我妻物語   作:スピリタス3世

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第五十四話 カスとクズ

  side 萌

 

 私の首が………落とされた?

 

「我妻萌、撃破!これで上弦の伍は確実だな‼︎」

 

 誰だ………この黒服の男は?というかこれって………隊服?でも上弦の………陸?妓夫太郎の後任か?

 

「獪岳………何故ここに来た………?」

「黒死牟様、申し訳ございません。我妻萌の姿が見えたので、つい。」

「不意打ち………か。」

「ええ‼︎」

 

 くそっ………こんな奴に………首を斬られるとは………でもっ、私は首が………再生………出来る……っ!

 

「ってくそ‼︎なんで首が再生すんだよ⁉︎おかしいだろ⁉︎」

「私の………予想通り………か……」

「どうするんです、コイツ⁉︎」

「あのお方の………ところに……持っていって………吸収………させる………」

 

 早く再生しろ……っ!怪我も治れ……っ!じゃないと善逸まで死んじゃう‼︎

 

「おお、あんなところにカスがいるじゃねえか‼︎弱過ぎて気づかなかったぜ‼︎」

 

 くそっ、コイツめ………っ!善逸のことをバカにしやがって………っ!

 

「許さない………許さないぞ………っ!」

「おいおい、大人しくしてろや。低血圧のザコが‼︎だから再生が他の鬼より遅えんじゃねえのかぁ⁉︎」

「貴方が何をバカにしてようといいけど………善逸は………善逸のことだけは………っ!」

「あのカスがどうしたんだよ⁉︎まさか好きってか⁉︎あんなビビリでサボりで壱の型しか使えないザコが⁉︎」

 

 くそっ、殺してやる………殺してやるぞ、獪岳………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雷の呼吸 漆の型 火雷神」

 

 ってあれ?いつの間にか、獪岳の首が飛んで………る?

 

「おお、やっと目を覚ましたか、カス………ってなんで俺の首が斬られてるんだ⁉︎」

「ザコはお前だよ、クズ。」

「くそっ、許さねえ、許さねえ‼︎だいたいあのジジイめ、コイツだけに贔屓しやがって‼︎そんな型、俺は教わって………な……い………」

 

 善逸………っ!ボロボロの身体になりながら、新しい型で倒したのか‼︎しかも一撃で上弦を‼︎あっという間に獪岳は塵となって消えた。

 

「違えよ。じいちゃんはそんな耄碌なんてしねえ………コレは………俺が生み出した型………。これで………兄貴と………型を並べて………戦い………たか………った………」バタン

「善………逸………?」

 

 兄貴?もしやこの人が、善逸がたまに話題に出してた兄弟子?鬼に堕ちて、仲違いをしてたのか………

 

 それでも最後まで、兄弟子と一緒に戦えることを考え続けてたなんて………やはり私はこの人のこういうところが好きだ。

 

「いい………剣技だ………是非とも鬼となり………磨くことを勧める………」

 

 そして善逸が気絶した今、身体が回復してきた私が黒死牟様、いえ、黒死牟を倒すしかない。恐らく善逸はまだ生きている。善逸が死ぬ前に倒し、そしてすぐに善逸を治療するんだ‼︎

 

「彼は鬼にはなりません。いえ、私がさせません。」

「そうか…………」

「黒死牟様、貴方には色々なことを教わりました。これで人を守れました。ありがとうございます。」

「そうか…………」

「これで師弟関係は終了です。これからは敵同士、決着をつけましょう。」

「ああ……………」

 

 こうして私は日輪刀を抜き、渾身の力で……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴゴゴゴゴゴゴォ‼︎

 

 ってなんだこの爆音⁉︎一体何が起きた⁉︎

 

「なんだ………?」

 

 黒死牟も知らない様子。となるとこれは一体………?

 

 すると天井を突き破って、

 

「我妻2人に………上弦の壱か。岩の呼吸 弐の型 天面砕き」

「鬼殺隊を裏切り鬼へと堕ちた悪鬼。俺はそんな存在、絶対に許さない。蛇の呼吸 壱の型 委蛇斬り」

「蛇の呼吸の使い手………素晴らしい………が、痣者なのが………残念だ………」

 

 悲鳴嶼さんと伊黒さんが落ちてきた。柱2人、しかも片方は最強‼︎もう片方は痣が出てる‼︎これは助かるぞ………っ!

 

「月の呼吸 拾陸の型 月虹・片割れ月」

「くそっ………!なんだよあの長い刀は⁉︎鏑丸、気をつけろ‼︎」

「間合いも長いな。これが上弦の壱………っ!」

 

 そんな2人すらも、簡単に対処してしまう黒死牟。やはり異次元の強さだ。ここは3人体制で倒しにいかないと………っ!

 

「雷の呼吸………壱の………」

 

 って善逸が動こうとしてる‼︎まだ怪我が全然治ってないのに‼︎

 

「ダメ、善逸‼︎応急処置して休んでて‼︎」

「そんな傷だらけの身体でどう役立てるというのだ?まずは出血を止めることだろう?そんなことを忘れてどうする?」

 

 伊黒さんまで善逸を止めてくれた。これはありがたい!

 

「萌ちゃん……伊黒さん………悲鳴嶼さん………」

「しばらくは我ら3人で立ち向かう。怪我が十分治ってから参戦しろ。」

「はい…………」

 

 悲鳴嶼さんの一言で休んでくれた善逸。頼むから死なないでね!

