side 萌
人が人を食い始めた?しかも同時に何人も?なんだ、何が起こってるんだ?
「萌ちゃん、あの人たちが人を殺す前に殺すよ!」
「う、うん!」
とりあえず善逸の指示に従い、かじりついてる人のところに駆け込む。
「なんだお前、急にかじるな!」
「あぁぁぁぁ‼︎あぁぁぁぁ‼︎」ガジ、ガジ
「とりあえず私に任せて下さい!」
「助かる………って痛っ‼︎」
そしてまずは無理矢理口を開いて引き剥がす。このままでは刀が振れないからだ。
「あぁ、あうあ!」
「いてて………た、助かった!」
「どういたしまして!」
とりあえずなんとか引き剥がせた…………ってなんか妙だ。食おうとしてる鬼みたいな人が異様な反応をしてる………。まるで食いたくないのに食わざるを得ないみたいな…………というか歯が違う‼︎鬼じゃない、人間のものだ‼︎ならば眼も………そうだ。これも人間のものだ!私と同じ血鬼術の可能性もあるが…………このまま殺すのはマズい気がする‼︎
「善逸、一旦殺さないで!」
「えっ、なんで⁉︎」
「その人たち人間かも‼︎」
「はぁっ⁉︎」
罪なき人が殺されるのは、あってはならないことだ。そして、善逸が人殺しになってしまうのは、もっとあってはならないことだ!
「とにかくその人を引き剥がしながら、ちゃんと音聞いて‼︎」
「わ、分かった…………!」
さて、どう出るか…………?
「萌ちゃん、人間の音がする!ちょっとだけ鬼の音もするけど‼︎」
人間の音………ならやっぱりこれは人間!でもちょっとだけ鬼の音がする………?それなら鬼になりたてか?鬼になりたてで、理性がまだあるのか?
そうして私が迷ってると、
「萌、善逸君、何があったの⁉︎」
珠世さんとの会談を終えたしのぶさんが戻ってきた。とりあえず事情を伝えないと!
「人間が人間に喰らいかかってます!」
「はぁ⁉︎」
「とりあえず食らいついてる人間を引き剥がしてください!」
「わ、分かった……」
これでしのぶさんが人殺しになることも無くなった………いや、鬼かもしれないけど…………というか本当にそうだったらどうする⁉︎取り返しがつかなくなったりしたら……………
「「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」
「えっ⁉︎ちょっと、急に俺のとこ来ないでぇぇぇぇ⁉︎」
って何が起こった⁉︎さっきまで人を襲ってた5人が、全員一斉に善逸に襲いかかった⁉︎
「萌、とりあえずこの人たちを止めるわよ!」
「は、はい!」
しのぶさんの指示で、善逸のそばにいる1人以外の人間を押さえつける。相手から跳ね返す力はない。ということは、この人たちは人間か?もし鬼なら、もっと抵抗する力が強くてもおかしくはない。いや、鬼になりたてだから………
そうやって迷っていると、
「萌ちゃん、しのぶさん。」
「「何?」」
「この人たちから、ものすごく苦しそうな音も聞こえてきた。」
善逸がその人たちの感情を代弁してくれた。苦しそう、鬼になりたてでか?それとも…………もしやさっき善逸が急に標的になったのって………人間が人間を襲う、そう誰かに仕向けられてたのだとしたら…………
「善逸、この人たちに日輪刀を、ほんの少しだけ刺して。」
「「ほんの少し?」」
「とりあえずお願い。」
「わ、分かった………」
現状私としのぶさんは両手に人だ。1人しか相手してない善逸にやらせるのが適当だろう。
「ご、ごめんなさい!」プスッ
「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」
こうして善逸がほんの少しだけ日輪刀で刺すと…………
「鬼の音が………消えた?」
私の予想はぴたりと当たった。
「や、やった!思い通りに身体が動く‼︎痛いけど‼︎」
そして善逸に刺された男の人が嬉しそうに喋り出す。
「ど、どういうことです?」
