我妻物語   作:スピリタス3世

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第四十八話 阿鼻叫喚

  side 萌

 

 人が人を食い始めた?しかも同時に何人も?なんだ、何が起こってるんだ?

 

「萌ちゃん、あの人たちが人を殺す前に殺すよ!」

「う、うん!」

 

 とりあえず善逸の指示に従い、かじりついてる人のところに駆け込む。

 

「なんだお前、急にかじるな!」

「あぁぁぁぁ‼︎あぁぁぁぁ‼︎」ガジ、ガジ

「とりあえず私に任せて下さい!」

「助かる………って痛っ‼︎」

 

 そしてまずは無理矢理口を開いて引き剥がす。このままでは刀が振れないからだ。

 

「あぁ、あうあ!」

「いてて………た、助かった!」

「どういたしまして!」

 

 とりあえずなんとか引き剥がせた…………ってなんか妙だ。食おうとしてる鬼みたいな人が異様な反応をしてる………。まるで食いたくないのに食わざるを得ないみたいな…………というか歯が違う‼︎鬼じゃない、人間のものだ‼︎ならば眼も………そうだ。これも人間のものだ!私と同じ血鬼術の可能性もあるが…………このまま殺すのはマズい気がする‼︎

 

「善逸、一旦殺さないで!」

「えっ、なんで⁉︎」

「その人たち人間かも‼︎」

「はぁっ⁉︎」

 

 罪なき人が殺されるのは、あってはならないことだ。そして、善逸が人殺しになってしまうのは、もっとあってはならないことだ!

 

「とにかくその人を引き剥がしながら、ちゃんと音聞いて‼︎」

「わ、分かった…………!」

 

 さて、どう出るか…………?

 

「萌ちゃん、人間の音がする!ちょっとだけ鬼の音もするけど‼︎」

 

 人間の音………ならやっぱりこれは人間!でもちょっとだけ鬼の音がする………?それなら鬼になりたてか?鬼になりたてで、理性がまだあるのか?

 

 

 

 

 そうして私が迷ってると、

 

「萌、善逸君、何があったの⁉︎」

 

 珠世さんとの会談を終えたしのぶさんが戻ってきた。とりあえず事情を伝えないと!

 

「人間が人間に喰らいかかってます!」

「はぁ⁉︎」

「とりあえず食らいついてる人間を引き剥がしてください!」

「わ、分かった……」

 

 これでしのぶさんが人殺しになることも無くなった………いや、鬼かもしれないけど…………というか本当にそうだったらどうする⁉︎取り返しがつかなくなったりしたら……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」

「えっ⁉︎ちょっと、急に俺のとこ来ないでぇぇぇぇ⁉︎」

 

 って何が起こった⁉︎さっきまで人を襲ってた5人が、全員一斉に善逸に襲いかかった⁉︎

 

「萌、とりあえずこの人たちを止めるわよ!」

「は、はい!」

 

 しのぶさんの指示で、善逸のそばにいる1人以外の人間を押さえつける。相手から跳ね返す力はない。ということは、この人たちは人間か?もし鬼なら、もっと抵抗する力が強くてもおかしくはない。いや、鬼になりたてだから………

 

 そうやって迷っていると、

 

「萌ちゃん、しのぶさん。」

「「何?」」

「この人たちから、ものすごく苦しそうな音も聞こえてきた。」

 

 善逸がその人たちの感情を代弁してくれた。苦しそう、鬼になりたてでか?それとも…………もしやさっき善逸が急に標的になったのって………人間が人間を襲う、そう誰かに仕向けられてたのだとしたら…………

 

「善逸、この人たちに日輪刀を、ほんの少しだけ刺して。」

「「ほんの少し?」」

「とりあえずお願い。」

「わ、分かった………」

 

 現状私としのぶさんは両手に人だ。1人しか相手してない善逸にやらせるのが適当だろう。

 

「ご、ごめんなさい!」プスッ

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 こうして善逸がほんの少しだけ日輪刀で刺すと…………

 

「鬼の音が………消えた?」

 

 私の予想はぴたりと当たった。

 

「や、やった!思い通りに身体が動く‼︎痛いけど‼︎」

 

 そして善逸に刺された男の人が嬉しそうに喋り出す。

 

