side 萌
運転席には私と魘夢の首だけ。これなら放てる、あの技を‼︎
「月の呼吸 拾漆の型 絶技・日喰」
自分の血を混ぜて刀にしたらせ、魘夢の首に多数の斬撃を喰らわせる。更には方向を調整し、宇髄さんたちがいる車両側に行きそうになる斬撃を全て魘夢の首がある下側に向かわせる。
「こりゃあまた随分と派手な技だなぁ‼︎」
宇髄さんが褒めてくれるということは、車両側には斬撃が行ってない証拠だろう。これでよし!あとは魘夢が死ぬだけ…………
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」
凄まじい断末魔をあげて暴れる魘夢。上手く首を斬れてる証拠だ。ただ暴れ回ってるせいか、車両側ももの凄い揺れてる‼︎なんとか宇髄さんに伝えて、煉獄さんと共に揺れを抑えてもらうようにしなきゃ!
「あ………っ!」
くそっ、声が出ない‼︎伝えられない‼︎
「音の呼吸 伍の型 鳴弦奏々」
「炎の呼吸 壱の型 不知火」
でも伝わってるみたい!声が大きいからか、後方車両にいる煉獄さんの声も聞こえる!なら、私がすべきなのは…………念入りに………刻むこと‼︎奴が再生しないように‼︎揺れに負けずに‼︎
再び目を覚ますと、善逸が何故か私をおぶっていた。どうやら鼻ちょうちんは垂らしてないので、彼は起きたようだ。
「あれ、今は…………?」
「列車から街に帰るところだよ!」
「魘夢は………………?」
「萌ちゃんが倒したんだよ!」
「なるほど…………」
どうやら私は日喰で倒せたみたいだ。そしていつものごとく使用後の貧血で倒れてたらしい。どうせなら貧血でそのまま死ねたら良かったのに。私はまた生き返ってしまったようだ………*1
そしてこんな私を優しくおぶって運んでくれる善逸。
「ありがとう………善逸………」
「ど〜も♪」
本当に優しい人だ。
「それにしても、良い夢見ながら戦えたな〜♪なんたって、しのぶさんに蜜璃さん、アヲイさんにすみちゃん、きよちゃん、なほちゃん!本当に可愛かったよ!これも寝ながら戦えることを教えてくれたしのぶさんのおかげ*2‼︎これはもう求婚するしかないよねぇ〜♪」
たまにちょっと気持ち悪いけど。
しばらく歩くと、私たちは街に到着した。
「ありがとね、アンタ。元気でよ。」
「はいっ!貴方こそ!」
「金髪坊主から聞いたぜ。刺して悪かったなぁ………」
「いえいえ、お気になさらず!それよりお元気で!」
緑の女の子や車掌さんたちから声をかけてもらった。良かった、この人たちを守れて!これからももっと沢山の人を守れるようにしよう!