「俺たちは何かに操られてたんだ‼︎マジでマジで‼︎」
「「操られてた…………?」」
やっぱり私の予想が当たった。
「恐らく鬼の血鬼術です。人を直接操ってるのでしょう。日輪刀を刺したら元に戻ったのは、そのためです。」
「萌ちゃん、そんな鬼がいるの⁉︎」
「多分…………」
「というか、なんでそれを言わなかったのよ⁉︎」
「私もそんな鬼がいるとは知りませんでした。恐らく新しい鬼かと………」
「「なるほど………」」
正直私も誰の仕業だかは分からない。ただ、人間を操る鬼がいる。これは由々しき事態だ。最悪の場合、鬼殺隊が操られてしまう。もしや珠世さんか………?あの人は似たような血鬼術を持ってたような………
「何が………起こってるのです?」
「どういうことだ。ちゃんと珠世様に説明しろ。」
その予想は、困惑しながらやってきた珠世さんと愈史郎によって打ち消された。
「と、とりあえず善逸は日輪刀でこの人たちを解放して!」
「分かった!」
「珠世さんと愈史郎さんには治療をお願いします!」
「わ、わかりました………」
その後、私たちは操られている人たちに日輪刀を刺して解放し、その時につけてしまった傷を珠世さんたちに治させることにした。
5人を操りから解放した後、私と善逸としのぶさんで話し合うことにした。
「とりあえず、この近くに危険な鬼がいるわね。」
「でも萌ちゃんが知らないってことは、上弦じゃないんでしょ?」
「多分………上弦ってそう簡単にはなれないし………」
「なら血鬼術だけ厄介な鬼ね。今すぐ見つけ出して殺すよ‼︎」
「「はいっ‼︎」」
今の上弦に人を操れる奴はいない…………はずなんだが………
「「「「「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」
って今度は何だ⁉︎さっき襲われてた人達が、今度は私たちに向かって襲いかかってきたぞ⁉︎
「なんだよ、もぉぉぉぉぉ‼︎またかよぉぉぉぉ⁉︎」
「珠世さんへの負担がえげつないですね………」
「とりあえず対処しないと‼︎」
本当に厄介な鬼だ。ただ、誰でも操れるわけではないのだろう。現に私たちは操られていない。一定の強さがあると、その鬼の血鬼術に勝てる仕組みか…………?
「「「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」
「なんか3人も増えたんだけどぉぉぉぉ⁉︎」
更に操られた人間が増える。さっきまでの時間とは関係なかった人達だ。くそっ、この沢山の人たちに殺さないように、かつ殺されないように動くのは難しい‼︎それでいて、鬼も探さなきゃいけない‼︎この人数じゃあ無理だ‼︎
「しのぶさん、応援を頼みましょう!しかもある程度の強さの!」
「そうね!とりあえず私の鴉と、我妻2人共通の………なんだっけ?」
「チュン太郎です!」
「そう、その子たち、お願い‼︎」
「かしこまりました。」*1
「チュン、チュン‼︎」
流石に駆けつけた人が操られたんじゃ話にならない。だからある程度の強さを最低条件とした。
さてと、早く鬼を探さないと‼︎このままだと、大変なことになる‼︎
side ??
あっ、確かあの鴉と雀に伝書鳩的な役割を持たせてたっけ。なら殺そ〜っと♪
それにしても、鬼殺隊はホント馬鹿だね〜♪強さばかり求めて、頭をちっとも使っちゃあいない。そして、単純な善悪の基準に縛られ過ぎている。それ故に、簡単に追い詰めることが出来る。だってお前ら、人間、殺せないだろ?
ということで、人間を操る鬼が登場しました。鬼殺隊は基本的に人を殺せないので、かなり厄介な鬼ですね。最悪人間を盾にできるので。
そして、チュン太郎(としのぶさんの鴉)にまさかの死亡フラグです。果たしてどうなるのか、次回のお楽しみに!
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