第二十九話 鬼の出る列車
side 萌
鬼狩りとしての初任務、私は善逸、宇髄さん、煉獄さんと共にとある駅へとやってきた。
「ここが派手に俺たちの戦場になるわけだな。」
「よろしくお願いします。」
これが初任務。ここからはかつての仲間を殺すわけだが、正直あまり何も思わない。鬼時代は無惨と黒死牟様*1以外は関わりが無かったし。共喰いとかもあったり、無惨に敵対して処分される奴が居たりと、正直鬼同士の仲間意識はあまり無い。今回の魘夢もそう。強くなるために奴の血鬼術の調査や分析はしていたが、雑談をしたりなどはしたことない。他の鬼もそう。あっ、童磨だけはウザ絡みしてきたから別か。まあアレはただの女好きだからどうでもいいな。
「嘘でしょ、この汽車に鬼が出るんですかぁぁぁ⁉︎嫌ぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
そして何故か善逸がビビっている。なんで?
「おい我妻………だと紛らわしいから善逸、人の話地味に聞いてなかっただろ?」
「聞いてましたよ聞いてました!はい!列車で行った先に鬼が出るんだと思いました‼︎」
「そりゃあただのテメェの地味な勘違いだ。」
「そうなんですかぁぁぁぁ⁉︎」
「というか、私を殺したり庇ったりした時は堂々としてたよね?なんで今になって怖がってるの?」
「だって、基本的に俺は怖がりなんだもぉぉぉぉぉん‼︎」
確かに最初会った時はそんなこと言ってたっけ。最近の堂々とした印象で忘れてたよ。ということは…………?
「あの、私を庇った時って…………」
「それは自分を信じただけ‼︎はい、これでおしまい‼︎」
「そ、そうなんだ………」
それにしても、怖がりなのに勇気を出して庇ってくれた。それは本当に、素晴らしいことだと思う。
「善逸、ありがとう!」
「ど、どういたしましてぇ〜⁉︎///」
ちょっと赤面する善逸。もしかして褒められ慣れてないのかな?
「お前、もしかして萌の事派手に好きなのか?」
「ち、ちげーし‼︎自分を殺そうとした相手を好きになるはずなんてないし‼︎」
まあそりゃそうだよね。もしそれで好きになってたら、お人好し過ぎて心配になるよ。
「俺はただの女好きだし‼︎」
「地味に最低じゃねえか。」
なんだ、童磨と一緒だったのか。いや、あっちはただ効率のために食べてるだけだからまた別か。
「嫁がいるアンタに言われたくないけどね‼︎ふざけやがって‼︎」
「あぁん⁉︎嫁くらい居ても別にいいだろ⁉︎」
「はぁ⁉︎幸せ自慢ですか、この野郎‼︎」
「そうだよ幸せだよ‼︎派手に3人の嫁に囲まれてな‼︎」
「はぁ⁉︎ざけんなよテメェ⁉︎嫁3人もいるのかよ⁉︎ふざけやがって‼︎一人くらい俺に寄越せや‼︎」
「駄目に決まってんだろ‼︎3人とも俺の派手に大切な嫁だ‼︎」
「嘘つけ、この助兵衛野郎が‼︎」
「テメェだけに言われたくねえよ‼︎」
それにしても、仲間と任務をするなんて鬼時代には無かったなぁ。いつもは一人で静かに任務をこなしてたのに、今はなんだかとても賑やかだ。初めて味わう感覚に、胸が高鳴るのを感じる。まあ他の人たちは私のことを仲間だなんて思っちゃいないだろうけど。
そんなことを思ってると、
「すまん、駅弁を買ってたら遅くなった‼︎‼︎」
煉獄さんがやってきた………………
20個の駅弁と共に。
「嘘でしょぉぉぉぉ⁉︎それ全部食べるんですかぁぁぁぁぁ⁉︎」
「うむ‼︎‼︎」
「凄いですね………」
「コイツは派手に大食いだからな。」
「派手で語れる範囲を超えてるでしょうがぁぁぁぁ⁉︎」
そういや、もう一人大食いの人が居たような…………
