる感染症のようなものであることは間違いないし、寿命のことだって黒死牟様が言うのだから真実だ。ただこれで相手の恐怖心を煽れる。鬼と戦うと病気にかかると言えば、辞める鬼狩りも増えるだろう‼︎

 

「でも、なんかいつもより速く動ける気がするわ‼︎力も強くなったかも‼︎」

「それはいい副作用ですね!」

 

 そっちの効果に気づかれたか…………だが感染症は感染症‼︎恐怖心を煽るのには充分‼︎

 

「いいんですか?死にますよ?早くお医者さんに診てもらった方がいいんじゃないですか?」

「バカにしてんの?私たちはいつだって命を落とす覚悟は出来てるわ。」

「それがちょっと早くなっただけだよね、しのぶちゃん!」

「その通りです‼︎」

 

 コイツら、イカれてんのか⁉︎死ぬのが怖くないの⁉︎ふざけんな‼︎正気じゃないって‼︎

 

「鬼殺隊をナメんじゃないわよ‼︎蟲の呼吸 蜈蚣の舞 百足蛇腹」

「恋の呼吸 陸の型 猫足恋風」

「月の呼吸………っ‼︎」

 

 くそっ、毒の方を喰らってしまった‼︎身体が痺れる‼︎マズい…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっ?何も見えない………?」

「月明かりが消えた?」

 

 ん?天高くにあった月が消えた?これはもしや……………影人の血鬼術か⁉︎やったぁ、助かった‼︎

 

 

 

 

  side 無惨

 

 遂にきた。影人の血鬼術を発動するときだ!

 

「血鬼術 光殺霧」

 

 影人がそう言うと、空いっぱいに黒い霧が広がった。そして隠れる月明かり。作戦は成功だ。

 

「でかしたぞ、影人」

「ありがとうございます、無惨様♪」

 

 これで例え日が上っても、その光をこの闇の霧が遮ってくれるだろう。もうこの世に昼は訪れない。明けない夜の始まり。それはつまり、私の時代の幕開けだ‼︎

*1
甘露寺は元々休暇でこの街に来ていた。だから普通の和服を着ているため、原作みたく胸元が見えてない。




 ということで、萌vsしのぶ&蜜璃の激闘でした。最初は萌しか痣が出てなかったためなんとか萌が対応できてましたが、とうとう蜜璃ちゃんも痣を出してしまいましたね。萌が誤魔化そうとしましたが、上手くいかなかったようです。

 そしていよいよ影人により地球が黒い霧で覆われました。これにより日光は地表まで届かず、一日中ずっと夜になってしまいます。それはまさしく鬼の時代。鬼殺隊は24時間労働をするハメになってします。地獄ですね。

 さて、次回は萌vsしのぶ&蜜璃の続きです。お楽しみに!

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