side 萌
私と善逸は無限城にて、かつての師匠と遭遇した。
「萌………最後の修行を………始めようか………」
「黒死牟様…………っ!」
私に月の呼吸を教えてくれた師匠。色々と恩はあるし、感謝はしているが、今は正直会いたくなかった。善逸と私。この2人でこの人を倒すのは、まず無理だからだ。
「ねえ、萌ちゃん。逃げ切れる気がしないんだけど。」
「善逸、諦めて。この人から逃げるなんて、それこそ倒した方が早いわ。」
「だよね…………」
だからといって退路もない。絶望だ。
「萌………何を戸惑ってる………」
「いえ…………」
「まあよい………始めるか………」
「はい。」
こうなったら、もはや足掻くだけ足掻くしかあるまい。倒すか、黒死牟様を。
「「「……………」」」
そして、3人の間に緊張が走る。いつ動くのか、相手の出方を見る。透き通る世界を使って…………今だっ!
「月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」
私が一直線に踏み込み突っ込む。
「おお………だいぶ動きが………よくなったな………」
だが、黒死牟様に楽々と避けられてしまう。まだか、まだ速度が足りないのか……っ!
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」
「ふむ………速さは申し分ないな………」
善逸の霹靂一閃でさえ楽に避けられる。やはり単体で戦って勝てる相手じゃない。
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」
「おお………やはり速さが素晴らしい………」
だから善逸の攻撃を避ける場所を、透き通る世界を使って見越して、
「月の呼吸 壱の型 闇月・宵の宮」
私も攻撃を打ち込む!
「おお………2人の仲も………いいようだ…………」
くそっ、これさえも避けられるのかっ‼︎
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」
「月の呼吸 参の型 厭忌月・銷り」
「なるほど………」
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」
「月の呼吸 陸の型 常世孤月・無間」
「素晴らしい…………」
何度やれども対応されてしまう。これが上弦の壱、十二鬼月最強の鬼か…………
「これは………此方も抜かねば………無作法というもの………」
って来る、師匠の攻撃が‼︎ここは私が善逸を庇わないと‼︎
「月の呼吸 壱の型 闇月・宵の宮」
「くっ…………!」
「萌ちゃん‼︎」
すぐに反応して善逸の前に出る。おかげで斬れたのは私の腹だけだった。
「おお………男を………庇ったか………」
「月の呼吸 漆の型 厄鏡・月映え」
すぐに反撃技を打ち込む。
「そして咄嗟の反応…………」
だがかわされた。
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 六連」
「技の進化も………また良き………」
善逸がすぐに攻撃してくれるが、それも避けられる。ならばここは息を合わせて………っ!
「月の呼吸 肆の型 年災月殃」
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃 四連」
一気に突っ込む………っ‼︎
「月の呼吸 陸の型 常世孤月・無間」
って陸の型……っ!一気に私たちを斬り刻む気か………っ!ダメだ、善逸を庇うのが間に合わない………っ!
「「ぐわぁ………っ!」」
正面から突っ込んだ私はもちろん、横から突っ込んだ善逸も攻撃を食らってしまった。しかも善逸は私と違って体力が回復しない。どうすればいい……っ⁉︎
「萌ちゃん………俺に………構うな……っ!」
「善逸…………」
そんな私を心配させまいと、善逸が気を遣ってくれる。
「懐かしき感覚………そういえば私にも………妻子が居たな………」
対する黒死牟様は余裕の態度。くそっ、なんとか状況を覆せないのか………っ!
「月の呼吸 拾陸の型 月虹・片割れ月」
「月の呼吸 肆の型 年災月殃」
私の拾陸の型もすぐに対処されてしまった………っ!
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃・神速」
「おお…………素晴らしい速さ………着物が少し………破けてしまった………」
だけど善逸がなんとか攻撃を当ててくれた!いや、かすっただけか………いや、それだけでも充分だ‼︎
「月の呼吸 拾肆の型 兇変・天満繊月」
「おお………更に服が………月の呼吸 弐の型 珠華ノ弄月」
これでもまだ服が破れるだけか…………服くらい私だって破けてるのに、血の一滴くらいは流して欲しいものだ。
「月の呼吸 拾参の型 闇夜ノ円舞・月輪」
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃・神速」
「おっと…………」
やっと攻撃が当たった‼︎イケるぞ…………って私の攻撃が刀で塞がれてる……………ってこれほアレが来るっ‼︎
「「月の呼吸 伍の型 月魄災禍」」
黒死牟の伍の型に合わせて私も伍の型を出す。相討ち上等の攻撃だ‼︎
「雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃」
「おおっ…………」
そしてすかさず善逸がその後に攻撃する。いいぞ、少しずつだが当たってきてる………っ‼︎
しかし、ここである問題が発生した。
「ふぅ………ふぅ………」
善逸の足取りがおぼつかないのだ。それもそのはず、もう既に何回も攻撃を食らってしまっている。出血も多量な上、武器となる脚も酷使してしまっているこの状況…………ハッキリ言って限界も近いだろう……やだよ、そんなの!善逸、死なないで‼︎
「ここまで持ち堪えたが………もう限界か………」
「嫌、嫌ぁぁぁ‼︎」
「萌ちゃん、大丈夫…………」
「強くなれる素質はある………どうだ、鬼にならないか………?」
「なら………ねえよ………」
「技の保存が………出来るのだぞ………」
「そんなの………どうでもいい…………」
ふらつく足でなんとか意地を見せる。心も折れてない。この状況で鬼にならないと言える強さが、私が彼を好きな理由だ。
「そうか………それは残念だ…………」
だからここは、私が頑張る番だ‼︎善逸を絶対に、守ってみせる‼︎
「月の呼吸 拾漆の型 絶技・日喰」
精一杯の血を振り絞り、刀に巻きつけて辺り一面を斬り刻む。もちろん善逸には当たらないように。月の呼吸最強の絶技で、黒死牟様を倒すんだ‼︎
そして私は急激な大量出血により、貧血で足元がおぼつかなく中、
「やるでは………ないか……っ!」
黒死牟様に命中したのを、なんとか見ることが出来た。
「どうです………私の日喰は………っ!」
「小柄ながら………大したものだ………これは本気を………出さないとな………」
くそっ、そういえば師匠、まだ刀を伸ばしてなかった………っ!ここからまだ………あるのか…………マズい、私まで意識が遠のいたら………善逸が………死んじゃう…………頭が………クラクラする………
「雷の呼吸 弐の型 稲魂」
善逸………っ!弐の型、覚えてたんだ………っ!凄い………ってあれ?なんか善逸にしては………声が………低いような…………
って視界が逆さまになってる?ってことは………私の首………もしや………斬られた………?というか………あの黒服の人………誰?
ということで、黒死牟戦が始まりました。2人のコンビネーションが上手いのと、萌が鬼であることから、柱が居ないのに割と善戦しています。まあ善逸は満身創痍で、萌も動けないくらい貧血になってますけど。
そしてクズこと獪岳登場です!萌たちが一生懸命戦ってる隙を見て攻撃してきました。今後どうなるかは次回のお楽しみに!
最後に、評価・感想をお願いします。