そして一般人を送り届けた私たちは、今回の件を報告するために産屋敷邸へと向かった。
side 無惨
くそっ、魘夢がやられた‼︎しかも萌に‼︎あぁもう、憎たらしい、殺したい‼︎これも全て真実を教えたあの両親どものせいだ‼︎
そして奴らの比較的近くにいた上弦は猗窩座だけ。コイツは女を殺せないし襲えない!他の上弦は遠過ぎて間に合わない‼︎くそっ、くそがぁぁぁぁ‼︎この役立たずどもめぇぇぇぇぇ‼︎
side 萌
私たちは産屋敷邸に着くと、早速しのぶさんが、
「おかえりなさい、萌。毒にする?毒にする?それとも毒?」
冷たく出迎えてくれた。
「選択肢無いじゃないですか………」
「あんたにあると思ってんの?」
「まあ無いでしょうね…………」
「それじゃあ死んで。」グサッ
そして私はしのぶさんの毒に身を委ねて、天国へと……………
旅立てなかった。
「クソっ!これもダメなの⁉︎」
「すいません…………」
しのぶさんの渾身の毒。それでも私は死なないようだ。本当に、なんで生きてしまう*3のだろう………。生存本能なんか消え去ればいいのに………
するとそこに伊黒さんもやってきた。
「胡蝶、毒の調子は?」
「駄目でした…………」
「本当にしぶとくて厄介な鬼だな。」
「お前らはまだ萌を地味に殺すつもりなんだな。」
「当たり前だろ、宇髄。一度くらい取り繕うことなんか容易だ。」
「元々私たちを散々騙してきた鬼ですからね。これくらい朝飯前でしょう。」
「だから俺は信用しない。」
「私もです。」
「まあ派手にそうかぁ〜。」
伊黒さんとしのぶさんが言うことは正しい。今回だけ味方になったフリをしようとか、かなり容易なはずだ。だから冷たい目で見られる方が、むしろ自然だろう。だって私はそれだけのことをしてきたのだから。
「まあこれから頑張れば良いではないか‼︎‼︎」
「まあ派手にそうだな!」
「ありがとうございます。」
「ただ派手にしくじったら、どうなるか分かるよな?」
「もちろんです。」
そんな私を励ましてくれる煉獄さんと宇髄さん。本当にありがたい。
「もちろん俺は萌ちゃんを信じてるから!だから頼んだよ!」
「うん!」
そして私に全身全霊の信頼を置いてくれる善逸。心優しい彼のために、私は何があっても頑張らなければならない。彼を守り通さなければならない。
その後、ほんの少しの信用が得られたとのことで、私を囲んでお館様と一部の柱を中心に会議が行われた。*4そしてそこで今後の方針が決められた。それは次の通りである。
まずはお館様のツテで、軍の協力を仰ぎ民間人に鬼の存在を知らせることになった。太陽が出なくなったことによる被害はかなり甚大であり、農作物への影響だけでなく鬱や体調不良になる*5人が続出している。もちろん鬼の被害もこれまでにないくらい増えてるため、鬼の存在の公表に至ったのだ。
次の対策は武器の製造。太陽が出なくなったことにより新たな日輪刀の製造はほぼ不可になったが、代わりに藤の花を用いた毒兵器の開発を軍としのぶさんでやることとなった。もちろん厳密には藤の花も太陽が無いことにより光合成が出来ない、などの問題はあるが、太陽の光を浴びないと作れない日輪刀よりはマシだろう。そして武器や軍隊が整ったら、品川の地下にある無限城への大規模攻撃を始める予定だ。
ただし軍人とはいえ、鬼退治に慣れてない方々が鬼に挑むのは難易度が高い。特に上弦は柱でも厄介なのだから、一般人にはまず無理だろう。だからすべきことは、
「上弦の各個撃破………ね。」
「はいっ!」
敵戦力を削ることだ。
「上弦は生息地が決まってる者もいれば、決まっていない者もいます。特に陸はその生息地から動くことがほぼありません。」
「なるほど………それで、上弦の陸はどこにいるのかね?」
「それは、吉原の遊郭です。どの店にいるかは存じ上げませんが………」
あの2人は仕事柄遊郭を動かない。だから各個撃破にはうってつけだ。
「それじゃあ萌と善逸と…………義勇としのぶ、頼んだよ。」
「「「「御意。」」」」
そして戦力は私と善逸と柱2人。あの2人の相手にはうってつけだ。上弦………特に妓夫太郎の相手は大変だが、必ず倒してやるぞ!
ということです、第六章・無限列車編が終了です!この章は萌の死に方判明と鬼殺隊として役立てるかの証明がメインだったので、かなりあっさりした構成になりました。
さて、次回からは第七章・遊郭編が始まります。W我妻とぎゆしのがどう謝花兄妹を攻略するのか?それは次回からのお楽しみに!
最後に、評価・感想をお願いします。