「ど、どういうことです?」

「俺たちは何かに操られてたんだ‼︎マジでマジで‼︎」

「「操られてた…………?」」

 

 やっぱり私の予想が当たった。

 

「恐らく鬼の血鬼術です。人を直接操ってるのでしょう。日輪刀を刺したら元に戻ったのは、そのためです。」

「萌ちゃん、そんな鬼がいるの⁉︎」

「多分…………」

「というか、なんでそれを言わなかったのよ⁉︎」

「私もそんな鬼がいるとは知りませんでした。恐らく新しい鬼かと………」

「「なるほど………」」

 

 正直私も誰の仕業だかは分からない。ただ、人間を操る鬼がいる。これは由々しき事態だ。最悪の場合、鬼殺隊が操られてしまう。もしや珠世さんか………?あの人は似たような血鬼術を持ってたような………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何が………起こってるのです?」

「どういうことだ。ちゃんと珠世様に説明しろ。」

 

 その予想は、困惑しながらやってきた珠世さんと愈史郎によって打ち消された。

 

「と、とりあえず善逸は日輪刀でこの人たちを解放して!」

「分かった!」

「珠世さんと愈史郎さんには治療をお願いします!」

「わ、わかりました………」

 

 その後、私たちは操られている人たちに日輪刀を刺して解放し、その時につけてしまった傷を珠世さんたちに治させることにした。

 

 

 

 5人を操りから解放した後、私と善逸としのぶさんで話し合うことにした。

 

「とりあえず、この近くに危険な鬼がいるわね。」

「でも萌ちゃんが知らないってことは、上弦じゃないんでしょ?」

「多分………上弦ってそう簡単にはなれないし………」

「なら血鬼術だけ厄介な鬼ね。今すぐ見つけ出して殺すよ‼︎」

「「はいっ‼︎」」

 

 今の上弦に人を操れる奴はいない…………はずなんだが………

 

「「「「「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」

 

 って今度は何だ⁉︎さっき襲われてた人達が、今度は私たちに向かって襲いかかってきたぞ⁉︎

 

「なんだよ、もぉぉぉぉぉ‼︎またかよぉぉぉぉ⁉︎」

「珠世さんへの負担がえげつないですね………」

「とりあえず対処しないと‼︎」

 

 本当に厄介な鬼だ。ただ、誰でも操れるわけではないのだろう。現に私たちは操られていない。一定の強さがあると、その鬼の血鬼術に勝てる仕組みか…………?

 

「「「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」

「なんか3人も増えたんだけどぉぉぉぉ⁉︎」

 

 更に操られた人間が増える。さっきまでの時間とは関係なかった人達だ。くそっ、この沢山の人たちに殺さないように、かつ殺されないように動くのは難しい‼︎それでいて、鬼も探さなきゃいけない‼︎この人数じゃあ無理だ‼︎

 

「しのぶさん、応援を頼みましょう!しかもある程度の強さの!」

「そうね!とりあえず私の鴉と、我妻2人共通の………なんだっけ?」

「チュン太郎です!」

「そう、その子たち、お願い‼︎」

「かしこまりました。」*1

「チュン、チュン‼︎」

 

 流石に駆けつけた人が操られたんじゃ話にならない。だからある程度の強さを最低条件とした。

 

 さてと、早く鬼を探さないと‼︎このままだと、大変なことになる‼︎

 

 

 

 

 

 

  side ??

 

 あっ、確かあの鴉と雀に伝書鳩的な役割を持たせてたっけ。なら殺そ〜っと♪

 

 それにしても、鬼殺隊はホント馬鹿だね〜♪強さばかり求めて、頭をちっとも使っちゃあいない。そして、単純な善悪の基準に縛られ過ぎている。それ故に、簡単に追い詰めることが出来る。だってお前ら、人間、殺せないだろ?

*1
しのぶさんの鴉は適当に創作しました。




 ということで、人間を操る鬼が登場しました。鬼殺隊は基本的に人を殺せないので、かなり厄介な鬼ですね。最悪人間を盾にできるので。

 そして、チュン太郎(としのぶさんの鴉)にまさかの死亡フラグです。果たしてどうなるのか、次回のお楽しみに!

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