 

「頭数を………減らすことが………最優先………月の呼吸 拾伍の型 月槍・陰牙突」

 

 って黒死牟が突っ込んできた‼︎善逸を殺そうとしてる‼︎ここはなんとしても、善逸を守らないと‼︎

 

「正面は私がやる‼︎岩の呼吸 壱の型 蛇紋岩・双極」

 

 悲鳴嶼さんが鎖で繋がれた斧と鉄球を前方に投げ、黒死牟の突撃を止めようとする。そして伊黒さんがすぐさま攻撃の右側に回った。なるほど、そういう意図か!なら私は左から‼︎

 

「蛇の呼吸 弐の型 狭頭の毒牙」

「月の呼吸 参の型 厭忌月・銷り」

 

 これで挟み撃ちだ‼︎

 

「月の呼吸 拾参の型 闇夜ノ円舞・月輪」

 

 って今度は一回転してきたか‼︎私と伊黒さんを同時に薙ぎ払うつもりか………っ‼︎

 

「「くっ…………!」」

 

 2人とももろに攻撃を受けてしまった。私はともかく、伊黒さんですら対応しきれない速度なのか………これが上弦の壱の力か……っ‼︎

 

「岩の呼吸 伍の型 瓦輪刑部」

「月の呼吸 拾の型 繊面斬・羅月」

「くそ………っ!ここで死んでは無駄になる‼︎」

「お前も痣を………出してしまったのか………」

 

 そして悲鳴嶼さんですら、黒死牟の攻撃に少し当たってしまった。更には温存しなきゃいけなかった悲鳴嶼さんの痣。それを出させてしまった。これで今夜中に無惨を倒さなければ、私たちは最大戦力を失う事になる‼︎それは避ければならぬ事‼︎

 

「行くぞ、我妻萌。」

「はいっ!」

 

 だから私は伊黒さんと息を合わせ、一気にたたみかける‼︎

 

「蛇の呼吸 参の型 塒締め」

「月の呼吸 肆の型 年災月殃」

 

 伊黒さんが黒死牟の周りを回りながら攻撃する。それに合わせて私は下から攻撃する。

 

「月の呼吸 拾肆の型 兇変・天満繊月」

「「ぐわ……………っ!」」

 

 それに対する黒死牟の縦横無尽な攻撃。それを2人とも食らってしまった。

 

「岩の呼吸 参の型 岩軀の膚」

「月の呼吸 弐の型 珠華ノ弄月」

「蛇の呼吸 肆の型 頸蛇双生」

「月の呼吸 玖の型 降り月・連面」

 

 何度攻撃しても勝てる見込みがない。くそっ、この人数でもダメなのか………っ‼︎

 

 

 

 

 その後も何度か私たちは戦うも、黒死牟に致命傷を与えることはできなかった。悲鳴嶼さんはあまり怪我をせず、今も黒死牟の相手をしているが、

 

「くそっ………甘露寺の為にも、鬼を殺さねばならないのに………っ!」

 

 伊黒さんが割と攻撃を受けていた。善逸ほどではないにしろ、この傷は結構辛いはずだ。

 

「我妻萌………俺は最初、お前が嫌いだった。」

 

 そんな伊黒さんが、私に話しかけてきた。

 

「甘露寺さんを傷つけたから………ですよね?」

「ああ。」

 

 この人は柱の中で、恐らく私への好感度が1番低かった。それはそうだろう。大好きな人を傷つけられているのだから。

 

「だが甘露寺に泣きつくお前を見て………ほんの少し………ほんの少しだけ………お前を認めるようになった。」

「ありがとうございます。」

 

 私が甘露寺さんを尊敬するようになったことで、その考えも少し改まったらしい。

 

「そして今………お前の恋人は瀕死だ………どうだ、愛する者が傷つく感覚は?」

「とても………辛いです。」

「だろう………俺も同じだ。」

 

 そして善逸が瀕死。まだ生きているとはいえ、早くしないと間に合わないかもしれない。恋人を喪う辛さは、とても今の比ではないだろう。

 

「我妻萌………俺たちで鬼を滅ぼすぞ。」

「はいっ………!」

 

 似たような境遇になったことにより、伊黒さんは私を認めてくれるようになった。こうして鬼殺隊の人たちがどんどん認めてくれるたびに、過去の過ちが重くのしかかってくる。そしてすべき事に対する責任感が、更に重くなっていく。私は無惨を倒す為にも、ここで死ぬわけにはいかない‼︎そして善逸を幸せにするためにも、彼を死なせるわけにはいかない‼︎

 

 

 

 そんな事を思っていると、

 

「萌と………蛇の呼吸使い………赫刀………だと………?」

 

 私の日輪刀の色は、紫から赫に変わっていた。

 

「南無阿弥陀仏。貴様は我ら3人が、ここで討ち果たす‼︎」

「岩の呼吸使い………お前もか………っ‼︎」

 

 そして悲鳴嶼さんも、自身の斧と鉄球をぶつけて赫刀を作り出していた。これならいける、黒死牟を倒せるぞ‼︎




 ということで、獪岳は即死しました。過去最速じゃないですか?

 そして伊黒さんと悲鳴嶼さんの乱入‼︎原作の展開と同じ、産屋敷ボンバー&珠世さんのお薬&Mr.浅草の攻撃の後、無惨が無限城に柱を引き入れてます。その後悲鳴嶼さんと伊黒が壁をぶち壊して乱入しました。

 さて、次回で黒死牟戦は決着です。お楽しみに!
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