「たしか甘露寺さんも大食いですよね?」
「派手にそうだな。」
「そうなのぉ⁉︎」
「なんと、甘露寺が大食いなのを知っているのか‼︎⁉︎」
「はい。団子を沢山注文してるのを見たので………」
「流石煉獄の継子………弟子は師匠に似るってか。」
「嘘でしょぉぉぉぉぉ⁉︎」
甘露寺さんの師匠は煉獄さんだったのか。使う呼吸は違ってたけど。でもカナヲと師匠のしのぶさんは使う呼吸が違ったし、弟子と師匠で呼吸が違うのはよくある事なのかもしれない。
「いや、甘露寺は元から大食いだ‼︎‼︎」
どうやら大食いなのは偶然だったらしい。
「そうなのか…………まあそうだろうな。」
「生まれつきだったんですね。」
「流石に女の子の弟子には大食いを強要出来ませんからね〜。しかもあんなに可愛い蜜璃さんを食わせて太らせるなんて、最低最悪の行為‼︎鬼と同列なる行為‼︎あっ、でもあのおっぱいは沢山のご飯の賜物だったりして♪それなら最高だぁぁぁぁ〜♪」
それと、庇ってくれたときはあんなにカッコ良かった善逸がどんどん気持ち悪くなってきてる。本当はこんな人だったんだ…………。なんか正直、ガッカリしてる…………
「はぁっ……………」
「善逸、萌から地味に嫌われたくなかったら、その気持ち悪い言動を直すんだな。」
「うむ‼︎‼︎金髪少年の言動は女性に失礼だ‼︎‼︎」
「うるさいやい‼︎こっちはアンタらと違って、女に縁が無いんだ‼︎」
「その原因が派手に自分自身にあるとは思わないのか?」
「そんな事は分かってる‼︎でも嫁3人いる破廉恥男と可愛い弟子持ちの破廉恥師匠には言われたくない‼︎」
「あぁ⁉︎」
「俺は破廉恥ではないぞ‼︎‼︎」
これ以上善逸の見苦しい姿を見るのも嫌だし、さっき列車も到着したところだから、とっとと乗り込んじゃおう。
「それより皆さん、汽車来てますよ。早く乗りましょう。」
「うむ、そうだな‼︎‼︎」
「この破廉恥金髪男は置いといて、さっさと乗り込もうぜ〜。」
「嘘でしょぉ⁉︎置いてかないでぇぇぇぇぇ‼︎」
「早く行くよ、善逸。」
「萌ちゃんもそんな冷たく言うな‼︎死んだ目で俺を見るな‼︎」
ということで、私たちは早速列車に乗り込んだ。
列車に入ると、入り口のところ*2に
「切符を拝見致します。」
いきなり車掌さんが居た。魘夢が化けてるかと思ったが、どうやらそうではなさそうだ。
「うむ、よろしく頼む‼︎‼︎」
「ほいよ。」
「よろしくお願いします。」
「お願いしまぁぁぁぁぁぁす‼︎」
こうして私たちは切符を切ってもらった。さて、魘夢はどこだろうか?善逸に探索…………って待てよ?魘夢は確か…………人間を…………騙…………して…………
目を覚ますと、私は何故か自分の家に居た。あれ?さっきまで汽車に乗ってたはずなのに?なんで?
そして戸惑う私に、
「萌ちゃん、おかえり!」
「ご飯できてるぞ〜。」
「お母さん、お父さん‼︎」
お母さんとお父さんが声をかけてくれた。
ということで、無限列車編がスタートしました!なんか一気に雰囲気が変わりましたね。鬼狩り狩りパートは萌が1人で淡々と鬼殺隊を狩ってたので戦闘中のちょっとした会話しかありませんでしたが、鬼狩りパートになってからはパーティーメンバーのおかげでかなり賑やかになりました。まあ、大半は善逸のせいですが。
そしてなんと、座席に座らずにいきなり車掌さんが登場、そして夢の中へ突入しました。果たしてどうなるのか、それは次回のお楽しみに!
あと、頑張って週末に書き溜めます。たまに平日に更新されるかも?
最後に、評価・感想をお願いします。
P.S. 次回作は活動報告にある通りです。我妻物語が完結したら書き始めます。